2013年2月28日木曜日

イタリア人は正気だ

     
 ロイターに、「イタリア人は正気か」というコラムがあったので、「イタリア人は正気だ」という反論を述べたいと思います。


コラム:ユーロ圏再び混乱、イタリア人は「正気か」
2013年 02月 27日 16:16 JST

By Hugo Dixon

イタリア人は正気なのか──。ユーロ危機の再燃を招きかねないイタリア総選挙の結果を見て、金融市場やユーロ圏各国はこう思ったに違いない。イタリアの有権者の半数以上が、2人の「コメディアン」のどちらかに投票したからだ。

1人は本物のコメディアンであり、市民団体「五つ星運動」率いるベッペ・グリッロ氏。そしてもう1人は、イタリアを崖っぷちに追い詰めたベルルスコーニ元首相だ。両者は反ユーロを掲げるポピュリストでもある。

だが、この「喜劇」はあっさりと「悲劇」に転じてしまう可能性もある。今回の選挙結果は、幾分昨年のギリシャにも重なるところがある。政治が膠着(こうちゃく)し、経済が縮小し、債務が膨らんでいる。欧州委員会は先週、2013年のイタリアの国内総生産(GDP)が、昨年に続いてマイナス成長になると予測した。公的債務残高は年末までに対GDP比128%に達する見込みだという。

ユーロ危機は、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が昨夏、単一通貨のユーロを守るためなら「何でもやる」と発言したことをきっかけに鎮静化の方向へと進んでいた。しかし、この重要な時にイタリアが制御不能な状態になれば、ECBの安全網も役には立たないだろう。

投資家はすでに神経をとがらせつつある。イタリアの10年物国債の利回りは26日午前、0.4ポイント上昇して4.7%となった。スペイン国債の利回りも、この影響を受ける形で0.2ポイント上昇し5.3%となった。ただいずれも「危険水域」とされる7%にはまだ余裕がある。

リスクは、ベルルスコーニ氏やグリッロ氏が首相になることではない。安定した政権を誰も樹立できないということが危険なのだ。今回の選挙は3つ巴の戦いとなった。まずベルルスコーニ氏率いる中道右派連合、グリッロ氏の「五つ星運動」、そしてベルサニ民主党党首が率いる中道左派連合だ。ベルルスコーニ氏の失態からイタリアを救ったモンティ首相の中道連合は、緊縮政策が世論に嫌われ4位に終わった。

イタリアの下院は、得票率が首位となった勢力に、自動的に過半数の議席が与えられる仕組みになっている。つまり、中道右派連合に僅差で勝利した中道左派連合のベルサニ氏に、まず首相となる機会が与えられることになる。

上院と下院は同じ権限を持っているが、上院でのシステムは異なっている。今回の選挙では上院で過半数を獲得した勢力はなかった。選挙前から予想されていたことではあるが、ベルサニ氏はモンティ首相の中道連合と連立を組んでも過半数には至らない状態だ。

では次に起こるのは何か。1つのシナリオは、ベルサニ氏とベルルスコーニ氏による左派と右派の大連立だ。しかし両者が掲げる政策は全く相入れないため、イタリアが瀬戸際まで追い込まれない限り、現実する可能性は低いだろう。また、そんな政府を一体誰が運営していくのかも見えない。モンティ首相がこれほど大敗しなければ、中道連合との連立も自然と浮上していただろうが、首相の信頼は崩れてしまった。

グリッロ氏はいかなる連立も組まないと明言している。したがって「五つ星運動」との連立は選択肢としては消える。一方でベルサニ氏は、ケースバイケースでグリッロ氏からの協力を得ながら政権を運営していく可能性にも触れたが、これでは極めて軟弱な政権が生まれることにもなりかねない。

もう1つ考えられるのは、ギリシャと同じように再選挙を実施することだ。だが、互いに協力したがらない3勢力が拮抗している状態を考えれば、再選挙が実施されたからと言ってこの行き詰まりが解消されるとは限らない。

一部の専門家は、選挙制度そのものを変えることが解決につながると指摘する。選挙制度改革が実現すれば、古びた政治階級を一掃でき、フィレンツェのマッテオ・レンツィ市長のような若手政治家や新たな政党が生まれる可能性もある。しかし、イタリア議会では何年にもわたってこの問題について議論を重ねているが結論は出ておらず、現状ではコンセンサスに至ることは難しいだろう。

そうこうしている間にも、投資家は自分の判断を下すことになる。ECBは無制限の国債購入を決定しているが、重要なのはイタリアがまだECBの支援をあてにできるかということだ。ECBの措置は非常に強力な特効薬ではあるが、そこには重要な但し書きがある。ECBの買い入れプログラム(OMT)の対象は、ユーロ圏諸国と改革案の合意に至った国に限るという条件だ。

安定した政府もないイタリアがそんな改革案で合意することは考えにくい。言い換えれば、ECBの安全網も完璧ではないということだ。投資家がこうした方向で思考を働かせ始めれば、国債利回りの急上昇や国外への資本逃避は免れないだろう。危機の想定が本物の危機を呼び込みかねない。

周辺国への悪影響は、いずれ自分の身にあだとなって返ってくることもある。他の国にはイタリアよりも安定した政府があるが、スペインやギリシャ、フランスでさえ、経済の縮小や債務拡大、そして緊縮策への世論の反発といった共通の問題を抱えている。景気後退が長引けば、大衆迎合主義(ポピュリズム)が台頭しやすくなる。

もちろん市場の恐怖感が増せば、イタリア人有権者も正気に戻り、再選挙という運びとなるだろう。これは昨年のギリシャと同じである。ただ、向こう数カ月は激しい混乱に見舞われ、良い結果が生まれるかどうかも定かではない。

(26日 ロイター)

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

(後略)


 ギリシャの財政危機にしてもそうですが、ベルルスコーニ元首相や「五つの星運動」代表のグリッロ氏が「反ユーロ」の立場を取るのは、自国の通貨発行権を失っているという深刻な状況にあるからです。


【ドイツとユーロの】 ユーロの根本的な問題点 【愉快な仲間たち】

前略

でも、ユーロ圏の場合は、国債の発行権各国にあるのですが、通貨の発行権は各国にはありません。(通貨の発行権は、ECB(欧州中央銀行)にあります)

ですので、いざって時になった時(国債が大ボウラックしてしまった時)、中央銀行が通貨を発行して国債の買い支えができないので、ユーロ圏内で色々な問題が起こってしまいます。

中略

ユーロ圏の国の一つがドボンするときには、アルゼンチンのような単品の国がドボンする時みたいに、

国債がドボン → 通貨もドボン → でも周りの国にはあんまりダメージ無い

・・・と言う具合にならず、

ユーロ圏の国の一つがドボン → ユーロ加盟国の国債もヤバそうなのからドボン (ユーロもドボン)

・・・となってしまい、ドボンの連鎖が発生しやすくなります。

また、加盟国沢山ありますと、ある国はインフレ気味ではあるけど財政状態はそこそこなのに、別の国は破綻しかかっていてインフレどころではないと言う風に、それぞれの国の事情にばらつきが出やすくなります。

ですので、いざという時にはそれぞれの国の思惑が交錯して、上手く対処しにくくなります。

また、自力で生き残れない国が発生してしまった場合、それらの国を救済しようとすると、生き残れそうな国に過剰な負担がかかりやすく、それも各国間の火種になりやすくなります。

後略


 これは、トンデモないことなワケです。自国の通貨を自国で発行することは独立した国の主権ですが、それを放棄してしまい統一通貨体制の下にあるということは、ユーロ圏はひとつの国として看做され、ヨーロッパ連邦国を形成していると言えるワケです。

 ドイツにしてもフランスにしても、実質的には独立国家とは呼べず、表向きはどうであろうと、ヨーロッパ連邦のなかの一自治国・・・というのが、’実情と言えるワケです。そうして見てみると、欧州金融危機の実情がより具体的に感じられます。

 で、ロイターのコラムニストは、ユーロ圏の保護の側に立ってのポジショントークから、「イタリア人は正気か」・・・と、批判的な論説を展開しているワケですが、先にも述べたように、「自国通貨の発行権」を持てないということは、独立した経済運営の体を成していないワケですよ。したがって、独立国の立場を取り戻したいというイタリア人の思いは「100%正当な要求」だと言えます。

 そもそもスイスなどは、ユーロ圏加盟の是非を国民投票に掛けて反対を受け、加盟を見合わせているワケです。ヨーロッパの・・・いやさ、世界の金庫番とも呼べるスイスがユーロ圏に加盟しなかったのは、スイス国民が「永世中立国」としての自国の独自性を自負していたからでしょう。


欧州連合加盟国

 
 極論を言えば、ユーロ体制で得をするのは「銀行家」に他なりません。通貨が統一されることによって、欧州の金融市場をよりいっそう操作し易くなるだけの話です。また海外の金融市場に対しても、通貨統一によって巨大になった金融市場を後ろ盾に介入し易くなるワケです。

 一時的に「魔が差し」ユーロ圏に加盟してしまったものの、自国の通貨発行権が無い・・・すなわち、「自律的経済政策」をおこなう権限を奪われてしまっていることに気づいたイタリア国民が、国家の自主性を取り戻すためにユーロ圏を脱退する道を選んだとしても、それは全く「正常な判断」・・・と、ワタシには思えるワケですが?


ユーロ上昇、底堅いイタリア国債入札が追い風=NY市場


 で、イタリアにユーロ圏脱退を思い留まらせようと、市場ではアレコレ画策するワケですが、イタリア人て「ただの女好き」じゃないワケで、政治思想に関しては.日本人よりも遥かに成熟しているワケです。そういえば「御用地震学者」が起訴されたのもイタリアでしたなw。




金子勝(慶大教授)TPP


 斯様に、「理を重んじる」という社会風潮が、ギリシャ、ローマの時代からイタリアには綿々と引き継がれているワケですよ、一般市民に至るまで。その市民に向かって「大衆迎合(ポピュリズム)」などと批判するのは「如何なものか?」・・・と、思ったりもするワケです。はい。

 ま、イタリア国民が自由主義経済の幻想から目覚めた以上、ユーロ圏からの脱退は避けられないでしょうし、先のローマ法王の異例の辞職にしてもそうですが、イタリア周辺の動きが、今年一年の大きなポイントになりそうな気配です。


2013-02-27
子供5万人大虐殺の罪!!悪魔教の全貌が曝かれるか?!


 「大衆迎合(ポピュリズム)」という言葉の意味は、あまりイイ意味では受け取られません。基本的に、「大衆は愚かだ」・・・という前提の下に政治、経済が語られ、そして一部のエリートによる「社会支配」が永らく続けられてきたワケですが、その過程で、「大衆を賢くしよう」・・・と考えた権力者、指導者はひとりも現れませんでした。「ひとりも」・・・です。

 確かに「教育」は行き届くようになりましたが、それは「労働力」としての大衆の「飼育」の一環でもあり、大衆に自由を与えるためではないのです。「勤勉」し、「勤労」し、「納税」するためのロボット。それが「支配層」にとっての、「正しい大衆の在り方」なワケです。




奴等がほしいのは「従順な労働者だ!


 しかし何度も言うようですが、ネット社会に突入し、ワタシたちは「自発的学習」の機会を得ることが可能になり、あの3.11以降、多くの偽善・欺瞞・詭弁に気付くことができました。これは素晴らしい進歩なのですよ。太平洋戦争中、どれだけの人が「大本営発表」の偽情報を見破れたか?それを思えば、現在のワタシたちは恵まれた環境にいることを感謝しなければなりません。

 「政治」について語ることを嫌う人もいますが、逆に、「政治」について何のわだかまりもなく、「日常会話」の一部として語る人が増えているのも事実です。いずれは、誰もが「政治」について語ることが当たり前になる社会が到来します。それは、はじめは乗れない自転車でも、練習して乗れるようになると、「乗れることが当たり前」・・・と、思えるようにようになるのと一緒です。

 だから・・・「考えることを止めるな」と繰り返すワケです。ペダルを漕がなければ自転車は前に進みません。同様に、考えなければ事態・・・「政治」は前進しないのです。そして、「大衆迎合(ポピュリズム)」などという、「支配層の負け惜しみ」を跳ね除け、ワタシたちが「政治の主役」になる時代に差し掛かっていると思うワケですし、日本国憲法にも、「主権は国民にある」・・・と、明記されているワケですよ。
 

ペダルを漕がなきゃ進まない。

ブログは書かなきゃ続かない。





人間ナメんなよ!


でわっ!
 

2013年2月26日火曜日

駒は揃った・・・


 「オカシくないか? 2」にて、「TPP」の陰謀論的な捉え方を提示しましたしたが、シンガポール、ブルネイ、ニュージーランドの「イギリス連邦国」に加えて、チリの存在はどう導き出されるのかが不明瞭だったのですが、「マスコミに載らない海外記事」さんのトコで、その答えを発見しました。


2013年2月26日 (火)
ペンタゴンのお役に立つチリ軍

Nil NIKANDROV
2013年2月23日

Strategic Culture Foundation


(前略)

 ペンタゴンは、チリ(コロンビアと共に)を最も信頼できるアメリカのパートナーと見なしている。チリ海軍は南太平洋の責任を負っている。

 通常、海軍は麻薬密輸業者を追跡している。しかし、もっと重要な任務がある。ロシアと中国の海上艦船と潜水艦の航路監視だ。アジア太平洋の資源を求める戦いは始まったばかりだが、チリの立場はずっと前から決まっていた。

 チリの諜報機関は、中南米とカリブ海諸国で活動している。ピノチェット後、チリの秘密機関は、アメリカ中央情報局CIAと軍諜報機関の利益にかなうべく、<ポピュリストの国々>に焦点をあてている。彼等は、国内そして海外で、ロシア、中国とイランの派遣団を監視している。

 アメリカ合州国軍の最高幹部達は、チリ国軍の戦闘即応性の高さを称賛している。彼等は、チリ軍は、隣接諸国より飛躍的に優れていると常に言っている。考え方は<チリ軍は最高のNATO標準に合致している>ということだ。

 その結果、チリ軍、空軍と海軍は、アメリカと西欧の兵器体系を有している。ロシアは、サンチァゴ・デ・チリで、軍用、民間用、および、軍民両用可能な技術を展示する航空宇宙展FIDAEに常に参加しているが、本当に成功したことは一度もない。

 あらゆる商談を破断させるために、ペンタゴンはどんなことでもするのだ。2010年にロスアバロンエクスポルト社が、チリと(政治的決定で)5機のMi-17V5ヘリコプター販売契約を締結した。ところが地震が起きた。地震は、チリが契約を撤回する言い訳になった(上からアメリカ大使館が陰で糸を引いていたのだ)。

(後略)


 ペンタゴンとチリ政権は深い関係にあったワケですね?となると、「TPP」の先には欧米による太平洋の軍事的支配、およびアジアの再植民地化というヴィジョンが見え隠れするというワタシの妄想も、あながち的外れとは言えなくなります。

 現在「TPP」への加盟交渉に加わろうとしている国は、アメリカを筆頭にカナダ、メキシコ、ペルー、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、そして日本ですが、先に例えたように、失礼ながらこれらの国々の中で「プロ野球の一軍」とも言えるのは、アメリカ、カナダ、オーストラリア、日本であり、メキシコ、ペルー、マレーシア、ベトナムは、現実問題として「国際競争力」の面では「二軍」の位置に甘んじていると言えるでしょう。

 そうした「国際競争力」に差のある国同士が対等の貿易条約を結べるのか?また、結んだとして機能するのか?・・・というのは当然の疑問として生じるワケです。

 しかも、日本で連日取り上げられている「あからさまにアメリカに優位な条文」を、対米従属の日本政府はさて置き、アメリカと戦火を交えたベトナムや、植民地支配の歴史を持つマレーシアがすんなり受け入れるのか?・・・と、思っていたら、マレーシアもイギリス連邦加盟国でしたwww。orz

 ペルーについてですが、Wikipediaによると、ペルーにおいても海軍だけはイギリスの影響が強いそうで、そうなると「TPP」って、シンガポール、ブルネイ、ニュージーランド、マレーシア、オーストラリア、カナダという「イギリス連邦国」に、親英?であるペルーと、アメリカを加えた「宗主国連合」+日本、ベトナム、メキシコという組み合わせが浮かんできます。

 早い話が、イギリスが「TPP」の裏に隠れている=糸を引いている可能性が見えてくるワケですよ。

 本来、「重商主義」であったイギリスでしたが、近代に入り「海の覇権」の衰退と植民地の喪失により、今までの蓄財を資本とした「金融市場」への経済転換を図ったワケですが、「元本」を無視した過剰な「マネーゲーム」によって、「金融市場」が破綻しかけている・・・信用が失われているのが、現在の欧州金融危機の実情なワケです。

 となると、現在の金融システムを維持するには、「元本」の補填を謀るのが当然の成り行きとなるワケで、それが「アジアの再植民地化」=「TPP」である・・・と考えても、不自然ではありません。


ヴィジョンを持て!


・・・と、口を酸っぱくして述べているワケですが、「ISDS条項」が云々・・・とか、「関税撤廃」が云々・・・とか、そんな狭いヴィジョンの話、日本だけの問題に留まらない話かも知れないワケですよ。


アジアの再植民地化


・・・という、「壮大なヴィジョン」を欧米が水面下で抱いている可能性についても考えなければならないし、また、そうあっても不思議ではないということです。

 弱者と強者が戦うのは「フェア」じゃないと言いましたが、弱者が強者に勝てないワケではありません。もちろん「スポーツ」などは論外ですが、「戦局」に限って過去の戦史を紐解いてみれば、わずかの軍勢が大軍に勝利した・・・もしくは退けた記録は多々あります。

 その大きな要因は「知力」によるものです。「知力」が相手を上回っていれば、相手を制することができるワケです。将棋囲碁のように。

 すなわち、将棋や囲碁で言われる「局面」を観る・・・ということ。これがワタシの言わんとする「ヴィジョン」のことであり、更には「大局を観る」という言葉もあるように、「より大きなヴィジョン」を見据えた側のほうが、10年、20年、100年の時の流れを掴むことができるだろうということです。

 そして、将棋、囲碁に親しんでいる日本人には、その素養は十分にある・・・ということです。はい。 




人間ナメんなよ!


でわっ!
 

2013年2月25日月曜日

蝿の王

     
 最近ネット上に出回っている写真に、こんなのがあります。




 オバマ大統領の、ひたいのど真ん中に「蝿」がとまっている写真なのですが、で、これを見て、以前読んだ「蝿の王」という本のタイトルが連想された次第です。はい。



蠅の王 (新潮文庫) [文庫]
ウィリアム・ゴールディング (著), 平井 正穂 (翻訳)


 「蝿の王」=ベルゼブブとは如何なる存在であるのか?「Wikipedia」によれば・・・


ベルゼブブ

概説
ベルゼバブ、ベールゼブブとも表記される。新約聖書にもその名がみえる。この名はヘブライ語で「ハエの王」(一説には「糞山の王」、「糞の王」)を意味する。

本来はバアル・ゼブル (בַעַל זְבוּל)、すなわち「気高き主」あるいは「高き館の主」という意味の名で呼ばれていた。これはおそらく嵐と慈雨の神バアルの尊称の一つだったと思われる。 パルミュラの神殿遺跡でも高名なこの神は、冬に恵みの雨を降らせる豊穣の神であった。一説によると、バアルの崇拝者は当時オリエント世界で広く行われていた、豊穣を祈る性的な儀式を行ったとも言われる。

しかし、イスラエル(カナン)の地に入植してきたヘブライ人たちは、こうしたペリシテ人の儀式を嫌ってバアル・ゼブルを邪教神とし、やがてこの異教の最高神を語呂の似たバアル・ゼブブすなわち「ハエの王」と呼んで蔑んだという。これが聖書に記されたために、この名で広く知られるようになった。


・・・とあり、バアル信仰における「神」であった存在が、ユダヤ教、キリスト教の広まりにより、「YHWH」に駆逐され「悪魔」とされてしまった・・・と。

 しかし、ユダヤ教、キリスト教に民衆の信仰が移る理由も、バアル信仰にはあったワケです。その一番大きな理由は、


生贄を捧げる


・・・という、残酷な信仰形態にあったと考えられます。


バアル信仰の神々 「モレク神」


 バアル信仰のルーツは古代エジプトまで遡るそうですが、「生贄を捧げる」という信仰形態の変化が、古代における一大宗教改革であったことは確かでしょう。

 シナイ山で「YHWH」より「十戒」を授かったモーセが下山してみると、彼を待っていた人々はエジプトにいた頃と同じく「バアル神(モレク神)」を信仰していた・・・。

 それに怒ったモーセは「十戒」が刻まれた石版を粉々に砕き、黄金の牛(モレク神)を破壊すると同時に、偶像(黄金の牛)を崇拝した者たちの殺害を命じます。

 つまり、それほど「偶像崇拝」という生贄を伴う信仰と、「姿なき絶対神」に対する信仰とは、断絶されなければならなかったということです。

 「生贄」を捧げる「神」とは、「生贄」によって「ギブ・アンド・テイク」の関係にあり、「神」と呼ぶにはあまりにも世俗的な関係になります。「生贄」次第で望みを叶えてくれるのですから、「お金」次第で望みが叶う現代社会とは、謂わば「生贄社会」とも考えられるかも知れません。

 そうした「現代的生贄社会」の頂点に立つ「神」が、「新自由経済主義」だとしたら、それを推し進めるアメリカなどは「バアル神」の使い・・・すなわち、「蝿の王」の使いであり、してみると、オバマ大統領のひたいに蝿がまとわり付くこれらの写真は、


示唆に富んでいる


・・・と、思えるワケです(ワタシ的にはですが・・・)。

『蝿の王様』 アンジー
作詞:水戸華之介





鈍色の煙の中 王様のお出ましだ
ゼニゲバ!ゼニゲバ!ゼニゲバ!ゼニゲバ!

資本主義のイロハってやつを教えていただける
ゼニゲバ! ゼニゲバ!ゼニゲバ!ゼニゲバ!

「ボランティアじゃねえぞ!」

「ボランティアじゃねえぞ!」

カラオケで大合唱だ 王様に首ったけ
ゼニゲバ!ゼニゲバ!ゼニゲバ!ゼニゲバ!

銭ゲバが上手になる 有難やエゴイズム
ゼニゲバ!ゼニゲバ!ゼニゲバ!ゼニゲバ!

「寝ぼけるな!」

「ヘソが茶沸かすぜ!」

蝿の王様!地獄のエリート!

蝿の王様!地獄のエリート!

バイバイ、落ちこぼれ!バイバイ、ぼろっかす!
バイバイ、落ちこぼれ!バイバイ、ぼろっかす!


いつだって見下してるぜ

いつだって見下してるぜ

いつだって見下してるぜ

いつだって見下してるぜ

いつだって見下してるぜ・・・


「ボランティアじゃねえぞ!」

「ボランティアじゃねえぞ!」

蝿の王様!地獄のエリート!

蝿の王様!地獄のエリート!

バイバイ、落ちこぼれ!バイバイ、ぼろっかす!
バイバイ、落ちこぼれ!バイバイ、ぼろっかす!

ゼニゲバ!ゼニゲバ!ゼニゲバ!ゼニゲバ!・・・


銭ゲバwww!


トモダチ作戦の見返りはおもいやり予算1880億円×5年


「トモダチ作戦」の米空母・乗組員が東電を訴えた(詳報)


 意味が無いことのように思えても、「予兆」と呼ばれるものは存在します。無闇に心配してうろたえる必要はありませんが、「予兆」を感じ取ったなら身の回りに気を配り、来るべき事態に備えておく心構えは必要でしょう。


Oh! アメリカ: オバマ政権下の4年間で新たに6千万人が銃を購入し、1億5千万人の米国民が銃を所有する計算に




人間ナメんなよ!


でわっ!
 

2013年2月24日日曜日

オカシくないか? 2

     
 TPPを別な視点から捉えてみたいと思います。そこで、「草野球チーム」を連想してみます。プロ野球の選手になれるほどの才能はなくても、それでも野球が好きなので仲間を集め、同じような境遇の他地域のチームと交流試合を楽しんでいると・・・。

 ある日突然、プロ野球のチームが、「俺たちも混ぜてくれ」・・・と割り込んできました。しかも、「草野球」のリーグ協定をプロ野球並にしろと、無理な?注文を突き付けてきます。

 さて、既存の「草野球リーグ」の各チームは、「プロ野球チーム」のリーグ加盟を認めるでしょうか?そして、プロ野球並みのリーグ規定を受け入れるでしょうか?


常識的に考えれば、答えは「NO」です。


 「プロ野球チーム」は、どうぞ「プロ野球リーグ」で戦って下さいというのが、フェアなスポーツであり、クルーザー級とスーパーフライ級のボクサーが戦う試合なんて、誰も見たいと思わないのと一緒です。

 同じようなことが、「TPP」で起きていると言えます。「草野球」と「プロ野球」の「力量」の差とは「競争力の差」に置き換えられ、一般的に見れば、


強い者が、弱い者をイジメている。


・・・というのが、新自由主義の実態とも言えます。

 そうした現状に発展途上国、新興国が異議を申し立てているからこそ、WTOのドーハラウンドにて全体合意に到らなかった経緯があるワケです。


WTO合意を断念 多角的交渉、新興国と対立解けず
2011/12/17 21:16

 【ジュネーブ=藤田剛】世界貿易機関(WTO)の公式閣僚会議は17日夜(日本時間18日未明)、多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)の全体合意を当面断念する議長総括を採択して閉幕する。2001年に始まった交渉は、先進国と新興国の対立などで進展が見込めないことが明白になった。WTOによる貿易自由化は今後期待できず、日本にとっては環太平洋経済連携協定(TPP)の重要性が一段と増す。

 議長総括案は「ドーハ・ラウンドは袋小路にあり、近い将来に全体合意することはない」と明記した。自由貿易体制の強化を話し合う会議の総括としては異例の内容となった。ドーハ・ラウンドは今後も発展途上国の支援など特定分野での合意を目指して続行する。しかし、今年6月以降の交渉では部分合意にも失敗しており、実現の可能性は低い。

 WTOは今後、加盟国・地域間の通商紛争の予防や解決に力を入れる方針だ。


議長総括案の骨子

*ドーハ・ラウンドは袋小路にあり、近い将来に全体合意することはない

*特定の分野で大きな意見の隔たりがある

*部分合意を含め、様々な交渉方法を探るべき

*保護主義は世界経済をさらに停滞させる

*各国の閣僚は保護主義に抗する責任がある

*市場を開放し続けるWTOの機能を強化する


 つまりアメリカや日本としては、行き詰っている「WTO」に代わるものとして「TPP」を考えているのでしょうが、先にも述べたように「弱いものイジメ」のような貿易をして、それで国が豊かになって喜べるんですか?あまりにも品性、品格に劣る態度に思えるワケですが・・・。

 欧米人は「植民地支配」ということに何の抵抗もありませんし、それが、「神から与えられた権利」であるかの様に考えているフシもありますが、日本人は・・・東洋人は・・・そんな考え方はしませんよね?

 尤も福沢諭吉などは、「欧米と伍して、アジアを植民地化するのも痛快である」・・・などとトンデモないことを書き残していますが、もうね?「恥」・・・日本人の「恥」です。かかる人物が紙幣の肖像としてして使われていることに、不快感を覚えるワケですよ。だから一万円札はソッコーで両替し、顔も見たくありません。

 ま、ソレはアレとして「草野球」・・・もとい、「TPP」に話を戻すと、チリ、ニュージーランド、ブルネイ、シンガポールという、全く共通性の無い国家間で結ばれた「パートナーシップ(協力関係)」であったワケですよ、「TPP」は。

 チリは農産物を、ニュージーランドは酪農製品を、ブルネイは石油を、シンガポールはIT産業を・・・と、いったところでしょうか?必要な物資を貿易によって融通し合うという・・・というのが、「TPP」の本来の目的であったと思うワケです。


得なのか損なのか
池上彰が考えるTPP

日本経済新聞 2011/12/18 7:00


 そこにですよ?アメリカのような大国が割り込んできて、先行する4ヶ国に何のメリットがあるというんですかね?当然、「お引取り願います」・・・と、なるのが関の山になると思えるワケですが・・・。

 アメリカが強引に「TPP」に首を突っ込む理由のひとつは、「TPP」に加盟する4ヶ国の地勢的な位置関係にもあると考えられます。4ヶ国揃って「見事に」太平洋を取り囲んでおり、したがって、最終的には軍事的な目的さえも見え隠れするワケですよ。

 アメリカが太平洋を軍事的に押さえることによって中国を大陸内に押し留め、アジア地域への経済的な影響力を限定的にすることで、アメリカがアジア地域の経済の主導権を握る。

 まさに、「アジアを目指す」・・・と言ったオバマ大統領の思惑通りです。更には、中国に対する軍事的な圧力を維持する上でも「日米同盟」は不可欠であり(勿論、韓米同盟も)、よりアメリカに協力的になれるようにと、「憲法改正」が導き出されるワケです。

 つまり、「TPP」の先にある「ヴィジョン」とは、アメリカによる太平洋支配であり、アジア経済圏の支配=再植民地化にある・・・とすら考えられます。が、さらに突き詰めて考えると、アメリカ一国でアジアの再植民地化を目論むか?・・・という疑問も生じます。

 アジア地域はもともとヨーロッパ諸国の植民地が多く、旧宗主国も隙あらば再植民地化したいと狙っているかも知れません。そう考えると、現在の「TPP」の加盟国であるシンガポール、ブルネイ、ニュージーランドの3カ国は、「イギリス連邦」の加盟国であることが引っ掛かります。

 陰謀論的になりますが、アメリカのためにイギリスが「下地」を用意しておいた=「TPP」を準備しておいたと見れば、アメリカがアジア経済圏を支配することで、ヨーロッパ諸国も在りし日の「植民地支配」の栄華を、再び手にすることができるという寸法です。

 その可能性は、現在の欧州の金融危機を鑑みれば、十分に考えられると言えるでしょう。

 ま、以上はワタシの想像の産物に過ぎませんが、「TPP」の本来(現状)の存在意義から順序立てて考えると、そういう可能性か見えてくるという話です。

 そして、何よりも先ず考えなければならないのは、これからのフェアな「貿易」の在り方であり、


強者が弱者を搾取するような時代は、もう終わりにしなければならない!


・・・と、いうことです。


弱者を助けてこそ、真の強者である!


・・・と、いうことです。




人間ナメんなよ!


でわっ! 
 

2013年2月23日土曜日

オカシくないか?


 安倍不正総理大臣がTPP交渉参加意志を表明したそうです。ま、ソレもありますが、総べからく「政治」がオカシな方向に向かっているのは何故なんですかね?


首脳会談 米はTPP前進を評価
NHKニュース 2月23日 19時4分

今回の日米首脳会談についてアメリカ側は、みずからが望む日本のTPP参加に向けて前進があったと評価しています。

今回の会談について、アメリカ政府関係者は「幅広い分野で、首脳どうし内容の濃い議論ができた」と述べています。

特に、TPPに関し、両政府の共通認識をあえて共同声明を出して明文化したことで、安倍総理大臣が交渉参加の判断に向け、前進しやすくなったと評価しています。

オバマ政権としては、アメリカ経済再生の切り札として掲げるTPPを成功させるためには、世界第3の経済大国・日本の参加が欠かせないと考えています。

さらにTPPには、アジア太平洋地域で各国が一定のルールの下で連携を強めることで、台頭する中国をけん制する戦略的な思惑もあります。

オバマ政権は、日米関係をより強固なものにするうえでも、安倍総理大臣が、TPPの交渉参加に向けて国内で指導力を発揮することに期待を寄せています。

その一方で、アメリカが最終的に日本の参加を認めるには、日米間でさらなる協議が必要だとしており、アメリカの利益につながる自動車や保険などの分野で日本の一段の市場開放を求めていく方針です。


(1)原子力発電

(2)震災被災地の復興

(3)尖閣諸島、竹島

(4)憲法改正

(5)TPP


・・・とまあ、これらの主だった問題に対する政府の対応は、


ことごとく国民の声を無視している


・・・ワケですが、国民の声を無視する政府に従う義務があんの?

 素朴な疑問ですが、国民の代表として「公正な選挙」によって選出された代議士であるからこそ、職務を全うするにあたっての経費を「税金」から拠出しているワケです。然るに、国民を無視して暴走する政府では、国民として支持するワケにはいかないですよね?すなわち、「納税の義務」なんてあんの?・・・となるワケですよ。

 憲法に定められている「納税の義務」の前提は、1.正当な選挙によって選出された代表者に従い行動する。2.代表者および公務に就く者は、「日本国憲法」を尊守しなければならない。3.すべての国民は、最大限の人権および、最低限の暮らしと健康を保障されなければならない。・・・の3原則に基づくと、ワタシは理解しています。

 これらの条件と、(1)~(5)の諸問題を重ね合わせて検討してみるに、ワタシには自民党に政権を担う正当性があるとは思えません。したがって地方税はまだしも、「国税」を収める意義が見出せないワケです。

 一方的に「ムチで打たれ」て、それでも「税金」だけは収めさせられるなんて、もはや「民主主義国家」とは呼べません。「強権」こそ今のところは発動しないものの、完全な「独裁国家」そのものです。

 北朝鮮だとか、中国だとかを「独裁国家」だと非難している人たちは、日本の現状を良く見てみることです。自由経済が云々と「勝ち組」を気取っていても、所詮は「独裁政権」に取り入って、甘い汁を吸っている「茶坊主」に過ぎません。

 もう一度言いますが、


日本は既に独裁国家である!


・・・この現実から目を逸らしていては、何事も前に進みません。

 現在の状況を防止するチャンスはあったのです。昨年末の衆議院選挙で「自民党が大勝」したことに、きっと多くの人は疑念を抱いたハズなのに、落選した候補者でさえ、選挙結果を分析することにかまけて、事態の異常性と向き合うことを避けてしまった。


 選挙前はあれほど「反原発」、「反TPP」と意気が高かったにも関わらず、選挙結果を疑うこともなく、あっさり「へタレ」てしまった候補者のなんと多かったことか。高知の藤島利久氏くらいじゃないですかね?「不正選挙」の疑惑を追及し、孤軍奮闘しているのは。


 ま、以前、藤島氏を「へタレ」呼ばわりしたことは誤ります。すみませんでした。人間、時には弱音を吐くこともあります。それでも気を取り直し、前に進む気概が大切なワケです。そして藤島氏には、「ソレ」が備わっていると信じています。

 藤島氏は現在、有志の方々からの支援により政治的活動を・・・「不正選挙糾弾」の活動を続けています。家庭のことは奥様に任せっきりで、傍からは「ロクデナシ亭主」と見られるでしょうが、「支援」で個人的に活動をするのと、「税金」で議員が活動をするのと、どこが違うと言えるのでしょうか?

 「税金」は強制的に徴収され、自分が支持しない政治家であっても、彼らは「税金」から「食い扶持」を得ているワケですが、ソレに比べれば、共感する政治家(藤島氏は議員ではありませんが)に「カンパ」する方が、よっぽどスッキリします。ま、大袈裟に言えば藤島氏は、現代の「田中正造」とも言えるかも知れません。

 田中正造に限らず、過去の人格者を敬愛する人は多いのですが、ワタシも含めて、その生き方まで実践する人は稀です。みんな日々の暮らしに忙殺され、政治活動にまで踏み込む勇気が湧かないのが実情です。

 であえれば、誰かが代わりにやってくれるのなら、幾ばくかの「カンパ」をしようという心情にもなります。その「誰か」がたまたま藤島氏であったというだけの話です。

 勿論、正規?の議席を得て、「議員特権」により更に活動範囲を広げて欲しいワケですし、その際には国民の意見、想いを十分に汲み上げて欲しいワケです。

 本来、それが議員の役割であり、職務であるのに、現在の日本はそうした民主主義の基本が捻じ曲げられ、「自民党独裁国家」・・・もしくは、「自公民連立独裁国家」へと向かっているワケです。

 何度でも繰り返しますが、昨年末の衆議院選挙の「不正疑惑」をシッカリ追求していれば、自民党の独断にも歯止めを掛けられ、今日のような事態にはならなかったワケで、ジッサイ、あの選挙に対してどれだけの人が「疑念」を抱いていたのか?そして落選した候補者も、「次がある」・・・なんて、悠長に構えていたのではないのか? 

 不正はその都度正していく必要があるワケです。「後で・・・」なんて言っていたら、「不正の証拠」が隠滅されたり、マスコミによってウヤムヤにされるのがオチです。また、正すべき時に正さないというのは、「道徳上」如何なものか?

 いま一番憂慮されるのは、自公民が独断で交渉参加表明したTPPであれ、政権交代後にTPP交渉を脱退できるのか?・・・脱退できるにしてもその気概が日本政府にはあるのか?・・・TPP交渉脱退後の「ヴィジョン」を見据えた政治家、官僚はいるのか?・・・です。

 であればこそ、はじめからTPP参加交渉には加わらない方が将来の展望も察し易く、時々の状況に則した政策も打ち出せるのでしょうが、TPPに加盟してしまえば条約でがんじがらめに縛られ、日本独自の政策が実行できなくなるであろうことは、既に多くの有識者によって警告されていることです。

 何故そこまで・・・国民の声を無視してまでTPPに拘るのか?そしてニュースの論調も、すべてが対アメリカという文脈で論じられていますが、


オカシくないですか?


 アメリカはTPP加盟国ではありません。TPPに加盟希望する一国に過ぎないのです。ニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイが正規のTPP加盟国、先行国であり、アメリカを含めたその他の国々・・・ベトナムやマレーシアも、「頭を下げて」TPPに加えてもらう立場にあるワケです。

 それが、さもアメリカがTPPの立役者であるかのような報道には納得できません。多国間の貿易協定であればこそ、全体を見渡した状況分析が必要なワケで、ナンデ?それが対アメリカのみで報道されるのか?そこに「ある意図」の存在が推察され、それ故、「TPPには裏がある」・・・と論じたワケです。

 じゃあその「裏」とは何なのか?・・・となると、想定できるシナリオとしては、「アメリカと日本は最終的にはTPPに加盟せず、別な貿易協定を結ぶ可能性がある。」・・・と、いったところでしょうか?

 つまりTPPは、そのためにアメリカが仕掛けた「おとり」=「デコイ」である可能性もあり、本当の目的はその先ある・・・ということです(あくまでも現在の状況からの推測ですが・・・)。




人間ナメんなよ!


でわっ!
 
 

なぜ嘘をつく?田原総一郎

   
 「BLOGOS」に看過できない記事が掲載されていたので、多少読みやすくアレンジして転載します。ただし内容に変更は加えていませんので、オリジナル記事で再確認して下さい。


田原総一朗氏への反論
山口つよし 衆・民主/元外交官 国際政治学博士

私の昨年の訪中関連で、田原総一朗氏によって事実に全く反する記事が書かれていることについて、強く抗議するとともに、真実を記しておきたい。


1.週刊朝日2013年3月1日号の39ページと田原氏の公式ブログ(2013年2月18日付け)について、真の事実関係は以下のとおり。

(1)先ず記事は、私が昨年8月に訪中し戴秉国国務委員に会った後、「戴秉国国務委員に、首相にも外相にも内密でもう一度会っている」とか、「首相にも外相にも内密で、その後再び会った」とあるが、事実問題として、戴秉国国務委員と会って話したことは、後にも先にも昨年8月31日の一度しかなく、「もう一度会った」とかは全くない。事実無根である。
したがって、(存在しない)「2度目の会談」で、「平行線の繰り返しではなく、戴秉国氏が納得できる形になったのではないか」ということもない。

(2)ちなみに、8月31日の私と戴秉国国務委員との会談において、島については私からは日本側の立場を正確に伝え、譲歩的な発言は一切しなかったことを明記しておきたい。記録も有る。
会談は一対一で、午前11時から午後2時まで約3時間、将来の日中関係、世界の地政学等々、極めて深く広い話題を縦横無尽に、お互い時の経つのも忘れて話し合った。戴秉国国務委員は一対一の対話という形にこだわり、通訳以外の同席は認められなかったので、急遽石川中国課長が通訳として入ってくれた。石川課長は会談直前大変緊張していた様子だったが、終わった時はホッとした表情で「すごい内容だったですね。」と褒めてくれた。

(3)外務副大臣として、公の会談を行う場合、必ず公電によって記録され、東京に送られ、省内は大臣のみならず、主要な幹部、担当部局に全て回される。また、このような重要なものは、官邸の総理、官房長官等へも送付される。私と戴秉国国務委員との会談記録も、当然のことながら、玄葉外相、野田総理に報告されている。加えて、私自身から、玄葉外相に正確に報告した後、官邸に行き、野田総理、藤村官房長官に極めて正確に報告した。ちなみに、前日(30日)、フエイ外交部副部長と約5時間にわたって会談を行ったその記録も、同様に、玄葉外相、野田総理等々にキチンと回されているし、帰国後、私からも彼らに直接報告した。

(4)同記事の中に、「報告を受けた外相は強い危機感を持って、激しく副大臣をしかった」とあるが、「再訪中」などなかったのであるから、こういう事実は全く無い。

(5)ちなみに、田原氏は公式ブログの中(2013年2月18日付け)で、存在しなかった「再訪中」を前提に、「中国側としては、日本を代表する立場で来た人間が、譲歩するかのような発言をした、と受け止めた。一安心したに違いないだろう。」としているが、「再訪中」していないし、「譲歩するかのような発言をした」ということもなかったのだから、中国が「一安心したに違いないだろう」いうのは、事実無根の想像上の産物としか言いようがない。

(6)週刊朝日の記事で「外務副大臣の勇み足」というタイトルは、存在しなかった私の「再訪中」を大前提に、しかも私がしていない「譲歩するかのような発言」ゆえに、「勇み足」と言っているのだろうが、以上、全てまったく事実無根のでっち上げなのであるから、極めて不適切と言わざるを得ない。
ジャーナリストとして名高い田原総一朗氏が、このように、事実無根の記事を堂々と週刊朝日に掲載されたり公式ブログで記事を書かれた責任は極めて重い。
また、田原氏はもちろん、この記事のソースとなる(偽りの)情報をシンポジウムで語ったとされる石川好氏も、それほど重要な内容であるにもかかわらず、私本人には一度として事実関係を確認することなく、公の場で私を落としめるが如き発言、発信は真に遺憾である。


2.
(1)尖閣については、昨年4月に石原都知事(当時)が購入しようとの話が出て以降、いろいろなことが起きたわけだが、私は、当初から当時の玄葉外相、野田総理には、石原都知事が購入するかどうか、先ず見極めればよいとの意見であった。何故なら、①本気なら都議会に根回ししていただろうが、していない。②本気なら石垣市に一言ぐらい言っていたろうが、言っていない。③本気なら、ワシントンで言わず、日本で言っているはずだからだ。案の定、石原さんは途中で都知事を放り出し、尖閣購入問題は、放り出したままである。

(2)そして、私が全く知らない間に、国有化の動きをコソコソと進めていたのが、7月7日の朝日新聞の一面で報道され、寝耳に水であり大変驚いた。後で分かったことだが、杉山アジア局長も知らされていなかった。当然、石川中国課長はもっと蚊帳の外であり全く知らされていなかった。組織としての仕事のやり方を全くわきまえていない、ひどいものだったことに、驚きを通り越して強い危機感を感じた次第である。

(3)このような経緯の中で、8月の訪中に至るわけであるが、中国側と会談するにあたって、私の発言応答振りについて、外務省内で先ず石川中国課長と一言一句文言を詰め、それを局長、次官、そして玄葉外相等、全てキチンとした決裁を取ったうえで臨んだ。私は、そのラインを1センチたりとも外さず、中国側と会談した。このことは、外務省の公電による記録に残っている。

(4)昨年8月30日のフエイ副部長との会談は、当方から国有化について、詳細に述べ、先方から細部にわたって質問が有り、それに応えるプロセスが約5時間続いた。誠実に対応することを心がけ、そのことは先方にも伝わったと思うが、納得は得られなかった。当方の述べたことを、先方は聞きおいたという形だ。

(5)翌日、戴秉国国務委員は、島の話は昨日フエイ副部長と詳細に話したのだから、今日は一対一で深い哲学的な対話をしようと言われ、二人とも時の経つのも忘れて、日中関係の将来等々、熱く意見交換した。最後のほうで、戴秉国国務委員から、島について提案が有り、私から、持ち帰って検討すると応えた。

(6)帰国して、(公電による報告に加えて)玄葉外相、野田総理、藤村官房長官には直接自分からキチンと正確に報告した。

(7)その後、国有化の閣議決定が9月11日にあるかもしれないということが耳に入り、大いに驚き、我が耳を疑ったというのが正直なところだ。戴秉国国務委員からの提案について、たとえそれが受け入れられないものであるとしても、一応「回答」はせねばならない。しかし(私の必死の訴えもおよばず)結局「回答」がなされることはなかった。

(8)そして、9月11日の前日の月曜日(10日)となり、私は、官邸に野田総理を訪ね、「仮にも昨日、ウラジオストクで、立ち話とはいえ、総理は胡錦濤さんとやりあった、それを、明日、閣議決定はないのではないか。中国ともう少し話しを続けさせてほしい、(自分は)国有化に反対しているのではない、明日の閣議決定を先に延ばしてほしい、東京都としても年末までは手続き上購入できないのだから2,3ヶ月まだ有るではないか」、と訴えたが応えられず、結局9月11日に閣議決定がなされてしまった。その後の展開はご存じの通りであり、極めて残念な経緯である。

(9)以上から、全く事実に反する「噂」として、私が戴秉国国務委員と会うために「再訪中」したとか、私が「譲歩的なことを発言」したとか、それ故に中国が勘違いして、国有化の閣議決定により驚いて不信感をもったとか、だから私に責任が有るとか、全てでっち上げのデタラメであることが、分かって頂けると思う。
全ての問題は、先ず、石原氏の購入に振り回されたこと(購入するか見極めればよいのに、購入すると勝手に決めつけて国有化に走ってしまった)、次に、コソコソと官邸の一部の人と外相とで国有化の計画を進め、外務省のアジア局長、中国課長すら外して、組織としての対応が全くできていなかったこと、更に、私が総理親書を携え正式な形で戴秉国国務委員と会談した際、同委員からの提案を外務省の公電で報告したにもかかわらず、全く無視する形で、しかも、9月9日に野田総理は胡錦濤国家主席と立ち話とはいえやり合った直後に、国有化の閣議決定を行ったこと等にある。


3.私の進言を入れてくれさえいれば、という気持ちは正直強く有る。おそらく起きなくてよかった不幸な展開である。
しかし、現実は目の前に有る。受け入れざるを得ないし、そこからしか何もスタートしない。

ここから日中関係を再度築きあげていくためには、40年前の日中国交正常化以前に一度戻り、そこから先人が苦労した以上の互いの信頼関係を積み上げていくことが求められる。それを思うと、失ったものはあまりにも大きいが、中国とのご縁が有る者の一人として、今後の日中の新たな絆つくりのために、魂レベルで関わり、粉骨砕身努力する決意である。
(了)


 さて、この記事を読んでワタシなりの感想を述べれば、尖閣諸島の国有化云々以前に、対外国とまともに交渉すら出来ない政治家、そして組織では、日本の将来は非常に危ういということです。

 記事の中に、戴秉国国務委員「哲学的な話」をしようと持ちかけてきたとありますが、それに対して応対できた当時の山口外務副大臣もたいしたものです。おそらく中国古典に関する知識もあったのでしょうが、哲学は、突き詰めれば個人の世界観に拠る部分が大きく、したがって「ヴィジョン」を持たない人間は、哲学論を交わす事などできないでしょう。

 そしてこのことは、お互いの「ヴィジョン」の相克が渦巻く国際政治の舞台においては、致命的であるといえます。「策略」に長けていようが、「その先」にある「ヴィジョン」を持たない者は、「底の浅い事大主義者」でしかありません。

 特に中国との交渉においては、「義」や「礼」が重要な「哲学的論点」になるのでしょうが、ま、ソレは今回言及する要点ではないので、別な機会にすることにして、ただ一点、戴秉国国務委員の提案に対しての「返答無し」で国有化を一方的に宣言したのは、「礼を失した振る舞いである」・・・と、礼を重んじる「侍」であれば、誰もが感じることでしょう。

 山口元外務副大臣の、田原総一郎氏らに対する告発を前提に話を進めていますが、この件は「公電」「報告書」、さらには「証言者」がたくさんいるでしょうから、真実かどうかを「検証」するのは苦も無いはずなので、山口元外務副大臣の言を受けて進めます。で、結論から言えば・・・


田原総一郎は謝罪せよ!


・・・と、いうことです。個人に対する根も葉もない中傷に加えて、ジャーナリストという立場を利用して社会をミスリードしようとした責任は思いと言わざるを得ません。

 マスコミ全般にそうした風潮があることは以前から指摘されていました。所謂「マッチポンプ」というやつで、自分で放火しておきながら、第三者のように振る舞う・・・そのうえ、犯人逮捕に協力する振りをしながら問題、事件を煽りたて、とどの詰まりは、「メシのネタ」を自ら作り出している「売文稼業」

 何度でも言いますが、「全てのマスコミは営利目的の企業」であり、営利を目的とする企業が「万人に対して公正である」・・・と、考える方が、頭の中が「お花畑」、「おめでたい」としか言えませんし、そんな「おめでたい」人が日本国民の75%を占めているそうですが、


どwww思います?


 「ニュース」を全部疑えと言ってるワケじゃないんです。「事件」、「事故」は現実に起きたこととして受け入れて問題ありません。ただ、事故の原因とかを「ニュース」の言うがままに、「コメンテイター」の言うがままに、「タレント」の言うがままに受け入れるのは「危険」だと言いたいワケです。彼らはみんなワタシたちと変わらない「職業人」なワケですから。

 つまり、事故当事者のどちらかがマスコミが利益関係にあれば、マスコミは十中八九、利益関係のある方に有利な情報を流すという、個人の関係においても全く当てはまる行動を取るということを心得る必要があり、「メディアリテラシー」の肝はそこにあるとも言えます。

 個人の関係においては無闇に他人を信用しない人でも、直接的な利害関係が絡まない「マスコミ」は信用してしまう心理が働くのかも知れませんが、被害にあった場合の規模は、戦争などの「国ぐるみ」の被害になるのですから、他人に向ける疑いの目のように・・・もしくはそれ以上に、「マスコミの口車には乗らないぞ!」・・・という心構えは必要です。

 話を戻しますが、田原総一郎氏らが事実無根の記事で山口氏を貶めようとし、尚且つ誤りを謝罪しないのであれば「名誉毀損」で告発するしかありなせん。そして「マスコミ」の被害に合われた方々も泣き寝入りせず、その都度「マスコミ」を告発していくしかありません。

 でなければ、「公正なマスコミ」は夢物語にしても、いくらかでもマスコミによる「報道被害者」を減らしていくためには、それなりの時間と労力が必要とされるということです。最後にもう一度・・・


田原総一郎は謝罪せよ!




人間ナメんなよ!


でわっ!
 

2013年2月22日金曜日

これで解決?

    
 ボーイング787のバッテリー発火事故ですが、バッテリー供給メーカー、「GSユアサ・バッテリー」の製品に不備があったのではないかという憶測が一時期流れ、ワタシとしても気になっていたのですが、VORのニュースによると、「機体の配線設計」による不具合の可能性も高いようです。


ボーイング 「ドリームライナー」の電池問題の解決策見つける
21.02.2013, 11:28


 米ボーイングは、ボーイング787型機「ドリームライナー」の運行停止を受け、膨大な損害が生じる恐れに直面しているが、トラブルの原因となったリチウムイオン電池に関する問題の解決策を見つけた。西側のマスコミが、情報筋の話を引用して伝えた。

 Kansas City Starによると、解決策には、電池のセル間の隙間を広くすることが含まれているという。情報筋は、「電池のセル間の隙間が広げられる。隙間が十分でなかったために発火したと思われる」と語った。

 The Wall Street Journalは、「ドリームライナー」の発火事故を調査している日本の運輸安全委員会が20日、配線設計が「通常とは異なる」ため、調査を拡大することを明らかにしたと伝えた。The Wall Street Journalによると、運輸安全委員会の後藤委員長は、「ドリームライナー」では通常の飛行機の配線とは異なり、発火した電池の配線と他の部分の配線がつながっていたと伝えたという。 

インターファクス


 車、バイクが好きな人にとって、「ユアサ・バッテリー」は良く知られたブランドであり、ファッション業界における「グッチ」にも例えられます(あくまでも例えです)。

 かくいうワタシも日本にいたときはバイクを乗り回していたので、「ユアサ・バッテリー」の名前をボーイング787の発火事故のニュースで聞いた際には、ジェット機にもバッテリーを供給しているのかと驚いたと同時に、昔の知り合いが過ちを犯したかのような、チョット切ない気持ちになりました。

 ま、出火事故の原因だと限定されたワケでなく、原因のひとつとして考えられるという内容だったので、何かの間違いであって欲しいという思いもあり、また、それが事実であれば、「誠意ある対応」を示して欲しいと思っていたのですが、どうやら取り越し苦労になりそうです。


B787ショック、冷や水浴びるGSユアサ
東洋経済オンライン


 ただし不安なのは、日本の運輸安全委員会の調査に基づく報告が認められるかどうか?です。Kansas City Star紙の報道によれば、「電池のセル間の隙間を広くする」・・・ということが、解決策に含まれるそうですが、このことは「バッテリーの設計変更」を意味するもので、「ユアサ・バッテリー」側にも「非」があるということになります。


ボーイング:787バッテリー設計変更、米当局に提示へ-関係者
Bloomberg.co.jp

(前略)

ボーイングは3月中に787の運航を再開することを目標に掲げているが、米ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス は21日、787を6月5日までのフライトスケジュールから外すと発表。運航再開にはより長い時間を要するとみていることを示唆した。ユナイテッドは米航空会社で唯一787を運航していた。

ボーイングの21日株価終値は前日比1.6%高の76.01ドル。日航機のバッテリー発火トラブルが起きた1月7日の前営業日からの下げ幅は2.2%に縮小した。787のバッテリーを製造したGSユアサ の21日終値は8%高の352円と、11年11月以来の大幅高となった。

運航停止命令の解除はボーイングだけでなく、既に49機が納入されている航空会社にとっても重要だ。ボーイングは受注残が800機余りの787の納入再開を望んでおり、航空各社も787の運航が再開すれば通常のフライトスケジュールに戻すことができる。

関係者によると、ボーイングは787に搭載されている2つのバッテリーの各8個のセルをより耐火性の高いボックスに収納することを提案する。同社のエンジニアは、トラブルの際にバッテリーから出た煙や臭気を機外に排出するシステムも装備したい考えだ。

原題:Boeing Said to Plan New 787 Battery So Jet Can Fly inWeeks (4)(抜粋)


 素人考えで恐縮ですが、セルの隙間が変わるとバッテリーの性能も変わるんじゃないんですかね?そうなると、引き続きボーイング社(タレス社)向けにユアサがバッテリーを供給可能なのか?・・・という疑問も生じるワケです。

 ところでバッテリーは、「次世代技術」として重要な位置にあります。「電気は溜めることが出来ない」・・・という現状に、現代社会は縛られいると言えますし、それ故に、大手電力会社の電力市場独占に屈服させられているとも言えます。

 電気は溜めることが出来ないので、発電所は常に最大消費電気量を見越して発電所を稼動させなければならず、それが理由のひとつとなって「原子力発電」が正当化されて来た側面もあります。

 しかも「原子力発電所」は、発電出力の調整が「火力発電所」に比べて困難であり、したがって常に余分な電気を発電し続け、余分な電気に使い道が「揚水発電所」への電力供給であったり、テレビ局の「無駄な深夜番組」であったり、「24時間営業の商店」であったり、「オール電化住宅・マンション」であったりするワケです。よね?滝川クリステルさん?





 で、もし電気を溜めることが出来たら?・・・となると、余分な発電所は必要なくなるワケです。また、自然エネルギー利用による自家発電にも弾みがつくワケです。

 不安定な発電設備であっても、電気を溜めておくことが可能になれば、条件のイイときに発電した余剰電気のストックでトータルの発電量の管理が可能になり、自然エネルギーの利用による「停電知らず」の生活が満喫できます。

 「計画停電」などという、電力会社からの一方的な支配から逃れるためにも、「次世代バッテリー」の開発は怠れません。が、その開発メーカーがなくなってしまったら?

 今回のボーイング787の出火事故の風評被害?により、「ユアサ・バッテリー」が経営危機に陥らないことを祈りますし、「次世代バッテリー」の開発に支障が出ないことを願う次第です。はい。




人間ナメんなよ!


でわっ!
 

2013年2月20日水曜日

過去と未来

 
 その昔、ベトナムとカンボジアの国境を決める目安となったのは、「お墓」の形であったそうです。それだけ昔の人にとって「宗教」は絶対的な意味を持っていたとうことの表れですが、今朝ネットのニュースを見て、そんな話を思い出しました。


卑弥呼の墓か 研究者が箸墓古墳調査へ
2月14日 4時20分

邪馬台国の女王、卑弥呼の墓という説もある奈良県桜井市の箸墓古墳について、管理している宮内庁が初めて研究者の立ち入りを認め、今月20日に調査が行われることになりました。

箸墓古墳は、全長およそ280メートルの最も古い時期の大型の前方後円墳で、3世紀中ごろに亡くなったとされる邪馬台国の女王、卑弥呼の墓という説もあります。

陵墓に指定されているため立ち入ることができず、これまでは周辺の調査などをもとに研究が進められてきましたが、宮内庁が研究者の団体からの要望を受け、今回初めて調査を認めることになりました。

調査は今月20日に行われ、研究者が古墳に立ち入って形などを確認することになっていますが、発掘や土器などの採取はできないということです。

また、奈良県天理市にある大型の前方後円墳「西殿塚古墳」でも同じ日に調査が行われます。
古墳時代に詳しい大阪府立近つ飛鳥博物館の白石太一郎館長は「研究者として陵墓は公開されるべきだと考えている。2つの古墳は古い時代の前方後円墳で、まだ墳丘の形態なども分かっていない。複数の研究者が見ることで、新たな知見が得られるものと期待している」と話しています。


 ワタシの個人的な考えとしては「九州王朝説」を支持しているので、「箸墓古墳」が卑弥呼の墓所だとは思えません。だとしたら、誰の墓所なのか?・・・と訊かれても、不勉強ゆえに答えられませんが、「前方後円墳」=「方墳」「円墳」という形からして、卑弥呼の時代よりずっと後の時代のものと考えられます。

 「円墳」が朝鮮半島の「新羅」の遺跡群に多く見られることは、以前の動画・・・「蘇我氏はローマ人だった?」・・・でも報告されていましたが、ローマ人が「円墳」を墓所としたかは不明です。ローマ・・・というか、地中海沿岸は「石」の文化圏であり、墓所も当然「石」で造られています。



蘇我氏はローマ人だった?


古代ローマ時代の墓の並ぶ道 2


 どちらかといえば「円墳」は、遊牧民族であったスキタイの墓所「クルガン」を連想させます。



スキタイ人 - 謎に包まれた古代民族


 「円墳」は「土饅頭」とも呼ばれ、日本においても広く行き渡った埋葬方法でしたが、一方では「方墳」・・・すなわち「四角形」に土、もしくは石を積み上げる墓所も見られます。

山代二子塚方墳

 で、調べてみると、数は少ないのですが「円墳」、「方墳」以外にも、さまざまな形の古墳(墓所)がりります。


主な古墳の形


 「円墳」と「方墳」分布ですが、大雑把に言って「関西」に「円墳」が多く、「関東」に「方墳」が多いと言えます。このことからも、日本の文化のルーツは少なくとも2系統に分けられると推測されます。

 ちなみに、「円墳」の原型?が「スキタイ」に遡るとしたら、「方墳」のソレは「バビロニア」に遡るのかも知れません。


ジッグラト


 話にまとまりがつかなくなりそうなのでこの辺で止めておきますが、要は、ワタシたちはワタシたちのルーツに関して、


あまりに無関心


・・・であると、言いたいワケです。アジアだけでなく、もっと広い範囲で日本人の祖先たちのダイナミックな生き方を知れば、朝鮮半島、中国大陸に対しての偏見的なものの見方が、いかに馬鹿げたことであるか自ずと気付くことでしょう。




韓国を竹島から叩き出せ!


 いや、正直これを見たアジア諸国や、欧米各国がどう受け取るのか、みなさんも察しがつくはずです。決して「好意的」には見ないであろうし、日本が「軍国化」しているという印象を与えるだけです。

 すなわち、安倍不正内閣による「憲法改正」との相乗効果により、日本は国際的に孤立する方向に向かっているんじゃないか?・・・とすら思えるワケです。


それでもイイんですかね?


 日本の国際的孤立は、ビジネス面でも必ず悪影響を及ぼすでしょうし、そんななかでの「アベノミクス」、「TPP」だのに、どれだけの「経済浮揚効果」があるのか、ワタシには全く見当がつきません。

 「竹島」の件にしても「尖閣」の件にしても、もともとはどこの国の領土でもなかったワケですが、それをどこの時点からか、お互いに領土だと主張しあっているワケですから、これは「歴史問題」の一種になるワケですよ。

 したがって「歴史の徹底的な検証」が求められるワケであり、感情的な自己主張を繰り返すだけでなく、冷静に歴史向き合う姿勢こそが日本人が示す理性であり、正義と公正を世界に示し、日本に対する諸外国の信頼を損なわないために必要なんじゃないんですかね?

 人は「意味」無くして前に進むのは難しい・・・というのがワタシの自論ですが、誰であれ無意識、意識的を問わず、「何らかの意味」を持ちながら生きているワケです。

 個人の場合は「家族」であったり、「名声」であったり、「血筋」であったりしますが、それが「国」となると、「過去の歴史」というものが重要な比重を占めるようになり、このことを利用したのが、「明治維新」以降の「皇国史観」になるワケです。

 そして日本国民に「間違った意味づけ」=「歴史捏造」を植え付け、日本全体を戦争へと向かわせた事実を否定することは出来ません。

 つまり、過去の間違った意味づけを未来に投影した結果が、あの戦争の顛末だったワケですから、過去の意味づけ・・・すなわち「正しい歴史認識」を持つことは、過ちを繰り返さない為の最善の道だとワタシは確信します。

 ま、・・・などと、今朝の箸墓古墳調査のニュースを読んで思った次第です。はい。




人間ナメんなよ!


でわっ!
 

2013年2月17日日曜日

TPPにはウラがある!?

       
 相も変わらずTPP参加是非を巡る論戦が繰り返されていますが、そもそもTPPは、2005年6月3日にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国間で調印し、2006年5月28日に発効。2011年現在、アメリカ、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、ペルーが加盟交渉国として、原加盟国との拡大交渉会合に加わっているものです。

 ナンか?おかしくないですかね?アメリカは後発の参加表明国なワケですが、そのアメリカがTPPのイニシアチブを取っているかのような報道に、誰も疑問を感じないんですかね?

 シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4ヶ国は既にTPPに加盟しているワケですから、その協定の内容に関してはハッキリしているワケでしょ?だったら先ず、その4ヶ国に協定の内容を確認するのがセロリー・・・もとい、セオリーなんじゃないんですか?なんで対アメリカ的な交渉論になっているのか、そこが疑問なワケですよ。

 聞くところによれば、アメリカの議員でさえTPPの内容を知らないそうじゃないですか?これって異常でしょ?何かが変だとフツー思うでしょうよ。交渉に参加するしないの前に、交渉の対象となる協定の内容すら如何わしいのですから。

 もう一度聞きますが、TPPのイニシアチブを取っているのは、TPPに調印済みのシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4ヶ国なんですか?それとも、後から交渉参加に加わっているアメリカなんですか?

 先行する4ヶ国は既に条件を明確にし、その内容に基づきTPP調印を済ませているワケですよ。そこに後から参加しようとするアメリカが、あれこれ条件を突き付けられるんですかね?先に調印済みの4ヶ国にしてみれば「イイ迷惑」であり、アメリカのTPP参加を拒否することも出来るワケですよ。

 つまり常識的に考えて、TPPに加盟済みの先行4ヶ国のほうが立場的には強いワケで、何故?日本がアメリカに対してヘコヘコしながらTPP参加交渉への顔色を伺うのか?そこからして・・・スタート時点からして考え方がおかしいワケですよ。


TPP推進派と慎重派、交渉参加の是非めぐり論戦
フジテレビ「新報道2001」で

安倍首相が今週、アメリカを訪問するのを前に、TPP(環太平洋経済連携協定)の推進派と慎重派が、17日朝のフジテレビ「新報道2001」に出演し、交渉参加の是非をめぐって論戦を交わした。

自民党の中谷農林水産戦略調査会長は「TPPというのは、大きな経済ブロックをつくるわけで。中国、韓国、ASEAN(東南アジア諸国連合)も2つに分断しちゃいますので、全くいい話ではない」と述べた。

みんなの党の江田幹事長は「何を恐れているのか。こんなに、国際交渉に参加する・しないが問題になったことがないんですよ」と述べた。

また、自民党の小池広報本部長は、「日本がどこに参加するか決断しないまま、どこにも居場所がないなどとなると、日本が空洞化してしまうのではないか」と指摘し、TPP交渉参加を決断すべきだとの姿勢を強調した。

(02/17 12:24)


 TPPについて知りたいのなら、先ず先行する4ヶ国に内容を確認するのがスジであり、それに対して協定の内容を秘密にするというのなら、そんな秘密クラブのようなオカルト協定に参加する必要は無し。健全なビジネス、健全な貿易が行われるとはとても思えません。

 ナンで?TPPの加盟国でもないアメリカがデカイ面をして、また日本の政治家も情けないことに、アメリカ様様と媚を売るような輩が多いのか?いままで日本側に伝えられたTPPの内容なんて、本来の・・・先行する4ヶ国が結ぶ協定とは、全く関係ない別物かも知れないじゃないですか?

 で、ですよ?アメリカがTPP加盟を拒否されたら、日本はどうするんですかね?その可能性について論じた人を存じませんが、アメリカにくっついてTPP加盟を辞退するんですか?その上で新たにアメリカと貿易協定を結ぶんですか?FTAみたいな・・・。

 ワタシの論旨を整理すると・・・


1.すでにTPPはシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4ヶ国で調印され、発効している。

2.したがって後発の協定加盟希望国は、現状の協定を尊重しなければならない。

3.TPP協定の主導権は先行する4ヵ国にあり、協定を乱す国の加盟を拒否する権限を持つ。

4.結論として、アメリカ主導のTPPなどありえない・・・というか、ハッタリにすぎない。


・・・となるワケで、TPP参加交渉の相手が先ず間違っているとしか言えません。繰り返しますが、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4ヶ国は既に条約に調印しているワケですから、先行調印国にお伺いを立てるのが、「ビジネスマナー」と言えるんじゃないんですか?

 それが何で?アメリカという、TPPの調印国でもない国にお伺いを立てにいくのか?そしてその事実を全く無視して、条約の内容ばかりが連日TVで取り沙汰されるのか?異常です・・・。正常な判断力が欠如しているとしか言い様がありません。

 連日報道されているTPPの協定内容とはイッタイ何なのか?少なくとも、現状の協定の内容ではないことは察しがつきます。であれば、アレはアメリカが勝手にでっち上げたものであり、現行のTPP協定とは全く無関係、尚且つ、そんな条件を持ち込んだところで、先行4ヶ国にはアメリカのTPP加盟を拒否する権限があるワケですよ。

 つまりこの話・・・TPP云々は、最初っから変なワケです。ひょっとしたらTPPは何か別なものの「隠れ蓑」である可能性も高いワケですよ。ちょうど「アベノミクス」が、原発推進に向けた「隠れ蓑」であるように、TPPのウラというかその先には、「別なヴィジョン」が描かれているようにも感じられます。

 だ・か・ら・・・何度でも言うワケですが、


ヴィジョンを持て!


 持たざるものは、持つ者に負ける・・・のが世の常であり、知識、技術、お金、等々、様々な要因があるなかで、一番重要なのが「ヴィジョン」を持つことです。知識、技術、お金も、「ヴィジョン」の実現に向かって収束していく下位要素なのだ・・・と、心得る必要があります。

 新時代に対する「ヴィジョン」を明確に持たないと、旧時代の、利権・権威主義の生き残りを画策するゾンビーズには勝てないワケです。日本も、世界も、なかなか良くならないワケですよ。





 昨日、パキスタンで爆弾テロがあり、80人が亡くなったとのこと。イッタイいつからワタシたちは、「爆弾テロ」に対して無関心になってしまったのか?80人からの人が死ぬということに鈍感になってしまったのか?人の死というものが「日常風景」になってしまったのか?さらに言えば、


人の命(存在)が軽くなってしまった


・・・のか?



パキスタン爆弾テロ、80人死亡 南西部の市場、過激派犯行
2013年2月17日 14時09分

 【イスラマバード共同】パキスタン南西部バルチスタン州クエッタの野菜市場近くで16日、爆弾テロがあり、地元当局者によると、子供や女性を含む市民80人が死亡、175人が負傷した。死者はさらに増える可能性がある。イスラム教スンニ派の過激派組織「ラシュカレジャングビ」の広報担当者が犯行を認めた。

 警察幹部によると、爆発があったのは国内少数派シーア派が住む地区で、付近には学校など教育関連施設が立ち並んでいる。警察は爆弾が車に仕掛けられており、シーア派を狙い遠隔操作で爆発させたとみている。

 クエッタではスンニ派過激派がシーア派を襲撃する事件が多発している。


 愛する者を失う悲しみは、全人類・・・もしかしたら、全生物において普遍的な感情かも知れません。事故などの不可抗力によるものはいざ知らず、戦争などによる「確信的な殺し合い」が絶えることなく続く世界は、悲しみで満たされていくばかりです・・・。愚かです・・・。

 おっと、TPPの話をしてたんでした。スミマセン。だから、「ヴィジョンを持て!」・・・と、言いたいワケですよ。TPP騒動の真の意味を理解するためにも、世界に溢れる悲しみを減らすためにも・・・。




人間ナメんなよ!


でわっ!