「特定秘密保護法」に関連してですが、その「第一条(目的)」と、最後の「理由」にて、「国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される」と、記しています。
「秘密」を守るということにおいては、「ソフト」の面と「ハード」の面があるワケで、「ソフト」は人から人への情報伝達、「ハード」は物理的・・・つまり、ネット回線での情報伝達になります。
今臨時国会に提出される予定の「特定秘密保護法案」は、「ソフト」の部分に関するものであり、「ハード」の部分は置き去りにされています。
したがって、「秘密」を守るという「目的」に十分に沿ってはいないワケで、法案を提出する、その根本的な「動機」にはなり得ていないと言えます。ぶっちゃけ・・・
やってることが中途半端
・・・であり、そんな中途半端なことに国民の税金を投入するのは、
税金の無駄遣い
・・・になるのが関の山であり、それよりも先ず、担当部署で働く職員の「意識を高める」ことのほうが、当面は遥かに有効であると考えられます。
で、「ハード」の面に関してですが、最近、たて続けに目にしたのが
BRICSによるネット網の構築
・・・という情報です。
田中宇の国際ニュース解説
米財政危機で進む多極化 ・・・インターネットの世界では最近、米国の信号傍受機関NSAによる国際的なネットの盗み見に反発し、ブラジルが主導して、米国を経由しないインターネットの世界的バックボーンの埋設が進んでいる。ロシアのウラジオストクから中国の山東省、インドのチェナイ、南アフリカのケープタウン、ブラジルのフォルタレザを経由して、ウラジオまで戻る世界一周の海底ケーブルで、間もなく完成する。NSA事件が、ネットの米国覇権を崩す動きを誘発している。(The BRICS "Independent Internet" Cable. In Defiance of the "US-Centric Internet")・・・ |
マスコミに載らない海外記事
ケーブル地政学への回帰? (第一部) ・・・BRICSケーブル敷設のニュースは、一世紀昔の電信ケーブル敷設のニュース同様、世間の注目を集めた。イギリス、ドイツとフランスという当時の主要産業・植民地大国による‘ケーブル・ラッシュ’は、今日も依然として存在しているケーブル地政学の始まりの先駆けとなった。地理の終焉とインターネットの‘潜在力’が散々喧伝されているが、地理は依然として重要だ。ケーブル戦略地政学が再び脚光を浴びるようになるのだろうか?・・・ |
「特定秘密保護法案」のなかでも「暗号」は、「特定秘密」として規定されていますが、「暗号」は必ず「解読」されてしまうものです。記憶に新しい・・・というか、世界中の電子通信は、現在進行形で「NSA(国家安全保障局)」により盗聴されているワケですが、「PRISM」という盗聴システムは、暗号化された電子メールをも解読可能なことが、あの、スノーデン氏によって暴露されました。
で、アメリカの「NSA」や、イギリスの「GCHQ」がそうした「盗聴」を行えるのも、「同一ネット網」のなかでの話であり、究極的にはBRICSのように
独自のネット回線
・・・を構築することが、もっとも効果的な防諜対策と言えます。はい。
半分、ドン・イー(同意) 3
世界中の通信トラフィックが米国経由:盗聴も自由に Ryan Singel 2007年10月15日 Illustration: Copyrighted Map Courtesy of Telegeography 世界中の国際電話のトラフィックは、そのほとんどが米国を経由している。米PriMetrica社の通信調査部門TeleGeographyが作製した2005年版の国際電話トラフィック図を見れば、その状況がよくわかる。 経済システム上の幸運な偶然のおかげで、世界中のインターネットと音声通話のトラフィックは、大半が米国にある相互接続ポイントを経由している。そして、米国で10月9日(米国時間)に提出されたある法案によって、国家安全保障局(NSA)が引き続きこのトラフィックを自由に盗聴できるようになりそうだ。 この法案、いわゆる『RESTORE法』(Responsible Electronic Surveillance That is Overseen Reviewed and Effective Act of 2007:PDFファイル)は、議会で過半数を占める民主党から提出された。 この法案は、米国の諜報機関が、米国の相互接続ポイント内にある盗聴設備を維持できるようにするものだ。ワイアード・ニュースが取材した電気通信専門家やインターネット専門家によると、この法案は、米国本土を経由して他の国に向かう音声通話やインターネットのトラフィックを合法的に盗聴する権限を NSAに与えるものだという。 しかし、ブッシュ政権当局者の最近の主張とは裏腹に、米国外からのトラフィックが米国に入ってくる割合は増えているのではなく、減っていると専門家は指摘している。 国際電話やインターネットのトラフィックの多くが米国を経由しているのは、国際電気通信連合(ITU)が国際電話に対応するために100年以上前に作った価格モデルが原因だ。 ITUが定めた関税ルールでは、小規模国や開発途上国は、国際電話を受信するのに、米国を本拠とする通信事業者よりも割高な料金を支払うことになる。そのため、近隣諸国に直接通話するよりも、米国経由で通話した方が料金を抑えることができるのだ。 「通信事業者は、通話先にとって最適な価格を実現できる場所を常に探している」と、米PriMetrica社の通信トラフィック調査部門TeleGeographyの調査ディレクターStephan Beckert氏は言う。 インターネット発祥の地である米国は、インターネットの基幹回線が初めて設置された場所でもある。そうした構造的な優位性と、電話回線ネットワークから引き継がれた不均衡な価格システムが相まって、米国は、インターネットが世界中に普及した1990年代に早くもサイバースペースの中心地となった。 初期には、アジアの国からのインターネット・トラフィックのほとんどは、ウェストコースト初のインターネット相互接続ポイント(IXP)であるサンノゼのMAE Westを経由していたと語るのは、パケット交換ポイントの構築を支援する米国の非営利研究機関Packet Clearing Houseの調査ディレクターBill Woodcock氏だ。 米国の国境を通過する国際電話とインターネットのトラフィック数は、正確には諜報機関の関係者にしかわからない。しかし、トラフィックは、ごく少数の基幹となる電話交換局と、海底光ファイバー・ケーブルの上陸地に近い沿岸都市にある10数ヵ所ほどのIXPを経由しているというのが、専門家らの一致した見方だ。 海底ケーブルの上陸地は、マイアミ、ロサンゼルス、ニューヨーク、それにサンフランシスコのベイエリアに集中しているという。 マイアミには、南米地域と他の地域を結ぶインターネット・トラフィックのほとんどが集中し、南米の国々どうしを結ぶトラフィックも含まれていると話すのは、米EP.NET社の業務執行役員Bill Manning氏だ。 「基本的に、これらのトラフィックは米国に入り、相互接続が行なわれたらまた出て行く。(この方が)国境線を何本もまたぐよりも安くすむからだ」とManning氏は述べた。 そして、アジアからヨーロッパへ向かうインターネット・トラフィックの一部は、米国を西から東に、つまりロサンゼルスからニューヨークに抜けていくとWoodcock氏は言う。 音声通話のトラフィックの場合、NSA(国家安全保障局)は該当する施設を選ぶだけで、驚くべき量の通話を傍受できるとBeckert氏は指摘する。ただし、同氏によれば、NSA(国家安全保障局)の関係者は「施設の名前を明かすことには非常な抵抗を示す」そうだ。 「3つか4つの施設を選ぶだけでいい。ロサンゼルスなら『One Wilshire』、ニューヨークなら『60 Hudson Street』、マイアミなら『NAP of the Americas』だ」とBeckert氏は語った。 米国が国際通信ハブとしての役割を担うようになった時期は、NSA(国家安全保障局)にとって好都合なときだった。 1990年代、世界中の通信が、盗聴の容易なマイクロ波と衛星によるものから、盗聴するのが難しい上にコストもかかる光ファイバーによるものへと移行するなかで、NSA(国家安全保障局)は対応を迫られていたからだ。 ここ数ヵ月間の報道によって、NSA(国家安全保障局)が2001年の米国同時多発テロ後すぐに、米国にある国際通信専用の通信ハブの盗聴を開始し、同時にテロリスト監視計画の一環として、米国市民と外国人との通話の傍受も始めていたことが明らかにされている。 民主党が2007年に議会の多数派となって以来、米国政府はNSA(国家安全保障局)の監視プログラムを、非公開の諜報監視裁判所の監督下に置いた。裁判所はその後間もなく、正当な理由なく米国にある施設に対して盗聴を行なうことは、外国の通信傍受が目的であっても違法だとの裁定を下した。 8月に入ると、議会はNSA(国家安全保障局)に対し、監視を続けるための一時的な「緊急の」権限を与えた。この権限は2008年2月に期限切れとなる予定だ。 RESTORE法は、乱用を防ぐ防御策を設けつつ、その権限に制限をなくそうとする民主党の試みだ。この法律によって、テロリスト監視計画に関連するものであれば、外国どうしのトラフィックを盗聴することも、米国と外国を結ぶトラフィックを監視することも、合法となる。 この法案は議会で幅広い支持を獲得している。しかし、ブッシュ大統領は3日、RESTORE法の条項が成立しておらず、合法とされる前にNSA(国家安全保障局)の米国での監視活動に協力した電話会社に対し、さかのぼって法的免責を与えないような監視法案にはすべて拒否権を行使すると明言した。 報道によれば、NSA(国家安全保障局)の依頼を受けてインターネットを盗聴したとする集団訴訟を抱える米AT&T社などが、免責を実現するために激しいロビー活動を繰り広げているという。 一方、議会からの承認が得られたとしても、NSA(国家安全保障局)は長期的には、外国の通信を傍受できる米国ならではの利点を失っていくだろうと専門家らは予測している。その背景にあるのは、国際通信ネットワークの成長だ。 香港のIXPとロンドンのIXPが、アジアおよびヨーロッパのトラフィック向けのローカルハブとして頭角を現してきている。また、日本周辺からヨーロッパに向けて南北を走る新しいファイバーケーブルができれば、米国を横断するルートから、トラフィックがそちらに迂回するようになるだろう。さらに、国内向けのIXPを独自に構築する国々も増えている。 「これらの決定は民間部門が行なっており、トラフィックは常に最も安いファイバーケーブルを持つ国に向かうことになる。今しばらくの間は、トラフィックは米国を通るだろう。(しかし)南アジア周辺に敷設されるファイバーケーブルが増えるにつれて、事態は変わりつつある」とWoodcock氏は語る。 「別のルートが作られていることは、米国の支配的な地位への挑戦が始まっていることを意味する」とManning氏は述べ、米国の諜報機関はこの変化を歓迎しないだろうがと付け加えた。 Manning氏は、各国がどのように独自のIXPを構築しているかを示す例として、南アフリカを挙げた。 「南アフリカでは長い間、インターネットサービスプロバイダ(ISP)は互いに接続せず、トラフィックを米国やヨーロッパに経由させていた。だが、この10年間で彼らは自国のIXPを構築して一定の規制条件を設け、トラフィックの相互接続ができるようにしている」とManning氏は説明した。 この傾向は、米国の諜報員たちに、1992年頃の単純だった時代へのあこがれを抱かせるかもしれない。この年に初めて、また当時唯一のIXPだったMAE-EastがワシントンDCに作られたのだ。 「世界中のトラフィックはすべてワシントンを経由していた。ワシントンという場所に設立されたのは偶然で、設立は民間によってだった。おそらく、少なくとも2、3年の間は、盗聴は行なわれていなかっただろう」とWoodcock氏は語った。 [日本語版:ガリレオ-佐藤 卓/小林理子] WIRED NEWS 原文(English) |
しかしながら、事、日本に限って言えば、独自ネット網を構築するというやり方は現実的ではなく、BRICSネットに相乗りするか、現状のネット環境を利用し続けるしか選択肢は無いでしょう。
であるならば、現状の環境の中で如何に「ハード」の面での「防諜性」、「機密性」を維持するか?・・・となるワケですが、そこで
量子通信
・・・が、「防諜」の対応策のひとつとして候補に挙げられるワケです。
世界最高純度量子もつれ光源を開発し、実用的な次世代量子暗号技術の確立に成功 ・・・量子力学の原理に基づき盗聴を検出する量子暗号技術は、解読不可能な究極の暗号を実現できるため、スマート社会を支える高セキュリティサービスとして注目されています。現在、実用化に向けて様々な研究開発がなされておりますが、光源については、極低温冷却が必要である、光通信帯以外の波長の光を扱う必要がある、光子の純度向上が困難など、実用上大きな課題がありました。 今回、OKIは、独自に開発した周期分極反転構造ニオブ酸リチウム(PPLN)導波路デバイス(注2)を用い、カスケード非線形光学効果方式による量子もつれ光源の開発に成功しました。常温で動作し、光ファイバ通信波長のみで構成可能なことから実用的な次世代量子暗号技術と言えます。・・・ |
つまりワタシが言いたいのは、「人間」という「不確定要素」を基軸とした「防諜システム」よりも、「ハード」の面での「防諜性」の確立の方がその効果も、安定性もはるかに期待ができ、また、そうした技術開発は日本の得意分野であるということです。
尚且つ、税金を投入してシステムの開発に協力するにしても、今回の「特定秘密保護法案」に見られるような
人海戦術方式
・・・に比べて、遥かに安いコストで済む・・・即ち
税金の無駄遣い
・・・をせずに済むワケですから、国民からしても有り難いワケですよ。
ワタシたちは、税金の無駄遣いをさせるために「公務員」を雇っているワケではなく、税金の無駄遣いが減れば、「増税」なんて必要なくなるワケでしょ?
エネミー・オブ・ジャパン
Brzezinski Decries “Global Political Awakening” During CFR Speech 「情報化時代の時代というものは、よりコントロールされた社会の様相を必然的に含んでいる。そのような社会では、伝統的な価値体系を持つエリートたちに支配されると思われる。 市民同士がお互いに監視し合い、重要な個人情報の記されているファイルをも簡単に管理できる時代がすぐに来る。」 ズビグニエフ・ブレジンスキー |
ま、そうした観点からも、「特定秘密保護法案」なるものは
現状では不必要!
・・・というのが、ワタシの見解です。はい。
人間ナメんなよ!
でわっ!