イランのアフマディ・ネジャド大統領が、至極マトモなことを言ってるんで驚きましたw。
大統領「米はドルという名の紙切れを世界経済の支配者にしている」2013年01月28日付 Mardomsalari紙 アフマディーネジャード大統領は、「われわれは、現状を守るために団結しようとしているのか。もしそのためならば、団結の必要はない。われわれが団結しようとしているのは、運動を起こすためなのか、それとも静穏さを保つためなのか?団結は運動を起こすためにあるということは明らかだ〔‥‥〕」と述べた。 メフル通信の報道によると、マフムード・アフマディーネジャード大統領は第26回イスラーム団結会議の開会式で、「今や世界の至るところで、困難が存在する。ヨーロッパでも、アメリカでも、アフリカでも、極東でも、あるいはラテンアメリカでも、困難の存在しないところなどあるだろうか。至るところに多くの困難が存在する。そしてその一つだけでも、人類がその除去のために立ち上がるのに十分なのである」と語った。 〔‥‥〕 大統領はさらに、「すべてのムスリムが団結したと仮定しよう。ムスリムは何をしたいのか。キリスト教徒に対抗するブロックを作りたいのか。あるいは世界帝国を建設したいのか。果たして、預言者は世界に帝国を建設するために来たのだろうか。まずわれわれが追い求めるべきは、この世にタウヒード(神の唯一性、神のもとでの統一)を確立することである〔‥‥〕」と論じた。 大統領は、「今日、世界を覆っている経済システムの特徴は、恵まれない人たちの財産を恒常的に世界の資本家たちのポケットに移すことにある。その一つの証拠が、アメリカ政府の予算不足である。この予算不足がどこから賄われているとお思いか?今年、アメリカ政府は1兆6千億ドルもの予算不足に直面している」と指摘した上で、次のように論じた。 アメリカの為政者たちは第一次・第二次世界大戦の状況を利用して、ドルという名の紙切れを世界経済の支配者に祭り上げた。そして彼らは5セントばかりの費用で、ある紙切れを印刷所で印刷し、その上に100ドルと印字して、それとの交換で〔世界の〕諸国民が生産した商品やエネルギー、富、労働力、思想を自らのもとへと奪い去っているのである。〔そのために〕世界は貧困、インフレ、物価上昇に常に陥るようになっているのだ。 大統領は続けて、「そして彼らは、人々の注意を逸らすために、〔世界の〕諸国民は無能だ、弱い、問題が起こるのは〔世界の〕諸国民自体のせいだなどと主張しているのである。彼らは独裁者を〔世界中の国々の〕支配者に就かせ、〔世界の諸国民が作り上げてきた〕さまざまな思想を〔誤った思想として〕切り捨て、〔世界の〕諸国民を貧困の中に押し込み、彼らを弱い存在のままにさせているのだ」と続けた。 〔‥‥〕 アフマディーネジャード大統領は「アフリカの鉱山は誰の手に握られているのか」との問いを提起した上で、「アフリカには世界でもっとも価値の高い鉱山が存在するにもかかわらず、この大陸に住む人々は世界で最も貧しいのである」と指摘した。 大統領はその上で、「差別と圧制、不正義が支配する状況では、人類が発展し、幸福について思索を深める機会など残されないだろう」と語った。 〔‥‥〕 |
最近、ドルの信用はガタ落ちなワケですよ。て、いうか、金融システム自体の信頼性が崩壊しつつあるワケです。だからドイツがアメリカに預けてある「金塊」を引き揚げようとしたり、アメリカで、「1兆ドルコイン」なんて人をおちょくったコインの発行が取り沙汰されるワケです。
水説:ドイツの金は無事か=潮田道夫 毎日新聞 2012年11月07日 東京朝刊 (前略) この騒動の背景にあるのは欧州の共通通貨ユーロの危機である。「ユーロ崩壊」がないとはいえない現状である。頼りになるのは金。ドイツ人が大事な金を外国より自国に置いておきたいのは当然だ。 (後略) |
米、1兆ドルコイン発行? 債務不履行回避へ奇策浮上 【ワシントン=山川一基】「政府債務上限」の引き上げを巡って米与野党の協議が難航すると予想されるなか、米政府が額面1兆ドル(約88兆円)のプラチナ硬貨を発行し、予算を水増ししてデフォルト(債務不履行)を回避しようという奇策が浮上している。 (中略) 紙幣の発行は連邦準備制度理事会(FRB)が独占しているが、記念硬貨に関する法律によると、財務省は適切な額面と量のプラチナ硬貨を発行できる。ならば額面1兆ドルの硬貨を発行してFRBに預け、財務省の口座に計上して決済に使ってしまおうという案だ。 |
他国のことなのでワタシも不勉強だったのですが、フツーは中央銀行=国家と考えられていますが、アメリカの場合、アメリカ政府=FRBでないことは多くの人が既にご存知かと?FRB(連邦準備銀行)は民間銀行の集合体であることを。
で、その前に、FRS(連邦準備制度)について少し・・・。
FRSはアメリカの建国事情にも関わっていて、各州、各地方の独自性の強いアメリカでは、中央銀行の設立ができなかったという歴史的背景が先ずあります。
1・ニューハンプシャー、2・マサチューセッツ、3・ロードアイランド、4・コネティカット、5・ニューヨーク、6・ニュージャージー、7・ペンシルベニア、8・デラウェア、9・メリーランド、10・ヴァージニア、11・ノースカロライナ、12・サウスカロライナ、13・ジョージア、の13州が1776年にイギリスの植民地からの独立を宣言します。(13植民地)
それから、ケンタッキー州、バーモント州(1795年)・・・インディアナ州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、オハイオ州、テネシー州(1818年)・・・イリノイ州(1819年)・・・アラバマ州、メイン州(1820年)・・・ミズーリ州(1822年)・・・アーカンソー州(1836年)・・・ミシガン州(1837年)・・・フロリダ州(1845年)・・・テキサス州(1846年)・・・アイオワ州(1847年)・・・ウィスコンシン州(1848年)・・・カリフォルニア州(1851年)・・・ミネソタ州(1858年)・・・オレゴン州(1869年)・・・カンザス州(1861年)・・・ウェストバージニア州(1863年)・・・ネバダ州(1865年)・・・ネブラスカ州(1867年)・・・コロラド州(1877年)・・・アイダホ州、モンタナ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州、ワシントン州(1890年)・・・ワイオミング州(1898年)・・・ユタ州(1896年)・・・オクラホマ州(1908年)・・・アリゾナ州、ニューメキシコ州(1912年)・・・アラスカ州(1959年)・・・ハワイ州(1960年)・・・と、独立宣言以来、184年!もかかって現在のアメリカ合州国になったワケですから、とても面倒くさい国であることが予想できますし、それをまとめるのも並大抵の苦労ではないでしょう。(アメリカ国旗)
世界の中でも特異な近代国家と言えますし、その建国事情ゆえに「中央銀行」が設立できなかったというのも、まあ、納得できます。・・・が、逆に、そんな特殊な事情を抱えた国の通貨が基準通貨となっている現状に、誰も疑問を抱かないのか?・・・という話にもなるワケですよ。
で、中央銀行が設立できないと海外決済に支障をきたすので、中央銀行的な役割を担うのがFRS(連邦準備制度)であり、その連邦準備制度理事会 に属するのがFRB(連邦準備銀行)=民間銀行になるワケです。
それでは、国立銀行=中央銀行でもないFRBが発行している「ドル紙幣」の正体とは何なのか?実は通貨ではありません。
利子の付かないアメリカ国債
・・・が「ドル紙幣」の実態です。つまり、中央銀行が設立できない>政府通貨が発行できない(通貨に信頼性が無い)>海外決済で支障が生じる>通貨の代わりにマイクロ国債(ドル紙幣)で決済する・・・となるワケです。
つまり「ドル紙幣」とは、アメリカ政府のFRB(連邦準備銀行)に対する負債(国債買取り:利子付)=借金の証明なのです。架空の「アメリカ国債」をFRBがアメリカ政府から買取り、その資産価値を基準に国債を「細切れ」にして市場に流通させているのが、「ドル紙幣」=「Federal Reserve Note (連邦準備券)」なのですw。
したがって量的緩和・・・「QE」なんたらとかで市場の通貨(ドル紙幣)の量を増やすということは、アメリカ政府の対FRB(民間銀行)負債を増やすことに他ならず、その負債の穴埋めをするためには政府支出を減らすことと、経済の活性化により税収を伸ばすしかないワケです。
世界中の「ドル」の流通量が増えれば増えるほど、ある意味、アメリカ政府は自分で自分の首を絞めているとも言えるワケで、そうならないために資源獲得に必死になったり、TPPなどの自由貿易を推し進め、何とか権益を確保しようと必死になるのも分からないではありませんが、それはアメリカの事情です。
件の「1兆ドルコイン」にしても、帳簿上の負債を増やさないための苦肉の策なのでしょうが、コイン1枚に1兆ドルの価値があるなんで、小学生も騙せない「子供銀行」ごっこをしていると、アメリカという国の経済観念、金融観念が世界中から疑われ、ひいては金融システム自体のいかがわしさを露呈させるだけです。
だからね?アフマディ・ネジャド大統領にも、「紙切れ」呼ばわりされるワケですよ、「ドル紙幣」が。
一番簡単な解決法は、中央銀行を設立して「政府紙幣」を発行すればいいんです。アメリカ国民に中央銀行設立の理解を求めればイイんです。このままアメリカ政府が破綻すれば、国有財産=国民の資産は全てFRB(民間銀行)に差し押さえられちゃうワケでしょ?それでイイの?・・・と、オバマに小一時間。
財政(懐具合)が苦しいから他人にたかりたくなる気持ち・・・分かります。よく分かります。でも、先ずわが身を振り返り、生活改善努力を見せて欲しいワケですよ。無駄な戦争は止め、国内の産業基盤を建て直し、中央銀行を設立して、経済的見通しが立てられる政府になって、世界から信頼されるようになって、それでこそ「信用創造」もできるワケでしょ?
このまま「通貨」を媒体とした経済が持続するのかどうか?ワタシ的には疑問が多いワケですが、よしんば「現物」を基準とした経済に移り変わったとしても、「価値基準」を決めるのは、やはりお互いの「信用」であることに変わりはないワケで、してみると、「信用を築く」ことが一番価値があると言えますなw。
参考:晴耕雨読
人間ナメんなよ!
でわっ!