2011年12月12日月曜日
天文学と宗教
このたびの「東日本大地震」にて被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、災害にてお亡くなりになられた方々のご冥福を、心からお祈り申し上げます。
今回は目先を変えて、「天文学と宗教」について少しだけ検証してみようかと。で、ちなみに現在ワタシたちが使用している暦は・・・
365.25日=公転周期
365日=1年
365+(0.25x4)日=閏年
・・・となっていますが、古代エジプトの暦では、1ヶ月はすべて30日。1年は12ヶ月あり、そこに5日分を追加して、365日を一年としていました。
元々の1年はラー神(太陽神)が決めた360日でしたが、トト神(月の神&知恵の神)が5日間の「余分な日」を作って1年を365日にしたそうです。
そのいきさつは、両性具有であるラー神は先ずシュウ(男神)とテフネト(女神)を創造し、シュウとテフネトが結婚してゲブとヌトの兄妹が生まれます。やがてゲブとヌトも夫婦になりヌトは身籠るのですが、父シュウによって大地(ゲブ)と天(ヌト)に引き裂かれてしまいます。
ラー神は、ゲブとヌトがイチャイチャパラダイスに浸っていたが故に天地創造が遅れたと、1年360日の、どの日にも子供を産んではならんとヌトの出産を禁じますが、それを見たトト神は、時を支配する月と賭け将棋をして勝ち、時の支配権を手に入れます。
で、1年360日に属さない余分な5日を勝手に創り、そしてその5日の間に、ラー神が「災いの元」になると言った子供、オシリス、ハロエリス(大ホルス)、セト、イシス、ネフティス・・・の、5柱の神をヌトは目出度く?出産するワケです。
by 「ヘリオポリスでの創世神話」
まあ、なんと言うか・・・古代エジプト人の想像力も相当なものですが、実はエジプト文明に先立つシュメール文明でも、既に天文学的な知識は蓄積されており、当然その知識はエジプト文明にも及んだと考えられます。
謎のシュメール文明
<抜粋>
何よりも不可解なのは、シュメール人が、使っていた暦だ。それは、月の満ち欠けで、年月をはかる太陰暦と呼べるもので、世界最古の暦と言えるものだった。彼らの用いた暦は、驚異的とも言える恐ろしく正確な暦で、日食、月食のタイミングを始め、様々な惑星の事細かな動きまで詳細に予想出来たのである。さらに、信じられないことには、2万5920年かかって地球の地軸が円を描くという歳差運動の周期すら知っていた! メソポタミアの地に登場して、たかだか2千年ほどで、どうして、そのようなデータがわかったのだろうか?
このように、シュメール文明は、その後の世界文明のあり方に大きな影響をおよぼすことになった。今日、我々が何気なく使っている1日が24時間で1時間が60分、1分が60秒という法則も、60進法を基本となすシュメールの高度な数学にあやかっているのである。1ダースが12個や1フィートが12インチと言った単位もそうだし、星座占いに出て来る黄道12宮も、ギリシア神話に登場する12柱の神々の話も、そのルーツを探るとすべてシュメール文明に行き着くのである。つまり、現代の生活は、メイド・イン・シュメールで成り立っていると言っても過言ではない。
</抜粋>
すごいですねえ、すごいですねえ、ワタシたちのライフサイクルって、紀元前3800年頃から変わってない・・・というか、完成されていたんですねえ。
で、それはさて置き、何で「天文学と宗教」について書く気になったかというと、達人さんのトコで「ユダの福音書」・・・所謂「外典」と呼ばれる福音書の名前を見かけたからなのですが、リンクを辿ったらオモシロイ記述に行き当たりました。それによると、同福音書による創世記では、下記の如く霊界から人間界までが階層づけられているそうです。
ユダの福音書Ⅳ~ユダの裏切りの理由~
<抜粋>
第1階層 [アダマス] - [不滅のセツの世代]
第2階層 [アイオーン] x [12] - 12の輝く者
第3階層 [天] x [ 6] - 72の輝く者
第4階層 [大空] x [ 5] - 360の輝く者 ← 人間の世代
</抜粋>
で、コレを見ると、見事に古代エジプト神話と重複するんですよねえ。「人間の世代」における5つの大空とは、先のオシリス、ハロエリス、セト、イシス、ネフティスの5柱神に対応するようにワタシには見えるワケです。
第3階層は1年の半分で、夏至から冬至(もしくは春分から秋分)までの6ヶ月、第2階層は1年12ヶ月、第1階層はさらに根源的な「時の流れ」を意味し、第3階層以上は天文学的な見地にから「聖なる世代」とされ、「人間の世代」とは切り離して考えられた。・・・と。
つまり「宗教教義」のルーツとは、「天体観測」により自然のサイクルを知った事で、自然とか環境の変化が、或る一定の規則性に基づいている事に気付き、その規則性を説明するのに「神」という存在を求めたのに由来する。・・・と。そして、そこから様々な宗教や学問が派生したと考えるのが妥当なように思えます。
ちなみにシュメール文明では五芒星のマークが見られ、これをUB(ウブ)と呼んだそうですが、そこから件のオシリス、ハロエリス、セト、イシス、ネフティスの、5柱神にまつわる神話が古代エジプトで生まれたとも考えられますし、カバラにも受け継がれたのでしょう。
そうなると、シュメール文明における五芒星の意味が知りたくなるのですが、下向き五芒星が「角・小さな空間・穴」を意味するとしたら、上向きの五芒星が意味意味するのはその逆?そして、「5」という数字が何を意味するのか?
グノーシスの教義では、五芒星は人体を表すのだそうです。頭+四肢で五芒星の形とイコールだと。
これは、肉体という監獄に閉じ込められた霊が人間である。と言うグノーシスの教義や、中世の魔術や陰陽道における「封印」としての意味にも重なるワケで、推測するに、シュメール神話の中で神が粘土から人間を創ったという下りも、人形(五芒星)に魂を封入した比喩と受け取れますし、カバラの秘儀とも合致します。
秘法カバラ~宇宙の謎と人間の知恵 2
「樹」
図説1 ペンタグラム
<抜粋>
もう一つユダヤ、キリスト教系の象徴的、護符として五芒星(図1参照)がある。これは古代ユダヤの王、ソロモンの紋章でありペンタグラムとも呼ばれる。セフィロトの樹が大宇宙の「宇宙図」だとすると、このペンタグラムハは人体の四肢と頭部、人間の五感、五大元素(四大元素である地、水、風、火に宇宙の気である霊的エネルギー、エーテルを加えたもの。)を表わしている。ペンタグラムは魔術的に表現した人間の形、つまり小宇宙なのである。
</抜粋>
で、「5」という数字のみが神聖視され、古代エジプトの5柱の神の雛形になったり、さらに時代が下って、「ユダの福音書」における「人間の世代」の、5つの大空に引用もされたと考えられます。つまり、「5」というエッセンスだけを租借したと。
さらには多くの宗教も、そういったエッセンスだけを抽出して、オリジナルの看板を掲げているのではないか?と。
世の中に蔓延るオカルトの類も、きっと、多かれ少なかれ天文学的現象と何らかの関係があるのでしょう。例えばフリーメイソンとか・・・。
しかしその教義のルーツを検証すれば、殆どの神秘主義が行き着く処は単なる天体現象、自然現象であり(現在のワタシたちからすれば)、その一部だけを誇張し、自分たちの都合のイイようにアレンジしているだけなのかも知れませんなあ。
グノーシス?・・・愚脳死す?
人間ナメんなよ!
でわっ!
追記:
天文学と宗教(キリスト教)の関連性について、解り易いビデオがありましたのでご紹介します。ただし、クリスチャンの方にはショックが大き過ぎるかも知れませんので、覚悟の上でご覧下さい。
ツァイトガイスト(字幕版) Part1 1/3
ツァイトガイスト(字幕版) Part1 2/3
ツァイトガイスト(字幕版) Part1 3/3
※字幕が小さいので、「全画面表示」にしてご覧下さい。