2013年2月24日日曜日

オカシくないか? 2

     
 TPPを別な視点から捉えてみたいと思います。そこで、「草野球チーム」を連想してみます。プロ野球の選手になれるほどの才能はなくても、それでも野球が好きなので仲間を集め、同じような境遇の他地域のチームと交流試合を楽しんでいると・・・。

 ある日突然、プロ野球のチームが、「俺たちも混ぜてくれ」・・・と割り込んできました。しかも、「草野球」のリーグ協定をプロ野球並にしろと、無理な?注文を突き付けてきます。

 さて、既存の「草野球リーグ」の各チームは、「プロ野球チーム」のリーグ加盟を認めるでしょうか?そして、プロ野球並みのリーグ規定を受け入れるでしょうか?


常識的に考えれば、答えは「NO」です。


 「プロ野球チーム」は、どうぞ「プロ野球リーグ」で戦って下さいというのが、フェアなスポーツであり、クルーザー級とスーパーフライ級のボクサーが戦う試合なんて、誰も見たいと思わないのと一緒です。

 同じようなことが、「TPP」で起きていると言えます。「草野球」と「プロ野球」の「力量」の差とは「競争力の差」に置き換えられ、一般的に見れば、


強い者が、弱い者をイジメている。


・・・というのが、新自由主義の実態とも言えます。

 そうした現状に発展途上国、新興国が異議を申し立てているからこそ、WTOのドーハラウンドにて全体合意に到らなかった経緯があるワケです。


WTO合意を断念 多角的交渉、新興国と対立解けず
2011/12/17 21:16

 【ジュネーブ=藤田剛】世界貿易機関(WTO)の公式閣僚会議は17日夜(日本時間18日未明)、多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)の全体合意を当面断念する議長総括を採択して閉幕する。2001年に始まった交渉は、先進国と新興国の対立などで進展が見込めないことが明白になった。WTOによる貿易自由化は今後期待できず、日本にとっては環太平洋経済連携協定(TPP)の重要性が一段と増す。

 議長総括案は「ドーハ・ラウンドは袋小路にあり、近い将来に全体合意することはない」と明記した。自由貿易体制の強化を話し合う会議の総括としては異例の内容となった。ドーハ・ラウンドは今後も発展途上国の支援など特定分野での合意を目指して続行する。しかし、今年6月以降の交渉では部分合意にも失敗しており、実現の可能性は低い。

 WTOは今後、加盟国・地域間の通商紛争の予防や解決に力を入れる方針だ。


議長総括案の骨子

*ドーハ・ラウンドは袋小路にあり、近い将来に全体合意することはない

*特定の分野で大きな意見の隔たりがある

*部分合意を含め、様々な交渉方法を探るべき

*保護主義は世界経済をさらに停滞させる

*各国の閣僚は保護主義に抗する責任がある

*市場を開放し続けるWTOの機能を強化する


 つまりアメリカや日本としては、行き詰っている「WTO」に代わるものとして「TPP」を考えているのでしょうが、先にも述べたように「弱いものイジメ」のような貿易をして、それで国が豊かになって喜べるんですか?あまりにも品性、品格に劣る態度に思えるワケですが・・・。

 欧米人は「植民地支配」ということに何の抵抗もありませんし、それが、「神から与えられた権利」であるかの様に考えているフシもありますが、日本人は・・・東洋人は・・・そんな考え方はしませんよね?

 尤も福沢諭吉などは、「欧米と伍して、アジアを植民地化するのも痛快である」・・・などとトンデモないことを書き残していますが、もうね?「恥」・・・日本人の「恥」です。かかる人物が紙幣の肖像としてして使われていることに、不快感を覚えるワケですよ。だから一万円札はソッコーで両替し、顔も見たくありません。

 ま、ソレはアレとして「草野球」・・・もとい、「TPP」に話を戻すと、チリ、ニュージーランド、ブルネイ、シンガポールという、全く共通性の無い国家間で結ばれた「パートナーシップ(協力関係)」であったワケですよ、「TPP」は。

 チリは農産物を、ニュージーランドは酪農製品を、ブルネイは石油を、シンガポールはIT産業を・・・と、いったところでしょうか?必要な物資を貿易によって融通し合うという・・・というのが、「TPP」の本来の目的であったと思うワケです。


得なのか損なのか
池上彰が考えるTPP

日本経済新聞 2011/12/18 7:00


 そこにですよ?アメリカのような大国が割り込んできて、先行する4ヶ国に何のメリットがあるというんですかね?当然、「お引取り願います」・・・と、なるのが関の山になると思えるワケですが・・・。

 アメリカが強引に「TPP」に首を突っ込む理由のひとつは、「TPP」に加盟する4ヶ国の地勢的な位置関係にもあると考えられます。4ヶ国揃って「見事に」太平洋を取り囲んでおり、したがって、最終的には軍事的な目的さえも見え隠れするワケですよ。

 アメリカが太平洋を軍事的に押さえることによって中国を大陸内に押し留め、アジア地域への経済的な影響力を限定的にすることで、アメリカがアジア地域の経済の主導権を握る。

 まさに、「アジアを目指す」・・・と言ったオバマ大統領の思惑通りです。更には、中国に対する軍事的な圧力を維持する上でも「日米同盟」は不可欠であり(勿論、韓米同盟も)、よりアメリカに協力的になれるようにと、「憲法改正」が導き出されるワケです。

 つまり、「TPP」の先にある「ヴィジョン」とは、アメリカによる太平洋支配であり、アジア経済圏の支配=再植民地化にある・・・とすら考えられます。が、さらに突き詰めて考えると、アメリカ一国でアジアの再植民地化を目論むか?・・・という疑問も生じます。

 アジア地域はもともとヨーロッパ諸国の植民地が多く、旧宗主国も隙あらば再植民地化したいと狙っているかも知れません。そう考えると、現在の「TPP」の加盟国であるシンガポール、ブルネイ、ニュージーランドの3カ国は、「イギリス連邦」の加盟国であることが引っ掛かります。

 陰謀論的になりますが、アメリカのためにイギリスが「下地」を用意しておいた=「TPP」を準備しておいたと見れば、アメリカがアジア経済圏を支配することで、ヨーロッパ諸国も在りし日の「植民地支配」の栄華を、再び手にすることができるという寸法です。

 その可能性は、現在の欧州の金融危機を鑑みれば、十分に考えられると言えるでしょう。

 ま、以上はワタシの想像の産物に過ぎませんが、「TPP」の本来(現状)の存在意義から順序立てて考えると、そういう可能性か見えてくるという話です。

 そして、何よりも先ず考えなければならないのは、これからのフェアな「貿易」の在り方であり、


強者が弱者を搾取するような時代は、もう終わりにしなければならない!


・・・と、いうことです。


弱者を助けてこそ、真の強者である!


・・・と、いうことです。




人間ナメんなよ!


でわっ!