【東京新聞】特定秘密保護法 全文
2013年12月6日
第四章 特定秘密の取扱者の制限
第十一条 | ||||
特定秘密の取扱いの業務は、当該業務を行わせる行政機関の長若しくは当該業務を行わせる適合事業者に当該特定秘密を保有させ、若しくは提供する行政機関の長又は当該業務を行わせる警察本部長が直近に実施した次条第1項又は第十五条第1項の適性評価[注1]において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者[注2]でなければ、行ってはならない。ただし、次に掲げる者については、次条第1項又は第十五条第1項の適性評価を受けることを要しない。 | ||||
注1 | 第十三条第1項(第十五条第2項において準用する場合を含む。)の規定による通知があった日から五年を経過していないものに限る。 | |||
注2 | 次条第1項第三号又は第十五条第1項第三号に掲げる者として次条第3項又は第十五条第2項において読み替えて準用する次条第3項の規定による告知があった者を除く。 | |||
一 | 行政機関の長 | |||
二 | 国務大臣[注3] | |||
注3 | 前号に掲げる者を除く。 | |||
三 | 内閣官房副長官 | |||
四 | 内閣総理大臣補佐官 | |||
五 | 副大臣 | |||
六 | 大臣政務官 | |||
七 | 前各号に掲げるもののほか、職務の特性その他の事情を勘案し、次条第1項又は第十五条第1項の適性評価を受けることなく特定秘密の取扱いの業務を行うことができるものとして政令で定める者 |
第五章 適性評価
第十二条 (行政機関の長による適性評価の実施) | |||||
1 | 行政機関の長は、政令で定めるところにより、次に掲げる者について、その者が特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないことについての評価(以下「適性評価」という。)を実施するものとする。 | ||||
一 | 当該行政機関の職員[注1]又は当該行政機関との第五条第4項若しくは第八条第1項の契約(次号において単に「契約」という。)に基づき特定秘密を保有し、若しくは特定秘密の提供を受ける適合事業者の従業者として特定秘密の取扱いの業務を新たに行うことが見込まれることとなった者[注2] | ||||
注1 | 当該行政機関が警察庁である場合にあっては、警察本部長を含む。次号において同じ。 | ||||
注2 | 当該行政機関の長がその者について直近に実施して次条第1項の規定による通知をした日から五年を経過していない適性評価において、特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認められるものを除く。 | ||||
二 | 当該行政機関の職員又は当該行政機関との契約に基づき特定秘密を保有し、若しくは特定秘密の提供を受ける適合事業者の従業者として、特定秘密の取扱いの業務を現に行い、かつ、当該行政機関の長がその者について直近に実施した適性評価に係る次条第1項の規定による通知があった日から五年を経過した日以後特定秘密の取扱いの業務を引き続き行うことが見込まれる者 | ||||
三 | 当該行政機関の長が直近に実施した適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認めることについて疑いを生じさせる事情があるもの | ||||
2 | 適性評価は、適性評価の対象となる者(以下「評価対象者」という。)について、次に掲げる事項についての調査を行い、その結果に基づき実施するものとする。 | ||||
一 | 特定有害活動[注3]及びテロリズム[注4]との関係に関する事項[注5] | ||||
注3 | 公になっていない情報のうちその漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動、核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置若しくはこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機又はこれらの開発、製造、使用若しくは貯蔵のために用いられるおそれが特に大きいと認められる物を輸出し、又は輸入するための活動その他の活動であって、外国の利益を図る目的で行われ、かつ、我が国及び国民の安全を著しく害し、又は害するおそれのあるものをいう。別表[※]第三号において同じ。 | ||||
注4 | 政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう。同表第四号において同じ。 | ||||
注5 | 評価対象者の家族[a]及び同居人(家族を除く。)の氏名、生年月日、国籍(過去に有していた国籍を含む。)及び住所を含む。 | ||||
a | 配偶者[※1]、父母、子及び兄弟姉妹並びにこれらの者以外の配偶者の父母及び子をいう。以下この号において同じ。 ※1 婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この号において同じ。 | ||||
二 | 犯罪及び懲戒の経歴に関する事項 | ||||
三 | 情報の取扱いに係る非違の経歴に関する事項 | ||||
四 | 薬物の濫用及び影響に関する事項 | ||||
五 | 精神疾患に関する事項 | ||||
六 | 飲酒についての節度に関する事項 | ||||
七 | 信用状態その他の経済的な状況に関する事項 | ||||
3 | 適性評価は、あらかじめ、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を評価対象者に対し告知した上で、その同意を得て実施するものとする。 | ||||
一 | 前項各号に掲げる事項について調査を行う旨 | ||||
二 | 前項の調査を行うため必要な範囲内において、次項の規定により質問させ、若しくは資料の提出を求めさせ、又は照会して報告を求めることがある旨 | ||||
三 | 評価対象者が第1項第三号に掲げる者であるときは、その旨 | ||||
4 | 行政機関の長は、第2項の調査を行うため必要な範囲内において、当該行政機関の職員に評価対象者若しくは評価対象者の知人その他の関係者に質問させ、若しくは評価対象者に対し資料の提出を求めさせ、又は公務所若しくは公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。 |
第十三条 (適性評価の結果等の通知) | ||||
1 | 行政機関の長は、適性評価を実施したときは、その結果を評価対象者に対し通知するものとする。 | |||
2 | 行政機関の長は、適合事業者の従業者について適性評価を実施したときはその結果を、当該従業者が前条第3項の同意をしなかったことにより適性評価が実施されなかったときはその旨を、それぞれ当該適合事業者に対し通知するものとする。 | |||
3 | 前項の規定による通知を受けた適合事業者は、当該評価対象者が当該適合事業者の指揮命令の下に労働する派遣労働者[注1]であるときは、当該通知の内容を当該評価対象者を雇用する事業主に対し通知するものとする。 | |||
注1 | 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第二条第二号に規定する派遣労働者をいう。第十六条第2項において同じ。 | |||
4 | 行政機関の長は、第1項の規定により評価対象者に対し特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められなかった旨を通知するときは、適性評価の円滑な実施の確保を妨げない範囲内において、当該おそれがないと認められなかった理由を通知するものとする。ただし、当該評価対象者があらかじめ当該理由の通知を希望しない旨を申し出た場合は、この限りでない。 |
第十四条 (行政機関の長に対する苦情の申出等) | ||||
1 | 評価対象者は、前条第1項の規定により通知された適性評価の結果その他当該評価対象者について実施された適性評価について、書面で、行政機関の長に対し、苦情の申出をすることができる。 | |||
2 | 行政機関の長は、前項の苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知するものとする。 | |||
3 | 評価対象者は、第1項の苦情の申出をしたことを理由として、不利益な取扱いを受けない。 |
第十五条 (警察本部長による適性評価の実施等) | ||||
1 | 警察本部長は、政令で定めるところにより、次に掲げる者について、適性評価を実施するものとする。 | |||
一 | 当該都道府県警察の職員(警察本部長を除く。次号において同じ。)として特定秘密の取扱いの業務を新たに行うことが見込まれることとなった者[注1] | |||
注1 | 当該警察本部長がその者について直近に実施して次項において準用する第十三条第1項の規定による通知をした日から五年を経過していない適性評価において、特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認められるものを除く。 | |||
二 | 当該都道府県警察の職員として、特定秘密の取扱いの業務を現に行い、かつ、当該警察本部長がその者について直近に実施した適性評価に係る次項において準用する第十三条第1項の規定による通知があった日から五年を経過した日以後特定秘密の取扱いの業務を引き続き行うことが見込まれる者 | |||
三 | 当該警察本部長が直近に実施した適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認めることについて疑いを生じさせる事情があるもの | |||
2 | 前三条[注1]の規定は、前項の規定により警察本部長が実施する適性評価について準用する。この場合において、第十二条第3項第三号中「第1項第三号」とあるのは、「第十五条第1項第三号」と読み替えるものとする。 | |||
注1 | 第十二条第1項並びに第十三条第2項及び第3項を除く。 |
第十六条 (適性評価に関する個人情報の利用及び提供の制限) | ||||
1 | 行政機関の長及び警察本部長は、特定秘密の保護以外の目的のために、評価対象者が第十二条第3項[注1]の同意をしなかったこと、評価対象者についての適性評価の結果その他適性評価の実施に当たって取得する個人情報[注2]を自ら利用し、又は提供してはならない。ただし、適性評価の実施によって、当該個人情報に係る特定の個人が国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第三十八条各号、同法第七十五条第2項に規定する人事院規則の定める事由、同法第七十八条各号、第七十九条各号若しくは第八十二条第1項各号、検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第二十条各号、外務公務員法(昭和二十七年法律第四十一号)第七条第1項に規定する者、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第三十八条第1項各号、第四十二条各号、第四十三条各号若しくは第四十六条第1項各号、同法第四十八条第1項に規定する場合若しくは同条第2項各号若しくは第3項各号若しくは地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第十六条各号、第二十八条第1項各号若しくは第2項各号若しくは第二十九条第1項各号又はこれらに準ずるものとして政令で定める事由のいずれかに該当する疑いが生じたときは、この限りでない。 | |||
注1 | 前条第2項において読み替えて準用する場合を含む。 | |||
注2 | 生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの[a]をいう。以下この項において同じ。 | |||
a | 他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。 | |||
2 | 適合事業者及び適合事業者の指揮命令の下に労働する派遣労働者を雇用する事業主は、特定秘密の保護以外の目的のために、第十三条第2項又は第3項の規定により通知された内容を自ら利用し、又は提供してはならない。 |
第十七条 (権限又は事務の委任) | ||||
行政機関の長は、政令[注1]で定めるところにより、この章に定める権限又は事務を当該行政機関の職員に委任することができる。 | ||||
注1 | 内閣の所轄の下に置かれる機関及び会計検査院にあっては、当該機関の命令 |
第六章 雑則
第十八条 (特定秘密の指定等の運用基準等) | ||||
1 | 政府は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し、統一的な運用を図るための基準を定めるものとする。 | |||
2 | 内閣総理大臣は、前項の基準を定め、又はこれを変更しようとするときは、我が国の安全保障に関する情報の保護、行政機関等の保有する情報の公開、公文書等の管理等に関し優れた識見を有する者の意見を聴いた上で、その案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。 | |||
3 | 内閣総理大臣は、毎年、第1項の基準に基づく特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況を前項に規定する者に報告し、その意見を聴かなければならない。 | |||
4 | 内閣総理大臣は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況に関し、その適正を確保するため、第1項の基準に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督するものとする。この場合において、内閣総理大臣は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施が当該基準に従って行われていることを確保するため、必要があると認めるときは、行政機関の長[注1]に対し、特定秘密である情報を含む資料の提出及び説明を求め、並びに特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施について改善すべき旨の指示をすることができる。 | |||
注1 | 会計検査院を除く。 |
第十九条 (国会への報告等) | ||||
政府は、毎年、前条第3項の意見を付して、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況について国会に報告するとともに、公表するものとする。 |
第二十条 (関係行政機関の協力) | ||||
関係行政機関の長は、特定秘密の指定、適性評価の実施その他この法律の規定により講ずることとされる措置に関し、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものの漏えいを防止するため、相互に協力するものとする。 |
第二十一条 (政令への委任) | ||||
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。 |
第二十二条 (この法律の解釈適用) | ||||
1 | この法律の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない。 | |||
2 | 出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものとする。 |
【宮内庁】皇后陛下お誕生日に際し(平成25年) 皇后陛下お誕生日に際してのご近影 「5月の憲法記念日をはさみ,今年は憲法をめぐり,例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じます。主に新聞紙上でこうした論議に触れながら,かつて,あきる野市の五日市を訪れた時,郷土館で見せて頂いた「五日市憲法草案」のことをしきりに思い出しておりました。明治憲法の公布(明治22年)に先立ち,地域の小学校の教員,地主や農民が,寄り合い,討議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で,基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務,法の下の平等,更に言論の自由,信教の自由など,204条が書かれており,地方自治権等についても記されています。当時これに類する民間の憲法草案が,日本各地の少なくとも40数か所で作られていたと聞きましたが,近代日本の黎明期に生きた人々の,政治参加への強い意欲や,自国の未来にかけた熱い願いに触れ,深い感銘を覚えたことでした。長い鎖国を経た19世紀末の日本で,市井の人々の間に既に育っていた民権意識を記録するものとして,世界でも珍しい文化遺産ではないかと思います。」 |
人間ナメんなよ!
でわっ!