2013年9月30日月曜日

ネットの有効利用

  
 このところご無沙汰していた「フリーエネルギー」ネタを、久々に取り上げます。・・・というのも、つい一週間ほど前ですが、青森のおじいちゃんが、興味深い自家発電機を発明・・・というか、組み立てたというニュースを目にしたからです。


WEB東奥

家庭向け「小水力発電機」開発

 階上町の機械修理業大江昭男さん(64)が、家庭向けの小水力発電装置を開発し、19日から試運転を始めた。装置は、タンク内の水を循環させて水車を動かし発電する仕組みで、今月上旬に特許を出願。洗濯機程度の大きさで、水路など大規模な設備がいらないのが特長といい、年内の製品化を目指す。

 大江さんが開発した発電装置は、タンクの上部に市販の発電モーターにつないだ水車を取り付けた構造。タンクの水をポンプでくみ上げ水車を回す。出力は約2キロワットと、住宅用太陽光発電機と同程度で、ポンプを動かす電力は稼働開始時以外は自前でまかない、日夜問わず常時使えるという。

 タンクは250リットルの水が入る程度の大きさで、雨水をためて利用できる。販売価格は、同程度の出力の水力発電機と比べて4分の1程度に抑えたいといい、50万円以内を目指している。

 東日本大震災での停電をきっかけに、発電に興味を持った大江さん。40年間、バイク販売・整備業を営んでいた経験を生かし、バイクの発電機の構造を基に開発を進めた。当初は水路の流れで水車を回す発電装置を考えていたが、1年前、水路がない家庭でも使える発電機はないか-と、水を循環させる仕組みの着想を得た。水車の羽根の形状や取り付ける角度など試行錯誤を重ね、試作機を完成させた。

 用途は家庭用のほか、街灯や水耕栽培の電源も想定。複数の企業・個人から、すでに問い合わせがあるという。大江さんは「水力発電を安く、みんなで使えるようにしたい。水車をもっと回転しやすくしたり、改良の余地はある。どんどん完成度を高めたい」と話している。


ソース:http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2013/20130922140104.asp?fsn=eb33f76037153e93cde084f7e7644d6f

2013/09/22 23:00 【東奥日報】


 ほんの一週間前の記事なんですが、元記事は既に削除されてしまい、よほど人目につくのはマズイのか?・・・と。

 そういえば以前、京都の大工さんが考案した「磁力抵抗0(ゼロ)モーター」というのもありましたが、その後、製品化されたんですかね?


磁力抵抗「ゼロ」の発電機 草津の男性が発明



 アレは、発電時に磁力抵抗が発生しない・・・即ち、小さな力でも大きな電力が発電できるというスグレ物で、その応用範囲は広く、家庭用の自家発電機への流用が期待されるワケですが、そうなるとほぼ、電力会社から電気を買う必要は無くなり、そうなると・・・ゴニョ、ゴニョ・・・。

 と、いうワケで、電力業界から横槍というか、「妨害」が入るかも知れませんなw。

 ま、ソレはアレとして、このおじいさん・・・大江さんの自家発電機も、東北電力から目を付けられ


闇に葬られてしまう


・・・なんて事にならなければイイのですがw。

 実は、大江さんが製作したのと同じタイプの水力発電機を、ズイブン前にYoutubeで見知っていたのですが、ナンか?動画を観てても製作者(アメリカ人?)のおじさんの挙動が不審で、イマイチ信憑性にかける気がしていたのですが、


日本でも同じものを作りましたか!


・・・と、期待が高まる次第です。はい。




 構造はいたってシンプルなので、誰にでも・・・というのは語弊がありますが、工業高校の機械科を出た人であれば、難なく製作できるのではないか?・・・と。

 で、その上で、ダメだったらダメだったで、イイじゃないですか?とにかく、「検証」してみる精神が大切なワケですよ。ハナっから、


フリーエネルギーなんてインチキだ!


・・・と、決めて掛かるだけでは、何も生まれません。


失敗は成功の母


・・・は、時代を超えた普遍的な名言です。はい。


まずは、やってみる!


・・・というチャレンジ精神こそが、先行きの不透明な今の時代・・・今の日本に求められているワケですよ、特に若者にわ。

 ま、「フリーエネルギー」と一口に言いますが、所謂「永久機関」的なものと混同され、


常識的に不可能だ。


・・・と、思考を停止してしまう人が殆どでしょうが、もしですよ?この「水力自家発電機」がジッサイに実用に耐える代物であった場合、それでも、「常識的に考えられない」・・・と、拒否するワケですか?自分で電気が作れるというのに、高い料金を払って電気を買うワケですか?


ア・ホ・ク・サ!


 理由はどうあれ、現実的に発電しているのだとしたら、


まずは現実を受け入れる


・・・というのが、真に理性的な対応であり、それを「常識では考えられない」という理由・・・つまり、自分の理解の範疇を超えているという理由で拒否するのだとしたら、それは


傲慢な態度である


・・・と、言わざるを得ません。「常識」に縛られず、「未知」なるものに如何に「真摯」に向き合うか?・・・が、「知性」の本来の在り方だろうと、ワタシは思うワケです。


アリエナwwwイ!


・・・と思える現象が目の前で起きているとしたら、それは自分の理解(常識)の範疇を超えているだけであり、その現象を「否定」する前にまずは「検証」し、「再現性」の有無を確認し、そこに「再現性」が確認できたなら、あとは自分の理解の範疇を広げていくしかないワケで、それこそが


人間の進歩


・・・に繋がるワケです。

 したがって、「常識」に縛れ、「未知」なるものを受け入れられない精神状態は、人間の退行でしかないと言えます。はい。

 で、望むらくは、大江さんにこの水力自家発電機のスペックを、


ネット上で公開


・・・して頂けたらと。

 勿論、ご本人はこの発電機でのご商売をお考えでしょうが、先に述べたように、既得権益側にとって不都合な情報、技術は、闇に葬り去られないとも限りません。

 であれば、そうなる前にネット上で公開し、日本に限らず世界に向けて拡散することで、大江さんの水力自家発電機の検証が多くの人によって行われ、ひいては、大江さんに続く人たちが無数に現れることになれば、


これこそが革命!


・・・だと、ワタシは思うワケですが、ま、無理強いする気はありません。

 つまり言いたいのは、「ネットの有効利用」とはそういうことなんじゃないの?・・・と、いうことです。はい。






人間ナメんなよ!


でわっ!
 

2013年9月28日土曜日

バイカル湖畔の森のかげからw♪

  
 日本人(主に東日本人)の故郷の一つであるバイカル湖。その環境を悪化させていた製紙工場が閉鎖されるということで、他人事ながら?


メデタイですなw。


 ま、世界遺産にも登録(1995年)された地ですから、当然とも言えるワケですが・・・。


【ロシアNOW】バイカル湖を守れ
2012年9月21日 タチアーナ・スモリヤコワ, ロシースカヤ・ガゼッタ紙

 政府はシベリアにある、透明度が世界最大級のバイカル湖を守るプログラムを採択し、2012年から20年までのバイカル湖の保護に関する文書を承認した。バイカル湖は、ユネスコ登録の世界遺産であるにもかかわらず、湖と周辺の環境は懸念を呼び起こしている。しかも、湖に流れ込む廃棄物の98%は隣接するパルプ製紙コンビナートから排出されている。だが、当局は雇用と大量のパルプ製品をもたらすコンビナートの閉鎖に踏み切ることができない。プログラムはパルプ製紙コンビナートの問題解決を目指している。その具体的内容についてセルゲイ・ドンスコイ天然資源エコロジー相はロシースカヤ・ガゼッタ紙とのインタビューで次のように述べた。

プログラムの課題は?
 第一に、すでに環境に及ぼされた損害を除去すること。この領域には経済活動によって多くの廃棄物が蓄積しています。二つ目の課題は、現在の悪影響を緩和すること。

 さらには、バイカル自然区域の環境モニタリングシステムの改善。現行のシステムでは全域を100%カバーできないからです。

 そのほか、自然のリスクの軽減も目指しています。域内の火災面の安全性を大幅に高める化学消防ステーションが24か所設けられ、170㌔㍍にわたって護岸工事が行われ、洪水や土石流を防ぐ設備が施される予定です。

廃棄物の処理は?
 産業廃棄物処理場が六つ建設される予定です。バイカル・パルプ製紙コンビナートとジダー・コンビナートの廃棄物を含めて。その結果、20年までに、産業廃棄物に汚染された領域の80%が元の状態に戻ります。また、そのほかのゴミを処理する様々な施設も49か所建設される予定です。

地域の発展の内容は?
 私たちはレクリエーションの積極的な活用つまり観光に力を入れたいと思っています。102の旅行者向け宿泊センターの建設および1000㌔以上にわたるエコロードの敷設が計画されています。

プログラムの費用は?
 8年に及ぶこのプログラムの費用は総額580億ルーブル(約1400億円)で、その43%は廃棄物による汚染レベルを低くする措置に、20%は汚染物質の放出を抑えるために使われます。つまり費用の半分以上は、バイカル湖を汚染から守るためです。



【ロシアNOW】バイカル・パルプ製紙工場をついに閉鎖
2013年3月3日 エレナ・シェピロワ, ロシアNOW

 ロシア政府はバイカル・パルプ製紙コンビナート閉鎖の決定を行い、長期に渡った環境論議に終止符を打った。

バイカル・パルプ製紙コンビナート =PhotoXPress撮影

 バイカル・パルプ製紙コンビナートの閉鎖には数年、そして5億ドル(約4600億円)がかかることがすでに明らかとなっている。この額には、9700万ドル(約90億円)の負債は含まれていない。同コンビナートは環太平洋諸国への輸出を行っていたが、その分の生産を移管するのか否かについては、まだ明確な回答がない。

 アルカジー・ドヴォルコヴィチ副首相は昨日、全ロシア・林業従事者フォーラムの席で、政府がようやくこの決定を行ったことを伝えた。

「バイカル・パルプ製紙コンビナートを、工場を移設しながら、徐々に閉鎖していく決定を行った。これは難しい作業で、今後数年かかる」。

 アリヤ・サミグリナ副首相報道官によると、活動の即時停止、順次停止、施設を現代化した活動継続、改編など、さまざまな案が協議され、最終的に順次停止に決まったという。生産は他の工場に移管される可能性があるが、詳細はまだ明らかになっていない。

年間10万立法メートルの廃水を垂れ流す
 同コンビナートは、イルクーツク市から150キロメートルに位置するバイカル湖の南岸に、1966年に建てられた。パルプ生産量は年間約20万トン、従業員数は約1600人。主な製品は針葉樹硫酸塩パルプ。取引先は、国内外(中国を含む環太平洋)の化学産業企業や製紙工場。

 同コンビナートがパルプ製品市場で最大手になったことはないが(国内生産量の10%以下)、地理的条件がシベリア、極東、アジアの顧客との取引を可能にする、戦略的優位性となっていた。

 だが、同コンビナートは、バイカル湖汚染問題で、長年に渡って非難されてきた。国際環境保護団体「グリーンピース」のデータによると、年間10万立法メートルの廃水を流していたという。2008年9月、ロシア連邦自然利用分野監督庁の要請で、閉鎖型水循環システムに移行したが、これによって人絹漂白硫酸塩パルプといった収益性の高い製品の生産が不可能になり、負債が重なっていった。

 昨年末に資金難と原料不足でパルプ化が停止した。今年初めの負債総額は9700万ドル(約90億円)にのぼった。

コンビナートと従業員の今後は
 バイカル・パルプ製紙コンビナートの最大の融資銀行である、対外経済活動発展銀行(ヴニェシュエコノムバンク)は、この場所にホテル、リゾート、または環境に優しい製品の生産工場をつくる可能性を示唆した。従業員の職業再訓練の問題も協議されており、すでに雇用センターが設置された。対外経済活動発展銀行エンジニアリングのドミトリー・シェイベ氏は、同コンビナートの閉鎖に4~5億ドル(約3700~4600億円)かかると伝えていた。同氏によると、操業停止には2年以上、廃棄物処理には4~6年かかるという。


*コメルサント紙、エクスペルト・シベリア誌、RBCデイリー紙の記事を参照。



【ロシアNOW】バイカル湖の製紙工場閉鎖は12月25日
2013年9月23日 インターファックス

 先週パルプの生産を停止した「バイカル・パルプ製紙コンビナート」は、12月25日をもってその歴史に幕を降ろす。インテルファクス紙がこれを伝えた。

=ニコライ・ルーティン/ロシア通信

 12月25日に約520人の従業員を解雇し、コンビナート自体もパルプ生産工場としての機能を正式に停止することを、破産管財人のアレクサンドル・イワノフ氏が伝えた。

 さらに約260人の従業員が会社との当事者間合意にもとづき、近日中に解雇される。コンビナートの熱電併給発電所で働く約700人は、引き続き勤務し、バイカリスク市への併給を続ける。

 イルクーツク州労働・就業省は先週、コンビナートの従業員の街がある同州スルジャンカ地区に、110人分以上の就職先があると発表した。同州政府は今後数ヶ月間で、さらに600人分の就職場所を用意するという。観光・保養経済特区「バイカルの門」の開発、新たなバイカル湖水工場の計画、工業団地「バイカル」の創設などで、雇用の場を生みだすと考えられる。

 コンビナートの株式の49%はロシア連邦国家資産管理局を通じて国が保有し、51%は実業家ニコライ・マカロフ氏の組織が保有している。昨年12月からコンビナートの破産・清算手続きが始まり、約13億5200万ルーブル(約40億5600万円)の先取特権債権者は、対外経済活動発展銀行(ヴニェシュエコノムバンク)になった。

 環境問題で有名だったコンビナートが操業を開始したのは1966年。同時に研究者や生態学者がバイカル湖の環境保護運動を始めた。

 パルプ生産の段階的な停止が正式に決定されたのは今年2月。当時は閉鎖手続きに数年がかかると言われていた。セルゲイ・エロシチェンコ・イルクーツク州知事は今年初め、閉鎖に約1年、廃棄物処理に4年弱の時間が必要だと話していた。


 以前にも少し触れましたが、「日本人の先祖帰りツアー」みたいなもがあったらオモシロイと思うワケですよ。勿論、日本人のルーツは多岐に渡り、中国の華北系も、南方系も、ペルシャ・中近東系もいるワケですが、ひとまず「故地」が確定できる場所のひとつが、「バイカル湖畔」なワケです。




バイカル湖人の渡来の規模




 で、日本側からの関心が高くても、ロシア側の関心が低いと、こうした「観光プラン」は噛み合わないのですが、興味深いのは、プーチン大統領もロシア人のアイデンティティ(歴史)に、深い理解と関心を示しているらしいということです。


【ロシアNOW】プーチンの心配事は民族的アイデンティ ティとシリア
2013年9月25日 マリーナ・オブラスコワ

「第10回バルダイ会議」が9月19日、閉幕した。国内外のロシア専門家が結集するこの国際会議の今年のテーマは、「現代世界にとってのロシアの多様性」。ウラジーミル・プーチン大統領は会議の最終日に、シリア情勢、ロシアの統一地方選、今後の大統領選への出馬の可能性などについて語った。

プーチン大統領は会議の最終日に、シリア情勢、ロシアの統一地方選、
今後の大統領選への出馬の可能性などについて語った=ロシア通信撮影

プーチン大統領と専門家らの対話を完全公開
 ロシア、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、中国などの専門家やジャーナリスト約200人が、会議に出席。プーチン大統領の登場は会議の目玉となっ た。バルダイ会議10年目にして初めて、報道関係者に完全に公開しながら、専門家と対話した。

 プーチン大統領の挨拶の大部分は、ロシア国民のアイデンティティー(自己同一性)に関するものだった。「『我々は何者なのか』、『何になりたいのか』という疑問がロシア社会でどんどんふくらんでいる。ソ連のイデオロギーから離れて、今や宗教、文化、民族的なアイデンティティーを自ら規定することなしに前に進めないことは明らかだ。これらがなければ国内外からの挑発に対抗することはできないし、世界的な競争のなかで成功することもできない」。

 プーチン大統領はまた、価値観と家族、および同性愛の同一視を否定した。「人間社会の危機はまず、その生殖能力の損失がある時に叫ばれる」。

(後略)


100年前のアイヌ人の写真www


 プーチン大統領は、自身も柔道を嗜むくらい日本文化に対する造詣が深く、また、ロシア革命がユダヤ人の手によってなされたと明言するなど、過去の「ソ連」の指導者とは、全く異質の存在と言えます。

 歴史に対する認識の重要性を理解しており、常々歴史認識の重要性を繰り返しているワタシとしても、


流石!プーチン!


・・・と、感心、感服する次第です。

 で、本題・・・というか、このパルプ工場の跡地を日本も有効利用できないか?・・・と。

 工場の閉鎖と周辺環境の環境浄化に日本の技術を投入し、工場跡地の一角?に日本人向け(もしくは外国人向け)の観光施設(バイカル文化センター)の設立なんてのも、


アリなんじゃないの?


・・・と、思った次第です。はい。

 工場跡地の一角を租借し、震災、および放射能汚染で故郷を追われた被災者で、就労を希望人たちを雇用しつつ、その間に、日本国内の放射能による土壌汚染、水質汚染の浄化に全力を挙げる・・・と。

 で、国内の放射能汚染の浄化に目処がついたところで、ふるさとに帰郷したいは戻ればイイし、そのままバイカル湖畔で暮らすのも自由なワケで、


どうです?悪くないでしょ?


 ま、山本ナンたらいう無能な議員には、逆立ちしても出来っこないでしょうが、今年中に件のパルプ工場は閉鎖されるワケですから、その気になったのなら、早めにロシア側とコンタクトを取ったほうがイイでしょうなw。


【ロシアNOW】バイカル見ずして
2012年11月6日 ダリヤ・ゴンサレズ, 「ロシアNOW」

 「バイカルを見て死ね」という表現はロシアの七不思議の一つにうってつけである。水深40㍍の澄んだ水は酸素にあふれ、その特性は蒸留水に近い。ここを冬に訪れれば、超硬硝子の上を渡るようだ。露日戦争時の1904年には凍結した湖に鉄道が敷かれ65両の蒸気機関車が2300両の貨車をけん引した。春には氷が割れて、震える水が姿を見せる。シベリアっ子はこの湖を「淡水の海」と呼んでいる。

自然との一体感満喫
 桟橋を出た小船の舵手が不機嫌そうに緑色の山脈を見てこう呟く。「バイカルにはいろんな表情があり一度にすべてを見ることは無理です。静かで穏やかな印象を覚える人もいれば白波や切り立った花崗岩にしかお目にかかれない人もいます」。


 バイカル湖はアジアのほぼ中央に位置している。その海抜は445㍍だが、湖底は海抜ゼロ㍍を1200㍍ほど下回る。

 高い山脈で囲まれたバイカル山地に横たわる湖の長さは636㌔㍍に及び、これはちょうどモスクワ・サンクトペテルブルグ間の距離にあたる。湖の面積は約1000万の人口を有するベルギーとほぼ同じである。

 バイカル湖は、地球の他の湖沼ではお目にかかれない多種多様な動植物や魚類や微生物を宿している比類なき世界なのだ。

 アンガラ川から湖に吹き寄せる北東風が暖かな天候を告げている。上方から風が吹けばバイカル湖の南は嵐になり、高さ4㍍の波が岩を打ち、ヒグマたちは石の多い岸辺から松の森へ身を隠す。

 地球物理学者たちの見解によれば、バイカル湖は約2500〜3000万年前に形成された。

 それは年に2㌢㍍ほど広がり続けている地殻の断層によって限られた巨大なくぼ地にあり、バイカル湖は誕生しつつある大洋なのだとの仮説もある。地球のすべての河川がバイカル湖に注ぎ始めたとしても、それを満たすには1年かかる。

 シベリアの作家ワレンチン・ラスプーチンはバイカル湖についてこう記している。「バイカルはその偉容と規模で人間を圧倒するかに想われ、そこではすべてが大きく広く雄大で謎めいているが、それは逆に人間を高めてくれる。これほど完全で望ましい自然との一体感、そして自然に浸る感覚を味わわせてくれるところは他にない」。

 アントン・チェーホフ、ニコライ・リョーリフ、ジェームズ・キャメロン…。バイカル湖に魅せられた芸術家はまだまだ沢山いる。キャメロンは、そこに『タイタニック』や『アバター』といった映画の科学的基盤をも求め、すでに学術チームに伴われて潜水艇で湖底に潜った。

 監督や作家もさることながら、この湖はまず学者たちの関心を惹きつけた。世紀のはざまにはニュートリノ望遠鏡が湖に設置され、そのデータをもとに2013年3月には、2、3日前の地震予知を可能とする水中科学ステーションの始動が予定されている。

 バイカル断層地帯と呼ばれるこの地域は地震が起こりやすく、湖に近いイルクーツクやブリヤート共和国の諸都市では強い地震が時々観測されている。

 バイカル地方の年間日照時間はカリフォルニアに次いで世界2位。ゴロウストノエ村では一年に2583時間、太陽が照る。

 バイカル湖ではブリヤートの伝説が古儀式派の儀式と隣り合い、ハイテク望遠鏡がさまざまな魚たちをのぞき(下の写真は水中を泳ぐアザラシ)、水中火山が活動し、北風が海上のようなスケールの嵐を湖にもたらす。

 バイカル湖は地球上に住んでいる人より1000万倍多くの人に水を飲ませることができ、湖を一周するには毎日歩いても4か月かかる。

 1996年、バイカル湖はユネスコの世界遺産に登録された。そして2008年には国民投票の結果、ロシアの七不思議の一つに選ばれた。

 小舟は石の多い岸へ近づいている。この森のどこかに世界一小さな鹿であるジャコウジカがいる。南はそろそろ嵐になるが、北の岸辺でそれを知る者はいない。

観光・レジャーも全方位で

 
 自動車、自転車、乗馬、徒歩などでバイカル観光が楽しめる。金色の砂浜の水浴場もある。湖畔の遺跡や博物館で歴史に触れることができる。バイカル湖岸鉄道も人気だ。


 バイカル湖クルージングには1時間、1日、1週間、1か月のコースがある。フィッシングのほか天然や人工の泥風呂や温泉もあり、水中ハンティングやダイビングもできる。東海岸ではウィンドサーフィンが最高だ。


 バイカル湖ではベテランも初心者もパラグライダーに最適な場所を見つけることができる。パラグライダー乗りたちがやってくるのは、長時間の飛行を可能とする天候の条件がそろう3月から10月にかけてである。

 
 バイカル地域には岩場トレーニングから何日にも及ぶ雪山登山まで様々な難度の山岳コースがある。オリホーン島西岸のペシチェルヌイ岬から湖へ突き出ている2つの岩の高さは30㍍と42㍍。格好の練習場だ。


<アンガラの恋>

 こんなバイカル伝説がある。父なる湖バイカルには336の息子の川とアンガラという一人娘の川がおり、それらはみな父なる湖に注いでいた。  

 ところが、アンガラはエニセイ(川)に恋をして彼のもとへ逃げることにした。  

 それを知った父バイカルは行く手をふさごうとしてシャーマンの石を投げたが、アンガラは逃げおおせた。  

 すると、バイカルは後を追わせるべく自分の甥のイルクートを遣わした。  

 イルクートはアンガラが気の毒になって後を追わず戻ってしまった。そして、アンガラはエニセイと結ばれてそのまま先へ先へと流れていった。


 その流れ着いた先が日本列島だったりしてw。ま、今回は【ロシアNOW】特集でしたw。




人間ナメんなよ!


でわっ!
 

泉田知事の件に寄せて

  
 「街カフェTV」の藤島氏が、新潟県の泉田知事が態度を軟化させ、柏崎原発再稼動に向けた東京電力の安全審査を承認した件を解説しています。




 泉田知事の顔が冴えないとの藤島氏の分析ですが、2020年のオリンピックの招致が東京に決まってから、東京オリンピックに向けての「カネの流れ」が本格化したことの影響が、露骨に表れたということなんでしょう。


【ロイター】東電が原発再稼働申請で地元2市村から了解、新潟県知事との会談未定
2013年 08月 6日 18:48 JST

[東京 6日 ロイター] - 東京電力の広瀬直己社長は6日、資源エネルギー庁の上田隆之長官と会談し、柏崎刈羽原発(新潟県)再稼働のための原子力規制委員会への適合申請について、地元の柏崎市と刈羽村から了解を得たと報告した。

ただ、新潟県の泉田裕彦知事は申請を了解していない。広瀬社長は記者団に対し、「(泉田知事に)会って話しをさせていただきたい」と述べたが、会談の実現は未定だという。

柏崎市と刈羽村は同日、東電と結んでいる安全協定に基づき、柏崎刈羽原発再稼働の必須要件である「フィルター付きベント設備」の設置を了解した。ただ、同協定上、東電は新潟県の事前了解も得る必要がある。

泉田知事は東電による同ベント設備の設計を問題視。原子力規制委へ適合申請を行う前に県の了解を求めている。東電は規制委への申請と県の了解を得る手続きを同時に進めることを主張。両者の溝は埋まっていない。

(後略)


 オリンピックの招致が決まるまでは強硬な態度も取れましたが、招致の決定後、オリンピック・バブルに向けた「カネの流れ」が日本経済のイニシアチブを握ったことで、「原発問題」を矮小化しようとする政治的、経済的勢力に追い込まれているとも見受けられます。


【東洋経済】オリンピック招致の勝因は、滝川クリステル
グローバルエリートが東京オリンピック決定を祝福
2013年09月09日

滝川クリステルさんのプレゼンを、グローバルエリートも絶賛(写真:AP/アフロ)

・・・あ、クリステルさんが登場した。いやーこれは強い。もう外見だけで、当選確実か。なるほど、 “おもてなし”か、それにしても綺麗なフランス語の発音やな。笑顔も美しい。髪型もイヤリングも綺麗。青いスカーフも似合っている。・・・



これは由々しき問題ですよ!?


 結局「カネ儲け」のために、原発事故被災者が闇に葬られようとしているワケです。


【CNN】現場視察の安倍首相、福島第一原発の2基廃炉を要請
2013.09.19 Thu posted at 19:52 JST

東京(CNN) 日本の安倍晋三首相は19日、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故に関連し、5、6号機の出来る限りの早期廃炉を東電に求める考えを明らかにした。

同原発の汚染水問題を視察するため、第一原発を訪れた際に述べた。放射線防御服を着用した首相は、同社に対し2014年3月末までに汚染水問題の解決にめどを付けるよう指示したことを明らかにした。

5、6両号機は東日本大震災に襲われた当時、稼働しておらず「凍結」の状態が続いているとされる。

同社はこれまで、1~4号機の廃炉方針は明らかにしていたが、5、6号機については処理の方針をこれまで示していない。5、6号機などの現状については地震や津波に襲われた後の詳しい状況についての情報も明らかになっていない。

汚染水問題で日本政府は最近、約4億7000万ドルを投じ、解決策を講じる方針を示していた。

安倍首相は2020年の夏季五輪の主催国を決める最近の国際オリンピック委員会の総会に出席。福島第一原発の処理問題に絡み「大会は安全な環境で実施される」と断言していた。日本国内などではこの宣言に対し、汚染水対策の現状を踏まえ批判が出ていた。


 海外からの非難をかわす目的で「5号機」、「6号機」の廃炉を決定しましたが、放射能を撒き散らしているのは「3号機」なワケですよね?だとしたら、オリンピックに向けた環境整備(放射線レベルの低下)には何の意味も無いワケで、ただ・・・


努力している振り


・・・を見せることで、「既成事実(責任逃れ)」をデッチ上げようとしている・・・としか思えません。

 そして、さらにソレを上塗りするように試験操業を再開したり、韓国やロシアの輸入規制に噛み付いたりと。


【東京新聞】福島県漁連 試験操業あす再開
2013年9月24日 夕刊

 福島県漁業協同組合連合会(県漁連)は二十四日、福島市内で組合長会議を開き、東京電力福島第一原発事故による汚染水問題のため、八月に中断を決めた試験操業の再開を正式決定した。「検査の結果、魚の放射性物質の数値に問題はなく、安全と確認できた」としている。試験操業の再開は、二十五日午前二時ごろの予定。

 県漁連の野崎哲(てつ)会長は会議の冒頭「何とか福島の漁業の再開を目指したい」と述べた。

 試験操業は、原発事故から約一年三カ月後の昨年六月、県北部の相馬双葉漁協が始め、放射性物質を検査しながら魚種と海域を拡大した。しかし今年七月、汚染水が福島第一原発の港湾内に流出していることが明らかになり中断した。

 県南部のいわき地区の漁協も、九月から予定していた試験操業の開始を延期していた。

 操業する海域は、相馬双葉漁協が沿岸部と沖合。いわき地区は沖合のみとし、沿岸部は汚染水による放射性物質への懸念が依然残るとして当面見送る。

 県漁連によると、各漁協が試験操業中断後の七~九月の間、対象の魚や加工品の放射性物質を検査し、百検体中九十五検体で放射性物質は検出されなかった。検出された五検体で最も高かったのは一キログラム当たり一〇ベクレルで、国の食品基準値の一キログラム当たり一〇〇ベクレルを下回った。


【時事】「WTOルール違反」=韓国の輸入規制-水産庁見解

 東京電力福島第1原発の汚染水漏れ問題を受けて韓国が日本の水産物への輸入規制を強化したことについて、水産庁の本川一善長官は27日、検疫措置で外国を不当に差別しないよう求める世界貿易機関(WTO)ルールに反するとの見解を示した。

 韓国は今月9日、福島など8県からの水産物輸入を全面禁止し、8県以外からの輸入水産物については韓国側の検査で少しでも放射性物質が検出された場合に追加検査を行うよう輸入業者に義務付けた。追加検査には1カ月かかるため事実上の輸入禁止効果がある。

 本川長官は27日、自民党水産政策推進議員協議会の会合でこの問題について説明。韓国産の水産物にはない追加検査を日本産に課していることから、「明らかに内外無差別(の扱いを義務付けるWTOの原則)に反する」と語った。

(2013/09/27-20:32)


 ワタシは福島県漁連が、自発的に試験操業を再開したとは思えないワケですよ。政府から「東京オリンピック」という「錦の御旗」を突きつけられ、「東京オリンピックを成功させるために協力しろ」・・・と、半ば強制的に試験操業に踏み切らせたとしか思えません。


漁師の良心


・・・を信じたいワケす。

 ブラジルマグロを近海マグロと偽り、放射能汚染の心配はありません・・・と、
シラを切るような、日本国民を裏切るような真似はしてませんよね?


【読売】ブラジルでマグロ船拿捕、高性能日本船に不満か

 宮城県気仙沼市船籍の遠洋マグロはえ縄漁船・第7勝栄丸(410トン)など漁船3隻が7~8月にかけ、環境保護規定に違反したとして、ブラジル当局に拿捕(だほ)された問題で、第7勝栄丸を所有する同市の水産会社「勝倉漁業」の勝倉宏明社長が25日、現地入りし、情報収集にあたっている。

 水産庁によると、ブラジルの漁獲ルールに違反したことが原因だが、性能が良く漁獲量の多い日本船に対する不満が、今回の拿捕につながったという情報もある。

 3隻はブラジルの200カイリ水域内で操業後、同国行政当局に漁船や漁具、漁獲物を差し押さえられた。約20人の乗組員は無事で、同国司法当局から出港許可が間もなく下りるとの情報もあるが、同社の従業員の1人は「こんなことは初めて。何事もなく操業再開できればいいが……」と不安げだ。

 拘束は1か月以上続いており、3隻が所属する「日本かつお・まぐろ漁業協同組合」(日かつ漁協)は「長期間操業できなければ、経営はダメージを受ける。差し押さえられたマグロは売り物にならない」と嘆く。

 水産庁によると、拿捕の理由は、海鳥を混獲しないようブラジルが定める国内法に違反したためだという。海鳥の混獲防止を巡っては〈1〉漁具におもりをつける〈2〉鳥よけのポールを装備する〈3〉夜間に漁具を海に入れる――の三つの方法から二つを選んで実施するというのが国際ルールだ。

 加盟国はそれに従って国内法を整備するが、ブラジル政府は漁業者に対し、〈1〉と〈2〉を必須とする国内法を整備していた。一方、3隻は〈1〉の方法だと漁がやりにくく、おもりで船員がけがをする恐れがあるため、〈2〉と〈3〉の方法を取っていたという。

 領海侵犯や禁漁区での漁が原因で拿捕されることはあるが、今回のようなケースは極めて珍しい。日かつ漁協が、現地法人のアトランティック・ツナ社と漁船賃貸契約を結び、マグロ船をブラジルに派遣し始めたのは2011年から。同年に11隻、12年にも3隻が〈2〉と〈3〉の方法で同国の200カイリ水域内で操業していたが、拿捕されることはなかった。

 水産庁の担当者は「日本船は性能が良く、現地の船より、多くのマグロを漁獲していた。それに現地の漁船員たちが不満を募らせ、日本船の不備を当局に通告したという情報もある」と明かす。

 一方、遠洋マグロはえ縄漁船を保有する気仙沼市の別の水産会社の社長は「最近は資源管理や環境保全のための規制が厳しい。漁業者も漁場や国ごとに定められたルールに対応することが求められている」と語る。

(2013年9月26日10時24分 読売新聞)



何かが狂っている!



【読売】東京電力、柏崎刈羽原発の安全審査申請

東京電力は27日午前、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(新潟県)の再稼働に必要な安全審査を原子力規制委員会に申請した。

 7月に電力4社が6原発12基を申請したが、福島第一原発と同じ「沸騰水型」の申請は初めて。他の6原発にない「フィルター付きベント(排気)設備」や敷地内の断層が審査の焦点となる。

 東電の姉川尚史(たかふみ)常務執行役が規制委を訪れ、6600ページの申請書を提出した。姉川常務は、報道陣に「(福島事故の当事者として)反省を踏まえた対策を一歩ずつ展開し、まとめた。規制委に確認していただけるということで身の引き締まる思いだ」と述べた。

 申請では、海域の活断層の連動などを考慮して、津波の想定を従来の3・3メートルから8・5メートルに変更。敷地の高さは12メートルで「津波の影響はない」と説明した。地震の揺れの大きさは、新規制基準に沿った計算でも従来と変わらなかった。事故時の対応拠点「緊急時対策所」は既に完成している。

(2013年9月27日14時36分 読売新聞)


 泉田知事も苦渋の判断をしたのでしょうが、そうした判断に知事を向かわせたのは、「東京オリンピック」という「錦の御旗」を打ち振る


カネの亡者ども


・・・であろうことは、想像に難くありません。

 この際、ズバリ言わせて貰えば、箱根の山以東の関東の地は、福島第一原発事故由来の放射性物質の堆積により、


不動産価値0円


・・・なワケですよ。チェルノブイリ周辺であれば立ち入り禁止の区域に、多くの人が住み続けていること自体が既に異常なワケです。

 穿った見方をすれば、今回東京にオリンピックの招致が決まったのも、所謂「グローバルエリート」が所有する都心の不動産を処分するために仕組まれた計画であり、ま、以前から立候補していたにしても、あの原発事故後では「アウト・オブ・眼中」となるのが、世界標準の「正常な判断」なはずなのに、


それがなぜ?


 導き出される答えは、不良不動産の処分の為に「グローバルエリート」たちが、


オリンピック・バブル


・・・を、必要としていたということです。

 であれば、彼ら「グローバルエリート」にとっては、7年後の東京オリンピックが開催されようと、放射能汚染で開催不可能になろうと、どっちでもイイのです。とにかく、「不良不動産」をできるだけ早く処分することが目的なワケですから。

 で、更に悪いのが、オリンピック・バブルによって物価がインフレ傾向になると、消費税増税の口実になるということで、法人税が下げられる企業にとっては痛くも痒くも無いかも知れませんが、物価は上がるは、消費税は上がるはなのに、給料は上がらない労働者にとっては大打撃です。

 つまり、オリンピック・バブルで不動産取引が活性化し、見かけ上の名目GDPが大幅に上昇すれば、消費税の増税にも繋がるということです。

 だいたい、放射能に汚染された土地に不動産価値なんて無いでしょ?その、価値無き土地に価値を捏造するのが「東京オリンピック」であり、そうした「虚構の価値」を高値で売り抜けようとしているのが、「グローバルエリート」なワケです。カンタンでしょ?

 あとはもう、個人の心の問題です。住宅ローンを組んでいる人や、土地を担保に借金をしている人は、人生設計が大幅に狂うことでしょうが、それらは全て


政府と東京電力


・・・に責任があるワケで、また、それを幇助した御用学者やタレントも、同罪であるのかも知れません。

 はっきり言って、絶望的な状況に置かれているワケですが、この絶望的な状況に対して、


如何に誠実に立ち向かうか?


・・・が、いまの日本人に問われているワケです。

 食品産地の偽装表示は止めましょう。食品の安全基準を偽るのは止めましょう。危険なものは危険だと、「情報を共有」しましょう。


本当の助け合い、本当の絆


・・・とは、そうした「誠実な態度」から生まれるのではないでしょうか?






人間ナメんなよ!


でわっ!
 



追記:

東電に800億円融資継続へ 銀行団、柏崎刈羽の申請で
朝日新聞デジタル 9月28日(土)5時54分配信

 東京電力に融資するメガバンク3行などの銀行団は27日、10月末に返済期限を迎える約800億円の融資の借り換えに応じる方針を固めた。この日、東電が柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県柏崎市、刈羽村)の再稼働に向け、新規制基準への適合審査を申請したことで、収支の改善に向けて一歩前進したと判断した。

 朝日新聞の取材に対し、主力銀行首脳や複数の銀行幹部らが借り換えに応じる方針を認めた。今後、各行の融資額などを詰め、10月中旬までに東電と政府の原子力損害賠償支援機構に伝える見通しだ。

 約800億円は、約30の金融機関が福島第一原発事故前に融資したもの。東電は事故後、2年連続で経常赤字となっており、融資を続けてもらうには黒字化の道筋を示す必要があった。

.朝日新聞社


 思うに・・・「秘密保全法」は、オリンピック・バブルの障害になる放射能汚染の問題を隠蔽するためには、どうしても必要な「ツール」なんでしょうなw。

 勿論、他にも使い道はイロイロありますがw。
 
 

2013年9月27日金曜日

「秘密保全法」?・・・はあ?

  
 この秋の国会に提出されるという「秘密保全法」ですが、日弁連のホームページで、ざっくりと説明されているので転載します。


~秘密保全法制の問題点


秘密保全法制は、具体的に何か問題なのでしょうか。


【プライバシーの侵害】

報告書では、「特別秘密」を取り扱う人のプライバシーを調査し、管理する「適性評価制度」というものが提案されています。

調査項目は、住所や生年月日だけでなく、外国への渡航歴や、ローンなどの返済状況、精神疾患などでの通院歴…等々、多岐に渡ります。

秘密を取り扱う人というのは、国家公務員だけではありません。地方公務員も当然に含まれますし、一部の民間事業者や大学等で働く人も含まれます。

その上、本人の家族や恋人、友人などにも調査が及ぶ可能性があり、個人情報を収集・管理される人の範囲は知らない間に際限なく広がってしまうおそれがあります。


 そういえば「Docomo」は、利用者の個人データを商売のネタにするそうですが、それって契約時の「規約」にも書かれていたんですかね?書かれていたとしても、あまりイイ気はしませんし、例えばですよ?老舗旅館が、お得意様名簿とかを勝手に「データセンター」に提供したらどうなのよ?と。

 「サービスのやり取り」という関係においては、老舗旅館も「Docomo」も同じなワケで、一対一の関係が基本になり、その関係性において「サービス」に対する信頼が生まれることで、「リピーター」という顧客に繋がるワケですよね?

 そうした「一対一の関係」を反故にして、「利用者」を単なる「データ」としか看做さないというんでしょ?「Docomo」わ?ま、「Docomo」と契約している人には残念ですが、そういう会社でしかなかったということなんでしょう。


日本国憲法

第三章 国民の権利及び義務

第二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。



【「特別秘密」の範囲】

「特別秘密」の対象になる情報は、「国の安全」「外交」「公共の安全と秩序の維持」に関する情報です。

これはとても範囲が広く、曖昧で、どんな情報でもどれかに該当してしまうおそれがあります。「特別秘密」を指定するのは、その情報を管理している行政機関ですから、何でも「特別秘密」になってしまうということは、決して大袈裟ではありません。行政機関が国民に知られたくない情報を「特別秘密」に指定して、国民の目から隠してしまえるということです。

例えば、国民の関心が高い、普天間基地、自衛隊の海外派遣などの軍事・防衛問題、私たちの生活に関わりの深いTPPなどの外交問題、今私たちが最も不安に思っている、原子力発電所の安全性や、放射線被ばくの実態・健康への影響などの情報。これらが、行政機関の都合で「特別秘密」に指定され、主権者である私たち国民の目から隠されてしまうかもしれません。

その上、刑罰の適用範囲も曖昧で広範です。どのような行為について犯罪者として扱われ、処罰されるのか、全く分かりません。


 基本的人権のひとつに、「知る権利」があるワケですよね?・・・というか、「知る」こと無くして、潤滑な「生活」は営めません。身近な例でいえば、どこのスーパーで安売りしているとか、どこの食堂の何がおいしいとか、台風は何日後に上陸しそうだとか、「情報」によって「行動」が選択されるワケです。

 つまり、「情報」が遮断されるということは、それだけで「行動」が制限され、即ち、「個人の自由の侵害」にも及ぶということです。


日本国憲法

第三章 国民の権利及び義務

第十一条
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。



【マスコミの取材・報道の阻害】

「特別秘密」を漏えいする行為だけでなく、それを探る行為も、「特定取得行為」として、処罰の対象になります。

マスコミの記者、フリーライター及び研究者等の自由な取材を著しく阻害するおそれがあります。正当な内部告発も著しく萎縮させることになるでしょう。


 現在のマスコミが真実を伝えているとは思っていませんが、それでも、「真実の断片」くらいは伝えていることは確かです。「歪曲」された報道であれ、バラバラの「真実の断片」を組み合わせることで、その「真意」を読み解くことはできます。

 その「真実の断片」さえも検閲を受け、報道することを禁止される様な事態は避けなければなりません。「マスゴミ」・・・などと非難できるうちは、まだ正常な状態にあるとも言えます。


日本国憲法                                    

第三章 国民の権利及び義務
 
第十九条
思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。                                               



【検討過程の非公開】

報告書を取りまとめた有識者会議の議事録や録音データは残されておらず、会議の際のメモなどは廃棄されたと発表されています。

それだけでなく、「配付資料」とされるものが、政府官邸ホームページ上では別のものに差し替えられていたことが分かりました。

検討過程の詳細は、国民の目から一切閉ざされています。

いま、日本で必要なことは、国民を重要な情報から遠ざけ、疎外する秘密保全法制をつくることではなく、情報の公表・公開を進めること、情報公開法の早期改正であると、日弁連は考えます。


 とにかくワタシたちは、一度くらいは日本国憲法に則った社会を実現する努力をした後で、「改憲」云々を論じるのがスジであり、でなければ、日本国憲法は単なるお飾りに過ぎないということであり、同時に、日本における民主主義も単なるお飾りに過ぎないということです。

 そして日本国憲法の精神は、第二次世界大戦の反省の上に立ち、


政府の暴走を許さない!


・・・であることを忘れてはならず、問題になっている「秘密保全法案」であるとか、「国家安全保障基本法案」は、間違いなく政府の暴走を許すものだ・・・と、いうことです。


国家安全保障基本法案 (概要) 自民党



日本国憲法

第三章 国民の権利及び義務

第十二条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

 








人間ナメんなよ!


でわっ!
 

2013年9月26日木曜日

「国際連合憲章」全文

  
【47NEWS】日仏首脳、「強力な決議」で一致 対シリア

【ニューヨーク共同】米ニューヨーク訪問中の安倍晋三首相は24日午後(日本時間25日午前)、フランスのオランド大統領と会談し、シリアに化学兵器の全面廃棄を履行させるため、強力な国連安全保障理事会の決議が必要だとの認識で一致した。アサド政権が廃棄に応じない場合、制裁や軍事介入の根拠となるよう「国連憲章7章」に言及すべきだとの考えが念頭にあるとみられる。

 首相は会談で、日仏を含む各国が協力してシリアの化学兵器全廃を実現させる必要性を指摘。シリア難民支援に関しては「国際社会の努力に貢献し、積極的に取り組む」と意欲を強調した。

2013/09/25 13:25 【共同通信】


 「国連憲章7章」が云々・・・と、武力介入の詭弁を弄しているようですが、


「7章」の前に、「6章」があるだろう?


・・・と、言いたいワケです。はい。

 「国連憲章」の目的からすれば、「7章」よりも「6章」のほうが重要であり、シリアの反政府勢力=アルカイダに武器を供給しているアメリカ、イギリス、フランスを筆頭とする諸国は、「紛争の平和的解決」に向けて誠実な態度で臨んでいるのか?・・・と。

 現状では、ロシアの立ち居地のほうが「国連憲章」に則しているように、ワタシの目には映る次第です。はい。


国連憲章テキスト


第1章 目的及び原則


第1条
国際連合の目的は、次のとおりである。
国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整または解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。
人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の友好関係を発展させること並びに世界平和を強化するために他の適当な措置をとること。
経済的、社会的、文化的または人道的性質を有する国際問題を解決することについて、並びに人種、性、言語または宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように助長奨励することについて、国際協力を達成すること。
これらの共通の目的の達成に当たって諸国の行動を調和するための中心となること。


第2条
この機構及びその加盟国は、第1条に掲げる目的を達成するに当っては、次の原則に従って行動しなければならない。
この機構は、そのすべての加盟国の主権平等の原則に基礎をおいている。
すべての加盟国は、加盟国の地位から生ずる権利及び利益を加盟国のすべてに保障するために、この憲章に従って負っている義務を誠実に履行しなければならない。
すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない。
すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。
すべての加盟国は、国際連合がこの憲章に従ってとるいかなる行動についても国際連合にあらゆる援助を与え、且つ、国際連合の防止行動又は強制行動の対象となっているいかなる国に対しても援助の供与を慎まなければならない。
この機構は、国際連合加盟国ではない国が、国際の平和及び安全の維持に必要な限り、これらの原則に従って行動することを確保しなければならない。
この憲章のいかなる規定も、本質上いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限を国際連合に与えるものではなく、また、その事項をこの憲章に基く解決に付託することを加盟国に要求するものでもない。但し、この原則は、第7章に基く強制措置の適用を妨げるものではない。


第2章 加盟国の地位


第3条
国際連合の原加盟国は、サン・フランシスコにおける国際機構に関する連合国会議に参加した国又はさきに1942年1月1日の連合国宣言に署名した国で、この憲章に署名し、且つ、第110条に従ってこれを批准するものをいう。


第4条
国際連合における加盟国の地位は、この憲章に掲げる義務を受託し、且つ、この機構によってこの義務を履行する能力及び意思があると認められる他のすべての平和愛好国に開放されている。
前記の国が国際連合加盟国となることの承認は、安全保障理事会の勧告に基いて、総会の決定によって行われる。


第5条
安全保障理事会の防止行動または強制行動の対象となった国際連合加盟国に対しては、総会が、安全保障理事会の勧告に基づいて、加盟国としての権利及び特権の行使を停止することができる。これらの権利及び特権の行使は、安全保障理事会が回復することができる。


第6条
この憲章に掲げる原則に執拗に違反した国際連合加盟国は、総会が、安全保障理事会の勧告に基いて、この機構から除名することができる。


第3章 機関


第7条
国際連合の主要機関として、総会、安全保障理事会、経済社会理事会、信託統治理事会、国際司法裁判所及び事務局を設ける。
必要と認められる補助機関は、この憲章に従って設けることができる。


第8条
国際連合は、その主要機関及び補助機関に男女がいかなる地位にも平等の条件で参加する資格があることについて、いかなる制限も設けてはならない。


第4章 総会

【構成】


第9条
総会は、すべての国際連合加盟国で構成する。
各加盟国は、総会において5人以下の代表者を有するものとする。


【任務及び権限】


第10条
総会は、この憲章の範囲内にある問題若しくは事項又はこの憲章に規定する機関の権限及び任務に関する問題若しくは事項を討議し、並びに、第12条に規定する場合を除く外、このような問題又は事項について国際連合加盟国若しくは安全保障理事会又はこの両者に対して勧告をすることができる。


第11条
総会は、国際の平和及び安全の維持についての協力に関する一般原則を、軍備縮小及び軍備規制を律する原則も含めて、審議し、並びにこのような原則について加盟国若しくは安全保障理事会又はこの両者に対して勧告をすることができる。
総会は、国際連合加盟国若しくは安全保障理事会によって、又は第35条2に従い国際連合加盟国でない国によって総会に付託される国際の平和及び安全の維持に関するいかなる問題も討議し、並びに、第12条に規定する場合を除く外、このような問題について、1若しくは2以上の関係国又は安全保障理事会あるいはこの両者に対して勧告をすることができる。このような問題で行動を必要とするものは、討議の前または後に、総会によって安全保障理事会に付託されなければならない。
総会は、国際の平和及び安全を危くする虞のある事態について、安全保障理事会の注意を促すことができる。
本条に掲げる総会の権限は、第10条の一般的範囲を制限するものではない。


第12条
安全保障理事会がこの憲章によって与えられた任務をいずれかの紛争または事態について遂行している間は、総会は、安全保障理事会が要請しない限り、この紛争又は事態について、いかなる勧告もしてはならない。
事務総長は、国際の平和及び安全の維持に関する事項で安全保障理事会が取り扱っているものを、その同意を得て、会期ごとに総会に対して通告しなければならない。事務総長は、安全保障理事会がその事項を取り扱うことをやめた場合にも、直ちに、総会又は、総会が開会中でないときは、国際連合加盟国に対して同様に通告しなければならない。


第13条
総会は、次の目的のために研究を発議し、及び勧告をする。
政治的分野において国際協力を促進すること並びに国際法の斬新的発達及び法典化を奨励すること。
経済的、社会的、文化的、教育的及び保健的分野において国際協力を促進すること並びに人種、性、言語又は宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を実現するように援助すること。
前記の1bに掲げる事項に関する総会の他の責任、任務及び権限は、第9章及び第10章に掲げる。


第14条
第12条の規定を留保して、総会は、起因にかかわりなく、一般的福祉または諸国間の友好関係を害する虞があると認めるいかなる事態についても、これを平和的に調整するための措置を勧告することができる。この事態には、国際連合の目的及び原則を定めるこの憲章の規定の違反から生ずる事態が含まれる。


第15条
総会は、安全保障理事会から年次報告及び特別報告を受け、これを審議する。この報告は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を維持するために決定し、又はとった措置の説明を含まなければならない。
総会は、国際連合の他の機関から報告を受け、これを審議する。


第16条
総会は、第12章及び第13章に基いて与えられる国際信託統治制度に関する任務を遂行する。この任務には、戦略地区として指定されない地区に関する信託統治協定の承認が含まれる。


第17条
総会は、この機構の予算を審議し、且つ、承認する。
この機構の経費は、総会によって割り当てられるところに従って、加盟国が負担する。
総会は、第57条に掲げる専門機関との財政上及び予算上の取極を審議し、且つ、承認し、並びに、当該専門機関に勧告をする目的で、この専門機関の行政的予算を検査する。


【表決】


第18条
総会の各構成国は、1個の投票権を有する。
重要問題に関する総会の決定は、出席し且つ投票する構成国の3分の2の多数によって行われる。重要問題には、国際の平和及び安全の維持に関する勧告、安全保障理事会の非常任理事国の選挙、経済社会理事会の理事国の選挙、第86条1cによる信託統治理事会の理事国の選挙、新加盟国の国際連合への加盟の承認、加盟国としての権利及び特権の停止、加盟国の除名、信託統治制度の運用に関する問題並びに予算問題が含まれる。
その他の問題に関する決定は、3分の2の多数によって決定されるべき問題の新たな部類の決定を含めて、出席し且つ投票する構成国の過半数によって行われる。


第19条
この機構に対する分担金の支払が延滞している国際連合加盟国は、その延滞金の額がその時までの満2年間にその国から支払われるべきであった分担金の額に等しいか又はこれをこえるときは、総会で投票権を有しない。但し、総会は、支払いの不履行がこのような加盟国にとってやむを得ない事情によると認めるときは、その加盟国に投票を許すことができる。


【手続】


第20条
総会は、年次通常会期として、また、必要がある場合に特別会期として会合する。特別会期は、安全保障理事会の要請又は国際連合加盟国の過半数の要請があったとき、事務総長が招集する。


第21条
総会は、その手続規則を採択する。総会は、その議長を会期ごとに選挙する。


第22条
総会は、その任務の遂行に必要と認める補助機関を設けることができる。


第5章 安全保障理事会

【構成】


第23条
安全保障理事会は、15の国際連合加盟国で構成する。中華民国、フランス、ソヴィエト社会主義共和国連邦、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメリカ合衆国は、安全保障理事会の常任理事国となる。総会は、第一に国際の平和及び安全の維持とこの機構のその他の目的とに対する国際連合加盟国の貢献に、更に衡平な地理的分配に特に妥当な考慮を払って、安全保障理事会の非常任理事国となる他の10の国際連合加盟国を選挙する。
安全保障理事会の非常任理事国は、2年の任期で選挙される。安全保障理事会の理事国の定数が11から15に増加された後の第1回の非常任理事国の選挙では、追加の4理事国のうち2理事国は、1年の任期で選ばれる。退任理事国は、引き続いて再選される資格はない。
安全保障理事会の各理事国は、1人の代表を有する。


【任務及び権限】


第24条
国際連合の迅速且つ有効な行動を確保するために、国際連合加盟国は、国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任を安全保障理事会に負わせるものとし、且つ、安全保障理事会がこの責任に基く義務を果すに当って加盟国に代って行動することに同意する。
前記の義務を果すに当たっては、安全保障理事会は、国際連合の目的及び原則に従って行動しなければならない。この義務を果たすために安全保障理事会に与えられる特定の権限は、第6章、第7章、第8章及び第12章で定める。
安全保障理事会は、年次報告を、また、必要があるときは特別報告を総会に審議のため提出しなければならない。


第25条
国際連合加盟国は、安全保障理事会の決定をこの憲章に従って受諾し且つ履行することに同意する。


第26条
世界の人的及び経済的資源を軍備のために転用することを最も少くして国際の平和及び安全の確立及び維持を促進する目的で、安全保障理事会は、軍備規制の方式を確立するため国際連合加盟国に提出される計画を、第47条に掲げる軍事参謀委員会の援助を得て、作成する責任を負う。


【表決】


第27条
安全保障理事会の各理事国は、1個の投票権を有する。
手続事項に関する安全保障理事会の決定は、9理事国の賛成投票によって行われる。
その他のすべての事項に関する安全保障理事会の決定は、常任理事国の同意投票を含む9理事国の賛成投票によって行われる。但し、第6章及び第52条3に基く決定については、紛争当事国は、投票を棄権しなければならない。


【手続】


第28条
安全保障理事会は、継続して任務を行うことができるように組織する。このために、安全保障理事会の各理事国は、この機構の所在地に常に代表者をおかなければならない。
安全保障理事会は、定期会議を開く。この会議においては、各理事国は、希望すれば、閣員または特に指名する他の代表者によって代表されることができる。
安全保障理事会は、その事業を最も容易にすると認めるこの機構の所在地以外の場所で、会議を開くことができる。


第29条
安全保障理事会は、その任務の遂行に必要と認める補助機関を設けることができる。


第30条
安全保障理事会は、議長を選定する方法を含むその手続規則を採択する。


第31条
安全保障理事会の理事国でない国際連合加盟国は、安全保障理事会に付託された問題について、理事会がこの加盟国の利害に特に影響があると認めるときはいつでも、この問題の討議に投票権なしで参加することができる。


第32条
安全保障理事会の理事国でない国際連合加盟国又は国際連合加盟国でない国は、安全保障理事会の審議中の紛争の当事者であるときは、この紛争に関する討議に投票権なしで参加するように勧誘されなければならない。安全保障理事会は、国際連合加盟国でない国の参加のために公正と認める条件を定める。


第6章 紛争の平和的解決


第33条
いかなる紛争でも継続が国際の平和及び安全の維持を危うくする虞のあるものについては、その当事者は、まず第一に、交渉、審査、仲介、調停、仲裁裁判、司法的解決、地域的機関又は地域的取極の利用その他当事者が選ぶ平和的手段による解決を求めなければならない。
安全保障理事会は、必要と認めるときは、当事者に対して、その紛争を前記の手段によって解決するように要請する。


第34条
安全保障理事会は、いかなる紛争についても、国際的摩擦に導き又は紛争を発生させる虞のあるいかなる事態についても、その紛争または事態の継続が国際の平和及び安全の維持を危うくする虞があるかどうかを決定するために調査することができる。


第35条
国際連合加盟国は、いかなる紛争についても、第34条に掲げる性質のいかなる事態についても、安全保障理事会又は総会の注意を促すことができる。
国際連合加盟国でない国は、自国が当事者であるいかなる紛争についても、この憲章に定める平和的解決の義務をこの紛争についてあらかじめ受諾すれば、安全保障理事会又は総会の注意を促すことができる。
本条に基いて注意を促された事項に関する総会の手続は、第11条及び第12条の規定に従うものとする。


第36条
安全保障理事会は、第33条に掲げる性質の紛争又は同様の性質の事態のいかなる段階においても、適当な調整の手続又は方法を勧告することができる。
安全保障理事会は、当事者が既に採用した紛争解決の手続を考慮に入れなければならない。
本条に基いて勧告をするに当っては、安全保障理事会は、法律的紛争が国際司法裁判所規程の規定に従い当事者によって原則として同裁判所に付託されなければならないことも考慮に入れなければならない。


第37条
第33条に掲げる性質の紛争の当事者は、同条に示す手段によってこの紛争を解決することができなかったときは、これを安全保障理事会に付託しなければならない。
安全保障理事会は、紛争の継続が国際の平和及び安全の維持を危うくする虞が実際にあると認めるときは、第36条に基く行動をとるか、適当と認める解決条件を勧告するかのいずれかを決定しなければならない。


第38条
第33条から第37条までの規定にかかわらず、安全保障理事会は、いかなる紛争についても、すべての紛争当事者が要請すれば、その平和的解決のためにこの当事者に対して勧告をすることができる。


第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動


第39条
安全保障理事会は、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、並びに、国際の平和及び安全を維持し又は回復するために、勧告をし、又は第41条及び第42条に従っていかなる措置をとるかを決定する。


第40条
事態の悪化を防ぐため、第39条の規定により勧告をし、又は措置を決定する前に、安全保障理事会は、必要又は望ましいと認める暫定措置に従うように関係当事者に要請することができる。この暫定措置は、関係当事者の権利、請求権又は地位を害するものではない。安全保障理事会は、関係当時者がこの暫定措置に従わなかったときは、そのことに妥当な考慮を払わなければならない。


第41条
安全保障理事会は、その決定を実施するために、兵力の使用を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができ、且つ、この措置を適用するように国際連合加盟国に要請することができる。この措置は、経済関係及び鉄道、航海、航空、郵便、電信、無線通信その他の運輸通信の手段の全部又は一部の中断並びに外交関係の断絶を含むことができる。


第42条
安全保障理事会は、第41条に定める措置では不充分であろうと認め、又は不充分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍または陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。


第43条
国際の平和及び安全の維持に貢献するため、すべての国際連合加盟国は、安全保障理事会の要請に基き且つ1又は2以上の特別協定に従って、国際の平和及び安全の維持に必要な兵力、援助及び便益を安全保障理事会に利用させることを約束する。この便益には、通過の権利が含まれる。
前記の協定は、兵力の数及び種類、その出動準備程度及び一般的配置並びに提供されるべき便益及び援助の性質を規定する。
前記の協定は、安全保障理事会の発議によって、なるべくすみやかに交渉する。この協定は、安全保障理事会と加盟国との間又は安全保障理事会と加盟国群との間に締結され、且つ、署名国によって各自の憲法上の手続に従って批准されなければならない。


第44条
安全保障理事会は、兵力を用いることに決定したときは、理事会に代表されていない加盟国に対して第43条に基いて負った義務の履行として兵力を提供するように要請する前に、その加盟国が希望すれば、その加盟国の兵力中の割当部隊の使用に関する安全保障理事会の決定に参加するようにその加盟国を勧誘しなければならない。


第45条
国際連合が緊急の軍事措置をとることができるようにするために、加盟国は、合同の国際的強制行動のため国内空軍割当部隊を直ちに利用に供することができるように保持しなければならない。これらの割当部隊の数量及び出動準備程度並びにその合同行動の計画は、第43条に掲げる1又は2以上の特別協定の定める範囲内で、軍事参謀委員会の援助を得て安全保障理事会が決定する。


第46条
兵力使用の計画は、軍事参謀委員会の援助を得て安全保障理事会が作成する。


第47条
国際の平和及び安全の維持のための安全保障理事会の軍事的要求、理事会の自由に任された兵力の使用及び指揮、軍備規制並びに可能な軍備縮小に関するすべての問題について理事会に助言及び援助を与えるために、軍事参謀委員会を設ける。
軍事参謀委員会は、安全保障理事会の常任理事国の参謀総長又はその代表者で構成する。この委員会に常任委員として代表されていない国際連合加盟国は、委員会の責任の有効な遂行のため委員会の事業へのその国の参加が必要であるときは、委員会によってこれと提携するように勧誘されなければならない。
軍事参謀委員会は、安全保障理事会の下で、理事会の自由に任された兵力の戦略的指導について責任を負う。この兵力の指揮に関する問題は、後に解決する。
軍事参謀委員会は、安全保障理事会の許可を得て、且つ、適当な地域的機関と協議した後に、地域的小委員会を設けることができる。


第48条
国際の平和及び安全の維持のための安全保障理事会の決定を履行するのに必要な行動は、安全保障理事会が定めるところに従って国際連合加盟国の全部または一部によってとられる。
前記の決定は、国際連合加盟国によって直接に、また、国際連合加盟国が参加している適当な国際機関におけるこの加盟国の行動によって履行される。


第49条
国際連合加盟国は、安全保障理事会が決定した措置を履行するに当って、共同して相互援助を与えなければならない。


第50条
安全保障理事会がある国に対して防止措置又は強制措置をとったときは、他の国でこの措置の履行から生ずる特別の経済問題に自国が当面したと認めるものは、国際連合加盟国であるかどうかを問わず、この問題の解決について安全保障理事会と協議する権利を有する。


第51条
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持または回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。


第8章 地域的取極


第52条
この憲章のいかなる規定も、国際の平和及び安全の維持に関する事項で地域的行動に適当なものを処理するための地域的取極又は地域的機関が存在することを妨げるものではない。但し、この取極又は機関及びその行動が国際連合の目的及び原則と一致することを条件とする。
前記の取極を締結し、又は前記の機関を組織する国際連合加盟国は、地方的紛争を安全保障理事会に付託する前に、この地域的取極または地域的機関によってこの紛争を平和的に解決するようにあらゆる努力をしなければならない。
安全保障理事会は、関係国の発意に基くものであるか安全保障理事会からの付託によるものであるかを問わず、前記の地域的取極又は地域的機関による地方的紛争の平和的解決の発達を奨励しなければならない。
本条は、第34条及び第35条の適用をなんら害するものではない。


第53条
安全保障理事会は、その権威の下における強制行動のために、適当な場合には、前記の地域的取極または地域的機関を利用する。但し、いかなる強制行動も、安全保障理事会の許可がなければ、地域的取極に基いて又は地域的機関によってとられてはならない。もっとも、本条2に定める敵国のいずれかに対する措置で、第107条に従って規定されるもの又はこの敵国における侵略政策の再現に備える地域的取極において規定されるものは、関係政府の要請に基いてこの機構がこの敵国による新たな侵略を防止する責任を負うときまで例外とする。
本条1で用いる敵国という語は、第二次世界戦争中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される。


第54条
安全保障理事会は、国際の平和及び安全の維持のために地域的取極に基いて又は地域的機関によって開始され又は企図されている活動について、常に充分に通報されていなければならない。


第9章 経済的及び社会的国際協力


第55条
人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の平和的且つ友好的関係に必要な安定及び福祉の条件を創造するために、国際連合は、次のことを促進しなければならない。
一層高い生活水準、完全雇用並びに経済的及び社会的の進歩及び発展の条件
経済的、社会的及び保健的国際問題と関係国際問題の解決並びに文化的及び教育的国際協力
人種、性、言語または宗教による差別のないすべての者のための人権及び基本的自由の普遍的な尊重及び遵守


第56条
すべての加盟国は、第55条に掲げる目的を達成するために、この機構と協力して、共同及び個別の行動をとることを誓約する。


第57条
政府間の協定によって設けられる各種の専門機関で、経済的、社会的、文化的、教育的及び保健的分野並びに関係分野においてその基本的文書で定めるところにより広い国際的責任を有するものは、第63条の規定に従って国際連合と連携関係をもたされなければならない。
こうして国際連合と連携関係をもたされる前記の機関は、以下専門機関という。


第58条
この機構は、専門機関の政策及び活動を調整するために勧告をする。


第59条
この機構は、適当な場合には、第55条に掲げる目的の達成に必要な新たな専門機関を設けるために関係国間の交渉を発議する。


第60条
この章に掲げるこの機構の任務を果たす責任は、総会及び、総会の権威の下に、経済社会理事会に課せられる。理事会は、このために第10章に掲げる権限を有する。


第10章 経済社会理事会

【構成】


第61条
経済社会理事会は、総会によって選挙される54の国際連合加盟国で構成する。
3の規定を留保して、経済社会理事会の18理事国は、3年の任期で毎年選挙される。退任理事国は、引き続いて再選される資格がある。
経済社会理事会の理事国の定数が27から54に増加された後の第1回の選挙では、その年の終わりに任期が終了する9理事国に代って選挙される理事国に加えて、更に27理事国が選挙される。このようにして選挙された追加の27理事国のうち9理事国の任期は1年の終りに、他の9理事国の任期は2年の終りに、総会の定めるところに従って終了する。
経済社会理事会の各理事国は、1人の代表者を有する。


第62条
経済社会理事会は、経済的、社会的、文化的、教育的及び保健的国際事項並びに関係国際事項に関する研究及び報告を行い、または発議し、並びにこれらの事項に関して総会、国際連合加盟国及び関係専門機関に勧告をすることができる。
理事会は、すべての者のための人権及び基本的自由の尊重及び遵守を助長するために、勧告をすることができる。
理事会は、その権限に属する事項について、総会に提出するための条約案を作成することができる。
理事会は、国際連合の定める規則に従って、その権限に属する事項について国際会議を招集することができる。


第63条
経済社会理事会は、第57条に掲げる機関のいずれとの間にも、その機関が国際連合と連携関係をもたされるについての条件を定める協定を締結することができる。この協定は、総会の承認を受けなければならない。
理事会は、専門機関との協議及び専門機関に対する勧告並びに総会及び国際連合加盟国に対する勧告によって、専門機関の活動を調整することができる。


第64条
経済社会理事会は、専門機関から定期報告を受けるために、適当な措置をとることができる。理事会は、理事会の勧告と理事会の権限に属する事項に関する総会の勧告とを実施するためにとれた措置について報告を受けるため、国際連合加盟国及び専門機関と取極を行うことができる。
理事会は、前記の報告に関するその意見を総会に通報することができる。


第65条
経済社会理事会は、安全保障理事会に情報を提供することができる。経済社会理事会は、また、安全保障理事会の要請があったときは、これを援助しなければならない。


第66条
経済社会理事会は、総会の勧告の履行に関して、自己の権限に属する任務を遂行しなければならない。
理事会は、国際連合加盟国の要請があったとき、又は専門機関の要請があったときは、総会の承認を得て役務を提供することができる。
理事会は、この憲章の他の箇所に定められ、または総会によって自己に与えられるその他の任務を遂行しなければならない。


【表決】


第67条
経済社会理事会の各理事国は、1個の投票権を有する。
経済社会理事会の決定は、出席し且つ投票する理事国の過半数によって行われる。


【手続】


第68条
経済社会理事会は、経済的及び社会的分野における委員会、人権の伸張に関する委員会並びに自己の任務の遂行に必要なその他の委員会を設ける。


第69条
経済社会理事会は、いずれの国際連合加盟国に対しても、その加盟国に特に関係のある事項についての審議に投票権なしで参加するように勧誘しなければならない。


第70条
経済社会理事会は、専門機関の代表者が理事会の審議及び理事会の設ける委員会の審議に投票権なしで参加するための取極並びに理事会の代表者が専門機関の審議に参加するための取極を行うことができる。


第71条
経済社会理事会は、その権限内にある事項に関係のある民間団体と協議するために、適当な取極を行うことができる。この取極は、国際団体との間に、また、適当な場合には、関係のある国際連合加盟国と協議した後に国内団体との間に行うことができる。


第72条
経済社会理事会は、議長を選定する方法を含むその手続規則を採択する。
経済社会理事会は、その規則に従って必要があるときに会合する。この規則は、理事国の過半数の要請による会議招集の規定を含まなければならない。


第11章 非自治地域に関する宣言


第73条
人民がまだ完全に自治を行うに至っていない地域の施政を行う責任を有し、又は引き受ける国際連合加盟国は、この地域の住民の利益が至上のものであるという原則を承認し、且つ、この地域の住民の福祉をこの憲章の確立する国際の平和及び安全の制度内で最高度まで増進する義務並びにそのために次のことを行う義務を神聖な信託として受託する。
関係人民の文化を充分に尊重して、この人民の政治的、経済的、社会的及び教育的進歩、公正な待遇並びに虐待からの保護を確保すること。
各地域及びその人民の特殊事情並びに人民の進歩の異なる段階に応じて、自治を発達させ、人民の政治的願望に妥当な考慮を払い、且つ、人民の自由な政治制度の斬新的発達について人民を援助すること。
国際の平和及び安全を増進すること。
本条に掲げる社会的、経済的及び科学的目的を実際に達成するために、建設的な発展措置を促進し、研究を奨励し、且つ、相互に及び適当な場合には専門国際団体と協力すること。
第12章及び第13章の適用を受ける地域を除く外、前記の加盟国がそれぞれ責任を負う地域における経済的、社会的及び教育的状態に関する専門的性質の統計その他の資料を、安全保障及び憲法上の考慮から必要な制限に従うことを条件として、情報用として事務総長に定期的に送付すること。


第74条
国際連合加盟国は、また、本章の適用を受ける地域に関するその政策を、その本土に関する政策と同様に、世界の他の地域の利益及び福祉に妥当な考慮を払った上で、社会的、経済的及び商業的事項に関して善隣主義の一般原則に基かせなければならないことに同意する。


第12章 国際信託統治制度


第75条
国際連合は、その権威の下に、国際信託統治制度を設ける。この制度は、今後の個々の協定によってこの制度の下におかれる地域の施政及び監督を目的とする。この地域は、以下信託統治地域という。


第76条
信託統治制度の基本目的は、この憲章の第1条に掲げる国際連合の目的に従って、次のとおりとする。
国際の平和及び安全を増進すること。
信託統治地域の住民の政治的、経済的、社会的及び教育的進歩を促進すること。各地域及びその人民の特殊事情並びに関係人民が自由に表明する願望に適合するように、且つ、各信託統治協定の条項が規定するところに従って、自治または独立に向っての住民の漸進的発達を促進すること。
人種、性、言語または宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように奨励し、且つ、世界の人民の相互依存の認識を助長すること。
前記の目的の達成を妨げることなく、且つ、第80条の規定を留保して、すべての国際連合加盟国及びその国民のために社会的、経済的及び商業的事項について平等の待遇を確保し、また、その国民のために司法上で平等の待遇を確保すること。


第77条
信託統治制度は、次の種類の地域で信託統治協定によってこの制度の下におかれるものに適用する。
現に委任統治の下にある地域
第二次世界大戦の結果として敵国から分離される地域
施政について責任を負う国によって自発的にこの制度の下におかれる地域
前記の種類のうちのいずれの地域がいかなる条件で信託統治制度の下におかれるかについては、今後の協定で定める。


第78条
国際連合加盟国の間の関係は、主権平等の原則の尊重を基礎とするから、信託統治制度は、加盟国となった地域には適用しない。


第79条
信託統治制度の下におかれる各地域に関する信託統治の条項は、いかなる変更又は改正も含めて、直接関係国によって協定され、且つ、第83条及び第 85条に規定するところに従って承認されなければならない。この直接関係国は、国際連合加盟国の委任統治の下にある地域の場合には、受任国を含む。


第80条
第77条、第79条及び第81条に基いて締結され、各地域を信託統治制度の下におく個個の信託統治協定において協定されるところを除き、また、このような協定が締結される時まで、本章の規定は、いずれの国又はいずれの人民のいかなる権利をも、また、国際連合加盟国がそれぞれ当事国となっている現存の国際文書の条項をも、直接又は間接にどのようにも変更するものと解釈してはならない。
本条1は、第77条に規定するところに従って委任統治地域及びその他の地域を信託統治制度の下におくための協定の交渉及び締結の遅滞又は延期に対して、根拠を与えるものと解釈してはならない。


第81条
信託統治協定は、各場合において、信託統治地域の施政を行うについての条件を含み、且つ、信託統治地域の施政を行う当局を指定しなければならない。この当局は、以下施政権者といい、1若しくは2以上の国またはこの機構自身であることができる。


第82条
いかなる信託統治協定においても、その協定が適用される信託統治地域の一部又は全部を含む1又は2以上の戦略地区を指定することができる。但し、第43条に基いて締結される特別協定を害してはならない。


第83条
戦略地区に関する国際連合のすべての任務は、信託統治協定の条項及びその変更又は改正の承認を含めて、安全保障理事会が行う。
第76条に掲げる基本目的は、各戦略地区の人民に適用する。
安全保障理事会は、国際連合の信託統治制度に基く任務で戦略地区の政治的、経済的、社会的及び教育的事項に関するものを遂行するために、信託統治理事会の援助を利用する。但し、信託統治協定の規定には従うものとし、また、安全保障の考慮が妨げられてはならない。


第84条
信託統治地域が国際の平和及び安全の維持についてその役割を果すようにすることは、施政権者の義務である。このため、施政権者は、この点に関して安全保障理事会に対して負う義務を履行するに当って、また、地方的防衛並びに信託統治地域における法律及び秩序の維持のために、信託統治地域の義勇軍、便益及び援助を利用することができる。


第85条
戦略地区として指定されないすべての地区に関する信託統治協定についての国際連合の任務は、この協定の条項及びその変更又は改正の承認を含めて、総会が行う。
総会の権威の下に行動する信託統治理事会は、前記の任務の遂行について総会を援助する。


第13章 信託統治理事会


第86条
信託統治理事会は、次の国際連合加盟国で構成する。
信託統治地域の施政を行う加盟国。
第23条に名を掲げる加盟国で信託統治地域の施政を行っていないもの。
総会によって3年の任期で選挙されるその他の加盟国。その数は、信託統治理事会の理事国の総数を、信託統治地域の施政を行う国際連合加盟国とこれを行っていないものとの間に均分するのに必要な数とする。
信託統治理事会の各理事国は、理事会で自国を代表する特別の資格を有する者1人を指名しなければならない。


【任務及び権限】


第87条
総会及び、その権威の下に、信託統治理事会は、その任務の遂行に当って次のことを行うことができる。
施政権者の提出する報告を審議すること。
請願を受理し、且つ、施政権者と協議してこれを審査すること。
施政権者と協定する時期に、それぞれの信託統治地域の定期視察を行わせること。
信託統治協定の条項に従って、前記の行動その他の行動をとること。


第88条
信託統治理事会は、各信託統治地域の住民の政治的、経済的、社会的及び教育的進歩に関する質問書を作成しなければならない。また、総会の権限内にある各信託統治地域の施政権者は、この質問書に基いて、総会に年次報告を提出しなければならない。


【表決】


第89条
信託統治理事会の各理事国は、1個の投票権を有する。
信託統治理事会の決定は、出席し且つ投票する理事国の過半数によって行われる。


【手続】


第90条
信託統治理事会は、議長を選定する方法を含むその手続規則を採択する。
信託統治理事会は、その規則に従って必要があるときに会合する。この規則は、理事国の過半数の要請による会議招集の規定を含まなければならない。


第91条
信託統治理事会は、適当な場合には、経済社会理事会及び専門機関がそれぞれ関係している事項について、両者の援助を利用する。


第14章 国際司法裁判所


第92条
国際司法裁判所は、国際連合の主要な司法機関である。この裁判所は、付属の規程に従って任務を行う。この規定は、常設国際司法裁判所規程を基礎とし、且つ、この憲章と不可分の一体をなす。


第93条
すべての国際連合加盟国は、当然に、国際司法裁判所規程の当事国となる。
国際連合加盟国でない国は、安全保障理事会の勧告に基いて総会が各場合に決定する条件で国際司法裁判所規程の当事国となることができる。


第94条
各国際連合加盟国は、自国が当事者であるいかなる事件においても、国際司法裁判所の裁判に従うことを約束する。
事件の一方の当事者が裁判所の与える判決に基いて自国が負う義務を履行しないときは、他方の当事者は、安全保障理事会に訴えることができる。理事会は、必要と認めるときは、判決を執行するために勧告をし、又はとるべき措置を決定することができる。


第95条
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国が相互間の紛争の解決を既に存在し又は将来締結する協定によって他の裁判所に付託することを妨げるものではない。


第96条
総会又は安全保障理事会は、いかなる法律問題についても勧告的意見を与えるように国際司法裁判所に要請することができる。
国際連合のその他の機関及び専門機関でいずれかの時に総会の許可を得るものは、また、その活動の範囲内において生ずる法律問題について裁判所の勧告的意見を要請することができる。


第15章 事務局


第97条
事務局は、1人の事務総長及びこの機構が必要とする職員からなる。事務総長は、安全保障理事会の勧告に基いて総会が任命する。事務総長は、この機構の行政職員の長である。


第98条
事務総長は、総会、安全保障理事会、経済社会理事会及び信託統治理事会のすべての会議において事務総長の資格で行動し、且つ、これらの機関から委託される他の任務を遂行する。事務総長は、この機構の事業について総会に年次報告を行う。


第99条
事務総長は、国際の平和及び安全の維持を脅威すると認める事項について、安全保障理事会の注意を促すことができる。


第100条
事務総長及び職員は、その任務の遂行に当って、いかなる政府からも又はこの機構外のいかなる他の当局からも指示を求め、又は受けてはならない。事務総長及び職員は、この機構に対してのみ責任を負う国際的職員としての地位を損ずる虞のあるいかなる行動も慎まなければならない。
各国際連合加盟国は、事務総長及び職員の責任のもっぱら国際的な性質を尊重すること並びにこれらの者が責任を果すに当ってこれらの者を左右しようとしないことを約束する。


第101条
職員は、総会が設ける規則に従って事務総長が任命する。
経済社会理事会、信託統治理事会及び、必要に応じて、国際連合のその他の機関に、適当な職員を常任として配属する。この職員は、事務局の一部をなす。
職員の雇用及び勤務条件の決定に当って最も考慮すべきことは、最高水準の能率、能力及び誠実を確保しなければならないことである。職員をなるべく広い地理的基礎に基いて採用することの重要性については、妥当な考慮を払わなければならない。


第16章 雑則


第102条
この憲章が効力を生じた後に国際連合加盟国が締結するすべての条約及びすべての国際協定は、なるべくすみやかに事務局に登録され、且つ、事務局によって公表されなければならない。
前記の条約または国際協定で本条1の規定に従って登録されていないものの当事国は、国際連合のいかなる機関に対しても当該条約または協定を援用することができない。


第103条
国際連合加盟国のこの憲章に基く義務と他のいずれかの国際協定に基く義務とが抵触するときはこの憲章に基く義務が優先する。


第104条
この機構は、その任務の遂行及びその目的の達成のために必要な法律上の能力を各加盟国の領域において亨有する。


第105条
この機構は、その目的の達成に必要な特権及び免除を各加盟国の領域において亨有する。
これと同様に、国際連合加盟国の代表者及びこの機構の職員は、この機構に関連する自己の任務を独立に遂行するために必要な特権及び免除を亨有する。
総会は、本条1及び2の適用に関する細目を決定するために勧告をし、又はそのために国際連合加盟国に条約を提案することができる。


第17章 安全保障の過渡的規定


第106条
第43条に掲げる特別協定でそれによって安全保障理事会が第42条に基く責任の遂行を開始することができると認めるものが効力を生ずるまでの間、 1943年10月30日にモスコーで署名された4国宣言の当事国及びフランスは、この宣言の第5項の規定に従って、国際の平和及び安全の維持のために必要な共同行動をこの機構に代ってとるために相互に及び必要に応じて他の国際連合加盟国と協議しなければならない。


第107条
この憲章のいかなる規定も、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない。


第18章 改正


第108条
この憲章の改正は、総会の構成国の3分の2の多数で採択され、且つ、安全保障理事会のすべての常任理事国を含む国際連合加盟国の3分の2によって各自の憲法上の手続に従って批准された時に、すべての国際連合加盟国に対して効力を生ずる。


第109条
この憲章を再審議するための国際連合加盟国の全体会議は、総会の構成国の3分の2の多数及び安全保障理事会の9理事会の投票によって決定される日及び場所で開催することができる。各国際連合加盟国は、この会議において1個の投票権を有する。
全体会議の3分の2の多数によって勧告されるこの憲章の変更は、安全保障理事会のすべての常任理事国を含む国際連合加盟国の3分の2によって各自の憲法上の手続に従って批准された時に効力を生ずる。
この憲章の効力発生後の総会の第10回年次会期までに全体会議が開催されなかった場合には、これを招集する提案を総会の第10回年次会期の議事日程に加えなければならず、全体会議は、総会の構成国の過半数及び安全保障理事国の7理事国の投票によって決定されたときに開催しなければならない。


第19章 批准及び署名


第110条
この憲章は、署名国によって各自の憲法上の手続に従って批准されなければならない。
批准書は、アメリカ合衆国政府に寄託される。同政府は、すべての署名国及び、この機構の事務総長が任命された場合には、事務総長に対して各寄託を通告する。
この憲章は、中華民国、フランス、ソヴィエト社会主義共和国連邦、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国、アメリカ合衆国及びその他の署名国の過半数が批准書を寄託した時に効力を生ずる。批准書寄託調書は、その時にアメリカ合衆国政府が作成し、その謄本をすべての署名国に送付する。
この憲章の署名国で憲章が効力を生じた後に批准するものは、各自の批准書の寄託の日に国際連合の原加盟国となる。


第111条
この憲章は、中国語、フランス語、ロシア語、英語及びスペイン語の本文をひとしく正文とし、アメリカ合衆国政府の記録に寄託しておく。この憲章の認証謄本は、同政府が他の署名国の政府に送付する。

以上の証拠として、連合国政府の代表者は、この憲章に署名した。

1945年6月26日にサン・フランシスコ市で作成した。







人間ナメんなよ!


でわっ!