2012年5月7日月曜日

見上げればwスーパームーン

    
 現在、月が地球に接近しているというコトで、「スーパームーン」と呼ばれるらしく、ニュースでも取り上げられています。


地球に最も近い満月「スーパームーン」
世界各地で観測

2012.05.07 Mon posted at: 11:32 JST / CNN.co.jp




<転載>

スーパー・ムーン
日本の地震の原因なのか?

4.05.2012, 18:18 / V.O.R.


ロシアで人気のある若者向け「コムソモーリスカヤ・プラヴダ」紙によれば、近いうちに地球上で、流星雨と今年最大の月が観測される可能性があるという。このスーパー・ムーンによって、地震が引き起こされる恐れもあるとの指摘が伝えられた。

5月5日から6日、月と地球との距離は今年で最も近くなる。これが満月と重なる場合には「スーパー・ムーン」と名づけられる。月の重力が地球に与える影響が大きくなり、地中でのプロセスに予期できないことが起こる可能性もある。

例えば、2011年3月19日のスーパー・ムーンの数日前には、日本で大規模な地震が発生した。ロシア南部のスタヴロポリ地方で2012年5月2日に発生した地震も、スーパー・ムーンによって引き起こされた可能性がある。

</転載>


<転載>

日本 千葉県でM4以上の地震が発生
「スーパー・ムーン」に関係はあるか

5.05.2012, 13:01 / V.O.R.


https://twitter.com/#!/earthquake_jp によると、今千葉県東方沖にて 最大震度2(M4.5)の地震が発生。 震源の深さは37-40km。

VORが昨日伝えたように、あるロシア専門家の意見で、地震はスーパー・ムーンによって引き起こされた可能性がある。

5月5日から6日、月と地球との距離は今年で最も近くなる。これが満月と重なる場合には「スーパー・ムーン」と名づけられる。月の重力が地球に与える影響が大きくなり、地中でのプロセスに予期できないことが起こる可能性もある。

</転載>


 で、月が地球に接近すると「月の引力」の影響で、地球の地殻に影響を及ぼし地震を誘発する可能性がある。・・・というのがV.O,R.の社説・・・というか、ロシアの専門家・・・というか、そう考えている人も多いようなのですが、


どうなんですかね?ジッサイ?


 というワケで、とりあえず月の引力を計算してみました。


 上の式の各項に数値を代入すればイイだけですが、万有引力定数 = G は、6.674 x 10^-11に丸めることにし、万有引力定数の次元 [m^3・s^-2・kg^-1] をニュートン単位 = N [kg・m/s^2] を用いて [N・m^2・kg^-2] という単位にしました。

 計算にはweb上に公開されている関数電卓(web2.0calc)を使用しましたが、使ったカンジではなかなかスグレモノです。


 で、計算式{F = G × m₁ × m₂/ r^2}に具体的な数値を代入しますが、月との比較のために太陽に関するデータも代入し、それぞれを比べてみます。

m₁:
太陽の質量 = 1.98892 × 10^30 [kg]
月の質量 = 7.36 × 10^22 [kg]

m₂:
地球の質量 = 5.9742 × 10^24 [kg]

r :
太陽と地球の平均距離=約150.000.000.000 [m]
(地球軌道の半径)
地球と月の平均距離 = 約384.400.000 [m]
スーパームーン のとき = 約356.577.000 [m]

G :
万有引力定数=6.674 x 10^-11 [N・m^2・kg^-2]

 で、得られた結果が、


太陽の引力 :
Fs = 35,245,263,082,816,000,000,000
≒ 35,245 x 10^18 [N・m^2・kg^-2]

月の平均的な引力:
Fm = 198,598,981,160,146,872,675
≒ 199 x 10^18 [N・m^2・kg^-2]

月の接近時の引力:
Fm' = 230.800,699,422,534,863,748
≒ 231 x 10^18 [N・m^2・kg^-2]


 という「数値」になったのですが、先ず、太陽と月の引力を比べてみると、太陽の引力の方が月の平均引力よりも、約177倍も強いということが分かります。

 次に月の平均引力と接近時(スーパームーン)の引力の比較ですが、その差は平均引力の約 15% 増しとなります。

 で、圧倒的な太陽の引力に捉えられ、地球は太陽の周りを回り、さらにその地球の引力に捉えられた月・・・という関係のなかで、じゃあスーパームーンの時の、増加した月の引力


どれ程の力なのか?


となると、皆目見当がつかないワケです。はい。

 ちなみに具体例として“Wikipedia”には・・・


【質量1000 kg の物体が1 m 離れて引き合う力は約 6.7 × 10^−5 N であり、大体地球上の6.8 mg の質量の物体に働く重力に等しい。】


と記されえていますが、要領を得ません。月の軌道が平均軌道より、月の直径にして8個分地球に接近すると、それに伴い月の引力が約15%増加することは計算により導かれるのですが、じゃあそれが、地震を誘発する力として十分なのか?・・・と。

 昨年末にどこかのTV局の番組で、地球から月までの距離を「体感」するコーナーがありましたが、それを見て


えっ?そんなに離れてるの?


と、今更ながら驚いたのですが、潮の干満だとか、夜空に浮かぶ見慣れた月の姿から、月ってもっと近くに在るものと、ずっと錯覚していました。


 しかし、ジッサイはこんなカンジらしく、右側の人が持っているのが月で、左側の人が持っているのが地球です。紐の長さが地球と月の間の距離になります。この教材はAmazonでも購入可能で、宇宙的スケールを「体感」するにはイイ教材だなあ・・・。と。


環境地球儀 ブルー テラ


 で、この教材に見られる地球と月の距離感が、月の直径8個分内側に寄り、月の引力が15%増したところで、地球に地震を誘発しちゃうワケ?・・・と、「体感的」に腑に落ちないワケです。はい。

 月の引力の強さを具体的に測定可能な計器(例えば歪み計?)とかあれば、ワタシのこのモヤモヤも解消されるんですケドねw。



人間ナメんなよ!


でわっ!