2013年10月2日水曜日

シリア情勢の今後の推移

  
 ま、ワタシ如きド素人が口出しすることじゃないんですケドね?アメリカの軍事介入が回避されたことで、シリアの内戦の情報が一挙に少なくなったのは、


如何なものか?


・・・と、思うワケですよ。

 勿論、水面下では高度な?政治的やり取りがなされていて、事態は局面を変えて進行中であろうことは想像に難くないワケですが、それにしても、パッタリとニュースバリューが落ちた感は否めません。未だに多くの難民が戦火を逃れ、キャンプで生活していることを思えば、その報道姿勢の手のひら返しに、マスコミの良心とやらを疑いたくなります。

 と、小言を言っても仕方ないので、継続的にシリア、および中東情勢を追い続けている人たちの情報を総合してみると、


内戦の終結も近いのか?


・・・という気もします。

 先ずは、「中東の窓」さんからの情報ですが、


【中東の窓】シリア情勢(9月30日)
2013年10月01日 08:54

本日もこれから授業ですのでひとことだけ。

シリアでは、ダマスの近郊で相変わらず激しい戦闘が続いており、政府軍が各地で砲撃を続けていますが、毎日唯一現地状況を報じているal jazeera net (他のメディアは必ずしも網羅的ではなく又毎日と言う訳ではない)もその他の地域に関しては、若干前のことを報じており、どうやら少なくとも30日は全体としての戦闘は相当下火になっている模様ですが、その背景は不明です。(反政府軍の間の不和と分裂?)

・ダマス近郊ではいくつかの村の争奪を巡って激しい戦闘が行われ、政府軍兵士19名が死亡し、60名が負傷した(反政府軍の損害は不明)

また、車爆弾の爆発で政府運兵士10名が死亡した。

反政府軍はダマス空港周辺で攻撃している。

http://www.aljazeera.net/news/pages/f8e18083-3c3d-48de-ab13-5b54168bfaa3

・反政府軍の最高軍事評議会報道官は独通信に対して、反政府軍の分裂抗争はアサド政権を助けるだけで、その要員には西側諸国が自由シリア軍を約束通りに支援しないことにあり、このままでいけば総ての反政府軍がイスラム勢力に合流するであろうと警告した。

http://www.alquds.co.uk/?p=89015

・アレッポの反政府軍は、西側諸国の躊躇が過激派勢力を助長していると非難している。

http://www.alquds.co.uk/?p=88998

英independent紙は、自由シリア軍がアサド政権の高官と交渉しており、その結果は内戦の状況を根本的に変える可能性があると報じている。

記事によると、6週間前に2名からなる自由シリア軍の代表が秘密裏にダマスを訪れ、アサド政権の高官と交渉をしているが、彼らは

  政治解決への呼びかけ

  公的、私的財産の保全

  宗派戦争の中止

  法の支配に基づく民主シリア建設のための総ての者の参加

との提案を携えてきたが、現時点でのアサドの退陣は要求していない。

(勿論、この報道の真偽は全く不明ですが、・・・政治的宣伝工作か、神経戦か、それとも一部の分子にこの様な動きがあるのか、それともイスラム勢力の台頭に自由シリア軍幹部が危機感を抱いているのか、それとも全くのガセネタか等・・・かなり長い記事でもあり、さらに興味ある内容があれば、午後にでも又報告します)。

http://www.alquds.co.uk/?p=89009


 ペテン紙・・・もとい、インデペンデント紙の情報がガセでなければ、交渉が合意に至れば、自由シリア軍(シリア人主体)は政府側に投降する可能性が高く、残された反政府勢力はその殆どがシリア国外から流入した


外国人部隊


・・・として、「内戦」という構図から、国外からの侵略に対する「防衛戦」という構図に切り替わります。

 そもそもアルカイダは、シリアの北部に「イスラム国家」を建国しようという目論見を持っているくらいですから、愛国的な?反政府勢力である自由シリア軍とは反りが合わないワケです。


【VOR】シリア反体制派を退ける「アルカイダ」
ナターリヤ コワレンコ 17.07.2013, 16:47



 国際テロ組織「アルカイダ」は、シリア北部からシリア反体制派「自由シリア軍」を排除し、同地域にイスラム国家を樹立すると発表する計画。自由シリア軍の代表者が、アラビア語新聞「アッシャルクル・アウサト」からのインタビューで伝えた。

 自由シリア軍はイスラム主義者たちに立場を譲る意向はない。だが、自由シリア軍には、アルカイダならびにシリア政府と同時に戦う力はない。自由シリア軍の兵士たちは、自分たちの状態に懸念を持っている。東洋学者のセルゲイ・セリョギチョフ氏は、シリアがイスラム主義者の管理下に置かれた場合、トルコから武器や弾薬が流れ込み、シリアの石油は密輸され、様々な品物が不法に輸入される恐れがあると指摘し、次のように語っている。

「トルコ政府は、自分たちがシリアに武器を供与している事実を特に隠しはしなかった。トルコ政府は武器供与について、『犠牲者の血に染まったアサド政権との戦いで、自由なシリア国民を助けるためのものだ』と語っているだけだ。だが文明社会ではこれを密輸と呼ぶ。兵器のほかに、戦闘で破壊された地域で需要が高い医療品や食料も密輸されている。国境地域には、密輸経由地があり、イスラム主義者たちは、それらの経由地を管理下に置こうとしている。」

 自由シリア軍は、そのような状況に陥ることを望んではいない。兵器の供与や資金援助がストップした場合、彼らはシリア政府軍と対立することができなくなってしまうからだ。自由シリア軍は、存続の危機にさらされている。ロシア科学アカデミー東洋学研究所アラブ研究センターのボリス・ドルゴフ専門家は、シリアでは現在、国の将来の展望について独自の見解を持つ多くの武装勢力が互いに争っていると指摘し、次のように語っている。

「シリアには様々な反政府武装勢力が存在している。その中に、自由シリア軍がある。自由シリア軍は、西側とトルコの支援を受けている。トルコは、イスラム国家の樹立ではなく、アサド政権の崩壊が目標だと宣言した。

 そのほかシリアには、『アルカイダ』系や過激主義組織『ムスリム同胞団』系、レバノンのイスラム主義組織系の勢力もある。イスラム主義勢力の目的は、シリアにイスラム国家を樹立することだ。そのため、シリアでは武装勢力の間で内紛が起こっている。」

 自由シリア軍の代表者たちは、シリア国内におけるイスラム主義者たちの活動強化を認めないとの声明を表している。だが、自由シリア軍には、イスラム主義者とアサド政権を相手に同時に戦う力はない。ドルゴフ氏は、自由シリア軍は自分たちへの注意をそらさせるために、シリア政府軍が主にイスラム勢力を攻撃するよう仕向けているとの見方を表し、次のように語っている。

「シリア政府軍は最近、自由シリア軍やイスラム主義者に対する攻撃で成果をあげた。シリア軍は、自由シリア軍やイスラム主義者たちが状況を定期的に管理していた3つの地域から彼らを追い出した。そのため、『アルカイダ』が何らかの国家の樹立を望んでいるという情報は、シリア反体制派のプロパガンダではないかと思われる。」

 だがアナリストたちは、「アルカイダ」存在を軽視してはならないと指摘している。イスラム主義者たちが、イラク、アフガニスタン、マリなどの政府の力が弱まった国に瞬く間に入り込むという例もある。そのため、イスラム主義者たちは、シリアでの活動強化を試すと思われる。


 こうしたアルカイダの計画?の途上で、北部のクルド人の虐殺が行われた可能性も考えられ、クルド人自身も、自衛の為にアルカイダと闘っているワケです。


【VOR】イスラム過激派 シリア北部でクルド人450人を殺害
6.08.2013, 10:59



 5日、シリアで反政府側に立って戦っているイスラム過激派グループ「アル-ヌスラ戦線」の戦闘員らは、シリア北部のクルド人地区で平和に暮らす一般のクルド人450人を殺害した。

 戦闘員らは、ラッカ県のテル-アビヤド地区で大量殺戮を展開、無抵抗の女性及び老人330人、子供120人を殺害した。イランのテレビ「プレスTV」が伝えた。

 先週7月31日「アル-ヌスラ戦線」の戦闘員らは、シリア東部の2つの村で、やはりクルド人200人を捕虜にしている。この事件は、シリアに住むクルド人の民兵組織司令部が、過激派から身を守るためクルド住民の総動員を訴えた後、起きたものだった。

 なおこの総動員アピールは、シリア北東部のクルド人居住区で著名なクルド人活動家が殺害された後、発表されたものである。

インターファクス
 

 ところで、「クルド人」についての日本人の知識は驚異的に低いワケですが、何を隠そう?あの・・・


フランシスコ・ザビエルはクルド人だったw!


・・・と、いうワケで、イエズス会そのものがクルド人によって設立されいるワケです。

 どうです?少しはクルド人を身近に感じました?


日本クルド友好協会


 クルド人については、また別な機会に取り上げることにして、シリアの話に戻ります。

 で、自由シリア軍(正規反政府軍)がアルカイダと袂を分かち、クルド人自衛民兵組織が立ち上がるとなると、欧米が後押しするアルカイダ系は分が悪いというか、そもそも戦う「大義」を持っていないワケですから、世界中から非難の目を向けられるワケですし、それを後押しする欧米諸国も同罪です。

 大局を観れば、自由シリア軍とアサド政権が交渉に入った時点で「詰み」とも言えるのでしょうが、後は戦後処理の問題が残ります。即ち、シリアから撤退したアルカイダ系武装勢力が、


次に向かうのは何処か?


・・・と。

 ケニアなのか?イエメンなのか?イラクなのか?チュニジアなのか?スーダンなのか?ソマリアなのか?アフガンなのか?それともバーレーンなのか?


【ROCKWAY EXCPRESS】
バーレーンで数万人の反政府デモ


 いずれにせよ、中東、アフリカはどの国も国境を挟んで両隣の関係にあり、アルカイダの侵入を警戒して戦々恐々としていることでしょう。

 で、そうした事態は、来年ソチ・オリンピックが開催されるロシアとて危惧しているワケで、嘘かホントか?こともあろうにサウジアラビアが、「テロリストを送り込むぞ!」・・・と、ロシアを恫喝したという話もあるくらいです。


【ROCKWAY EXCPRESS】
プーチン大統領:欧米がシリアを攻撃すれば、サウジを攻撃する??


 ソレはアレとして、プーチン大統領もそうした事態を織り込み済みでシリアに係わっているワケですから、準備に怠りはありませんw。


【VOR】共通の国境は共通の責任
ポリーナ チェルニッツァ 29.09.2013, 15:03



 集団安全保障条約はタジキスタンへの軍事支援を強化する。23日、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、アルメニアの首脳は条約参加国らが団結してのぞまねばならない脅威について話し合った。そうした脅威とはまず、隣国アフガニスタンの情勢で特に2014年米軍、多国籍軍が撤退した後が憂慮される。プーチン大統領は、しかもこの「テロの一時休止」の危険性が存在するのはこんにち集団安全保障条約参加国だけではないと指摘する。ケニアの悲劇は、テロの脅威には全世界が立ち向かわねばならないことを証明した。

 アフガニスタンの不安定状況、また勃発しかねない内戦に集団安全保障条約国らは不意打ちを食らってはならない。アフガン政権が国内に高まる急進派の脅威に立ち向かう力に欠けていることは、最近行われた地域サミットのなかで主題として掲げられてきている。だが本質としては、まさに条約加盟国らが主戦力となってこの問題を解決するしか、他に道はない。これがいかに深刻な問題であるかについては、プーチン大統領の演説がよく物語っている。集団安全保障条約の枠内ではすでに、近い将来、タジキスタン支援の集団プログラムが採択される。プーチン大統領はサミットを総括し、次のように述べている。

「残念だが、アフガンの麻薬密売の集中度、テロ集団の集中度が著しく上昇するだろうと思われる根拠がある。すでに現在、急進主義者らは集団安全保障条約加盟国の中央アジア諸国をはじめとする隣国に活動を広げようとしている。この状況を拡大させたあらゆるシナリオを想定し、予防策をとらねばならない。国境強化に向けた集団的支援を追加的に行おう。われわれは国境付近を強化する国家間目的別プログラムを策定することで合意した。」

 プーチン大統領は、空疎な話を展開させていられる時は残り少なくなったと強調し、まさに現在、集団安全保障条約が結束の固いものであるかが試されているとして、次のように語った。

「アフガン情勢の行方がいかなるシナリオのものであれ、われわれは不意打ちを食らってはならない。『テロの一時休止』問題が一国から他の国に移っていくことは十分ありえるし、われわれの国の国益に直接的に関与するかもしれない。集団安全保障条約の防衛力、戦闘能力の向上を図ることでテロ、急進主義から自らを守るしっかりとした障壁ができる。」

プーチン大統領は、今日テロに立ち向かうには国、地域レベルでは今やすでに不可能であると強調し、その卑近な例としてケニアの悲劇を挙げ、シリア情勢も同様、国の領内に跋扈する徒党らは「どこからともなく現れ、どこにも出て行こうとしない」と語った。


 で、こうガッチリとガードされてしまうと、アルカイダ系のテロリストに居場所はなくなるなw・・・と、思っていたら、重信メイさんのツイッターに興味深いツイートが・・・。



 ニューヨーク・タイムスの記事らしいのですが、ざっとこんなカンジで分けられるそうです。


The NY Times fancy map of how five countries in the Middle East could become fourteen


 つまり、中東の国境の線引きをやり直して、アルカイダを封じ込めておく国を造っちゃおう・・・と、いうことなんですかね?壮大なプランですなw。




 中東、アフリカの国境線については、ワタシも言及したことがありますが、過去の遺恨を解決するのはやはり、


アラブの知性


・・・であるのがスジだとも繰り返し述べているワケで、何故?欧米の新聞社が勝手に線引きをしちゃうワケ?・・・と。

 まwwwた余計な面倒事・・・「サイクス・ピコ協定」と、「フサイン=マクマホン協定」と、「バルフォア宣言」がバッティング・・・するような事態にならなければイイのですが・・・。

 ナンか?最後は上手くまとまりませんでしたが、これにて。


シリアに平和を!アラブに平和を!





人間ナメんなよ!


でわっ!