2012年4月26日木曜日

都市とビジネス


 BLOGOSに気になった記事があったので、またまたちょっと寄り道します。


都市は成長を続け、企業は必ず死を迎える


 記事と動画を見る限り、先ずひとつは・・・「スケールメリット」の法則が動物にも「都市」にも共通すると言う見解。そして・・・動物も「企業」もやがては衰退する(S字曲線)という共通点。さらに・・・動物と「都市」、動物と「企業」の相違点は、「都市」や「企業」はイノベーションによってリセットされるという見解。

 以上の3点を、ジェフリー・ウェストなる物理学者の方が動画(TEDセミナー)で講義されてるワケですが・・・。



 で、ワタシなりにこの講義内容を反芻してみるに・・・

 集中、もしくは集積すれば「効率が良くなる」という点で例として出された「ガソリンスタンド」ですが、ワタシ思うにガソリンスタンドってクルマの走行距離に合わせて設置されるワケですよね?つまり、「A」というガソリンスタンドで満タンにした場合、だいたい何Km走ったらガソリンが無くなるか?とかいう、何通りものシュミレーションの組み合わせで、「B」というガソリンスタンドの設置場所がおおよそ決まるワケですよね?

 したがってガソリンスタンドの設置基準は「車の燃費」にも拠るワケで、車の燃費が都市と地方で大きく違わない限り、ガソリンスタンドの設置基準にも大きな違いはないハズ。だから、人が多い都市部で「一人当たりのガソリンスタンド比」?が低くなるのは当たり前のハナシで、逆に言えば、都市部のガソリンスタンドの「収益率」がそれだけ高くなるワケです。このことは企業にとっては喜ばしいスケールメリットでしょう。

 「都市が大きければ大きいほど人口1人あたりの富が多い」とのことですが、都市部に集まる「富(GDP)」とやらを全人口でならせば「そういう数字」が出るのでしょうが、アメリカのようにほんの1%の人たちがその富を独占しているようであれば、先のような「都市部富裕論」には、安易には同意できませんなあ。

 人口が2倍になると「15%の効率化」ができるそうですが、その「効率化」の恩恵を最大限に受けるのは恐らく企業であり、住人ではないでしょう。もちろん様々な施設、インフラが整備されれば生活は便利になりますが、必ずその「代償」が発生するのは明らかです。

 それは、インフラの増加に伴う「出費」であったり、ビデオで述べられているような「生活サイクルの加速」であったり・・・。

 コレを発展させれば、作為的に都市を創出することも「企業戦略」として可能です。最近良く聞かれる「洗脳」という言葉を使えば、マスメディア(テレビ、雑誌など)で、「都市部」がまるで「夢の国」であるかの如く思い込んだ地方の若者を、新たな購買層として常に都市部に惹きつけておくワケです。

 で、講義の中で言われている「都市部の崩壊」という「定義」がよく見えないのですが、人口の伸び悩みですかね?それとも資源の枯渇による経済発展の行き詰まり?環境の悪化?ま、通常都市部というと「人口」が多い地域を指すのでしょうから、ワタシは「人口」を基準とします。

 で、で、都市部の人口について考察してみるに、例えば「東京都」ですが、「東京都」という「面積」は限られているワケで、無限に人を受け入れられるワケではありません。必ず「限界」が訪れます。水槽の中で飼える魚の数に限界があるのと同じ理屈です。

 「都市部の崩壊」が人口の伸び悩みを意味しているのであれば、それは「都市部の成熟」と言い改めた方が適切に思えるワケですよ。ワタシには。


 企業視点で見れば、都市部は確かにオイシイ漁場であるかも知れませんが、乱獲を繰り返せば魚がいなくなるのは「自然の理」であり、そうなってから困らないように常に新しい漁場を確保、もしくは魚を養殖する視点も、企業に求められるのではないか?・・・と。

 つまり、「都市部の拡大」もしくは「都市部の創出」もビジネスの念頭に置く必要があるのではないか?・・・というコトであり、それは取りも直さず、企業主体による「地方開発への投資」の必要に迫られるコトになる。・・・と思えるワケです。

 そうなると一番に問題になるのが「人口」なワケで、ま、都市とか地方とかゴチャゴチャ言う前に、「少子化」がこのまま進み日本全体の人口が減り続けると、少なくとも「内需産業」の先行きは暗いワケで、したがって「少子化」を食い止め、国内市場の消費者(国民)を確保しなければならないハズなのですが、武田センセイのブログを見たら・・・


農水省、無農薬野菜の禁止に?! 食品安全では無添加食品を禁止に?!

「tdyno.67-(6:06).mp3」をダウンロード


・・・とまあ、のっぴきならない記事があったワケです。

 安全な食材を求めるのは消費者の権利であり、国の基準値以下の安全な食材を販売する業者に対してそれを「ヤメロ!」と強制するのであれば、農水省も気が狂ったとしか思えず、「人権の侵害」どころか、事は「生存権の侵害」にも係わるんじゃなイカ?・・・と。


国民を殺す気か?

 
 そこで農水省のHPで、その「通達」なるものを確認したのですが、ま、農水省のHPを見る限りでは、ワタシには「独自基準はヤメロ」と言っているようには受け取れませんでした。


<転載>

平成24年4月20日

農林水産省

東日本大震災について~食品中の放射性物質に係る自主検査への対応に関する通知の発出について~

農林水産省は、本日、食品産業事業者が実施する食品中の放射性物質に係る自主検査について適切な対応がとられるよう、食品産業団体に対し通知を発出しました。


概要

食品中の放射性物質への対応については、より一層食品の安全と安心を確保するため、厚生労働省において新たな基準値が設定され、本年4月1日から施行されました。

これに伴い、食品産業事業者に対し、食品中の放射性物質に係る自主検査を行う場合、科学的に信頼できる分析結果を得るとともに、食品衛生法の基準値に基づいて判断するよう周知を図るものです。

<添付資料>

・食品中の放射性物質に係る自主検査における信頼できる分析等について (平成24年4月20日付け24食産第445号農林水産省食料産業局長通知)(PDF:401KB)

・食品中の放射性物質に係る自主検査における信頼できる分析等について (平成24年4月20日付け24食産第445号農林水産省食料産業局食品小売サービス課長・食品製造卸売課長通知)(PDF:81KB)

</転載>


 「24食産第445号」を読むと・・・

「過剰な規制と消費段階での混乱を避けるため、自主検査においても食品衛生法の基準値(一般食品:100ベクレル/kg、牛乳及び乳児用食品:50ベクレル/kg、飲料水:10ベクレル/kg)に基づいて判断するよう併せて周知をお願いいたします。」

という部分が強調されていますが、これを以って農水省の基準の押し付けと受け取るのはビミョwです。

 とにかくも、判断は食品業者側に委ねられているワケで、農水省の味方をするワケではありませんが、過剰な自主規制値を設けたところで、それが保障できるのか?・・・に尽きるワケです。はい。

 つまり「悪質な食品業者」のイイカゲンな自主測定値に消費者が騙される可能性も否めないワケで、であればこそ・・・

科学的に信頼できる分析結果を得るためには、別添の「信頼できる分析の要件」に沿った取組等を行っていることが必要であり、貴団体傘下の会員企業に対しこのことの周知をお願いいたします。」

・・・になるワケで、本当に「消費者に安全な食材を供給したい」という業者であれば、<別添>にある手続きを踏み、記載された検査機関に検査を依頼すればOKなワケですよね?

 まあ、こう言っちゃナンですが、「産地偽装」とか「成分偽装」とかする悪質な食品業者もいますから、ちゃんとした機関で検査された証明は必要でしょうし、例えばスーパーに100ベクレル、75ベクレル、50ベクレル、25ベクレルと表示され、それぞれ値段も違う「お肉」が陳列されていたら、


アナタはどのお肉を買いますか?


ってハナシになるワケですよ。給料日前で家計が苦しかったら、


安い100ベクレルのお肉


不本意ながら買うしかないでしょうし、それは主婦にとっては大きなストレスになるでしょう。稼ぎの悪い夫のせいで子供に「安全なお肉」を食べさせられないと、夫婦不和・・・ひいては家庭の崩壊にも繋がり、そうした家庭が増えれば社会も不安定になりかねません。

 つまりワタシが思うに、自主検査と安全性を謳い文句に「抜け駆け」をしようとする食品業者が市場や社会に混乱を招く可能性があるワケで、それを防止するためにも「100ベクレル」は絶対防衛ラインであり、指定検査機関での検査にパスした食品については、一律100ベクレル以下を保障する農水省の認可シールを、検査対象食品全てに貼ることを徹底する。

 そして、食品業者独自の検査による食品には「認可シール」を与えず、消費者の独自判断に委ねるしかないのではないか?その場合、もしかしたら「悪徳業者」に騙される可能性もあるので、農水省の抜き打ち検査などで摘発するか、消費者保護団体の自主的な検査体制(<別添>の検査機関による検証)と連携して業者をチェックするかが、現状での最善の対応策のように思われます。

 ・・・にしても、放射能のせいで「人の心まで荒んでしまう」のですから、どっちにしても「原子力発電」は・・・


もうコリゴリ

 
ですなあ・・・。

 ナンか、書き出しとゼンゼン違う問題に話が逸れてしまいましたが、ま、いつもの事なので。



人間ナメんなよ!


でわっ!