2013年10月4日金曜日

「村意識」をこえて

  
 「シリア情勢の今後の推移」・・・などと、無責任?な記事を書いたワケですが、あながち的外れでもなかったようで、「ROCKWAY EXPRESS」さんのトコロに最新情報がUPされていました。


ROCKWAY EXPRESS


●対トルコでアサド政権はクルド人と共闘へ (その1)
http://english.pravda.ru/hotspots/conflicts/01-10-2013/125784-syria_assad_turkey-0/
【10月1日 Lyuba Lulko - Pravda.Ru 】


自分達の生活を守る為に銃を取るクルドの女性たち


 シリアのクルド人は自由シリア軍(FSA)とジハーディスト(聖戦主義者=イスラム主義過激派)と激しい戦闘を繰り広げている。クルド人はアサド政権転覆を叫び、政府軍と戦ってきていた。しかしシリア政府の外交の成果で状況は変化した。クルド人にとって、アサド政権は反政府勢力よりかマシなのだ。

 先週末、二日間に渡ったアトマ、ジンダリス、ハサケでの戦闘で、クルド人は30人ほどの過激派を殺害したが、その中には過激派の、アブ・オマール・アル・チェチェナなど数人の指導者も含まれていると、通信社が伝えた。トルコのメディアも、”シリア・クルド国民評議会(KNC)”の穏健派のクルド人グループや”民主統一党(PYD)”のクルド人らと、”穏健派のFSAとアルカイダ系グループのアン・ヌスラ”や”イラク・レバント・イスラム国(ISIL)”との間の戦闘と、この情報を確認した。

 13の反政府グループの指導者らが、シリア反政府革命軍の国民同盟に対する親欧米亡命政府の地位を拒否した後、シリア大統領を国内の勢力で追放する可能性は、とりわけクルド人がアサド支持ということがハッキリしてからはかなり遠のいた。

 サウジアラビアの支援で大カリファ国を作ろうとするFSAのイスラム主義者とISILは、シリアで大クルディスタン国の理想を追っているクルド人と衝突している。トルコはこの紛争の第三番目の当事者だ。トルコは大オスマン帝国を復活させることを夢見ている。この政治的紛争の下では経済的対立が存在している。クルド人地区にある石油とイラン・イラク・ヨルダンを通って地中海に至る石油パイプラインの支配問題だ。

 力の不均衡(トルコはスンニー派を支援)は、クルド人をアサドと同盟する方向に押しやっている。アサド政権は2011年にクルド人に広範な自治を与えているのだ。

 「これらの過激派(イスラム主義グループの)は、アサド政権よりひどい。彼等に対する支援はありえない」とクルド労働者党の一翼を担うKNCの指導者の一人であるイブラヒム・バアザドは語った。トルコはイスラム主義者のギャングを使って我々と戦わせている。武器や弾薬を供給している。それを証明できる;トルコはセレカニヤの東の地雷原を一掃し国境への道を安全にした、とトルコのタラフ紙にPYDの指導者であるサリ・ムスリムは語った。

 シリア政府はクルドとの同盟を優先事項と見ている。そこでアサド大統領の特使のオマール・オセがイラク・クルディスタンの首府であるエルビルを9月初旬に訪問し、クルド人にシリアとの同盟が両者にとって都合がいいことを保証した。 

 「現在のシリア政府はクルド人にとっては反政府勢力よりずっとましである。アサドが政権を担っていることはクルド人の利益に繋がる」と、オセが語ったとルダウ紙が報じた。彼によれば、トルコはテロリストを支援し、クルドには自治の機会を与えようとしない、という。「彼(アサド)は我々クルドに敵対するものではない、ということ、我々は友人であり、戦場で同じ側として戦っている、ということを知って欲しいと語った。もしシリアが破壊されれば、イランが次ぎにやられるし、イランの次はクルドだ、と」と、アサドの言葉として語った。

・・・ その2に続く



●対トルコでアサド政権はクルド人と共闘へ (その2)
http://english.pravda.ru/hotspots/conflicts/01-10-2013/125784-syria_assad_turkey-0/
【10月1日 Lyuba Lulko - Pravda.Ru 】


シリアのクルド人武装組織である人民防衛部隊(YPG)


 アサド大統領の特使のオマール・オセは更に、イラクのクルド人首領であるマスード・バルザニがシリアのクルド人を助ける命令を出す時には、シリア政府はイラクのクルド軍のシリア領土での活動を妨げるつもりはないことを保証した。「協調しながらやればいいのだ」とオセの言葉だと、ルダウは伝えた。

 確かに、アサドは対トルコでクルドと共闘すべきである。トルコのエルドアン首相は、自分の以前の友人(シリア)を破壊したいと願っている者に対しては、誰でも支援する用意があるのだ。トルコの高官らは繰り返し、彼等はPYD(民主統一党)とクルド労働者党(PKK)との近い関係を懸念している、と語った。このPKKはトルコの南東部でクルド人自治のためにトルコと戦っている。

 トルコ政府はアサドがPYDを武装させ軍事侵攻を企んでいると主張している。シリアの大統領がそんなことが出来るはずもないことは語る必要もないことだ。しかしながら、シリアでは禁止になっているPKKのプロパガンダはクルド人地域で浸透し始めている;1999年以来トルコの刑務所にいるPKK指導者のアブドゥラ・オカランの写真はどこでも見られるようになった。

 クルドはシリアの2300万強の人口のほぼ10%を占める。クルドの独立のため戦う者たちの主なる支援者の一人がソ連であった。ロシアはこのシリア紛争で最も微妙な立場にあるのがクルドであると認識している。ロシア政府はジュネーブ2会議にクルドが参加することを主張している。この会議はシリアのあらゆる関係者らが参加する会議で、シリア政府と反政府代表者も参加する)。

 クルド人はシリア人と違って、国をすぐ離れようとしないで、銃を取って自分達のつつましい生活を守ろうと戦う方を選ぶ。ルダウ紙は、アザドという名のギリシャに逃れた数少ないクルド人の難民の話を掲載している。「難民キャンプでの生活はシリアの刑務所よりひどい」とアザドは語った。「生活状況はひどい。なんの医療も受けられない。警察は粗暴だ。その写真を撮ろうとしたら手ひどく殴られた」とアザドは語った。

 欧米は「血に飢えたアサド」が権力を手放そうぅとしないため死んだ「シリアの人々」に、軍や人道的その他の援助を見せびらかす。しかしそうした軍事支援が欧米に難民が溢れる事態を惹き起こし、しかも難民達は「アサドの刑務所」よりもひどい待遇に遭遇しているのだ。

 「どうしてアメリカは突然、シリアは不安定化されねばならないと決め、シリア政府は転覆させられるべきである、と決めたのか?」と、カーター大統領の時の安全保障アドバイザーであるブレジンスキーが、ナショナル・インタレスト誌とのインタビューで自問した。そして「今でも分からないのだ」とつぶやいたのである。


 で、「ROCKWAY EXPRESS」さんの言う・・・


「その彼等(アルカイダ系イスラム過激派)のシリア領内でのあまりの蛮行に幻滅したFSAの者たちや、かつてはシリア政府と戦っていたクルド人が、”シリア政府の方がマシである”、と認識を新たにし、今漸く祖国防衛の戦線で共闘を始めようとしているのである。」


・・・の通りだと、ワタシも思うワケですが、このことは「ひとつの教訓」をも示していると言えます。それは・・・


バラバラでは人(国)は弱い。


・・・と、いうことです。

 過去、シリア国内では様々な人種、宗教、イデオロギーが「村」を形成し、お互いの「利権」を牽制し合っていたのかも知れません。それを「力づく」でまとめていたのがアサド政権であったと。

 そうしたアサド政権の手法に不満を持つグループ(村)が、民主化要請デモを始めたのが切欠となり、アサド政権の強権によって維持されてきた「国体」=「民衆の連帯」が崩壊し、その間隙を縫って、外部からイスラム過激派勢力が侵入したと。

 で、ここにきて、自分たちの生存圏・・・いわゆる「国」を守ろうという意識に目覚め、「村意識」をこえた「全体意識」によって、自由シリア軍も、クルド人自衛隊も、シリア政府軍に合流する流れになりつつあると理解できます。

 ま、これで一時避難している国民の中から「義勇軍」でも編成され、「シリア防衛戦線」に加わるようにでもなれば、アルカイダ系テロリストも、シリアから尻尾を巻いて逃げ出すのでしょうが、こればっかりはね?強制できるものではないし、また、してはならないものですから。

 結果、ワタシが言いたいのは、「生存圏」を守るという行為は、人間の普遍的な権利のひとつであり、現在シリアで起きていることは、そのまま日本にも当て嵌まるということです。

 つまり、原子力発電という、生存圏を侵害する事業に反対することは、シリアにおけるアルカイダの侵略ように、


日本人全員が共闘するに値する


・・・と、いうことです。

 シリアとは違い、ワタシたちには侵略者(原発推進勢力)と闘う、資金力も、政治力もありませんが、それでも「理性」という武器だけは、ひとりひとりに残されているワケで、したがって、「理性」を武器として、誰もが闘うことが出来る・・・と、いうことです。

 ま、そういうワケで、ますます脱原発への意思・・・即ち、


生活圏を守る闘い


・・・への、何と言うか・・・覚悟?みたいなものというか、必然性?のようなものへの、想いを強くしたというか、シリアに勇気づけられた気がします。はい。


シリアに平和を!アラブに平和を!





人間ナメんなよ!


でわっ!