2012年9月11日火曜日

経世済民の在り方


 企業コンサルタントって、「元手」の掛からない仕事ですよねw。その代わりと言っちゃアレだけど、コンサルしたクライアントの業績を上げるという「実績」は必要ですが・・・。

 で、手っ取り早くクライアントの業績を改善するには、「無駄を省く」というのが常套手段なワケですが、ハッキリ言ってそんなこと誰にでもできるワケですよ。ジッサイ。

 イトーヨーカ堂の場合はどうなのか知る由もありませんが、そうした「無駄を省く」=「リストラ」って、なかなか断行できるものではありません。「人情」も絡むし、社員の「恨み」を買うのも嫌ですから。

 そこで便利なのが「コンサルタント」の存在です。「リストラ」を社内決定し社員に不信感を与えるよりは、「有名コンサルタント」にでも師事を仰げば、


止む無くリストラしましたw。


とばかりに言い訳もできますし、汚れ仕事?をコンサルタントに丸投げし、社内を丸く収める?ことができますから。

 「共犯者」でしかないんですけどね?結局のところ企業とコンサルタントわ。


<転載>

終身雇用をやめたら雇用が増えました
城繁幸 コンサルタント及び執筆。 2012年09月09日 19:00

イトーヨーカ堂が非正社員比率を90%に引き上げるという。厚労省の推し進める正社員化の流れをあざ笑うかのような決定だ。見出しだけ見て「労働者の使い捨てだ!けしからん!」と思う人がいるかもしれないが、
それは全然違う。というわけで、以下に重要なポイントをまとめておこう。

・正社員削減というより、むしろ非正規雇用のキャリアパス整備

実は、もともと業界平均で80%が非正規という状況でそれを9割に引き上げることにそれほどの意味はない。むしろ重要なのは、非正規の中に専門職や上位マネジメントへのキャリアパスを整備し、基幹雇用と位置付けていることだろう。専門性の高い職務には職務内容に応じた「現在の2~3倍の給与」を払うわけだからこれは適正な職務給化への第一歩だ。

正社員がとれるだけとった後の残りカスを下請けや非正規で分配している業界とどちらが健全かは言うまでもない(個人的に本件をメディアがどう報じるかに興味がある)。「格差是正のために正社員制度を守れ」じゃなくて、格差是正のためには正社員制度を無くすことが必要だということだ。

・非正社員化で雇用数が増えている。

計画によれば、非正社員化にともない、全体の従業員数は増えている。たまに「終身雇用をやめれば失業者が増えてしまう」なんてとんちんかんなことを言う人がいるが、現実にはむしろ雇用が増えるわけだ。終身雇用という不条理なコストを無くすのだから当然だろう。

という具合に、労働者にとっても企業にとっても、雇用の流動化はハッピーな結果をもたらしてくれるものだ。厚生年金保険料等の天引きが出来なくなる厚労省としては実に面白くないだろうが、非正規雇用の比率の高い流通系を中心に、これからどんどんこういった流れが広まり最終的に正社員制度は空洞化するはずだ。

とりあえず、ヨーカ堂の勇気ある決断にエールを送りたい。

</転載>


 「雇用」の問題の根っこは「消費」にあることは前回に述べた通りです。「消費」←「生産」←「雇用」というサイクルで経済は成り立っているワケです。人間は生きていく限り、必ず何かを「消費」しなければならない生き物なのです。ま、人間に限らず、全ての生き物が同じなワケですが・・・。

 で、「雇用」の条件が悪くなる・・・つまり非正社員の境遇になると、福利厚生なども自己負担するようになって「消費」に向ける余力も低下し、「消費」が萎めば「生産」も萎み、その結果として、さらに「雇用」に悪影響を及ぼすという簡単な仕組みを、どうして理解できないんでしょうかね?

 この人なんて「エール」を送っちゃってます。orz

 ま、思うに、こうした考え方ができるのは、「社会」とか「公共」とかいう全体的な視野が欠けているからでしょう。ひとことで言えば、


自分さえ儲かればイイ。


という考えしかないからで、グローバル企業などはその典型と言えるかも知れません。

 グローバル企業が何故海外に進出したがるのか?答えは簡単です。「国内」を食い荒らしたので、次は「国外」を食い荒らそうとしているに過ぎません。何よりも企業利益が優先され、国内の産業がボロボロになろうと知ったこっちゃ無いワケです。

 国内産業がボロボロになるということは、社会そのものの崩壊です。コミュニティーの崩壊でもあるのです。なぜなら、「消費」←「生産」←「雇用」というサイクルが正常に循環してこそ、「社会」=「人間集団」は維持可能なのですから。

 まわりを見渡せば、みんな何かしら仕事を持っています。それは、社会が「分業」によって成り立っている証拠でもあります。「八百屋」だけの社会なんて成立しません。「教師」だけの社会なんて成立しません。ましてや「政治家」だけの社会なんてごめんです。

 「ラーメン屋」があって、「クリーニング屋」があって、「定食屋」があって、「商社」があって、ひとつひとつの業種がお互いに「分業」しているからこそ、社会は成立しているワケです。

 そしてそうした様々な「業種」が存在するのも、そこに人間の生活の営み=「消費」が存在するからであり、その「消費」の活力となる「雇用」を圧迫することが、社会にとって、経済にとって、「エールを送る」べきようなことだとは、ワタシにはとても思えないワケです。

 したがって、グローバル企業の為にあるような「TPP」なんぞに日本が加盟することは


断固反対!


する次第ですし、経済というものを企業の利益を尺度に考えるのではなく、社会全体のバランス・・・人間の生活=「消費」というものを基準に考える時代に来ている。・・・と、思うワケです。




人間ナメんなよ!


でわっ!