2013年11月28日木曜日

「福島原発事故」と、「東京オリンピック」と、「特定秘密保護法案」

  
 もし「東京オリンピック」が誘致されなかったら、「特定秘密保護法案」も急いで立法する必要はなかった・・・のかも知れません。

 山本太郎参議院議員の、「特定秘密」を取り扱う行政機関に関する質問に対する自民党からの答弁書には、


原子力規制委員会


・・・が、明記されていますし、原子力産業に携わる企業の監督省庁、経済産業省であるとか、文部科学省であるとか、資源エネルギー庁であるとかが「特定秘密」をコントロールする立場にあることを鑑みれば、


原発事故情報は特定秘密から除外される


・・・という説明を、信じろという方が無理です。






特定秘密「原発事故情報は含まず」


 安全保障の機密情報を漏らした国家公務員らの罰則を強化する特定秘密保護法案を巡り、25日に福島市で開かれた衆院国家安全保障特別委員会の地方公聴会。意見を述べた首長や有識者は、東京電力福島第一原発の汚染水問題など、原発の情報が公開されなくなることへの懸念を表明した。与党側は「原発のテロ対策は対象に含むが、原発事故の情報は対象外だ」と説明し、理解を求めた。

 意見を述べたのは、原発事故で全町避難する浪江町の馬場有町長や県内の弁護士、有識者ら計7人で、与党が2人、野党が5人を推薦した。このうち6人が福島第一原発事故やその影響に言及した。

 馬場町長は、原発事故の直後、放射性物質の広がりを予測するシステム「SPEEDI」の結果が公表されなかったことを指摘。後になって、多くの町民を避難させた町北西部の放射線量が高かったことが判明したと述べ、「情報を公開してもらえれば、被曝(ひばく)を避けることができた」と訴えた。

 これに対し、同委員会の今津寛理事(自民)は「馬場町長には誤解がある」として、当時、政府が迅速に情報を公開する姿勢に欠けていたことが問題だとした。原発事故の情報は、同法の対象には含まれないことも強調した。

 終了後、馬場町長は報道陣に「真摯(しんし)に耳を傾けてもらった」と、公聴会が県内で開かれたことについては評価した。一方、「(原発事故後に)情報が隠蔽され、後から後から事実が出てくる。信頼関係がない」と批判した上で、「国の情報開示をもとに(地方自治体は)住民の命を守るので、情報開示は徹底してやってもらいたい」と注文を付けた。

 このほか、有識者からは「あいまいで広範な特定秘密の指定は問題だ。テロ対策は対象に含まれ、国民に開示されるべき原発の情報が明らかにされない可能性が高い」(槙裕康・県弁護士会副会長)などと、同法に批判的な意見が相次いだ。それでも額賀福志郎委員長は「情報と特定秘密が混同されていたが、(公聴会の)やりとりでだいぶ整理され、理解が深まった」と述べた。

(2013年11月26日 読売新聞)



 どちらかといえば、「原発事故の状況」を隠したくてしょうがないとしか思えません。2020年東京オリンピックに向けて「ケチ」がつかないように、


不都合な事実は徹底的に隠蔽する


・・・と。

 アベノミクス(死語)の一環として「オリンピックバブル」を発生させたい経済界としては、「原発事故」は目の上のタンコブであり、それを取り除くには「特定秘密」で蓋をしてしまうのが手っ取り早いワケです。

 つまり「特定秘密保護法」は、


脱原発運動潰し


・・・の役割も担っているワケで、安倍(歪)内閣と経済界の利害が一致した法律だと言えます。

 したがって脱原発運動も非常に危機的な状況に置かれており、参議院で今法案が通過すれば、恐らくバタバタと日本中の運転停止原発が再稼動する手はずになっている筈です。

 TPPにしても然りで、食品の安全が「特定秘密」にされてしう可能性を想像すると、現在の偽装問題なんて些細なことに思えます。

 つまり「特定秘密保護法」が議決されてしまうと、脱原発も、反TPPも、まとめて押さえ込むことが出来るようになるワケで、


一石二鳥


・・・というワケです。さらには「安全保障」の建前を振りかざし、米国との軍事的共同行動にのめり込んで行くワケですから、


一石三鳥


・・・であるとも、もしくはそれ以上の波及効果あると見た方がイイでしょう。

 なぜなら、行政機関全てが「特定秘密」の当該機関であり、完全な「特権」を手に入れることになるからです。


最悪です!


 こんな「国民主権」を無視した法案を認めることは出来ないワケで、今法案は絶対に廃案にする方向で「実務作業」に取り掛かり始める時にあるようです。

 この困難な状況を打開する手立ては、


国民の団結!


・・・が一番有効な方法ではあるのですが、それが一番難しいのも事実です。

 現在タイでは、現政権の退陣を迫って11万人が首都バンコクに結集しているそうですが、タイの場合はそれが継続するのが不思議です。みなさん仕事を放り出して来るんですかね?

 会社人間の日本人にはそれが信じられないワケですが、それでも昨年の夏には国会包囲20万人集会を成し遂げた実績があります。



7.29 脱原発国会大包囲 国会前解放広場最前線


 その甲斐があってか?運転停止中の原発の再稼動に政府は慎重にならざるを得ず、現在では「脱原発」の三文字が政府の内部からも聞かれるようになりましたが、ここで「特定秘密保護法」が成立してしまえば、


時計の針が逆戻り


・・・してしまう可能性が高いワケです。

 「特定秘密保護法案」を廃案、もしくは憲法違反として葬り去る実務的な手続きに、今直ぐ着手しなければなりませんし、ひいては安倍(歪)内閣とそのシンパを国政の場から排除する法的手続きの準備を始めなければなりません。


内閣不信任


・・・が議決可能であれば一番イイのですが、ま、現状ではほぼ無理なワケで、


どうしたものか?


・・・と。

 また、安倍(歪)内閣が失脚したとて、原発、オリンピック、TPP等々の問題は残されるワケで、これらの問題に対処する覚悟が、残された議員たちにあるのか?ということもクリアーしなければならない課題ですが、


とにかくやる!


・・・という気概を見せて欲しいものですし、尚且つ、「オールジャパン」で取り組まなければ成し得ないでしょう。








人間ナメんなよ!


でわっ!