2012年9月18日火曜日

高所に立つ


 尖閣諸島の領有権の争いで、いま、日本と中国の関係がギスギスしているワケですが、状況的には中国側が一方的にヒートアップしている観もあります。それというのも、「戦後史の正体」を執筆された元外務省国際情報局局長、元防衛大学講師の肩書きをお持ちの孫崎氏の言われるように、もうじき中国で「党大会」が開かれる関係もあるでしょう。

 そこでぐるりと世界を見回してみるに、イスラム圏の国々では「反米運動」が広がりを見せていますが、当のアメリカは11月に大統領選挙を控えており、「反米運動」が大統領選挙にどう影響を及ぼすかも気になります。

 また、尖閣諸島でモメでいるのは中国だけでなく、台湾も領有を主張していることを忘れてはなりません。仮に尖閣諸島を中国が領有するような事態になった場合、台湾は中国に対して尖閣諸島の領有を主張できるのか?まず不可能でしょう。

 中国は、台湾そのものを中国の一部だと主張しているワケですから、台湾が尖閣諸島の領有をを主張しても何の意味もありません。台湾が尖閣諸島の領有を主張するのは、台湾が事実上の「国家」であることを世界に向けてアピールする側面もあり、尖閣諸島の領有の主張という行為によって「台湾のアイデンティティー」を保つ・・・つまり、台湾と中国は対等であるというメッセージでもあるワケです。

 で、もしも?尖閣諸島が中国の領土に組み込まれた場合、台湾は中国に対して領有権を主張できるのか?

 ワタシが思うにそれは不可能でしょう。台湾は、中国との間に深い経済関係を既に築いてしまっています。領土(無人島)と経済(国民の暮らし)を天秤にかけて、どっちに比重を置くか?と考えれば、答えは自ずと明らかです。

 そこで、尖閣諸島の領有権争いから台湾が一歩後退するということは、「国家」の主権を放棄することであり、台湾の「独立」からも一歩後退することにもなり、真綿で首を絞められるように台湾が中国に飲み込まれる予兆でもあるワケです。

 そう考えると、尖閣諸島の領有権を「棚上げ」にしておけば、日中間において小競り合いはあったとしても、今回のような「大規模な反日運動」までには至らず、なお且つ、台湾も折を見て尖閣諸島の領有権を主張()をすることで、「国家」としての存在をアピールできて便利だったワケですよ。

 そうした微妙なバランスを「暗黙の了解」で保っていた地域なのに、世間知らずの石原都知事のスタンドプレーで、「イイ迷惑」だと思っている関係者は大勢いるんじゃないですかね?日本と中国のみならず、台湾にまで迷惑をかけている事を自覚してるんですかね?ま、してないでしょう・・・。



 こうした自分の「名声」しか考えない、「高所」に立って物を見ることができない人間が「政治」に携わっているのは、非情に危険だと言わざるを得ません。歴代の都知事の中でも「最低レベル」の都知事であると断言します。


即刻辞職せよ!


 で、「茅ヶ崎で静かに余生でも送ってろ!」・・・と、言いたいワケです。

 「高所に立って物を見る」のは大切です。「流れ」の渦中にあっては「流れ」を見ることはできませんが、一旦「流れ」から離れ、高所から「流れの全貌」を見ることができれば、「流れ」がどこに向かっているのかが理解できますし、「流れ」を予測し、「流れ」を変えることさえ可能です。

 中国における「反日運動」という流れ、イスラム圏における「反米運動」という流れ、ヨーロッパにおける「英国王室バッシング」という流れ、さらには「シリア侵略」に向かう流れ、「金融危機」の流れ、日本においては「原発推進」へと向かう流れ、そうした「流れ」の全てが関連性を持っていることに、「高所に立って」眺めてみれば気が付くことでしょう。

 ただそれには「偏見」を捨て、あるがままに「事実を検証する」というある意味、


自分さえも度外視する


という、「理性」に基づいた姿勢が必要とされるワケです。

 で、そうした「検証」に耐えうる自分を・・・エゴを超越した自分を構築するするためにも、くどいようですが


個人革命


は、避けては通れない「進歩」の一過程として在るワケです。はい。

 ま、毎度毎度同じ事を繰り返してアレですが・・・。 




人間ナメんなよ!


でわっ!


追記:

<転載>

台湾が日中に平和的解決要請 戦争の悲劇繰り返すな
47ニュース

 【台北共同】台湾の楊進添外交部長(外相)は、満州事変の発端となった1931年の柳条湖事件から81年の18日、記者会見し、「戦争の悲劇が再び起きることを望まない」と述べ、沖縄県・尖閣諸島(台湾名・釣魚台)をめぐる問題について、日中両国が対立を激化させず、平和的に解決するよう呼び掛けた。

 また日台間の火種の一つである同諸島周辺海域の漁業権問題で、双方が漁業協議の早期再開を望んでおり、協議の議題を検討中だと説明した。

2012/09/18 16:00 【共同通信】

</転載>