2012年4月3日火曜日
暗夜航路
ワタシ・・・基本的に賢い方ではないんで、たまに「何を言いたいのか分からない」論調に出くわすことがあります。
<転載>
空洞化はまだまだ止まらないのだろうか?
こんなニュースがあった。
ホンダ、北米向けフィットを現地生産へ
ホンダは29日、2014年稼働を目指すメキシコ 新工場を着工したと発表した。日本から輸出している主力小型車「フィット」の北米販売分を現地生産する。
メキシコ 中部グラナファト州セラヤ市に確保した新工場用地で28日に起工式を行った。ハリスコ州の既存工場に続いて2番目の生産拠点で、年産能力は20万台。投資額は8億ドル(約640億円)で従業員はフル生産時に3200人になる予定だ。
なるほど。ありがちな空洞化の話か。。。と多くの人が思われたかもしれない。
そりゃ、メキシコとかアジアとかの新興国のほうがコストも安いし勝てるわけがないよ。こんなニュースになんでいまさらおって思うんだよ。と思われた人も多いだろう。
でも、(これすら今更だが)僕はこの一説に改めておっと思ったのだ。
ホンダは既存工場でSUV(スポーツ用多目的車)「CR-V」を生産しているが、メキシコ 国内での乗用車需要拡大と、自由貿易協定 によって米国、カナダなどに関税なしで輸出できるメリットを生かすため、新工場建設を決めた。
自由貿易協定のあるアメリカやカナダに関税なしで輸出するメリットがあることがメキシコに工場を作った理由のひとつであるらしい。まあ、メキシコっていうと怠け者のイメージが強いが最近はそうでもないらしく、アメリカの新聞などを見ているとメキシコ人は結構働いてるんだぞっていう記事を見かけたりもする。その辺りも理由であることは間違いないだろうが、さらに自由貿易協定がある南米の国々向けの生産拠点としてさらに増強していくことも考えられているらしい。
空洞化空洞化と騒いでいる日本。円高に加えて高い雇用コストがあるから仕方ないと諦めている人も多いかもしれない。しかし、今、アメリカでは製造業の復活という記事がちらほら見られている。その背景にあるのは不況から立ち直るためにアメリカの企業がコストカットを必死に行ってきた成果が出ているらしい。そして、今や中国などからアメリカに一部の生産拠点を戻す動きもあるらしい。
だから、円高や雇用コストは日本からの空洞化の言い訳には必ずしもならない。日本のFTA比率が16%であるのに対し、韓国は36%、米国38%、EU30%だという。
円高や雇用コストの高さを補うために少しでも自由貿易協定を進めないといけないが動きは遅々として遅い。おまけにアメリカの陰謀だなんだといってTPPに反対する人も数多くいるのが現状である。
具体的にどうかはわからないが、上記のようなメキシコの事例。そして、アメリカで今起こっていることを考えると、自由貿易協定をドンドン推進し雇用その他に関する規制をもっともっと迅速に撤廃していけば日本の空洞化は意外と防げるのかもしれない。
製造業は大切だとなんとなく思いながら(僕は必ずしもそうは思わないが)TPPに反対したり、法人税減税に反対したり・規制緩和と聞くと毛嫌いする人が多いのは一体どういうことだろうか。日本はまだまだ停滞から抜け出せないだろう。
</転載>
HONDAがメキシコに新工場を建設します。カナダ、アメリカには関税無しで輸出できるので、HONDAにとってはメリットがあります。しかし、日本国内の雇用には貢献しません。ま、企業全体として利益をプールし、日本における赤字分を海外の売り上げで埋め合わせ、国内労働者の雇用を守るというのであればアレですが。
でも、そうすると論点は「TPP賛成」、「自由貿易万歳」という問題とは違うように思えます。「TPP」への加盟によって、国内の雇用形態が変わる可能性のほうが高いワケでしょ?「外国人労働者」の雇用などで、日本人労働者の雇用機会が減るワケですから。
ここに書かれているように、メキシコ人労働者は働き者だと新聞が書き立てれば、アメリカの企業は進んで安い賃金で雇えるメキシコ人労働者(外国人労働者)を採用するでしょうし、同じ状況は、日本がTPPに加盟した場合にも発生します。
HONDAのメキシコ工場新設(海外移転)を歓迎しているように取れますが、じゃ、アメリカが生産拠点を中国からアメリカに戻しているらしいという話とは、どう繋がるんですかね?HONDAとは逆を行っているワケですよね?それは自由貿易協定を推し進めた結果ですか?
自由貿易が盛んになれば、海外の工場が本国に里帰りする。という筆者の論理がよく理解できません。安い労働力(外国人労働者)を確保することで海外製品(主に中国?)のコストレベルと肩を並べ、結果、製品の市場競争力が上がれば、何も海外で生産する必要は無いとういう理屈ですかね?
しかしそれは労働賃金のコストカット・・・即ち外国人労働者に頼るワケであり、工場が国内に戻って来たからといって、国内の労働者の雇用に貢献するとも思えません。また、GDPベースで見た場合、労働賃金の低下は購買力の低下=市場に流れる通貨量の低下=GDP(経済成長)の低下になるんじゃないですかね?
何度も書いてきましたが、市場競争は価格競争ばかりでは無いと思うのです。品質競争だってあるワケですよね?何故?みんなヴィトンやグッチのバッグを買うのか?同じ機能で価格の安いバックは、他にいくらでもあります。
日本人は手先が器用です。明治維新以降、日本が西洋の文明を取り入れ、他の国に比べても飛躍的に発展できたのは、外国の製品を設計図を見ただけで直ちににコピーし、更には「日本流」にアレンジ(和洋折衷)して、オリジナルをも越えるレベルにまで製品化できたという、民族のDNAに備わった「加工力」の賜物です。
勿論、どの民族にも優れた技術はありますが、特定の職人に限らず、日本人全体として「加工力」のポテンシャルが高かったが故に、欧米産業界に呑まれる事無く、「日本製」という地位を確立できたものとワタシは信じます。ま、その片鱗が、蒲田などの町工場に息づく「世界レベルの技術」にも現れるのでしょう
したがってこれも何度も書いているように、日本人にとって「物づくり」とは、先祖から受け継いだDNAの連鎖の上にあり、謂わば「民族の宿命」の如きものなのです。その「宿命」を活かすも殺すも、ワタシたち日本人次第だということなのです。
BRICSがこれからの世界の枠組みになるのかどうか?ワタシは政治学者でもなければ経済学者でもないので、先のことは皆目分かりません。が、世界が大きく変わろうとしているらしいことは、ナントナク肌で感じます。
そうした先行きが不透明な時代であればこそ、「日本人とは?」という原点に立ち戻り、これから先の世界情勢の中で、「どう在るか?」「何を為すか?」を、
虚心坦懐
に考えてみる必要があるように思えます。
THE YELLOW MONKEY「Jam」
日本人ナメんなよ!
でわっ!