2011年7月30日土曜日

ワタシたちの歴史

 このたびの「東日本大地震」にて被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、災害にてお亡くなりになられた方々のご冥福を、心からお祈り申し上げます。


 今朝、TVを点けたらNHKワールド「クローズアップ現代」を放送していたのですが、それを見て「我が意を得たり。」感激してしましました。NHKもね?「クール・ジャパン」なんてチャラい番組作る暇があったら、今回の「クローズアップ現代」のように、地に足の着いた番組を、作りなはれやmmm。


NHKクローズアップ現代
炭坑(ヤマ)が“世界の記憶”になった

<抜粋>

>福岡県筑豊の元炭坑夫・山本作兵衛が描いた記録画や日記が、日本で初めてユネスコの“記憶遺産”に選ばれた。

>世界が注目し始めた作兵衛の記録画とは。そして、人類にとって記憶とは何か、考える。


出演者の発言 五木 寛之さん(作家)

●権力者が残す記録ではない市民が捉えた記録について

>>私たちは、歴史とか、そういうものを見ていく目の中に、2つの視線がなくちゃいけないと思うんですね。上からふかんして、あらすじをつかんでいく年表のような歴史と、それから現場の人たちの記憶とか、それからその人たちの喜びとか悲しみとかね、こういうものがやっぱり、湧き上がってくるような記憶がなくちゃいけないわけですし、そういうものっていうのは歌とかね、それからビジュアルな絵とか、そういうものに現れてくると思うんです。ですから、山本さんの絵は本当にデッサンがしっかりしてるんですよ。絵として楽しいんです。で、いながら、日本のこの絵画美術市場の中ではやっぱり大和絵とかね、そういう伝統はね、おのずから生きてて、別に美術学校で勉強したわけでもないにもかかわらず、日本文化っていうものを、やっぱり炭坑の風景の中にちゃんと表してるっていう、そこがやっぱりすごいと思いますね。

これはもう、本当に、先ほども言いましたけども、日本人にとっては本当に誇らしいことであると同時に、今言った、労働の現場からの、そういう報告が出たというのは、すごいことだと思います。しかも絵がやっぱり魅力があるんですよ。ですから子どもたちの遊んでる風景とか、いろんな工夫がありますよね。ろうむによるリンチの場面だとか、そういうのもひっくるめてね、これまでかつてなかったような、そういう記憶が、今、よみがえってくる。

私たちは未曽有の大災害の中にいるんですけれども、こういう記憶もね、やっぱりきちんと後世に伝えなければならないっていうふうに、改めて山本さんの絵を見て痛感しました。例えばやっぱり、記憶と記録ということがありますけれども、記憶のほうは生きてるんですね。

</抜粋>

 
 日本中に「郷土史」が埋もれています。信憑性については玉石混合ですが、従来、東大などのアカデミー畑からは無視され続けてきた、「庶民の歴史」には違いありません。

 しかしそうした権威に守られた歴史が、過去において日本の進む道を誤らせた事実を忘れてはならないのです。

「日本には真の歴史が無い。」

・・・と、明治期に日本を訪れたお抱え外国人学者に喝破され、歴史に関する「博士号」を日本人には認めないとまで言われたのです。曰く、日本の歴史は「講談」の域を出ていないと。

 それもこれも、明治政府にとって都合のいいように歴史を書き換えたからです。それが後々の世まで様々な弊害を及ぼしている事に、未だに目を背け続けているのが現在の日本の知識層の姿なのです。

 ワタシたちは、「ワタシたちの歴史」を取り戻さなければなりません。「権力者」が勝手に作った歴史に乗っかったままでは、浮き草のようにアッチへふらふら、コッチへふらふらと、「権力者」のご都合でイイように流されるだけなのです。

 全国的な、自分たちの「郷土史」を掘り起こす作業が必要です。そしてそれらをネット上で公開すればイイのです。「郷土史」の資料が増えれば増えるほど、各資料を比較・検討して、「真の歴史」の精度が上がるでしょう。そしてそれは、大学のセンセイなどのお墨付きが無くても、

ワタシたちの歴史

に他ならないのです。・・・と、いうワケで、みなさんどんどん「郷土史」をネット上で公開しましょう。「ワタシたちの歴史」を取り戻すために、インターネットはとても強力なツールなのですよ。


でわっ!