2010年6月9日水曜日

自殺と神の存在のハナシ 2

 前回の「自殺と神の存在のハナシ」で、DNAを受け継ぐことの大変さについてワタシなりに考えたワケですが、より強いDNAを受け継ぐことが神の意思だとしたら病気・事故などで不本意ながらDNAを次の世代に残せない人はどうなってしまうの?存在意義がないの?と云う点が片手落ちだったので、今回その点について補足したいと思います。

 で、以前・・・「人間性のハナシ」で述べた「理性」、「本能」、「情」の人間性の3要素(自論)ですが、DNAの中にはこれらの情報が織り込まれているワケです。前回の
「自殺と神の存在のハナシ」では、そのうちの「本能」の部分を取り上げた形になるのですが、今回は「情」と云う要素を取り上げようかと。

 まず、「親子の性格は似る」という、ごくありふれた事実から察しても、「情」と云うものが情報としてDNAに織り込まれるのはご理解していただけるかと?どういうことか簡単に説明いたしますと、感情も究極的には「脳神経の活動」だからです。

 つまり、「新しい感情が芽生える」ということは、「新しい脳神経組織が生まれる」のに等しく、そういった「肉体の情報」はDNAに記録されます。ま、ワタシは遺伝子学者でも脳生理学者ではないので自分の知り得る事しか言えませんが、ワタシが理解するに「進化とはDNAの変化」で、DNAの変化とは「環境への適合」ではないかと。従ってDNAは常に変化の過程にある。と。

 ハナシが逸れましたが、「情」もまた物理現象としてDNAに記録されるのであれば、他人に対して寛容である人、他人を思いやる人、というのもDNAの産物です。

 さて、ここまでの前フリで見えてきたかと思いますが、病人とか障害者のひとたちに存在意義が、生まれてきた意味があるのか?と問われた時、ワタシは・・・「間違いなくある。」・・・と。

 DNAにはありとあらゆる情報が「変換されて」記録されまれます。病人を思いやる気持ち。身体障害者を思いやる気持ち。それらは「情」の情報としてDNAにインプットされます。従って世代を経れば、「弱者を守る種」が誕生することでしょう。このことは社会を単位として生活する人間にとっては有利に働くハズです。なぜなら人間一人一人はとても弱い存在だから、個人の力には限界が有るからです。

 人間は社会と云う単位を大きくすることで、個人の弱さを補ってきました。そしてワタシは、その社会を繋ぎとめているのは「情」だと言っても過言ではないように思うのです。もちろん金銭的な理由もあるのでしょうが、それだけでは社会がギスギスしてしまいます。いまの日本のように・・・。

 贅沢はひとまず置いといて、住みよい社会とは?暮らしやすい社会とは?とワタシなりに考えるに、それは「情」の豊かな社会ではなかろうか?と。であれば、その「情」という情報をDNAの中に付加してくれる病人、障害者の人たちは、人間と云う種にとって「有益な存在」と言えるのではないか?と。

 あくまでも勝手な自論なので、現在苦しんでいる方々は、「別に人類に貢献しなくてもいいから自由に外を歩きたい、自力で生活全般をこなしたい」と思われるのも尤もです。ワタシ自身も過去、病院にて闘病の経験が有るのでそのお気持ちはよく分かります。自分の思い通りにならない体にもどかしく、家族に当り散らした事もあります。

 それでもなお、生は続くのです。拷問のような日々は続くのです。やがて・・・家族に当り散らす事さえ無意味であることを悟り、倦み疲れます。その時に、自分の生をどう再構築するか?

 生きているという事は「情報の交換」を行うという事です。良い情報、悪い情報、ありとあらゆる情報の交換を繰り返すという事です。情報を受け取り、そして与える。この繰り返しです。そしてその繰り返しがDNAの辿った道なのだと、ワタシは思うワケです。

 病気などで社会から隔絶された環境にあったとしても、自分以外の誰かと接触がある限り、情報の交換は成立します。その情報の交換こそが生の意味なのだとワタシは信じるのです。従って病人だろうが、障害者だろうが、「全ての人は大きなDNAの流れの中に一緒に存在している。」というのがワタシの自論です。

 以上。これにて。


<引用>

母ゴリラ、死んだ子供を離さず ドイツ動物園

ベルリン(AP) ドイツ南部ミュンヘンのアルベッテル動物園で、ゴリラの母親が死んだ子供の体を離そうとせず、どこにでも連れて歩いている。
動物園によると、ゴリラでは珍しくない行動だという。

生後3カ月の赤ちゃんゴリラ、クラウディオは今月16日に死亡。死因は分かっていない。母親のガーナ(11歳)は動かないクラウディオを離そうとせずに生活を続けている。















動物園は20日、ガーナの檻(おり)の前に、状況説明を展示し始めた。同時に、職員がそばに立ち、来園者に説明している。

クラウディオはガーナにとって、2頭目の子供だった。2007年に生まれた1頭目の娘は現在、シュツットガルト動物園で飼育されている。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200808210011.html

</引用>


でわっ!