2013年4月24日水曜日

「売電」なんてヤメちまえ!

 
 以前、「そうめん流しの落とし穴」で指摘しましたが、


売電なんてヤメちまえ!


・・・ということなんですよ。


再生エネ 普及阻む地域独占の壁
北海道新聞社説(4月20日)

 北海道電力は出力2千キロワット以上の太陽光発電の電力について、受け入れの上限が40万キロワットにとどまることを明らかにした。

 これは売電申し込みの4分の1にすぎない。国の補助で大型蓄電池が設置されるが、それでも増える容量は1割程度だ。

 昨年締め切られた風力発電の増枠20万キロワットに対しては、187万キロワット分の申請があった。

 多くの事業者が計画の断念を迫られるだろう。これでは再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を導入した意義が失われ、豊富な資源も眠り続けることになる。

 経済産業省に背中を押される形で北電が枠を拡大してきた経緯を見ると、受け入れに後ろ向きだったと言わざるを得ない。事業者の要望に応じられない理由を、詳細なデータを開示して説明すべきだ。

 さらに精査して、少しでも上積みするよう努力してもらいたい。

 ただ、この問題は、電力会社の消極姿勢を責めるだけでは解決できない。電力供給の地域独占を打破し、各地域で活発に電力をやりとりする体制づくりが求められる。

 風力や太陽光は天候に左右される不安定な電源で、火力、水力発電を使って出力変動の波を調整する必要がある。現状の北電の設備は影響を吸収するには不十分だ。

 風力・太陽光の事業計画が合計で約373万キロワットに達したのに対し、道内の平均電力需要は415万キロワットと小さい。

 道内の器だけでは潜在力を生かしきれない。北海道を再生可能エネルギーの供給基地と位置づけ、本州に送電して全国の電力需給緩和に役立ててこそ大きな意味を持つ。

 北電は今回、火力発電の規模の大きい東京電力管内に北本連系を通じて送電することにより、風力受け入れの増枠を確保した。

 北本連系の容量は現行の60万キロワットから90万キロワットに拡大される予定だが、一層の増強が欠かせない。

 福島第1原発事故後、各地の原発が停止して電力危機を招いた。

 要因の一つは、地域間の連系線が貧弱で十分な電力融通ができなかったことにある。

 地域独占に安住し、連系線強化を怠ってきた電力各社の責任は重い。

 政府は、発電事業者などでつくる特別目的会社に費用補助して、全国有数の風力発電の適地である道北の送電網を拡充する。

 再生可能エネルギーを原発の代替電源に育てるため、政府はこうした政策を通じ、普及の条件となる送電網や連系線を公共財として早急に整備すべきだ。同時に電力改革を着実に推進しなければならない。


 「売電」による「買電」の費用を見越して、電力各社が「電気料金を値上げ」することをみなさん知っているワケですよね?したがって電力会社にとっては、「痛くも痒くもない」ワケです。目先の電気料金に気を奪われ、電気料金を「節約」するため・・・そして、ついでに地球環境にいいことでもしようか?・・・と、考えるのかも知れませんが、


大間違いです!


余剰電力があっても売電できない場合があると聞きました。どんな場合でしょうか?



<抜粋>
ただし、ごくまれなケースでは、常態的に電力会社からの供給電圧が高かったり、高電圧の瞬間が多発したりする場合もあるようです。また、現在のレベルではあまり問題になりませんが、周囲の多数の家が太陽光発電システムを設置して、天気のよい昼間に一斉に余剰電力を出そうとすると、電線の電圧が上がって出力抑制がかかる可能性はあります。
</抜粋>



 みんなが地球環境にいいことをしようと「再生可能エネルギー」とやらを担ぎ上げ、その余禄として「売電」を目論んだとしても、「再生可能エネルギー」が普及すればするほど、上記にように「物理的に売電が不可能」なケースが発生するワケですよ。

 その結果として何が残るのか?といえば、例として「太陽光発電」を挙げれば、自宅に設置した「太陽光発電システム」のローンであり、「買電」の費用が上乗せされた高い電気代だけです。

 「太陽光発電システム」の設置費用を、「売電」によって穴埋めしようという目論見が外れるのは勿論のこと、「太陽光発電システム」を持たない家庭にとっては、


高い電気料金だけ押し付けられる。


・・・という、迷惑千万な話になるワケです。

 翻って、電力会社は「買電」の経費を電気料金に上乗せしているワケだし、銀行は銀行で、「太陽光発電システム」を設置する「ローン契約」が増えて大喜びでしょうなw。

 結局バカを見るのは、物事をよく考えない・・・言い方を代えれば「無垢」な人たちであると言えますが、真に無垢である、真に地球環境を憂いているのであれば、「売電」などという「イヤラシイ損得勘定」は捨て、100%自己完結する覚悟で「再生可能エネルギー」と取り組む必要があります。つまり、「売電」を自主的に辞退する覚悟が求められるワケです。

 それが実現されれば、「買電」の経費の上乗せによる「電気料金値上げ」は回避され、「太陽光発電システム」を設置することのできない家庭に負担を掛けることもありません。

 残るのは、電力各社側の価格設定の責任問題だけであり、火力発電の燃料費、運転停止中の原発の維持経費など、誰の目にも明らかな問題として追求し易くなります。

 「問題をこじらせない」ことが問題解決への近道だとワタシは思うワケで、その点から言って、「再生可能エネルギー」・・・例えば「太陽光発電」を導入する/しないは個人の自由ですが、「売電」という行為は社会的な弊害を生む・・・ということを言いたいワケです。

 そして、「売電」という行為は、結局は「損得勘定」であり、人は自分の得にならないと善い事をしないのか?・・・という、人間の本質的な問題が問いかけられるワケです。

 もちろんワタシはそれが「人間の本質」などとは思っていませんが、何度も繰り返してきたように、現代の金融システムの中で、


心が毒されてしまった。


・・・という観は否めません。そしてこの状態から脱却するために、


個人革命


が必要であることを、執拗に繰り返し続けているワケです。

 最後に、チャップリンの有名な動画をご紹介します。


偉大なる独裁者チャップリン






人間ナメんなよ!


でわっ!