2012年9月14日金曜日
中東での反米デモに思ふ
中東で反米デモが広がりを見せているようですが、何か?違和感を覚えるワケです。
表向きはイスラム教の侮辱に対する抗議ということになっていますが、こうも簡単に火がつくものなのか?もちろん宗教を侮辱された怒りは理解できますが、いきなりロケットランチャー打ち込みますかね?ごくフツーの人たちが・・・。
ワタシはイスラム教の人たちも理性をわきまえていると信じていますので、そう考えると少なくともロケットランチャーを撃ち込むような輩はプロの武装集団・・・すなわち、「アルカイダ」であろうという米国側の憶測にはある程度同意できます。
米大統領が駐リビア大使攻撃を強く非難、アルカイダ系関与か
2012年 09月 13日 09:39 JST
さてそうなると・・・つまり、今回の反米デモの広がりが「アルカイダ系」によって仕組まれているとすると、アレはいったい何だったのか?
<転載>
アルカイダ指導者の弟、西側に停戦呼びかける
V.O.R. 11.09.2012, 17:16
国際テロ組織「アルカイダ」指導者の弟、モハメド・ザワヒリ氏は米国のテレビ局CNNによるインタビューの中で、西側諸国、特に米国に対し、イスラム主義者との和平合意を呼びかけた。
ザワヒリ氏によると、氏は西側諸国の代表者とイスラム主義組織を仲介する用意があるとのことだ。
「アルカイダ」指導者の弟は、10年間の和平を提案する準備があると宣言した。和平の基礎となるポイントは、米国および西側諸国がイスラム諸国およびイスラム教育の原則を妨害しないことだ、という。さらに、イスラム過激派との関係が疑われ、米国の監獄に収容されている人々を解放することも、和平の条件だとした。
代わりにイスラム主義組織は米国・西側諸国の国益を損ねる活動を停止し、「ムスリム諸国における米国・西側諸国の法的利益を守」り、さらに「米国・西側諸国への挑発を中止する」とした。
モハメド・ザワヒリ氏は兄のアイマン・ザワヒリ氏に対する十分な影響力を持っており、「アルカイダ」指導者である兄は、自分の言うことを聞き入れてくれるはずだと確信している。ただし、CNNのインタビューの中でザワヒリ氏は、兄とは10年来話をしていない、とも語った。
ロシアのマスメディアより
</転載>
いくつか可能性を考えてみるに、広範囲に及ぶ反米デモの影響から、アメリカが中東から手を引き易い状況にもあるワケです。
アメリカは中東の石油利権を手放さないと言われていますが、果たしてそうでしょうか?実は、「石油」は案外アチコチに埋蔵されているのが近年の調査で確認されていますし、テキサスの油田の再開発を発表したのもつい最近のように記憶しています。
なお且つ、新エネルギーへの移行も計画されていて、シューエルガスの共同開発にお金を出せと日本に要求してきましたよね?
イランも石油依存の経済を脱すると発表したばかりですし、世界的な潮流として「脱石油」に向かっているワケですよ。で、ちょっと古い記事ですが、こんな記事がありました。
あの中東諸国が脱・石油に本腰
2008/09/04 09:00内田 泰=日経エレクトロニクス
ま、こうなる・・・石油に依存しない世界になるのは時代の流れで止められないワケで、規定路線なワケです。
そうなった時に、アメリカが中東に介入するメリットって何かあるんですかね?おそらく無いんじゃないかとワタシには思えるワケですが、アメリカが中東から手を引いたら困る国がひとつあります。
イスラエルです。
過去、周辺の国々と戦争、紛争を重ねてきましたが、それでもイスラエルが存続できたのはイギリスやアメリカの強い後ろ盾があったればこそ。ここで軍事力で抜きん出たアメリカが中東から撤退するとなると、イスラエル、イギリスは必死で引き戻そうとするでしょう。
従来はイスラエル・ロビーとみなされる「ユダヤ金融資本」の資金力にアメリカが頼っていた側面もあり、イスラエルの肩を持つことによる見返りも期待できたのでしょうが、金融危機が発生して以来十分な見返りも期待できなくなり、アメリカとしても中東から手を引きたくなった・・・と?
加えて、ヨーロッパの金融危機を穴埋めするのに「一発逆転」の策であった、
シリアの政権転覆
がほぼ頓挫するに至り、ドイツなんかは早々に欧州に見切りをつけ、アジアに拠点を移そうとしている次第です。
<転載>
ドイツ銀行 アジアへ「引越し」
V.O.R. 12.09.2012, 14:49
ドイツ銀行は、EU(欧州連合)での活動を削減し、アジアおよび米国での活動を積極化している。12日付けのウォール・ストリート・ジャーナル欧州版が伝えた。
同紙は、ドイツ銀行はユーロ危機により利益が下がり、新市場の模索を余儀なくされたと指摘している。ウォール・ストリート・ジャーナル欧州版の情報によると、ドイツ銀行に続いて他の大手銀行もスペインやイタリアなどの問題となっているユーロ諸国での活動を削減しているという。
イタル・タス
</転載>
イギリスあたりは率先してイスラエル建国に手を貸した手前、中東、および「シリア侵略」から手を引けないのでしょうが、アメリカにしてみたら、「これ以上付き合わされちゃタマラン!」という気持ちもあるのではないか?・・・と。
で、後腐れなく手を引くには、中東での反米運動の広がりを理由に、イギリスを説得すればイイ・・・と。
だいたいが、建前上アメリカは「国連理事国」なワケですよ。他に、イギリス、フランス、ロシア、中国といるワケですが、ロシア、中国はご存知のように「シリア侵略」に反対の立場を取っています。
「国連理事国」がイスラム圏の多くの国からバッシングを受けていて、それで国連が正常に機能するとは思えませんし、アメリカとしても名誉ある「常任理事国」の看板に、泥を塗るような事態は望まないでしょう。
ここで無理強いをしてさらに騒ぎを大きくすれば、いくら「常任理事国」であろうと国連の場でのアメリカの評価は失墜するでしょうし、アメリカとしてもそれは望まないでしょう。
してみると、今回の反米騒動は、アメリカが中東から手を引くイイ機会にもなり得るワケです。
ま、あくまでもワタシの想像に過ぎませんが、してみるとアメリカが撤退後の中東はどうなるのか?また、「シリア侵略」に失敗したヨーロッパの金融資本はどうなるのか?そして、イスラエルの立場はどうなるのか?
あくまでもシロウトの想像なのでアレですが、「アルカイダ」絡みで事態が推移していることは事実なのでしょう。
で、現在シリア国内で破壊活動を行っている「アルカイダ系」と、反米デモを煽っている「アルカイダ系」とが、どう関わって来るのかがイマイチ見えてきません。
ハッキリしていることは、「ムスリム同胞団」の起源はイギリスの工作組織にありイギリス系であること。そして「アルカイダ」の起源は「湾岸戦争」が発端であり、「ムスリム同胞団」よりずっと新しく、「アルカイダ」を最初に認知?したのがアメリカであるということです。
アルカイダは諜報機関の作りもの
2005年8月18日 田中 宇
もし「アルカイダ」が仮想テロ組織だとするとどうなるんですかね?すべてが「三文芝居」ってことになるんですかね?そういえばビンラディンの死体も、第三機関に確認されることなく、秘密裏に「水葬」にされてしまいましたなw。
<転載>
オバマ大統領 米国はテロとの戦いを終了する
V.O.R 12.09.2012, 12:19
米国は2014年末のアフガン撤退と共に、米史上最も長いテロとの戦いを終了する。米国のオバマ大統領が、米同時多発テロから11年目となった11日に米国防総省で行われた追悼式典で述べた。
大統領は、「9月11日の犠牲者の多くは軍人ではなかった。だが彼らは500万人以上の米国人に軍服を着る意欲を起こさせた」と述べた。大統領は、米国ははじめイラクでの戦争を追え、その後、アフガニスタンのテロリストと戦ったと指摘し、「我々はイスラム教ではなく、『アルカイダ』とその関連組織と戦った」と指摘した。
オバマ大統領によると、米国の全国民は、軍人、その家族、退役軍人を支持しているという。オバマ大統領は、「9月11日の悲劇は国民を団結させた」と述べた。
リア・ノーヴォスチ
</転載>
もう暫く状況の推移を見守るしかないのいですが、いずれにせよ、世界がエネルギーとしての石油に依存しない方向に向かうことは確かなのでしょうし、日本としてもシューエルガスなり、新規代替燃料の開発に遅れを取るワケには行かないワケです。
そうした国家を挙げての政策には当然お金も掛かるワケで、「研究・開発」にはボツになる案件はつきものであり、つまり、目先の利益にとらわれない長期的視野が必要になるワケで、そのためにも「国の基礎体力」の維持に努めなければならないハズなのに、
TPPで国内産業がボロボロ
なんて状態になってしまったら、
国家100年の計を見誤る
と、言わざるを得ません。
原発で食糧自給がボロボロ
なんて状態になってしまったら、
国家100年の計を見誤る
と、言わざるを得ません。・・・はい。
人間ナメんなよ!
でわっ!