2013年7月13日土曜日

近未来における産業構造の変化

  
 「マネーの流れ」について前回少しばかり触れたのですが、ちょうどイイタイミングでこんなニュースがありました。


金融危機克服のためには国際銀行システムを変えなくてはならない
べニューフ 12.07.2013, 13:47

国際金融危機を回避するために世界の銀行システムを変更しなくてはならない。バングラデシュ出身の世界的に有名なエコノミスト、ムハマド・ユヌス氏がVOR「ロシアの声」とのインタビューのなかでそのような考えを明らかにした。2006年、ユヌス氏はノーベル賞を受賞している。

‐銀行は弱い立場の人々がビジネスを始める可能性を閉じてしまっています。銀行システムはインクルーシブなものでなくてはならず、幅広い人々にサービスを提供するものでなくてはなりません。今日の銀行システムはエクスクルーシブなものとなっています。資金を持たない人々を排除してしまっているのです。これは間違った銀行システムです。多くの人々を貧困へと追いやっているのです。金融危機の原因もここにあります。つまり稼ぎの多い人のことしか考えていないのです。この状況を変えなくてはなりません。

1983年、ユヌス氏はバングラデシュにグラミン銀行を設立し、マイクロクレジット事業を開始した。ユヌス氏はこの事業について次のように語っている。

マイクロクレジット事業は世界に広まりました。様々な国で1億6000人以上がマイクロクレジットを利用しています。バングラデシュではホームレスの人々を含めて20ドルからの貸付を行っています。これによって、小さくても自分の事業を始めることが出来るのです。

マイクロクレジットはバングラデシュ、インドなどのアジア諸国、アフリカ、ラテンアメリカなどで需要が高い。そのほか、グラミン銀行は欧州や米国でも活動を行っている。もちろん、貸付規模は地元住民の資金力に応じて変わることになる。

‐ニューヨークには6つの支店があります。平均貸付金額は1500ドルです。米国ではかなり小さな金額です。12000人の顧客がいますが、みんな女性です。全体としてみても97%が女性なのです。マイクロクレジットシステムはロシアでも広がっています。ロシアにも何度か来て、会議に参加したり、コンサルを行ったりしました。これは資金のない人々が自立するための効果的な方法です。

新しいグローバル世界における金融の源泉は銀行システムであり、それが抜本的に変更され、一人一人のクリエイティビティ発展を支援していかなくてはならない。ユヌス氏はエカチェリンブルグで11日から12日にかけて開かれた国際シンポジウム「グローバル知性」に参加し、2020年の万博をこの町で開催することを支持する考えを示した。エカチェリンブルグはウラル地方でも中心的な経済都市、学術都市、文化都市という顔を併せ持っている。

‐私はこの考えを支持します。ここは素晴らしい場所です!世界はエカチェリンブルグについてすこし知ることとなり、その豊かな歴史に触れることとなるでしょう。世界は新しい驚くべき土地を発見することとなるでしょう。

エカチェリンブルグで開かれた国際シンポジウム「グローグル知性」には、ビジネス界や政界、財界、学界を代表する人物が世界中から集まった。ユヌス氏が重要な課題として指摘したのは、グローバルな知性が企業ごとの狭い利害に対して勝利を収めなくてはならないということだった。


 正直、ワタシはグラミン銀行に対しては懐疑的なのですが、どうもワタシだけではないようです。


【ニューズウィーク】グラミン銀行は貧困を救えない

(前略)

 開発援助の世界でムハマド・ユヌスとエルナンド・デソトといえば聖人も同然だ。

 ・・・ユヌスと、ユヌスがバングラデシュに設立したグラミン銀行は06年、マイクロファイナンス(貧困者を対象とした小口融資)における先駆的功績が評価されノーベル平和賞を受賞した。バラク・オバマ米大統領は8月12日、「世界中の何百万もの人たちに自分の可能性を思い起こさせた」と、ユヌスに大統領自由勲章を授与した。アメリカで文民に与えられる最高の栄誉だ。

 デソトは90年代に世界銀行がペルー経済を立て直す際に重要な役割を果たした経済学者。「貧困層の財産権」という概念を唱えた彼は世界的に重要な知識人であり、長年ノーベル賞候補にあがっている。

 だが2人が唱えるアイデアが現実に与えるインパクトは限定的で、よく言われるように世界をつくりかえる力はない。残念なことに彼らが受ける栄誉がその現実を見えにくくし、重要な批判を封じてきた。だが2人のアイデアのいいところを組み合わせることで、貧困問題を解決する方法が見えてくる。・・・

(後略)


 そのwww、なんて言うか?「基本的」に間違っているように思えてしまうワケですよ。例えがアレですが、貧困層の人たちに「覚せい剤」を注射して、無理やり「金融システム」の中に取り込もうとしているようにも見えてしまうワケです。

 まず、様々な原因により貧困が発生するのは不可抗力であるとしても、貧困を救済する福祉政策が先に行われるのが「スジ」だと思うワケですよ。

 生活するための最低条件を整え、ひとまず「命の危機」を意識することなく暮らす(自立する)ことができる環境を整えた上で、更なる収入を求める人たちが「新規事業」に手を出せばイイんじゃないですかね?

 つまり、0(ゼロ)から事業を始め、残念ながら計画した事業が失敗した場合でも、また0(ゼロ)に戻るだけ・・・という設定であれば、貧困層の人であろうと、再度新規事業に挑戦することも可能ですが、マイナスの状態から事業を始めて「自立しなさい」というのは、


あまりにリスキー


・・・なのではないでしょうか?事業が失敗すれば共同で事業を始めた「5人組」の絆もズタボロになるでしょうし、成功したら成功したで、利益の分け前を巡っての争いが起こりそうな気もします。

 貧困層の人たちに自立しろ・・・即ち、自分の食い扶持は自分で稼げというのは、政府、行政の責任転嫁としか思えないワケですよ。ワタシわ。

 ま、そういったワケで「グラミン銀行」に対しては懐疑的なワタシなのですが、もうひとつ理由があります。それは・・・


需要と供給のバランス


・・・を、無視できない時代になったというコトです。

 つまり、世界中に満遍なく「消費財」が行き渡る現代および未来において、生産は必ず過剰状態になる・・・と、いうことです。早い話が、


仕事が無くなる


・・・のが、今後の世界の未来の姿であり、それは生産技術の進歩、生産の高効率化によってもたらされる恩恵なワケですから、人類の進歩の証として喜ぶべきことなワケです。


より少ない資源で、より豊かになれる。


 誰が考えても素晴らしいことのように思えるワケですが、「金融機関」だけは別な考え方をするかも知れません。「右肩上がりの経済発展」でないと、金融関係者は利益が出ないワケですから・・・。

 「見かけのGDP」と「実質のGDP」の関係からすれば、「実質のGDP」の中においてどれだけ物流が活発であろうと、「デフレ」状態だと「見かけのGDP」=流通マネーの総額には反映されないワケです。

 したがって「インフレターゲット」を設定して、「見かけのGDP」を押し上げようとするワケですが、


イッタイ誰のために?


 「物価」とは相対的・・・つまり、収入に対して変動するものであり、日本における現在のデフレの理由とは、


収入が目減りしている。


・・・という、至極当然な理由によるものです。収入が目減りすれば「低価格商品」へと消費行動は移行し、また、そうした価格設定でなければ「商品」が売れなくなるのは、「水は高いところから低いところに流れる」・・・というのと同じくらい明白なワケです。


物価を上げたければ、給料を上げろ!


・・・というのが正解なワケです。

 然しそれにしても、先に述べたように「仕事の絶対量が減る」・・・というのが将来の世界の構図になるでしょうし、それは「人類の進歩」として喜ぶことなワケですよ。

 仕事がなくなると収入がなくなる・・・生きていけなくなる・・・と、不安に駆られる人がほとんどでしょうが、だからこそワタシは


ベーシックインカムの導入


・・・について、過去何度か言及したワケです。

 生産技術の高度化、生産過程の高効率化は、人類のたゆまぬ努力の成果であり、その結果として労働人口が減ることは、


労働から解放される


・・・という、人類の長年の願望でもあるワケです。喜ぶことなワケでしょ?

 仕事に対して就労希望人口が多ければ「仕事の奪い合い」、「争いの火種」になりますが、それもこれも「収入」に対する不安から来るものであり、「ベーシックインカム」によって基本生活レベルを維持できれば、そうした「奪い合い」で精神をすり減らすこともなくなるワケですよ。

 それによって生じる「心のゆとり」が新たなイノベーション、新たなクリエーションの「種」になる方が、どれほど日本にとって有益であるか計り知れません。


創造力こそが財産である!


・・・と。

 そうした財産を守るためにも、未来の産業構造に適応するためにも、「ベーシックインカム」の導入は有効である・・・というか、必要であるというのがワタシの見解であり、従来の「金融市場」がイニシアチブを握る経済システムでは、少なくとも「数字上の破綻」は不可避であり、それによって「実体経済」が影響を受けるのは・・・


とても愚かなこと


・・・に思えてならないワケです。

 さらに付け加えるならば、そうした産業構造の変化による金融市場の破綻を、「NWO」推進派も想定済みかも知れません。


彼らは何故人口削減をしたいのか?


・・・という疑問が長く引っ掛かっていたのですが、ひとつに、世界支配のためには「適度な人口」が都合イイという理由が挙げられます。





 然し、人口を削減するということは、経済発展(数字上)の後退を意味するものであり、「金融」によって世界支配を計画しているとするならば、到底受け入れられない事態のハズ。矛盾してますよね?であるならば、導き出される推論は・・・


金融システムも道具に過ぎない


・・・というものです。

 つまり、「金融操作」によって「NWO」が完成されてしまえば、逆に「マネー」なんて何の意味も持たなくなるワケですよ。「マネー」を発行するのは「NWO」であり、従来は「ゴールド」なり、「石油」といった「現物」の価値に裏付けられていたものが、「金融支配」によってほとんどの資源を「独り占め」してしまえば、「NWO」そのものが「マネー」の裏付けとなり、「マネー」は謂わば、


「NWO」体制下における「兌換券」


・・・といった意味合いしか持たなくなるでしょう。

 従って現在、産業構造の変化に対する各国の対応が早いか・・・それとも、「NWO」の金融支配による資源の独占が早いか・・・の瀬戸際にあるとも考えられますw。ただし、ワタシの妄想の中でですが・・・。

 確かなことは、産業構造の変化は人類の進化の途上における不可避の事態であり、それを喜びこそすれ、恐れるのは間違いであるということです。

 くどいようですが、そこで浮かび上がって来るのが「ベーシックインカム」の導入であり、「グラミン銀行」のように貧困層に新規事業を奨励するような経済政策は、時代の流れ・・・というか、人類全体に対する洞察に欠けた経済政策である・・・と、言えなくもないワケです。






人間ナメんなよ!


でわっ!