2010年11月24日水曜日

お金ができる仕組み (2/5)

お金ができる仕組み。(2/5)
 



<字幕編集>

 長い間のうち、中央銀行に支えられた銀行ネットワークの準備預金制度は、世界的に広がりました。

 同時に、マネーに対する金の裏づけの割合は、着実にしぼんでゆきました。

 お金の基本の性質が変わったのです。

 以前は、お金は価値を表していたのですが、現在は負債を意味します。

 過去においては、紙幣のドルは金銀に交換出来る、兌換券でした。

 現在では紙幣、あるいは銀行口座の数字であるドルは、単に他の紙幣、および数字のドルに交換出来るものでしかありません。

 過去には、個人的につくられた受領書での支払いを、私たちが受取ることを拒否出来たように、人々が受取り拒否出来る形で、民間銀行の紙幣が存在しました。

 現在では、民間銀行がつくったお金が、政府の認める合法的な不換紙幣となってます。

 私たちがお金とみなしている、ドル、カナダドル、ポンドです(+円)。

 法定通貨は、政府によってつくられます。

 法律では、市民がこの法定通貨を受け入れなければならないと明言しており、このお金を使わないと、裁判所は助けてくれません。

 そこで質問です。

 もし政府と銀行、両方がお金を創造できるとして、一体いくらのお金が存在するのでしょうか?

 過去には、お金の総量は、実際にある貴金属の総量に限られていました。

 たとえば地下の洞窟から、新しい金銀が見つかった場合、それに見合うお金がつくり出されていたわけです。

 現在では文字通り、お金は借金として創り出されています。

 新しいお金は、誰かが銀行からお金を借りると創られるのです。

 結果としてお金の総額は、人々が借りられる限界の総借金額となります。

 アメリカの総負債

 1957年 >> 5兆ドル

 2006年 >> 45兆ドル

 政府は、新しいお金の創造に、準備預金制度として知られるルールを強制することによって、法的限度を設けました。

 基本的に、預金準備率は任意で、国ごとに、そして時々変化します。

 過去において銀行は、少なくとも金庫の中の、実際の金1ドルの価値に対して、10ドルのお金を創造出来るのが普通でした。

 今日、預金準備率は金の保有量に限定されず、新しく信用創造される金額は、銀行が所有する資産によります。

 今日、銀行は、二つのものから成る資産を持っています。

 政府の発行した現金と銀行が中央銀行に預けているお金。プラス、銀行が持っている口座預金の総額です。

 これを簡単に説明しましょう。

 創造してください。

 新しい銀行がスタートしました。

 預金者はまだいません。

 しかしながら銀行が、資本金から1,111.12ドルの現金を、保証金のため中央銀行に預けます。

 銀行の預金準備率は、9:1です。

 ステップ1

 ドアが開き、新しい銀行は最初のローンのお客様を迎えます。

 彼は車を買うために、1万ドルが必要です。

 新しい銀行は、9:1の準備率で、中央銀行に預金があります。

 これは、ハイパワードマネーと呼ばれるもので、これを元手に借り手の借金の誓約があれば、9倍の1万ドルものお金を無から創造することが、合法的に認められています。

 この1万ドルは、どこからか持ってきたものではありません。

 その真新しいお金は、単純に銀行の信用貸しとして、借り手の口座にタイプされたものです。

 借り手は中古車を買うために、銀行クレジットの署名欄にサインします。

 ステップ2

 それから車の売り手は、新しく作られた1万ドルを、彼女の口座に預金します。

 中央銀行に預金されたハイパワードマネーと違って、この新しく創られたお金は、準備率によって増やすことが出来ません。

 その代わりそれは、その準備率によって分けられます。

 9:1の割合で、新しいローンの9,000ドルが、1万ドルの預金を元に創造されます。

 ステップ3

 もしその9,000ドルが、その後第三者によって、同じ銀行に預金されたとしたら、同じ銀行が創ったものであれ、あるいは違う銀行のものであれ、それは3回目の信用創造の合法的な基礎になります。

 今回信用創造出来る金額は、8,100ドルです。

 ロシア人形が、その内側にさらに小さい人形が、順番に入っているようなものです。

 各々の新しい預金が、減少しながらも、次の新しいローンを生み出す元になっていくのです。

 もしもローンで創られたマネーが銀行に預けられないならば、その工程は止まります。

 それはお金の創造メカニズムにとって、あってはならないことです。

 しかし実際は、新しいお金は預金され、この工程が繰り返されることによって、10万ドルまで、新しいお金が創造されることになります。

 この新しいお金は、すべて借金によって創られたものです。

 このような工程が、最初に中央銀行に1,111.12ドルを預けることによって、合法的に認められているのです。

 1,111.12ドルは、中央銀行に誰にも触られることなく残っています。

 しかもこの天才的システムのもとでは、銀行の帳簿は、その銀行の融資額よりも預金額の方が、10%以上多いことになります。

 このことは一般的な印象として、銀行の融資が預金から出ていると誤解させ、預金を得ようとする、現実的な誘引となっています。

 どんな銀行でも、単独では預金の90倍ものお金を創れません。

 準備預金制度のおかげで創れるのです。

 しかもそのシステムは、ひとつの銀行で創られる信用貸しが、もうひとつの銀行の預金となって循環していくのです。

 このような工程は、ひとつの銀行の中で行えるものではありません。

 準備預金制度によって、銀行が最初に1,111.12ドルを中央銀行に預けておくことにより、実際には持っていない10万ドル分の利子を、集めることが許されるのです。

 銀行は自分で持っていないお金を貸し付ける!

 それが奇妙に思われるなら、これはどうでしょう。

 各国の中央銀行は、預金準備率を守ってきましたが、ロビー活動によって最近10年では、以前より高くなっています。

 あるところでは、20:1

 30:1も普通のことになっています。

 さらに最近では、準備預金を膨らますため、ローン手数料を利用することで、銀行は今や完全に、準備率の限界を打ち破りました。

 ルールは複雑な一方ですが、現実はきわめて単純です。

 銀行は、私たちが借りられる限界までのお金を、創ることが出来るのです。

 「誰もが潜在意識では、銀行がお金を貸していないことに気づいている。
 あなたが貯金をおろすときに、銀行はあなたに言わないでしょう。
 あなたはお金をおろすことは出来ません。なぜなら、そのお金は誰かに貸してしまってますから。

- マーク・マンスフィールド 経済学者 作家 -

 途絶えることのない造幣局の稼業にもかかわらず、政府が作るお金は、循環しているお金の5%以下にすぎません。

 今日、95%以上のお金は、銀行に対する誰かのローンによって創られているのです。

 何のことはない。この信用貸しのお金は、新しいローンが組まれるにつれて、また、古いローンが償却されるにつれて、毎日莫大な量が創られたり、無くなったりしています。

 「私が残念なのは、一般市民は、銀行がお金を創ることができるのを、知らされていないことである。
 そして、国家のクレジットを管理する彼らが、政府の政策を指揮し、人々の運命を奴隷のように握っていることを。

- レジナルド・マッケンナ 元英国ミッドランド銀行会長 -

 銀行は、政府の積極的な協力があってはじめて、マネーシステムを行使できます。

 最初に政府は私たち国民に、認可された国家通貨を使うよう、法律を通します。

 次に政府は民間銀行の信用貸しが、この、政府の認めた国家通貨で支払われるよう、許可します。

 3番目に、政府議会・裁判所が、債務を強制します。

 そして最後に政府は、市民と金融システム機能と信憑性を保護するための、法規を可決します。

 その一方で、市民に「お金が本当はどこから来るか」については、何も知らせません。

 明快な真実は、ローン、あるいは抵当の書類にサインした時、その支払いは “罰則として資産を提供する” ことで裏づけされます。

</字幕編集>


噂のマイクロファイナンスが破綻!?
 



でわっ!