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2013年12月12日木曜日

「ツワネ原則」 第六章、第七章

  
「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則(英語:Global Principles On National Security And The Right To Information)」

通称: ツワネ原則

日本語訳:日本弁護士連合会

※未定訳※一部字句修正等を行う可能性があります。





第6章 :公務関係者による公益的開示

原則 37:不正行為

 公務関係者による情報開示は、次に掲げる分類のいずれかに該当する不正行為を示すとき、当該情報の機密指定のいかんに関わらず、原則38から原則40までに定める条件を満たす場合において、「保護された開示」であるとみなされるべきである。保護された開示は、過去の、現在の及び予見される不正行為に適用される。
(a)刑事犯罪
(b)人権侵害
(c)国際人道法違反
(d)汚職
(e)公衆衛生と公共の安全に対する危険
(f)環境に対する危険
(g)職権濫用
(h)誤審
(i)資源の不適切な管理又は浪費
(j)この分類のいずれかに該当する不正行為の開示に対する報復措置
(k)この分類のいずれかに該当する事項の意図的な隠蔽



原則 38:不正行為を示す情報開示の理由、動機及び証明
(a)は、不正行為を示す情報開示を行う公務関係者を、当該情報が機密又はその他の秘匿情報であるかどうかに関わらず、情報開示の時点で次の条件を満たしている限り、原則41で定める報復措置から保護するべきである。
(i)情報開示を行う者が、その情報が原則37で定める分類のいずれかに該当する不正行為を示すことに資すると信ずる合理的な根拠を有しており、
且つ、
(ii)当該情報の開示が、原則38から原則40までに定める条件を遵守している。
(b)保護された開示の動機は、故意に虚偽の開示が行われたと証明される場合を除き、問われない。
(c)保護された開示を行う者は、補足的証拠の提示を要求されるべきではなく、且つ、情報開示に関する証明責任を課されるべきではない。



原則 39:組織内部において又は監視機関に対して行われる保護された開示の手続き及びその対応

A.組織内部における情報開示

 は、公権力が保護された開示の受理のための内部手続きを確立し、当該情報の受理担当者を指名するよう義務付けるべきである。


B.独立監視機関に対する情報開示
(1)は、保護された開示を受理及び調査する独立の機関を設置又は指定すべきである。この機関は、安全保障部門、及びその内部から開示が行われうる、行政府を含むその他の当局から、組織上及び運営上独立しているべきである。
(2)公務関係者は、最初に組織内部での開示を求められることなく、独立監視機関又は案件の調査権限を有する他の機関に対し、保護された開示を行う権限を付与されるべきである。
(3)は、独立監視機関に対し、関連するすべての情報へのアクセスを保証し、アクセスの確保に必要な調査権限を付与するべきである。この権限には、召喚権限及び宣誓又は確約の下に証言を請求する権限が含まれるべきである。


C.情報開示を受理する内部機関及び独立監視機関の義務

 原則37で定義する保護された開示が組織内部において、又は独立監視機関に対して行われた場合、この開示を受理する機関は、次に掲げる義務を負うべきである。
(1)申し立てのあった不正行為を調査し、法律に定められた期間内に案件を解決することを目指して、速やかに措置を講じる。又は、開示を行った者との協議を経て、調査の権限と適格性を有する機関に案件を付託する。
(2)内密に情報提供を行うことを希望する公務関係者については、その個人が特定されないようにする。匿名通報は、その中身自体を検討されるべきである。
(3)開示された情報及び開示されたという事実保護する。ただし、不正行為を正すためにさらなる情報開示が必要な場合をはこの限りではない。
(4)情報開示を行う者に対して、調査の進捗状況及び完了の旨を通知し、且つ可能な限り、講じられた措置又は提言について通知する。



原則 40:公衆に対する情報開示の保護

 は、原則37で定義する不正行為に関する情報の公衆に対する開示を、次に掲げる要件を満たす場合において、原則41で定義する報復措置から保護するべきである。
(a)(1)情報開示を行った者が、同一の又は相当に類似する情報を組織内部独立監視機関のどちらか、あるいはその両方に対して開示しており、
且つ、
(i)情報開示を受理した機関が、適用される内部規定に則り、開示された件の調査を拒否した場合又は有効な調査を実施しなかった場合。
又は、
(ii)情報開示を行った者が、合理的且つ法で定められた期間内に、合理的且つ適切な成果を得られなかった場合。
又は、
(2)情報開示を行った者が、組織内部独立監視機関のどちらか、あるいはその両方に対する情報開示が、証拠の破壊又は隠蔽、証人に対する妨害、又は開示を行った者本人又は第三者に対する報復措置を招くおそれが相当あると合理的に信じた場合。
又は、
(3)情報開示の対象とし得る既存の内部組織又は独立監視機関存在していなかった場合。
又は、
(4)開示された情報が、人の生命、健康及び安全又は環境を危険にさらす、深刻且つ切迫した危険のある作為又は不作為に関する場合。
及び、
(b)情報開示を行った者が、不正行為を明らかにするために合理的且つ必要な範囲に限定した情報を開示している場合。
注記:不正行為を示す情報開示に際して、情報開示を行った者不正行為の提示と無関係な資料を開示した場合であっても、その者は、その情報の開示による損害が開示によるいかなる公共の利益にもまさる場合を除いて、報復措置から保護されるべきである。
及び、
(c)情報開示を行った者が、情報を公開することによる公共の利益が、開示によるいかなる損害にもまさると、合理的に信ずる場合。
注記:「合理的に信ずる」との基準は、主観と客観の混合基準である。当該者は、事実その旨を信じており(主観)、そう信ずることはその者にとって合理的でなければならない(客観)。異議を申し立てられた場合、その者は信ずる旨の合理性について弁護する必要に迫られうる。その場合、案件が当該基準を満たし保護された開示と認定されるか否かの判断は、最終的には独立した裁判所又は法廷に委ねられる。



原則 41:不正行為を示す情報の暴露に対する報復措置からの保護

A.保護された開示の民事上及び刑事上の責任の免除

 原則37から原則40までに則り情報開示を行った者は、次に掲げる事項の対象とされるべきではない。
(1)刑事訴訟。機密又はその他の秘匿情報の開示に対する訴追を含むが、これらに限定されない。
(2)機密又はその他の秘匿情報の開示に関する民事訴訟。損害賠償請求及び名誉毀損を申し立てる訴訟を含むが、これらに限定されない。


B.その他の報復措置の禁止
(1)は、原則37から原則40までに則り情報の開示を行った、行ったと疑われる、又は行う可能性のある者に対する報復措置を禁止するべきである。
(2)禁止される報復措置は次の事項を含むが、これらに限定されない。
(a)行政処分又は罰則。懲戒、報復的な調査、降格、異動、転任、昇進の見送り、解雇、当事者の評価を貶める目的若しくは可能性のある行為、又は秘密取扱認可の差し止め若しくは取り消しを含むが、これらに限定されない。
(b)身体的若しくは精神的な危害又はハラスメント。
(c)これら事項のいずれかの脅迫。
(3)情報開示を行う者以外の者を対象とした行為は、状況いかんにより、禁止される報復措置に含まれ得る。


C.独立監視機関及び司法当局による、報復措置の調査
(1)何人も、保護された開示に関するあらゆる報復措置又はその脅迫について、独立監視機関司法当局のどちらか、又はその両方に通報する権利を保障されるべきである。
(2)独立監視機関は、通報された報復措置又はその脅迫について調査しなければならない。当該機関は、報復措置の通報がなくても、調査を開始する権限を付与されるべきである。
(3)独立監視機関は、証人の召喚権限及び記録の開示請求権、並びに宣誓又は確約の下に証言を請求する権限を含め、申し立てられたあらゆる報復措置に関して有効な調査を実施するための権限並びに資源が付与されるべきである。
(4)独立監視機関は、訴えられた報復措置に関する法的手続きが公正且つ法の適性手続きに則って行われることを確実にするため、あらゆる努力を払うべきである。
(5)独立監視機関は、関係する公的機関に対し、是正措置又は復元的措置を行わせる権限を付与されるべきである。これらの措置には、復職、復任、並びに/若しくは、法的措置の経費、その他の適切な経費、未払いの賃金及び賞与、渡航費、及び/又は損害賠償の支払いが含まれるが、これらに限定されない。
(6)独立監視機関は、公的機関に報復措置を禁ずる権限を有するべきである。
独立監視機関は、通報された報復措置に関する調査を合理的且つ法で定められた期間内に完了するべきである。
(8)独立監視機関は、案件の関係者に対して、少なくとも調査の完了を通知し、且つ可能な限り、講じられた措置又は行われた提言を通知するべきである。
(9)また案件の関係者は、情報開示に対する行為が報復行為もしくは救済措置又は矯正措置にあたらないとする独立監視機関の決定について、司法当局に異義を申し立てる権利を有する。


D.証明責任

 公的機関が何人に対してであれ、何らかの不利益をもたらす行為を行った場合、当該公的機関は、その行為が当該情報開示と無関係であると証明する責任を負う。


E.権利及び救済措置の放棄の否定

 原則37から原則40までに定めた権利及び是正措置は、いかなる合意、施策、雇用形態又は雇用条件、若しくは紛争仲裁に先んじて行われる合意によっても、放棄又は制限されてはならない。これらの権利及び救済措置を放棄又は制限させるいかなる試みも無効とみなされるべきである。



原則 42:保護された開示の勧奨並びに促進

 は、公務関係者が保護された開示を行うよう勧奨するべきである。保護された開示を促進するため、国は全ての公的機関に対し、原則37から原則40までに効力を与える指針を発布させるべきである。
注記:当該指針は、最低限次の事項を規定するべきである。(1)不正行為を開示する権利及び/又は責任に関する助言、(2)開示されるべき又は開示されてよい情報の分類、(3)開示する際に必要な手続き、並びに、(4)法律による保護。



原則 43:公務関係者のための公益的保護
(a)公務関係者が、本原則により別段に保護されない情報開示を行ったことにより、刑事訴追若しくは民事訴訟又は行政処分の対象となった場合、法は、当該開示による公共の利益が非開示による公共の利益にまさる限り、公益的保護を保障するべきである。
注記:この原則は、開示された情報が原則37で規定される分類のいずれにも該当しないために、又は原則37で規定される分類のいずれかに該当する情報が含まれているが原則38から原則40までに規定される手続きに則ることなく開示されたために、保護されていないすべての情報開示にも適用される。
(b)情報開示による公共の利益が非開示による公共の利益にまさるか否かの判断において、検察庁及び司法当局は次の事項を検討するべきである。
(i)開示の程度が、公益情報の開示のために合理的に必要な程度であるか否か。
(ii)当該開示が引き起こした公共の利益の損害の程度及びその可能性。
(iii)開示を行う者が、当該開示が公共の利益に適うと信じる合理的理由を有していたか否か。
(iv)開示を行う者が、原則38から原則40で規定される手続きに則り、内部手続を通じて、及び/又は独立監視機関に対して、及び/又は公衆に対して、保護された開示を試みたかどうか。
(v)情報開示を正当化する急迫した状況の有無。
注記:無権限の情報開示に対する刑事処罰を規定するあらゆる法は、原則46(b)と一貫していなくてはならない。この原則は、公務関係者が既に有しているあらゆる表現の自由、又は原則37から原則42及び原則46により保障されるあらゆる保護を制限するものではない。





第7章 :公衆への情報の流出に対する制裁又は制約行為の制限

原則 44:情報取り扱い公務員が誠実に行った合理的な情報の流出に対する制裁からの保護

 公衆からの情報請求に応じる責任がある者は、合理的且つ誠実に、法にしたがって開示し得ると考えた情報を流出させたことによって制裁を受けるべきではない。



原則 45:情報の廃棄及び開示拒否に対する処罰
(a)公的機関の関係者は、公衆を情報へアクセスをさせない意図をもって、故意に情報を廃棄したり改ざんした場合には、処罰されるべきである。
(b)裁判所や第三者機関によって情報開示命令が出されたときに、当該情報が合理的な期間内に開示されなかった場合、法の定めた手続にしたがって申し立てが起こされない限り、その情報非開示の責任者及び/又は当該公的機関は、相応の処罰を受けるべきである。



原則 46:公的機関の関係者による情報の流出に対する刑罰の限度
(a)公的機関の関係者による情報の流出は、第6章によって保護されない場合であっても、刑事処罰の対象とされるべきではない。しかし、秘密取扱許可を取り消されたり、免職処分を受けたりといった行政上の制裁を受けることはあり得る。
(b)それにもかかわらず、情報を公にする意図で、公式な許可を得ずに社会や個人に情報を流出する行為に対して、法によって刑罰が規定されている場合においては、以下の条件が適用されるべきである。
(i)刑事罰は、法に明確に定められた厳密に分類された情報の流出のみに科されるべきである。
注記:開示すれば刑事罰の対象になり得る情報カテゴリーが法に定められている場合、国家安全保障に与える特殊性と影響力の点で、以下と同程度でなければならない。核兵器に関する技術データ、情報源、暗号、情報収集方法、外交暗号、秘密諜報員の身上情報、政府が所有権を有する知的財産で、それを知られることで国家の安全が害される可能性のあるもの。
(ii)その流出によって、重大な損害を引き起こす現実的、且つ特定可能なリスクがなければならない。
(iii)法に規定され、適用される刑事罰は、情報の流出によって引き起こされる損害に相応したものでなくてはならない。
及び、
(iv)当該公務員は、情報を流出したことによって生じる公共の利益に依拠する保護を、原則43で概要を示したように、求めることができるべきである。



原則 47:公務員以外の者による機密情報の保有及び流布に対する制裁からの保護
(a)公務員以外の者は、機密情報の受領、保有又は公衆への流出に関して、制裁を受けない。
(b)公務員以外の者は、情報を求めたり入手したりしたという事実を理由に、共謀その他の容疑で訴追されるべきではない。
注記:この原則は、情報の入手又は複写に対する刑事訴追を防止することを目的にしている。しかしながら、この原則はその他の犯罪 、たとえば情報を探索又は入手する過程での不法侵入や恐喝のような犯罪の免責を目的とするものではない。
注記:第三者機関による開示は、過度の機密指定の蔓延を正すという重要な役割を果たす。



原則 48:情報源の保護

 公務員でない者は、公式の許可を得ずにメディア又は公衆に対して行った機密情報の流出容疑の取り調べにおいて、秘密の情報源や公表されていない資料を明かすことを強制されるべきではない。
注記:この原則は、公式の許可を得ずに行った機密情報開示容疑の取り調べにのみ適用され、その他の犯罪には適用されない。



原則 49:事前の制限
(a)国家安全保障のために公開を事前に制限することは、禁止されるべきである。
注記:事前の制限とは、司法当局やその他の公的機関によって下される命令で、公務員以外の者がすでに保有する、特定の資料の公表を禁止するものである。
(b)どのような方法であれ、合法的であるか否かに関わらず、ある情報が一般的に公衆が知ることが可能になっている場合に、その情報がすでに一般社会に存在する形態での、それ以上の公表を阻止しようとするいかなる試みも効力がないと推定される。
注記:「一般的に知ることが可能」とは、その情報が十分広範囲に流布されており、その情報を機密にしておく実効的な方法がない事を意味すると理解される。





【宮内庁】皇后陛下お誕生日に際し(平成25年)




皇后陛下お誕生日に際してのご近影


「5月の憲法記念日をはさみ,今年は憲法をめぐり,例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じます。主に新聞紙上でこうした論議に触れながら,かつて,あきる野市の五日市を訪れた時,郷土館で見せて頂いた「五日市憲法草案」のことをしきりに思い出しておりました。明治憲法の公布(明治22年)に先立ち,地域の小学校の教員,地主や農民が,寄り合い,討議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で,基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務,法の下の平等,更に言論の自由,信教の自由など,204条が書かれており,地方自治権等についても記されています。当時これに類する民間の憲法草案が,日本各地の少なくとも40数か所で作られていたと聞きましたが,近代日本の黎明期に生きた人々の,政治参加への強い意欲や,自国の未来にかけた熱い願いに触れ,深い感銘を覚えたことでした。長い鎖国を経た19世紀末の日本で,市井の人々の間に既に育っていた民権意識を記録するものとして,世界でも珍しい文化遺産ではないかと思います。」








人間ナメんなよ!


でわっ!
 

2013年12月11日水曜日

「ツワネ原則」 第四章、第五章

  
「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則(英語:Global Principles On National Security And The Right To Information)」

通称: ツワネ原則

日本語訳:日本弁護士連合会

※未定訳※一部字句修正等を行う可能性があります。




第4章 :国家安全保障と情報への権利の司法的側面

原則 27:司法による監視についての一般原則
(a)法によって定められた、正当で、独立した、公平な法廷による公正な裁判を受ける基本的な権利は、国家安全保障が持ち出されてもこれに依拠して損なわれてはならない。
(b)公的機関が国家安全保障を理由に、いずれかの法的手続きに則って、情報の非開示を試みた場合、裁判所にはその情報を調査し、非開示にして良いかどうかを決定する権限が与えられるべきである。裁判所は通常、情報を調べることなく、異議申立を退けるべきではない。
注記:裁判所は原則4を踏まえて、秘匿の必要性のみを主張しながらその主張を支える根拠を述べていない要約書や宣誓供述書に依拠すべきではない。
(c)裁判所は、情報の入手を試みる個人が、可能である最大限の範囲で、政府によって提出されたその情報の非開示申請について知り、異議を申し立てられることを保障するべきである。
(d)裁判所は、公的機関による主張の適法性及び妥当性について裁定を下すべきであり、その上で情報を開示するよう強制し、部分的又は全体的な非開示となった場合には、刑事訴訟における訴えの棄却を含む、適切な救済を行うことができる。
(e)裁判所は、公的機関が情報非開示に対して援用する根拠が適正であるか、独立的に評価するべきである。情報開示請求に関しては、情報が機密扱いであることが決定的な問題だとされてはならない。同様に裁判所は、公的機関が主張する損害の性質と、 損害が起こる可能性、そして情報を開示した場合の公共の利益について、原則3に従って評価しなければならない。



原則 28:訴訟手続へのパブリック・アクセス
(a)公衆が訴訟手続へアクセスする基本的な権利は、国家安全保障が持ち出されてもこれに依拠して損なわれてはならない。
(b)判決文は、裁判所による全ての命令を明記し、重要な事実認定と証拠と法的推論を記載し、18歳未満の子どもの利害に関わる場合を除き、公開されるべきである。
注記:国際法によれば、国家安全保障を理由に判決を公に発表する義務を軽減させることは許されない。

少年裁判所の裁判手続の記録は公開されるべきではない。その他の、子どもが関わる訴訟手続の記録は通常、18歳未満の子どもの名前と、身元の特定につながるその他の情報が修正されるべきである。
(c)公衆が司法にアクセスする権利は、この権利の縮小が本原則に従い正当化される場合を除き、次に述べるものへ公衆が速やかにアクセスできることを含むべきである。(i)裁判における法的推論(ii)個々の裁判の存在と、その経過に関する情報(iii)法廷に提出された意見書(iv)法廷審問と対審(v)裁判手続の中で有罪判決の根拠となった証拠。
注記:公正な裁判の要件に関する国際法によれば、裁判所は次の様な場合には、部分的又は完全に公衆を審判から排除することができる。すなわち、民主主義社会における国家安全保障・倫理・公の秩序・裁判の当事者の私生活における利害を理由とする場合 、又は法的公正さが損なわれることを回避する場合である。ただしあらゆる案件において、このような制限が行われる場合には、その必要があり、且つ必要の程度に対応していることが条件である。
(d)国家安全保障を理由として、公衆の訴訟手続へのアクセスの制限が絶対に必要だとする、公的機関によって発せられるあら ゆる主張に対して、公衆は異議を申し立てる機会を有するべきである。
(e)裁判所が、訴訟手続への自由なアクセスの制限を承認するかどうかについて裁定を下す場合、原則3に則り、特殊な状況下にある場合を除いて、裁判所は書面により事実(具体的な根拠と法的分析)を公的に入手できるようにすべきである。
注記:本原則は、ある国家における、通常は公衆がアクセスできない準備手続について規定している現行法の修正を目指しているわけではない。本原則は、それ以外の場合において、裁判所が公衆によるアクセスを許しており、なお且つそのアクセスを却下しようとする試みが国家安全保障を根拠にしている場合にのみ、当てはまる。

裁判手続と資料にアクセスする公衆の権利は、以下を促進する上でのアクセスの重要性に由来する。すなわち(i)訴訟手続にお ける実際上及び認識上の平等性と公平性(ii)裁判の当事者による適正且つ一層誠実な行為(iii)パブリック・コメントの精度向上。



原則 29:刑事訴訟の当事者による情報へのアクセス
(a)裁判所は、被告人が自身の裁判に出廷することを、国家安全保障を理由にして禁止してはならない。
(b)いかなる場合でも、被告人が証拠について精査、反論する機会を持たないまま、有罪判決を下したり、自由を剥奪したりするべきではない。
(c)法的公正さの点から、公的機関は被告人と被告人の弁護人に対し、その個人が問われている容疑と、公正な裁判を確実に行うために必要なその他の情報を、たとえ機密扱いの情報であっても、原則3~6、10、27、28に従い、公共の利益を考慮した上で、開示するべきである。
(d)公正な裁判を保証するために必要な情報の開示を公的機関が拒んだ場合、裁判所は審理を停止、若しくは起訴を棄却すべきである。
注記:公権力は、情報を秘匿することで起こる不利益を自ら被ると決断してもよいが、情報の秘匿を求める際にその情報を公権力の都合のために援用するべきではない。
注記:原則29と30が、公衆による情報へのアクセスに関する本原則の中に含まれているのは、司法による精査と、それと関連 して起こる司法の監視を背景とした情報開示とが、情報公開のための重要な手段であることが多いためである。



原則 30:民事訴訟の当事者による情報へのアクセス
(a)民事訴訟における、公権力におる情報非開示の要請は全て、原則3~6、10、27、28に従い、公共の利益を考慮した上で、精査されるべきである。
(b)人権侵害の被害者は、被った侵害についての情報公開を含む、実効的な救済及び補償を受ける権利を有する。公権力は、こ の権利に矛盾するような方法で、被害者の主張のために不可欠な情報を秘匿してはならない。
(c)また公衆は、重大な人権侵害や、国際人道法の重大な違反に関する情報への権利も有する。





第5章 :安全保障部門を監視する機関

原則 31:独立監視機関の設置

 国家がまだ安全保障部門の組織を監視するための独立監視機関を設置していないならば、これを設置するべきである。監視項目には、機関の活動・規則・指針・財務・管理運営が含まれる。このような監視機関は、監視対象機関からは、組織・運営・財政の面で独立しているべきである。



原則 32:任務の遂行のために必要な、情報への無制限のアクセス
(a)独立監視機関が、その責務を遂行するために必要な全ての情報にアクセスできることは、法によって保証されるべきである。情報の機密性のレベルに関わらず、合理的な安全保障上のアクセス条件を満たしていれば、アクセスに制限を設けるべきではない。
(b)監視機関がアクセスできる情報には以下のものが含まれるべきであり、しかもこれに限定されない。
(i)安全保障部門の機関が保有する記録、テクノロジー、システムの全て。その形式と媒体、その機関によって作成されたものであるか否かは問われない。
(ii)所在場所、備品、施設・設備。
(iii)監視職員が、監視職務に関わりがあると判断した個人が保有している情報。
(c)機密性を保持する立場にある公務員が負っているあらゆる義務は、彼らが監視機関へ情報を提供することを妨げるべきではない。このような情報の提供は、守秘義務を定めた法律又は契約の違反とみなされるべきではない。



原則 33:情報へのアクセスを保証するために必要な権限、資源、手続き
(a)独立監視機関は、責務を遂行する上で必要とみなされるあらゆる関連情報にアクセスし解釈できるために十分な法的権限を有するべきである。
(i)上記の権限は少なくとも、現在と過去の行政府の成員と公権力の被雇用者及び契約業者に質問し、関連がある記録を要求・検査し、さらにその物理的な所在場所と施設を視察する権利を含むべきである。
(ii)また独立監視機関は、必要な場合には法執行機関による十分な協力のもと、これらの人物を召喚し記録を取り寄せ、責務を達成する上で必要な情報を保有していると判断された人物に、宣誓の上で証言させる権限を与えられるべきである。
(b)独立監視機関は、情報を処理する際と証言を強制する際には、自己負罪に対する保護やその他の適正な法の手続きが求める条件とともに、とりわけプライバシーに関する法律を考慮に入れるべきである。
(c)独立監視機関は、その責務の効率的な実行に関わる情報の特定、アクセス、分析を可能にするために必要な財的・技術的・人的な資源へのアクセスを有するべきである。
(d)法は、独立監視機関が責務を遂行するために必要な情報にアクセスし解釈できるように、安全保障部門の組織による協力を義務付けるべきである。
(e)法は安全保障部門の組織に対し、監視者が責務を達成するために必要と判断した特定の種類の情報を、積極的且つ速やかに、独立監視機関へ開示することを義務付けるべきである。これらの情報には、法や人権基準の違反の可能性についての情報が含まれ、しかもそれだけに限定されるべきではない。



原則 34:独立監視機関の透明性

A.情報へのアクセスに関する法の適用可能性

 公権力の保有する情報へアクセスする公衆の権利の行使を規制する法は、安全保障部門の監視機関に対しても適用されるべきである。


B.報告
(1)独立監視機関は、定期的に報告書を作成し、その報告書を公に入手できるようにしなければならない。報告書には、少なくとも、監視機関の責務、人員、予算、実績、そして活動についての情報を含む、監視機関自体についての情報が含まれるべきである。
注記:報告書には、こういった情報を公に入手できるように自分ではしていない安全保障部門の組織の責務、体制、予算、そして全体的な活動についての情報が含まれるべきである。
(2)また独立監視機関は、主題ごと及び具体的な個別事例の分析・調査に関連した、公開用の報告書も提出するべきであり、また原則10に記載されている種類の情報を含めた、可能な限り多くの、公共の利益に関わる情報を提供するべきである。
(3)独立監視機関は、公開用の報告書の中で、関係のある全ての個人の、プライバシーの権利を含む諸権利を尊重するべきである。
(4)独立監視機関は、監視の対象である組織に対し、公開される報告書を速やかに精査して、その中に機密扱いされても良いような資料が含まれていることについて、懸念を提起する機会を与えるべきである。何を発表するべきであるかを最終的に決定するのは監視機関自身である。


C.アウトリーチとアクセス可能性
(1)その責務と権限を含む、監視機関の法的根拠は、公に入手可能であり、容易にアクセス可能であるべきである。
(2)独立監視機関は非識字者や、マイノリティー言語の使用者、又は視力や聴力に障害がある人たちが、機関の活動に関する情報へアクセスできるための方法と設備を設置するべきである。
(3)独立監視機関は、遠隔地に住んでいる個人を含む公衆に対し、監視機関と連絡を取ったり、不服を扱う機関へ不服を申し立てたり懸念を表明するために自由に利用できる各種の方法を提供するべきである。
(4)独立監視機関は、こういった不服申立の機密性と申立人の匿名性を実際上保持できるための仕組みを有するべきである。



原則 35:安全保障部門の監視機関が扱う情報を保護するための対策
(a)法は、独立監視機関が、保有している情報を保護するために必要な対策を実行するよう義務付けるべきである。
(b)立法府は、(1)立法府における監視委員会の成員と、(2)独立した、立法府に属さない監視機関の長と成員が、その就任に先だって人物調査を受けるべきであるか、決定する権限を有するべきである。
(c)人物調査が必要とされた場合、その実施は(i)ふさわしい時機に(ii)確立されている指針に沿って(iii)政治的な先入観や意図から離れて(iv)可能である限りは、人物調査を受ける成員若しくは職員の所属する機関による監視の対象ではない組織によって、行われるべきである。
(d)第6章、第7章中の原則に従い、独立監視機関の成員や職員が、機密扱いその他の秘匿情報を、その機関による報告のための通常の枠組の外で開示した場合、その人物は行政、民事、刑事の、ふさわしい処分を受けなければならない。



原則 36:立法府が有する、情報公開の権限

 立法府は、行政府が国家安全保障を理由に秘匿の権利を主張する情報を含むあらゆる情報を、そうすることが必要と判断した場合には、立法府が制定する手続きに従って、公衆に開示する権限を有するべきである。







【宮内庁】皇后陛下お誕生日に際し(平成25年)




皇后陛下お誕生日に際してのご近影


「5月の憲法記念日をはさみ,今年は憲法をめぐり,例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じます。主に新聞紙上でこうした論議に触れながら,かつて,あきる野市の五日市を訪れた時,郷土館で見せて頂いた「五日市憲法草案」のことをしきりに思い出しておりました。明治憲法の公布(明治22年)に先立ち,地域の小学校の教員,地主や農民が,寄り合い,討議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で,基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務,法の下の平等,更に言論の自由,信教の自由など,204条が書かれており,地方自治権等についても記されています。当時これに類する民間の憲法草案が,日本各地の少なくとも40数か所で作られていたと聞きましたが,近代日本の黎明期に生きた人々の,政治参加への強い意欲や,自国の未来にかけた熱い願いに触れ,深い感銘を覚えたことでした。長い鎖国を経た19世紀末の日本で,市井の人々の間に既に育っていた民権意識を記録するものとして,世界でも珍しい文化遺産ではないかと思います。」







人間ナメんなよ!


でわっ!
 

「ツワネ原則」 第三章 A・B

  
「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則(英語:Global Principles On National Security And The Right To Information)」

通称: ツワネ原則

日本語訳:日本弁護士連合会

※未定訳※一部字句修正等を行う可能性があります。




第3章 A:情報の機密指定及び機密解除に関する規則

原則 11:情報を機密指定する理由を述べる義務
(a)国家が機密指定の公式のプロセスを有しているいないに関わらず、公権力は、情報を機密指定する理由を述べる義務がある。
注記:「機密指定」とは、注意を要する情報が含まれる記録が検討され、その上で誰がアクセスしてよいのか、いかにして記録が扱われるべきかを指示する印が与えられるプロセスのことである。恣意性と過剰な情報秘匿を減らすために、情報の機密指定に関する公式のシステムを構築することは優れた実践である。
(b)機密指定の根拠として、その情報が属する、原則9でリスト化されたカテゴリーのいずれかに対応した、情報の厳密な分類を示すべきであり、また、開示することによって生じうる損害を、その深刻さの程度、それが起こりうる可能性を含めて、記述しなくてはならない。
(c)機密のレベル設定をする場合は、レベルの決定を正当化する上で想定された損害の程度とそれが起こりうる可能性に釣りあうものであるべきである。
(d)情報が機密扱いにされるとき、(i)機密のレベル(設定されている場合)と機密扱いの最長期間を示す保護的な印と 、(ii)そのレベルと期間を定める必要性を正当化する文言を記録に添付すべきである。
注記:各情報の機密指定の決定理由を述べる文言を添付することが推奨されるのは、開示した結果起こり得る具体的な損害に公務員の注意を向けるためである。パラグラフごとに印を付けることで、文書中の機密でない部分を開示する際により整合性を保つことができる。



原則 12:機密指定の規則へのパブリック・アクセス
(a)公衆は、機密指定を規定する手続きと基準について、それらが効力を発する前に意見を述べる機会を有するべきである。
(b)公衆は、機密指定を定める手続きと基準に関する文書へのアクセスを有するべきである。



原則 13:機密指定の権限
(a)法によって定義される、特別に権限が与えられ指名された公務員だけが、情報を機密扱いにすることができる。指名されていない公務員が、情報が機密扱いにされるべきだと考えた場合、使命された公務員が機密指定の提案を検討するまでの短期間の明確化された期間、機密扱いとみなされ得る。
注記:機密指定の権限を定める法規定がない場合、少なくとも委任権限を規則で明確化することは優れた実践である。
(b)機密扱いの決定について責任のある者を特定する情報は、それを秘匿するやむをえない理由が存在しない限り、 説明責任を確保するために、特定可能であり、書面で示されねばならない。
(c)法に基づき指名されたこれらの公務員は、一次機密指定権限を、行政上効率的な最少人数の上級職員に割りふるべきである。
注記:機密指定の権限をもつ者の数に関する情報、そして機密情報にアクセスする権限をもつ者の数に関する情報を公開することは良い取り組みである。



原則 14:機密指定に対する内部での異議申立を促進する

 安全保障部門に所属する者を含め、情報が不適切に機密指定されていると考える公務関係者は、情報の機密指定に異議を唱えることができる。
注記:安全保障機関には強い秘密主義の風潮があり、またほとんどの国では、治安職員からの異議申し立てを受理する独立した機関が設置又は指定されておらず、治安関連の情報の暴露は、その他の情報の暴露に比べて厳しい処罰が科されることが多いということを考えれば、安全保障機関の職員は機密指定に異議を唱えるよう特に強く奨励されることが望ましい。



原則 15:国家安全保障に関する情報を保管し、管理し、維持する義務
(a)公権力は、国際基準1.に準じて、情報を保管、管理、維持する義務を有する。情報は、法に基づいてのみ、保有、管理、維持の対象から除外される。
(b)情報は適切に維持されるべきである。分類整理のシステムは整合的で、(合法的に機密扱いとなった情報が漏れることがない形で)透明且つ包括的で、アクセスへの具体的な請求があった場合に、開示されていない情報であってもすべての関連情報の所在が特定できるべきである。
1.これには以下が含まれる:国際公文書協議会(ICA)『公文書へのアクセスの原則』(2012年)、ICA『世界アーカイブ宣言』(2010:ユネスコ承認)、欧州評議会『公文書へのアクセスに関する欧州の政策に関する勧告R(2000)13』(2000年)、アントニオ・ゴンザレス・クィンタナ、ICA『人権保護における公文書のポリシー』かつての抑圧的な政権における国家安全保障機関の公文書管理(2009年)に関するユネスコと国際公文書協議会作成によるレポートの最新完全版(1995年)
(c)各々の公的機関は、保有する機密記録の、詳細で正確なリストを作成し、公開し、定期的に検討し、更新すべきである。ただしその存在自体が、原則19に基づき合法的に秘匿されているような例外的な文書があればそれを除く。
注記:これらのリストは1年ごとに更新されることが望ましい。



原則 16:機密扱いの期間の期限
(a)情報は国家安全保障上の理由によって秘匿され得るが、正当な国家安全保障上の利益を保護するために必要な限りにおいてのみである。情報を秘匿する決定は、本原則の遵守を確保するために、定期的に見直されるべきである。
注記:法令によって、少なくとも5年ごとの見直しを義務付けることが望ましい。より短い期間での見直しを義務付けている国もある。
(b)機密指定を決定する者は、機密扱いが失効する日付、条件、又は出来事について明記するべきである。
注記:機密扱いが失効する期限、又は条件や出来事の詳細は、定期的に見直されることが望ましい。
(c)無期限に機密扱いにしてもよい情報はない。国家安全保障を理由にした機密扱いの想定される最大期限は、法によって定めら れるべきである。
(d)情報は、例外的な状況においてのみ想定された期限を越えて秘匿され得るが、それは異なる意思決定者によって、期限を修正されて設定され、あらためて秘匿決定がさなれることによる。



原則 17:機密指定解除の手続き
(a)機密指定解除の指針を確立し定期的に更新することを含め、政府が機密指定解除の作業を調整し、監視し、履行する責任を国内法に明記すべきである。
(b)公益性をもつ機密指定された情報を優先的に機密指定解除するための手続きは、適切に定められるべきである。原則10のリストのカテゴリーに分類されるような情報を含む、公益性のある情報が、例外的な重要性のために機密扱いにされている場合、それはできる限り迅速に機密解除されるべきである。
(c)国内法で、総括的な(一括、及び/又はサンプリングによる)機密解除のための手続きを制定するべきである。
(d)それぞれのカテゴリーの機密指定情報について、自動的な機密解除期限を国内法で定めるべきである。機密解除の負担を最小限にするために、可能な場合はいつでも、記録は再検討なしに自動的に機密指定解除されるべきである。
(e)文書の機密解除請求について、アクセス可能な公的手続を国内法で定めるべきである。
(f)裁判所、法廷、その他の監督機関、オンブズマン、申立機関によって機密指定が解除されたものも含め、機密指定が解除された文書は積極的に公開するか、さもなければ公的にアクセス可能にするべきである(例えば、国の公文書保管所や情報へのアクセスに関する法律と整合性をとるなど)。
注記:この原則は、前文パラグラフ15に示される、情報秘匿のための他の理由を考慮するという但し書きを損なわない。
注記:以下は、推奨される追加的な実践である。
機密指定解除手続における新たな技術の利用を定期的に検討する。及び、
自動的且つ総括的なものを含め、機密指定解除の優先順位を確立するプロセスに関する専門知識を持つ者との定期的な協議を行う。




第3章 B:情報請求の扱いについての規則

原則 18:情報が機密扱いになっていたとしても、請求を検討する義務

 情報が機密扱いになっているという事実は、情報公開の請求にどう対応するかという際に、決定的なことではない。むしろ情報をもつ公的機関は、本原則に従い、請求について検討するべきである。



原則 19:承認又は否認する義務
(a)情報請求を受けたときは、公的機関は、請求されている情報を保有しているかどうかについて、承認又は否認しなければならない。
(b)特別な状況において、特定の情報の存在・不在自体が機密扱いにされている可能性を、司法権原則3に基づいて認めるとき、特定の請求への回答において情報の存在を承認又は否認することを拒否する場合には、いかなる場合でも、国内法又は規定によって示される、そのような例外的な措置を必要とするような特定の情報のカテゴリーに危害がもたらされるリスクがあることを説明しなければならない。



原則 20:拒否の理由を書面で述べる義務
(a)公的機関が、情報の全体あるいは一部に対する請求を拒否する時は、その具体的な理由を、原則3及び9に則り、情報請求への対応に関する法律に定められた期間内に、書面で明らかにしなければならない。
注記:回答がなされなければならない期限については法に明記されなければならないとする要件については、原則25を参照。
(b)当局はまた、請求者に、そうすることそれ自体が機密情報を開示しない限り、非開示の権限を与えられている公務員及びそのプロセスに関して十分な情報を提供すべきである。また、当局の法律遵守について審査するための異議申立方法についても十分な情報を提供すべきである。



原則 21:遺失した情報を回復又は再構築する義務
(a)公的機関が請求者に回答する情報の所在を示すことができず、且つ、その情報を含む記録が、保管され、収集され、あるいは作られているはずである場合、当該公的機関は請求者に対する将来的開示可能性のために、遺失した情報を回復又は再構築するための合理的な努力をしなければならない。
注記:その情報がこれまで収集されたことがない、処分されてしまった、追跡不可能であるといったような、どんな理由であろうとも、この原則は、所在が明らかにできない情報に適応される。
(b)公的機関の代表者は、その手順が司法の審理の対象となり得るような方法で、情報を回復又は再構築するために行われている手続きのすべてを、誓約の上で、合理的且つ法で定められた時間内に示すことを義務付けられるべきである。
注記:保管されることが法によって義務付けられている情報が見つからないとき、この件は警察又は行政機関に調査を付託されるべきである。調査の結果は公開されるべきである。
(c)以下の場合、遺失した情報を回復・再構築する義務の程度は特に強い。すなわち、(i)その情報が深刻又は組織的な人権侵害の申立に関わる時、及び/又は(ii)広範な人権侵害によって特徴づけられる政府から、民主的な形態の政府への移行の期間にある時。



原則 22:文書の一部を開示する義務

 公開の免除は、特定の情報に対して適用されるのであり、文書全体その他の記録の全体に対してではない。制限の妥当性が説明されている特定の情報(「免除情報」)のみが秘匿され得る。ある記録に免除される情報とそうでない情報がともに含まれる場合、 公権力は、免除されていない情報を切り離して公開する義務がある。



原則 23:秘匿された情報を特定する義務

 公開することを拒否した情報を保有する公的機関は、そのような情報をできるだけ詳しく特定すべきである。少なくとも当該公的機関は、例えばページ数を概算するなどして公開を拒んだ情報の量について公開すべきである。



原則 24:入手可能な形式によって情報を提供する義務

 公権力は可能な限り、請求者の求める形式で情報を提供すべきである。
注記:このことは、例えば公権力が、障害をもつ人々に対して、アクセスできる形式や技術で、速やかに、費用を上乗せすることなく、国連の障害者権利条約に従って、情報を提供する適切な手段を講じる義務を含む。



原則 25:情報請求に対する回答の期限
(a)状況、内部検討、利用可能な場合は独立機関の決定、司法の審理を含め、請求に対する回答期限は、法によって制定されなければならず、実行し得る限り短期間でなければならない。
注記:ほとんどの情報アクセス方に定められている要件を踏まえて、実質的な回答が提示されなければならない期限は20営業日以内とするのが最も適切であると考えられる。請求に対する回答期限が法に定められていない場合、通常の請求に対する期限は30日を超えるべきではない。文書の量、複雑さの程度、慎重に取り扱う度合いに応じて、異なる期限を定め得る。
(b)その情報が人の命や自由を守るために必要である場合など、緊急性に基づく情報の必要が立証される場合、期限の短縮が適用されるべきである。



原則 26:情報の秘匿の決定を審査する権利
(a)請求者は、情報開示の拒否若しくは請求に関する事柄について、独立機関による迅速且つ低費用の審査の権利をもつ。
注記:拒否には、黙殺によるものも含まれる。独立機関による審査の対象となる事柄には、費用、迅速性、形式も含まれる。
(b)独立機関は、たとえ秘匿情報であっても、すべての関連情報への十分なアクセスを含む、実効的な審査に必要な資格と資源を有するべきである。
(c)人は、あらゆる関連問題について、権限のある裁判所や法廷による独立した有効な審査を実施させる資格を有するべきである。
(d)裁判所が情報非開示を承認する判決を出す場合、裁判所は、特殊な状況を除き、原則3に則り、事実に即した根拠及び法的分析を書面で公的に入手できるようにするべきである。




【宮内庁】皇后陛下お誕生日に際し(平成25年)




皇后陛下お誕生日に際してのご近影


「5月の憲法記念日をはさみ,今年は憲法をめぐり,例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じます。主に新聞紙上でこうした論議に触れながら,かつて,あきる野市の五日市を訪れた時,郷土館で見せて頂いた「五日市憲法草案」のことをしきりに思い出しておりました。明治憲法の公布(明治22年)に先立ち,地域の小学校の教員,地主や農民が,寄り合い,討議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で,基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務,法の下の平等,更に言論の自由,信教の自由など,204条が書かれており,地方自治権等についても記されています。当時これに類する民間の憲法草案が,日本各地の少なくとも40数か所で作られていたと聞きましたが,近代日本の黎明期に生きた人々の,政治参加への強い意欲や,自国の未来にかけた熱い願いに触れ,深い感銘を覚えたことでした。長い鎖国を経た19世紀末の日本で,市井の人々の間に既に育っていた民権意識を記録するものとして,世界でも珍しい文化遺産ではないかと思います。」








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