2008年1月20日日曜日

消費者から創造者へ 2

エ~・・・、まずは某所にて興味深い記事を見つけましたので
以下にその記事をUPします。


或る浪人の手記

この家には金が無いと叫く盗人の噺
http://restororation.blog37.fc2.com/

(貼付け始)

 ところで、少し話は変わりますが、サブプライム問題の本家、米国では、停滞する経済を何とかする為に、こういう事をされるそうです。

景気対策、15兆円規模に・米大統領が表明、減税が柱

 【ワシントン=藤井一明】ブッシュ米大統領は18日、検討中の景気刺激策の規模が米国の国内総生産(GDP)の1%程度(約15兆円)になることを明らかにした。個人向けに所得税を還付する戻し減税や企業向けの税優遇を含むことも表明。早期実施に向けて議会との調整を急ぐ考えも示した。

(2008年01月18日 日経新聞)

「企業向けの税優遇」以外は、自公政権、経団連のカスどものやろうとしている事とは、全くの真逆ですね。

これに関連する米議会の議論の中で、面白いものがあったので紹介しましょう。

REP. TOM ALLEN (D), Maine: I want to just follow up. And so it may seem like Economics 101, but you said that cash, whether it's tax rebates or other money going to low- and moderate-income people, is more likely to be spent quickly. That's the phenomenon of the multiplier.But could you just explain the multiplier enough to help us understand why it's true that money going to those groups is more likely to create, have a stimulative effect on the economy?

トム・アレン議員:少し復習したいと思います。これは経済学のいろはに見えるのですが、あなたは、それが戻し減税によろうとも他の手段によろうとも、いずれにしても中低所得者に戻されたお金は、直ぐに使われる可能性が大きいと言いました。それは乗数効果ということですね。乗数効果について少し説明して下さい。どうして、中低所得者層に行ったお金が増殖し、経済を刺激することになるのか。

BEN BERNANKE: In terms of who's most likely to spend, if you're somebody who has lots of financial assets and you receive an extra dollar, you may not change your spending much because you can simply, you know, either put the dollar in your bank account or take out a dollar as you need it.If you're somebody who lives paycheck to paycheck, you're more likely to spend that extra dollar. The evidence seems to be consistent with that.

ベン・バーナンキ:誰が最もお金を使うかということについて言えば、もし、あなたがお金持ちであるとして、そして、1ドルもらったとしても、恐らくあなたは、消費活動を変えないでしょう。何故ならば、そのお金を預金してしまい、必要な時に使おうとするからです。しかし、もしあなたが、その日暮らしをしているような人ならば、その1ドルを使う可能性が強い。

BEN BERNANKE:And I want to be clear that people at all levels of income do seem to respond, to some extent, to extra cash. But both sort of economic logic and the empirical work we do have suggest that that effect is somewhat stronger for people with low financial assets or low and moderate income.

ベン・バーナンキ:まあ、どのような所得レベルの人も、ある程度は反応を示すとは思いますが、経済論理と経験からすると、貧乏な人や中低所得者の方が、効果が大きいことを物語っているのです。

(貼付け終)


ワタシは「経済学」なんて勉強したことがないし、
おそらくは世間一般の大多数のみなさんも同様かと。
「経済学」の本なんぞを読む暇があったら、
魚屋なら魚を売るでしょうし、お百姓さんなら畑を耕さなければ、
日々の生活に困ってしまいますし、ワタシとてそれは同じ。
まずは生活のために働かないと。

で、そんな一般庶民とは別次元に「経済学者」なるがおわしまして
「世界経済」がどうとか、市場経済」がどうとか、
とてもアリガタ~イ「お経」を唱えてくれるワケですが
この記事を読んではからずも、少なくとも
このバーナンキさんの考えていることがナントな~く判っちゃいました。

「もし、あなたがお金持ちであるとして、そして、1ドルもらったとしても、恐らくあなたは、消費活動を変えないでしょう。何故ならば、そのお金を預金してしまい、必要な時に使おうとするからです。 しかし、もしあなたが、その日暮らしをしているような人ならば、その1ドルを使う可能性が強い

早い話が、

「貧乏人を、生かさず殺さず利用しろ。」


と言っているワケですよね?コレ?
で、何に利用するか?

「おカネの流通」 にです。

つまり彼ら(金融関係者)にとって重要なのは「お金が動く事」なのです。
だって彼ら(金融関係者)は、お金が流通することによって
「利鞘」を稼いでいるワケですからね。

だから一般庶民のタンス預金なんてトンデモないワケで、
イロイロな金融商品を発明しては、

「資産運用をして、資産を増やしましょう♪」


と悪魔のごとく甘く囁きかけ、
(欲の深い人はイチコロですわ。)
無知な庶民のタンス預金を何とか引っ張り出して市場に流通させ、
預かったお客の資産が目減りしようが、自分らはシッカリ手数料をGETする。
そんでもって、市場におカネが出回ってさえいれば「景気がいい」とのたまう。

まぁ、こんなところでしょうか?
してみると「経済学」とは金融関係者の為の御用学問のようなもので、
庶民にとっては、そんなの関係ねw!」ですか?

前回(消費者から創造者へ 1)の問い


「おカネは誰のためにあるのか?」

この問いかけが、消費者から創造者」への
ターニングポイントのひとつになるような気がするですよねぇ。



経済運営指針 これでは「経済一流」復活は遠い

(1月20日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080119ig90.htm

 大田経済財政相が「もはや一流と呼ばれる状況ではない」と評した日本経済に輝きを回復させるには、何が必要か。政府はもっと切迫感を持ち、具体的な政策を打ち出す必要がある。

 政府は、経済財政運営の中期的指針である「日本経済の進路と戦略」を閣議決定した。若者が明日に希望を持ち、お年寄りが安心できる、「希望と安心」の国造りを目標に掲げている。

 だが、その実現のための方策として盛り込まれた経済成長戦略や、財政・社会保障制度の改革方針は、具体性や改革のスピードの点で物足りない

 日本の1人あたり名目国内総生産(GDP)は、1993年に経済協力開発機構(OECD)加盟国中2位だったが、2006年には18位まで転落した。株式市場では、日本への関心が薄れた海外投資家が売りに転じる「ジャパン・パッシング」が株価下落を加速させている。

 大田経財相は、「日本は世界経済の変化に取り残されている」とも言う。そうした厳しい認識に立つなら、現状を打破する手だてを速やかに用意すべきだ。

 取り組むべき課題は、明白だ。成長力の向上と、税財政の抜本改革である。

 「進路と戦略」に合わせて発表された参考試算は、11年度に国と地方を合わせた基礎的財政収支を黒字化するという政府目標の達成は、難しいとしている。

 これまでの試算では、なんとか黒字にこぎ着けられることになっていた。しかし、最近の国内経済の減速で成長率見通しを下方修正した結果、期待できる税収も小さくなった。

 人口減の下でも成長率を引き上げていく消費税率の引き上げを含めた税収増の道筋をつけ、安定的な社会保障制度を構築する。そうした施策が待ったなしに必要なことを、試算は示している。

 「進路と戦略」が掲げた成長戦略は、「つながり力」と「環境力」を前面に出した。都市と地方、大企業と中小企業などが連携を取りながら成長し、環境・省エネ技術など日本の強みを生かして成長する――。そんな意味合いだ。

 だが、具体的政策は春をめどに検討を進め、6月ごろに決める経済財政改革の基本方針で取りまとめるとしている。

 税制や社会保障制度改革についても、「消費税を含む税体系の抜本的な改革について、早期に実現を図る」などと、従来の方針から踏み込んでいない。

 今、必要なのは、日本経済の将来に対する国民の不安感を取り除き、海外からの信頼を取り戻ことだ。それには、実効性ある政策の青写真を、できるだけ早く内外に提示しなければならない。

(2008年1月20日2時4分 読売新聞)


ま、今回は「消費者から創造者へ 3」の前振りというコトで。


でわっ!