このたびの「東日本大地震」にて被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、災害にてお亡くなりになられた方々のご冥福を、心からお祈り申し上げます。
ワタシが思う日本人のダメなところは、重要な局面においてさえ「足を引っ張り合う」という点でしょうかね?
今このご時世に選挙を愚行するメリットが何処にあるんですかね?少なくとも多くの被災者を出した福島県などは、役所の書類が津波にさらわれた地区や、放射能汚染で立ち入れない地区もあると言うのに、それでまともな選挙が出来ると思いますか?ワタシは思いません。
それでも・・・と言うのなら、被災者の方々は選挙からは爪弾き?という事になります。一番、政府に対して物言いたい人達であるに関わらずです。そんな選挙に正当性があるのかどうか、「日本国憲法」に照らし合わせてみてください。もし非常時・災害時の選挙に関する規定が無ければ、いまから大急ぎで作ればいいじゃないですか。
日本人はハイブリットである。
・・・と、もう何度も書いてきましたが、この「足を引っ張り合う」というのも、或る面「ハイブリットの弊害」であるのも事実です。
過去における様々な民族の混血によって日本人は形成されてきたワケですが、「見た目の混血」は進んでも、「意識の混血」が進まなかったのが、所謂・・・
村社会
と呼ばれるような意識文化として残ってしまったのだと。
確かに、争いを避け平和的に共存しようという「和の精神」は素晴しいのですが、逆にそれを教条として「自分の利益や生活圏」を守ろうとする意識も働きます。
ある一団が抜きん出て栄えた場合など、他の集団は「羨み」、「嫉妬し」、場合によっては「足を引っ張る」・・・といった、いうなれば「負の公平感覚」に陥りやすいのも、「和の精神」の裏返しの感情かもしれません。それは
強制的な横並び
を求める、ワタシたち日本人の悪い面でもあるしょう。
で、なぜこのような精神性が日本人に特に強いのか?というと、繰り返すようですが、日本にはもともと様々な民族が雑居していたからで、本来この日本と言う土地には、誰がエライとかいう絶対的な権力は不在であり、大和朝廷による日本の統一の過程でも、「天皇」を要(かなめ)とする共同体が、一番統治形態に適していたのでしょう。そして各共同体は、お互いに監視し合う関係になったものと思われます。
基本、自分の集団以外には不信感を抱いている状態が長く続き、明治期に時の政府が「天皇制」を復活させ、「挙国一致」を掲げるまでは、独立採算の藩政が群居した国内は、「国」としてはバラバラだったとも考えられます。
明治政府により「強制的な国内再統一」が為されたワケですが、人の心まではそう易々と変えることは出来ません。依然として「村意識」は残り、その「村意識」の発展形として「海軍」VS「陸軍」の対立だとか、政治家・政党の間における「足の引っ張り合い」が発生するのは当然と言えば、当然の成り行きだったのかも知れません。
つまり「村意識」を自覚し、克服しない限り、より大きな「全体意識」には進めないということです。それを如実に示しているのが、今回の事故における、東電などの「村意識」に思えるのです。自分の村の利益の為なら、全体の利益を見殺しにしても構わないかのような「意識」を感じるのは、ワタシだけでしょうか?政治家にしても同じです。自分の選挙区の「村意識」に縛られてはいないでしょうか?
みんなが「村意識」に縛られている限り、「村意識」同士の確執から生ずる対立を解消するには、「村意識以外の存在」に頼る局面があるでしょう。それは先の大戦での広島、長崎への原爆投下後の「ポツダム宣言」受諾であり、今回の原発事故における、フランスやアメリカ等の海外技術の支援という形にも表れているのでしょう。
東電が早い段階で「村意識」を捨てていれば、災害初期でもっと多くの手を打つ事が出来ただろうにと思うと、残念でなりません。
地方の活性化は素晴しい事ですが、それが地元への利益誘導という「村意識」のみであれば、早晩、他の地方からの批判の対象になるだけでしょう。全体観を持ち、近隣の地区も相互発展出来るような地方の発展がベスト(理想)なのだと思いますが、その為には「村意識」を根底から洗い直し、より広い意識を持つ必要があります。
その為に先ず日本の歴史を、「善い面」も「悪い面」も、初めから勉強し直す必要があると思う次第です。徹底的に「日本人」の在り方を見つめる。そして、過去の「閉ざされた村意識」を乗り越え、全体の中での「開かれた村意識」を受け容れる感性こそが、「現代理性」と呼ぶにふさわしい「理性」のように思うのです。
不明を恥じる
という言葉がありますが、「日本人のダメなところ」とは、未だに自らの歴史に「不明」である事が全ての原因であるように思えた次第です。ワタシたちは今、日本の「歴史という亡霊」と正面から向き合わなければならない時代に在る。・・・と、思う次第です。
最後に・・・
一日も早い放射性物質の拡散防止、停止を切に願います。
でわっ!