2013年7月12日金曜日

聖人でも嘘をつき、盗賊でも真実を語る

  
 エジプト情勢について様々な憶測、情報が交錯していますが、ネット上では・・・「エジプト軍によるクーデター」であり、アメリカに支援されたものだ・・・という見解が多く見られます。

 ワタシの見解は前回述べたように、長年に渡る戦時体制の下で「軍民一体」の社会基盤が構築されたのは事実であり、そうした状況を無視して、「軍」だけを悪者のように捉えるのは不十分である・・・というものです。

 エジプトがイスラエルと「武力対峙」している間は、「軍」と「国民」は一枚板で結ばれていたのでしょうが、外交戦略に方向転換したことで、イスラエルとの武力衝突(戦争)に対する国民の緊張が薄れ、「軍」と「国民」との間にも「隙間」が生じたのでしょう。

 尚且つ、1972年の第四次中東戦争以降に生まれた子供たちは、所謂「戦争を知らない子供たち」であり、「軍」と若い世代との関係(契約関係)も大きく変化し、で、その「隙間」に「イスラム同胞団」が入り込んできた・・・と。

 以上がワタシなりに考えているエジプトの現状であり、エジプト関係のニュースは、この現状に照らし合わせてどう当て嵌まるのか?・・・と、いうことをモノサシに判断しています。

 



 さて、混迷する中東情勢を無駄な虚飾を排し、的確に伝えてくれる「ありがたいサイト」のひとつに、【ROCKWAY EXPRESS】さんと並び、【桜井ジャーナル】さんがあります。


【桜井ジャーナル】

「アラブの春」でプロパガンダに徹したアル・ジャジーラで20名以上のスタッフが辞めたが、その理由はカタール政府の事実を無視したムスリム同胞団への肩入れ命令
2013.07.09

 カタールの首長が私財を投じてアル・ジャジーラという放送局は設立された。カタール以外の情報は自由に報道できるため、それなりに信頼を勝ち得たのだが、「アラブの春」で状況は大きく変わってしまった。

 リビアにしろ、シリアにしろ、カタール政府が体制転覆プロジェクトに深く関与しているため、アル・ジャジーラは自由に報道できないどころか、単なるプロパガンダ機関になり、信頼度が大きく低下してしまったのである。

 アル・ジャジーラの傘下にアル・ジャジーラ・ムバシャー・ミスル(ライブ)という放送局がある。エジプトでモハメド・ムルシ政権が倒された後、放送中止に追い込まれ、社長のアイマン・ガバラーは7月3日、治安機関に拘束されてしまった。5日までには釈放されたようだ。

 7月8日には、そのアル・ジャジーラ・ムバシャー・ミスルのスタッフ22名が辞職している。カタール政府の指示によって、ムスリム同胞団に肩入れした報道をさせられたことが辞めた理由で、職場には責任もプロの意識もないという。

 その前日、7日にはルクソールの特派員、ハッガグ・サラマも辞めた。放送で嘘をつき、視聴者をミスリードしていることが理由だとしている。ムスリム同胞団やサラフィを背景にするムルシ政権を持ち上げる一方、同政権に反対するグループは「暴徒」として描き、何を主張しているかは伝えないことが方針になっていた。逆にムルシ派が一方的に銃撃しても静かだ。

 昨年3月にもアル・ジャジーラのベイルート支局の幹部、ハッサン・シャバーンが「偏向放送」に抗議して辞職している。同放送局ベイルートのプロデューサーや特派員も同じ理由で辞めている。

 ムスリム同胞団と「西側」や湾岸産油国との緊密な関係については何度も書いたが、その象徴的な人物がヒラリー・クリントンの側近だったヒューマ・アベディン。母親のサレハはムスリム同胞団の女性部門を指導している人物で、夫のアンソニー・ウィーナーは親シオニスト派の元下院議員だ。議員はセックス・スキャンダルで2011年に辞職している。

 アル・ジャジーラはその程度の放送局だということだが、視聴者に嘘をつき、ミスリードして国民を破滅への道へ導いても平然としている日本のマスコミよりは、はるかにマシだとは言えそうだ。


 えwwwと・・・「アル・ジャジーラ」が、もともとはイギリスのBBC放送(国営)の中東支局であったことは、ワリと知られた事実です。

 で、カタールの王族がそれを買い取って「アル・ジャジーラ」を設立したということは、イギリスの仕事をカタールの王族が引き継いだと見ることもできます。

 現在のシリアの内戦状態にしてもアレですが、イギリスは昔から中東に介入し、アラブの利権を王族たちと分け合うかのような政策を続け、カタール王族による「アル・ジャジーラ」の設立もその一環と見て取れますし、そのような報道機関が・・・


本当に公正中立なのか?


・・・という疑問を持つのは当然ですよね?

 エジプトでの政変にしても、「アル・ジャジーラ」の報道を鵜呑みにしている人が多いようですが、「アル・ジャジーラ」の実態を知った上で、それでも尚「アル・ジャジーラ」の報道こそが正しいと言い張るのであれば、ナンか・・・


日本のマスコミはマスゴミである。


・・・なんて言える立場では無いようにも思えたりするワケです。

 
聖人でも嘘をつき、盗賊でも真実を語る。


 ワタシの好きな?言葉ですが、「アル・ジャジーラ」は決して「聖人」ではないし、日本のマスコミにしても、全てが「盗賊」ではないワケで、大切なのはしっかりとした「判断のモノサシ」を持つことであり、勿論、ワタシの「モノサシ」にしてもまだまだ不完全なものですが、情報の中から「余分な要素」を削ぎ落とし、「事実関係」だけを抽出することを心がければ自ずと・・・


情報の「本質」が見えてくる


・・・ように思うワケです。はい。

 参議院選挙の最中に、エジプトの話題など書いている場合ではない・・・のかも知れませんが、


革命のその先を見よ!


・・・と、同じように、


選挙のその先を見よ!


・・・とも言えるワケです。

 目先の選挙に心が奪われてしまうのは仕方ありませんが、日本とは無関係に外の世界も日々変化しています。

 エジプトの件にしても、シリア反政府軍への支援を表明したイスラム同胞団が失脚したことで、シリアの内戦の終結が早まるかも知れず、エジプトはともかく、そうなればシリアの国民にとっては喜ばしいことですし、シリアへの援助を表明した日本としても、その援助方針の見直しが問われるようになるでしょう。

 トルコでも国民的なデモが継続していますが、もし現政権が失脚すれば、トルコのシリア介入政策も軌道修正されるでしょうし、それによって更なるシリア内戦の早期終結が図れるかも知れません。

 加えて、そうした流れを後押しするかのようなロシアの声明・・・


シリアで化学兵器を使用したのは反政府戦闘員
アンドレイ フェジャーシン 10.07.2013, 14:50

 9日、ロシアは国連事務総長に、シリアで化学兵器を用いたのは在野勢力の戦闘員であり、政府軍ではないことを証拠立てる文書を提出した。シリアを現在統治するアサド体制が野蛮な手段を用い戦争を行っているとの非難は、米国及び若干のEU諸国がシリアの在野勢力への武器供給禁止措置を解除する大きな口実となっていた。

 ロシアの専門家らは、今年3月19日にシリア反政府武装グループがアレッポ郊外でサリン・ガス弾を使用した事実を突き止めた。ロシアが示したデータは、米国の同種のものとは一つの重要な点で異なっている。米国の場合は仲介者を通じてサンプルを受け取ったが、ロシアの分析は、問題の弾薬が爆発した現場で直接行われたという点だ。そしてサンプルは、化学兵器禁止機関(OPCW)に認められたロシアの実験所で検査された。さらにサンプルの移送、保管、分析は、同機関の規範に厳しくしたがって行われた。

(後略)


 フランスの「一流紙」である「ル・モンド」が、シリア政府軍による化学兵器使用の証拠をつかんだと、一部ではスクープ扱いされましたが、


「ル・モンド」だから正しい!


・・・という、「思い込み」だったんじゃないんですかね?

 「ル・モンド」の記者が勝手にシリアから持ち帰ったという「サンプル」の分析結果と、ロシアの分析結果のどっちの信憑性が高いか?・・・といえば、ワタシはロシアに軍配を上げますわ。

 だいたいが、「サリン」という毒物が付着した「サンプル」を、おそらく?一般の旅行客に紛れてシリアからフランスまで持ち帰るというコト自体が「はた迷惑」であり、毒物の機内持ち込み許可なんてとってないワケでしょ?「一流紙」の記者にしては非常識極まりないですなw。

 ま、ソレはアレとして、ロシアが正面切って反政府軍による化学兵器の使用を明言した(国連の調査委員会も同見解)ということは、欧米の言う「最後の一線」という大義名分がその効力を失ったワケであり、これもまた、シリア内戦の早期終結に向かってのプラス材料になるワケです。

 で、シリア内戦の終結・・・欧米によるアサド政権の転覆計画が失敗するということは、欧米の「国際金融カルテル」にとっては大損失となり、最悪の場合・・・


欧米金融市場の崩壊


・・・というシナリオすら無きにしも非ずなワケですが、ま、「金融商品」に手を出していない人は、必要以上に心配する必要はないんじゃないですかね?

 多少ワタシの妄想が入り混じっていますが、世界の「マネーの流れ」の変化が避けられないとなると、今後の日本の政策にしても、そうした変化に沿った対応が求められ、そこで、目先の参議院選挙のその先にある


未来の日本のヴィジョン


・・・を見据えることのできる「新しいタイプの政治家」が必要とされるワケで、原発ひとつを取り上げてもアレですが、「利権」や「権力」に固執するだけのゾンビ政治家は、


お呼びじゃない!


・・・と、言いたいワケですw。






人間ナメんなよ!


でわっ!