2013年12月17日火曜日

「特定秘密保護法」の目的

  
 いろいろ言われていますが、その条文に拠ると、「特定秘密保護法」の目的は「秘密漏洩の防止」にあります。そのため「秘密」を取り扱う職員の身辺調査に重点が置かれ、なおかつ罰則の規定も、取り扱い担当者の方が「適合業者」より厳しいものになっています。

 さて、「秘密」にも2種類あり、「積極的な秘密」と「消極的な秘密」に大別され、後者は所謂


聞かれなかったので言わなかった


・・・といった類の「秘密」で、「安全保障」に関して「時間差的な効力」を持つ場合もありますが、ま、こうした「消極的な秘密」は、当面は「機密性」の高い情報ではないので、聞かれなくても積極的に開示するのが「公の機関」の勤めだと言えます。

 2010年、「中国漁船拿捕ビデオ」が「Youtube」に漏洩したということで大騒ぎになりましたが、当該ビデオは「特定秘密」でも何でもないことが後日明らかになりました。


尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件





 このビデオがネット上に流出するまでは様々な情報が交錯し、当時の石原元東京都知事などは


中国人漁師に海上保安庁職員が殺された!


・・・などと、トンデモないデマを流していましたが、ビデオの流出(漏洩)のおかげで一触即発の事態を回避できたワケですから、「センゴク」氏


公益情報通報者


・・・として表彰されてもイイくらいです。

 
【神戸市】内部通報制度の概要


 そういえば「センゴク」氏は、神戸から「ビデオ」をネット上に公開したワケで、「センゴク」氏の行動には「神戸市」の先進的な取り組みが反映されていたのかも知れません。

 「ツワネ原則」も第7章で、「公衆への情報の流出に対する制裁又は制約行為の制限」を規定しており、同章の原則によれば・・・



原則 44:情報取り扱い公務員が誠実に行った合理的な情報の流出に対する制裁からの保護

 公衆からの情報請求に応じる責任がある者は、合理的且つ誠実に、法にしたがって開示し得ると考えた情報を流出させたことによって制裁を受けるべきではない。



・・・とあり、「センゴク」氏の取った行動はこれに該当すると思われます。

 即ち、「中国漁船拿捕」の一報の後、件の石原元東京都知事のデマ情報や、ネット上の書き込みなどで社会的混乱が見られ、中国との関係が険悪な状態になりかけた時に、「流出ビデオ」のおかげで状況を把握した国民が冷静になり、「大事無き」に至ったワケですから・・・。

 で、こうした問題が起きたのも、「特別管理機密」に対する温度差が、海上保安庁と他の省庁・・・外務省とか?防衛省とか?の間にあったからで、その点では、「特定秘密」に関して「統一性」を待たせるということ吝かではありません。

 ただしこの「中国漁船拿捕」の顛末が、日本の安全保障に関わる問題なのか?・・・ということはハッキリさせなければならず、各省庁の間で見解に相違が生じることで、そこに「グレーゾーン」が発生するワケです。




 この「グレーゾーン」に足を踏み入れてしまった、一般人や公益情報通報者を救済する措置が必要であると「ツワネ原則」でも定めているワケで、ワタシも同感です。

 また、同原則第6章、「公務関係者による公益的開示」に示された行為に対する「告発」としての「情報漏洩」に対しても、法による保護が保障される必要があります。



原則 37:不正行為

 公務関係者による情報開示は、次に掲げる分類のいずれかに該当する不正行為を示すとき、当該情報の機密指定のいかんに関わらず、原則38から原則40までに定める条件を満たす場合において、「保護された開示」であるとみなされるべきである。保護された開示は、過去の、現在の及び予見される不正行為に適用される。
(a)刑事犯罪
(b)人権侵害
(c)国際人道法違反
(d)汚職
(e)公衆衛生と公共の安全に対する危険
(f)環境に対する危険
(g)職権濫用
(h)誤審
(i)資源の不適切な管理又は浪費
(j)この分類のいずれかに該当する不正行為の開示に対する報復措置
(k)この分類のいずれかに該当する事項の意図的な隠蔽



 こうした「良心」に基づく行動が、「特定秘密保護法」などによって制限されるようでは、「不正」ばかりがまかり通る社会が形成されてしまうでしょうし、そのような社会で


子供に「道徳」を説く


・・・などとは、文部科学省も「間抜け」な官僚の集まり・・・だと思わざるを得ませんw。



道徳、教科格上げを提言 検定教科書使用 文科省の有識者会議
2013.11.11 13:01

 文部科学省の有識者会議「道徳教育の充実に関する懇談会」は11日、会合を開き、正式な教科でない小中学校の「道徳の時間」を教科に格上げするべきだとする報告書案を示した。検定教科書の使用や記述式評価導入が柱で5段階などの数値による評定はしない。年内に最終意見をまとめる。

 文科省は中教審の議論を経て平成27年度にも教科化する方針。報告書案では、教科化した後の道徳授業で使う教材について他教科と同様に民間会社が作成し、国の検定に合格した教科書を使用するべきだと主張。記述式で子どもの取り組み状況を評価するのが適当としている。授業は小中ともに担任が受け持ち、教員免許は設けない。

 政府の教育再生実行会議が今年2月、いじめ対策の一環で、子どもの規範意識を醸成するため道徳の教科化を打ち出した。第1次安倍政権でも提唱されたが、当時の中教審で慎重な意見が相次ぎ、見送られた。



 子供はオトナの嘘をアッという間に見抜く・・・ということを


ご存知ない?


・・・とは、おめでたいですなw。



【宮内庁】皇后陛下お誕生日に際し(平成25年)



皇后陛下お誕生日に際してのご近影


「5月の憲法記念日をはさみ,今年は憲法をめぐり,例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じます。主に新聞紙上でこうした論議に触れながら,かつて,あきる野市の五日市を訪れた時,郷土館で見せて頂いた「五日市憲法草案」のことをしきりに思い出しておりました。明治憲法の公布(明治22年)に先立ち,地域の小学校の教員,地主や農民が,寄り合い,討議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で,基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務,法の下の平等,更に言論の自由,信教の自由など,204条が書かれており,地方自治権等についても記されています。当時これに類する民間の憲法草案が,日本各地の少なくとも40数か所で作られていたと聞きましたが,近代日本の黎明期に生きた人々の,政治参加への強い意欲や,自国の未来にかけた熱い願いに触れ,深い感銘を覚えたことでした。長い鎖国を経た19世紀末の日本で,市井の人々の間に既に育っていた民権意識を記録するものとして,世界でも珍しい文化遺産ではないかと思います。」








人間ナメんなよ!


でわっ!