2012年9月15日土曜日

腹芸アジア


 以前にも書いたように、尖閣諸島の領有権争いと南沙諸島の領有権争いは「セット」なワケです。


<転載>

中国周辺海域での緊張の高まり
イラン日本語ラジオ 2012/09/13(木曜) 21:47

ホセイニー解説員

 尖閣諸島の領有権を巡る日本と中国の緊張が続く中、フィリピンが南シナ海の名称を変更したことで、中国周辺の海域における緊張がさらに高まっています。

 中国・新華社通信によれば、フィリピン政府は、12日水曜、正式に、フィリピン諸島西部の南シナ海の名称を、「西フィリピン海」に変更し、関連機関に対しても、それを公にするために必要な措置を講じるよう求めました。この水域は、南シナ海の一部となっています。

 フィリピンのアキノ大統領は、今月5日水曜、正式名称を西フィリピン海とする大統領令を発令していましたが、12日、尖閣諸島の領有権を巡る中国と日本の緊張が高まる中で、それを公式に発表しました。この大統領令によれば、西フィリピン海には、南沙諸島とスカボロー礁も含まれています。

フィリピン外務省は、国連のパン事務総長宛てに、公式な地図と政府の指示に関する書類の写しを送り、他の国際機関にもそのことを通達する予定です。また、フィリピン教育省、国立大学なども、学術研究や教科書、教材の中で、それを反映させることになっています。

 中国政府は、この周辺の島々を自国の領土と見なしており、フィリピンの領有権の主張に対し、何度も抗議を示してきました。南シナ海は、豊富な石油・天然ガス資源を有する上、世界の重要な航路となっており、戦略的にも重要性を有しています。中国は、この地域でのアメリカとフィリピンの合同軍事演習に反発し、アメリカ政府は、地域諸国を中国と対立させようとしていると非難しています。

 アメリカは、この1年、南シナ海の領土問題を巡る中国との対立において、フィリピンを支援するため、この国の軍事力の強化を目指し、この海域で軍事演習を実施し、中国政府の強い抗議に直面しています。

アメリカとフィリピンは、フィリピンによるアメリカ製のF16戦闘機などの軍備購入の要請は、中国に対処する上でのフィリピンの防衛力を強化するためのものだと主張していますが、フィリピンの人々、そして反体制派は、こうした動きに懸念を示し、アメリカによるフィリピンへの軍事支援は、この国の中国との対立を高めるだけだとして、それを批判しています。

 彼らによれば、こうした動き、またアメリカ政府高官の干渉的な発言は、最終的に、中国を、周辺地域の領有権を保持するための行動へと向かわせるものであり、フィリピンと領有権を争う南沙諸島での軍事基地の強化も、その一例だと言えるということです。

 中国政府は、先月、アメリカとフィリピンの軍事的な動きに反発し、領有権を確保するための様々な措置を講じました。こうした措置に注目すると、今回のフィリピン政府による西フィリピン海への名称変更は、南シナ海での緊張を煽ることになるでしょう。

 その一方で、尖閣諸島を巡る日本と中国の緊張も高まっており、危険な域に達しています。中国人民解放軍の機関紙は、日本に「火遊びはやめるべきだ」とし、中国国防省も、日本による尖閣諸島の国有化決定は受け入れられない措置だと警告しました。日本政府は11日、尖閣諸島の国有化を明らかにし、その決定は中国政府の怒りを招きました。中国政府は、尖閣諸島を含む周辺の島々の領有権を主張しており、それらの島に対する侵害や占領に反対しています。

</転載>


 ワタシね?中国の肩を持つワケじゃなんですよ。ホント。ただね?仲がイイにしろ悪いにしろ、中国と言うか、大陸とは「卑弥呼」の時代からの、永wい付き合いなワケです。

 文化を輸入したり、戦争したり、商売したり、好むと好まざるとに関わらず、ずっと関係を持ち続けてきたワケで、その点では「日本は中国の一番の理解者」とも言えます。

 日本が鎖国を廃止して開国に踏み切り、明治という時代を構築したのも、一重に


欧米列強にボロボロにされた清国


を目の当たりにして、危機感を覚えたからに他なりません。何の本で読んだ言葉かは忘れましたが、


家族がひとつ屋根の下で同時に成長することはない。


という言葉がありました。

 どんなに親しい間柄であろうと、それぞれの成長(進歩)には差が現れるワケで、それは家族であっても同じこと。古い価値観に凝り固まった親を子供たちは易々と超えていくでしょうし、また逆に、「退化」するかも知れません。

 で、何が言いたいかというと、中国にしても韓国にしても、


同じアジアという屋根の下に在る。


・・・ということです。例えが適切ではないかも知れませんが、家族の中には「ハネッ返り」者の弟もいれば、「自信過剰」のお兄さんもいたりするワケで、でも、ヤッパリ家族だったりするワケです。

 そうしたアジアの屋根の軒下に欧米列強が割り込んできて、一時は母屋を乗っ取られていたワケですが、ま、現在は母屋を取り戻し、アメリカだけが軒下に居座っているような状態なワケですよ。

 で、アメリカは軒下から母屋にチョッカイを出しているワケですが・・・。


米国務長官、ASEANに結束を要請-南シナ海領有権めぐり

<引用>

9月4日(ブルームバーグ):クリントン米国務長官は3日夜、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国に対し、武力ではなく外交手段によって南シナ海での領有権争いを解決するよう促した。対応を誤れば軍事衝突につながる恐れがあると警告した。

</引用>


 ま、特に日本の軒下は居心地がイイのでしょうなw。アメリカにとっては。

 ソレはソレとして、尖閣諸島を巡り中国と日本が「一触即発」のように騒がれていますが、ワタシの見方は少し違います。


<転載>

中国監視船6隻が領海侵入 日本政府、退去を要求
東京新聞 2012年9月14日 17時24分

 14日早朝、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺の日本領海に中国国家海洋局の海洋監視船6隻が相次いで侵入したのを海上保安庁の巡視船が確認した。中国監視船の領海侵入は、日本政府が11日に尖閣諸島を国有化した後初めてで、6隻は過去最多。国家海洋局は「海洋権益を守るためのパトロールをした」と発表した。藤村修官房長官は記者会見で「誠に遺憾だ。中国側に直ちに退去するよう要求している」と述べた。

 政府は首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置。

(共同)

</転載>


 繰り返しますが、中国にとって尖閣諸島と南沙諸島は「セット」であり、尖閣諸島で甘い対応をすれば南沙諸島でつけ込まれるのは明白であり、例え?中国が、「もしかしたら尖閣諸島は日本の領土かも?」と、思っていたとしても、そんなことを公に認めるワケにはいきません。なんせ中国人特有の


面子(めんつ)


がありますし、南沙諸島の件もありますからw。

 で、そうした中国の「面子」を汲み取って「腹芸」によって事を収めることができるのは、「日本」だけだったりするワケですよ。なんせ付き合いが永いですから、ま、ちょっとした「阿吽の呼吸」のようなものがあるワケです。

 こうしたナンつーか、「非言語コミニュケーション」が成立するのも、同じアジア文化圏の内にあるからなワケで、文化圏の違うアメリカさんには理解できないでしょうなw。

 しかし残念なことに、近年はどこのアジアの国も欧米化の波にのまれて、そうした「腹芸」ができるだけの「器量」を持った人士が減り、「契約書」などという四角四面な正論ばかりを振りかざす輩ばかりが幅を利かせているワケです。

 人の心は「契約書」では縛れません。「契約書」には収まり切れない人の心を汲み取るのが「腹芸」であり、そうした「腹芸」のできる人間が、「器量の大きい人間」として古来中国はもとより、アジアでは尊敬されてきたものです。・・・はい。

 で、中国が尖閣諸島に過敏に?反応するワケを、日本の政治家はどこまで理解しているのか?さらには尖閣諸島と「セット」になっている南沙諸島に思いを馳せらることができるのか?

 南沙諸島の問題にしても、旧日本軍が占領していた地域であり、且つ戦後独立を果たした国々の問題であれば、まったく知らん振りをするというのも、「いかがなものか?」・・・と、思ったりもするワケです。

 例えばですよ?(例えが多くて恐縮です)南沙諸島を「ASEAN+3共同開発地域」にして、もしエネルギー資源があるのなら日本の技術力を投入し、取り出されるエネルギーを東南アジア全域に供給するという、壮大な計画もオモシロイじゃないですかw。領土問題とエネルギー問題を一挙に解決ですw。

 ま、ケンカをするのは簡単であり、仲良くするのは難しいワケですが、それはケンカが「感情の産物」であり、仲良くするには「理性が必要」だからで、ワタシたちが、この日本が、「感情」の赴くままに進むのか?それとも「理性」をわきまえた現代人として進むのか?その資質、器量が問われているようにも思うワケです。




人間ナメんなよ!


でわっ!