2009年3月14日土曜日

進歩か、後退か 8

「進歩か、後退か」などと、悠長なことを
言ってる場合じゃなくなるかもしれませんナぁ・・・

<以下引用>

【米国発】大家は見た!驚愕のアメリカンライフ

2008-11-06
サブプライムより恐いローン(1)--Alt-A(オルトA)


「サブプライム問題は収束したようだし...」と思っている皆さん(多分、一般のアメリカ人も)、金融危機はまだ始まったばかり。サブプライム問題は単なる序章だったのです。


昨日、S&P*1が、2006~2007年に発行されたオルトA住宅ローン担保証券*2 額面340億ドル分銘柄の格下げを発表した。S&Pでは、10月に3517億ドル分相当を格下げ方向で見直すと発表していた。オルトAの損失見通しが急激に悪化しているからだ。


オルトAローンとは?

サブプライムローン不履行が沈静化する中、不履行が増えている「オルトA*3 ローン」とは、信用度は高いが所得を証明できなかったり、融資比率が高かったりする借り手向けで、自営業者や不動産投資家が多く利用した。

(私たち自営業者は、節税に精を出しますから、「確定申告書を提出する」というのはキツイ...)

バブル時は、クレジットスコア*4が高ければ誰でも借りられ、所得証明や確定申告書を出せても、膨大な書類の提出を嫌った人はオルトAを利用した。(だってね、そうじゃないと「全賃貸契約書のコピー提出しろ」って言われるんです。)プライムローンよりも金利はやや高い。

その8割が「所得自己申告ローン」*5で、俗に「うそつきローン」*6と呼ばれた(私も利用(*^^*) 私は銀行明細書など資産の証明書は提出。証明書類は一切いらない「No Docローン」*7を利用したこともあり。)

融資担当者がローン申請書に「所得は○○ドルと書いてください」ということが日常茶飯事に行われ、担当者が勝手に申請書に所得を書き込むことも珍しくなかった。

また、オルトAの半数が二番抵当を伴っており、頭金は平均数%だった。下記で説明したPiggybackローンが大流行(私も利用)。http://d.hatena.ne.jp/o-ya/20081102/p1

あと、5年とか10年、金利返済のみを選ぶことも可能で(その分金利は割増)、月々の賃貸物件のキャッシュフローを増やすために投機家の間で人気があった。5年後、10年後も、元本は変わらず、その時点で25年、20年返済で計算し直されるため、その時点で返済額は倍以上になる。でも、皆、「それまでに売却するか、リファイナンスするから。不動産価格は上がり続けるし」と。(当時は、本当に無茶苦茶でした!私、この目でいっぱい目撃しましたから。)

当時、バブルで潤っていたカリフォルニアでは、こうしたローンを利用して、多くの投機家(投資家ではない)が頭金5%で全米に投資物件を買いまくった。

私は、そういう人を個人的に何人も知っています。そういう投資の仕方を勧めていた不動産投資グループが南カリフォルニアにあって、「キャッシュフローは赤字でもOK」なんてそそのかして、バブルがはじける前から死んでた投機家を何人も知っています。彼らのほとんどが、恐らく差し押さえ*8で投資物件を失ってしまったでしょうね。カリフォルニアの自宅を担保にお金を借りて投資している人もたくさんいたので、自宅を失った人もいるかも。

それも、不履行が増えているオルトAが、変動金利型ではなく、30年固定金利型らしい(オルトA居住用の36%が変動金利型)。これは、かなりの借り手が所得を偽った、かつ投機家がつぶれていっている、ということか?(私はちゃんと払ってますよ~)

しかし、この後にもっと恐い時限爆弾が待っているのです… 明日につづく… 



2008-11-07
サブプライムより恐いローン(2)--Option ARM(オプションARM)

中でも、オルトAの6割以上を占めているのが、バブル期に大流行した「オプションARM*1ローン」。

このローンは、借り手が毎月返済額を4つのオプション*2から選べるというものだが、最低返済額オプションを選ぶと、金利返済さえカバーせずローン残高がどんどん増えていくという代物だ。*3 実に借り手の7割以上が最低返済額しか支払っていないという。

元々、月々のキャッシュフローを調節したいという富裕層や金融リテラシーの高い層向けの製品で、一般住宅購入者向けではない。(金銭管理のできない人は絶対に借りてはいけないローン)。

私の投資家の友人にオプションARMをまだ持っている人がいるが、彼女はずっと30年返済額を返済しているので、短期金利が下がっている昨今、「月々の返済額が減ってラッキー!」と喜んでいる。ちゃんとその仕組みをわかって借りていれば問題ないのである。

オプションARMは融資担当者に支払われる手数料が高かったため、バブル期、積極的に売り込まれた(私もよく勧められた)。

初めの数ヶ月は1~5%などのおちょくり金利*4が提供され、「月々の返済額がこんなに減りますよ」とそそのかされて、リファイナンスにも多く利用された。(それも30年固定金利ローンを持っていた人たちに!!)

だいたい5年経つと、その時の市場金利で残りの25年返済で返済額が計算し直されるので、金利しか払っていないと、そこで返済額が倍以上に跳ね上がったりする。(当時、「大丈夫、大丈夫。その前に借り換えればいいんだから。その頃、不動産価格はもっと上がってますよ!」と融資担当者らの甘い言葉に励まされ(?))

最低額しか返済していなければ、ローン残高がローン初期額の110~125%になった時点で返済額が計算し直されるので、5年経つ前に返済額が跳ね上がる。これが今、ジワジワと起こりつつあり、返済延滞が増えているのだ。(下のグラフにあるように、元々、青いグラフのようにローンがリセットされるはずが、グレーのグラフのように早まっている。)

不動産が高騰したカリフォルニアでは、最低返済額をベースにしなければ収入が融資条件に満たない借り手が多かったため、オプションARM総額5000億ドルの6割が同州に集中する。

オプションARMのリセットが集中するのは2009~2010年。平均返済月額は63%上昇するという。実に、2006~2007年に融資されたオプションARMの半数近くが不履行に陥ると予測されている。

ということで、金融危機発祥地となった不動産市場が落ち着かない限り*5、危機は収まらないということで、それが起こるのは2010年以降ということなのです。

<引用終り>


オルトローンの優遇期限がこの3月で切れるので
4月以降のアメリカ経済のいっそうの景気後退を
懸念する向きもあるようです。



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オルトAローンの焦げ付きは、これから拡大するのじゃ。


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「サブプライム」の次は、「オルトA」


何と言うか・・・確実に第二波がやってきそうな気配なワケで。
ま、今から心しておきましょwかね?

ヤラレてたまるかっ!



でわっ!