2013年5月19日日曜日

歴史を裁くことはできない。

  
 琉球新報の社説に物申す・・・の前に、その社説ですが・・・


橋下氏釈明 認識の根本が誤っている
2013年5月18日

 沖縄の米軍に風俗業の活用を勧める発言の釈明として、橋下徹大阪市長は「国際感覚が足りなかった」と述べた。だが、彼に何より足りなかったのは人権感覚だ。人間認識の根本的な誤りに気付いていないのが問題なのだ。

 橋下氏は「米国の風俗文化の認識が足りなかった」と述べた。風俗文化の知識の多少が問題だったという認識なのか。あきれてものが言えない。

 さらに、「風俗」が売春を意味するか否かなど、どうでもいいことに問題をすり替えようとしているが、問題は別にある。「海兵隊の猛者の性的エネルギーをコントロール」するはけ口として、生身の女性をあてがおうとする発想そのものがおぞましいのだ。

 「あてがわれる」立場に自分が置かれたら、と想像してみるがいい。橋下氏は、そんな最低限の想像力も持ち合わせていないのだろうか。その欠如は許し難い。

 「慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる」と述べたが、「分かる」はずがない。周りを自分と同じだと思われては迷惑だ。

 しかも彼は、自らの沖縄への差別的まなざしにも気付いていない。在沖米軍に言うからには、あてがう場所は沖縄が前提だろう。そのような施設を、自らの足元の大阪市にも置けるのか。

 橋下氏の持論はそもそもの前提が間違っている。風俗活用発言は米兵の事件抑止が狙いのようだ。強姦犯は性衝動に突き動かされて犯罪をするという発想が前提にあり、風俗の活用がその処方箋になると考えているのは明らかだ。

 では彼は、風俗がなければ性暴力が発生するというのか。典型的な「強姦神話」であり、前世紀の遺物的発想そのものだ。強姦犯は、衝動どころか用意周到に場所と機会を選んでいる卑劣漢だというのはもはや常識だ。そんな常識と正反対のジェンダー意識を持つ人物が21世紀の今、行政のトップ、公党の代表であることが信じ難い。

 橋下氏は、女性をモノ扱いしただけでなく、「強姦神話」を前提にすることで、男性をも愚民視しているのだ。

 橋下氏は、発言の背景として「それくらいのことを言わなければいけないくらい、沖縄の状態は鬼気迫るものがあるということ」と述べた。いったい誰が頼んだというのか。沖縄にこと寄せて、さも沖縄の代弁者であるかのように装うのはやめてもらいたい。


 琉球新報社説の要点は、

(1)海兵隊員の「性欲処理」にフーゾク嬢が対応する、その発想自体がおぞましい。

(2)そうしたフーゾク嬢は沖縄女性であることを前提とした、沖縄差別である。

(3)海兵隊員の性犯罪と「性欲処理」に因果関係は無い。なぜならば、性犯罪は緻密な計画性の上での犯罪であり、衝動的な性衝動とは次元を異にする。

 したがって、沖縄の代弁者を装うのはやめてもらいたいということですが、ま、おかしな社説ですわな・・・というか、論理性に欠けた社説です。

 順番は前後しますが、(3)の、性犯罪は計画的なものである・・・という理屈は、考えてみれば恐ろしい理屈なワケで、平素は常人を装っていながら、その心の内で「犯罪計画」を練っている男性がゴマンといるのであれば、子女を持つ親御さんは、恐ろしくて子供を家の外に出すことなんてできませんし、また、全ての女性は男性(海兵隊員を含めて)に対して、


(この人、ワタシをレイプする計画を練ってるのかも?)


・・・と、常に警戒心を怠れません。よね?琉球新報さん?

 あまりに論理が飛躍し過ぎじゃないですかね?つまり、「性衝動」という本能的な要因ではなく、男は理性的に性犯罪を犯すのだ・・・と言っているワケですよ。

 日常のいかなる場面にも「性犯罪」は存在する=男は全て「強姦魔」だと言っているのに等しいワケで、当然、この社説を書いている記者が男性であれば、当人も「強姦魔」のうちのひとりですなw。

 というワケで、(1)、(2)に関しても感情的な要素が強く、論理として成立していない気はするのですが、ハッキリさせておきたいのは「沖縄の代弁者ぶるな云々」・・・などという、「村意識」に凝り固まった見方では、「真実」が見えてこないということですよ、琉球新報さん。

 横田基地がある福生にもね?飲み屋街・・・いわゆる赤線があって、本土のワタシでも、子供の頃からそういうのを目にしてきましたから、「建前」だけではない「本音」の世界を知っているワケですよ。

 だから所謂「清廉潔白」な人権運動家の方たちとは、フーゾクで働く女性たちに対する感覚のズレがあるのかも知れませんが、まあ、こればっかりは原体験、原風景が違うワケですから、溝を埋めるなんて不可能なんでしょう。

 本土・・・特にワタシの地元多摩でも、「基地闘争」は繰り広げられたワケであり、「本土の人間に何が分かる!」・・・という考え方は、沖縄の、いわんや日本各地での「基地闘争」のためにもならないと思うワケですよ。琉球新報さん。

 ワタシたちが憤っているのは、幼い子供すら「性犯罪」の被害者になるという状況であり、それは「沖縄」だろうと「本土」だろうと「シリア」だろうと変わりないワケで、「沖縄の気持ちを代弁するな!」・・・とか、そんな狭い了見じゃまともな記事書けないんじゃないの?・・・と、逆にこっちが心配になります。琉球新報さん。

 ま、琉球新報の社説はアレとして、「従軍慰安婦」なり、軍人の慰安施設なりが、「合法」であったとか「非合法」であったとか、諸外国もやっていたとか、現在の視点から過去を裁くことはできないワケですが、過去を反省することは可能です。

 大切なのはそっちだと思うんですけどね?ワタシは・・・。そしてキチンと反省するためにも、「事実関係」をハッキリさせる必要はあります。カッコ良く言うと、「歴史に対して謙虚になる」・・・ということです。

 それを、当時の世界情勢がどうだった、こうだった・・・と、「事実関係」から逸れる方向に話が発展するのが、橋下市長の悪い癖・・・おそらく弁護士時代からの習性なワケで、その辺は橋本市長にも、大いに改める必要があると思うワケです。はい。

 ま、そういったワケで、沖縄をダシに使う気もなければ、見捨てる気もないワケで、同じ日本人・・・というか、沖縄県民のほうが「日本人のルーツ」には近いワケですが、そういったこともひっくるめて、「一丸となって」在日米軍の理不尽な「地位協定」の改正、もしくはいっそ、在日米軍自体の早期撤退の実現に取り組まなければ・・・と、ワタシとしては思う次第です。はい。






人間ナメんなよ!


でわっ!