2012年10月21日日曜日

アイスランド、ギリシャ、そしてスペイン?


 先日、某番組でアイスランドが取り上げられていたのですが、その冒頭で国家破綻(デフォルト)からの奇跡の?「V字回復」が紹介され、少しばかり驚きましたw。


 チョット前に「アイスランド革命」について触れたワケですが、そんなに早く「革命の成果」が現われるものなのか?と、キツネにつままれたような感じでもあるワケですが、何しろね?総人口が32万人の国ですから・・・。

 東京都の30分の1の人口でしかないワケで、「革命」もあっという間に成し遂げられるだろうと納得した次第です。はい。

 で、経済規模は人口に比例するワケで、中国のGDPが日本のGDPを追い越したと大騒ぎする経済学者もいますが、そりゃw、13億の人口と1億の人口を比較しても意味がありません。「一人当たりのGDP」を見ないと、その国の本当の国力・・・ポテンシャルは分かりません。

 そこで、日本、中国、韓国の、「一人当たりの名目GDP」をグラフで見ると下のようになります。

日中韓の一人当たりの名目GDP(USドル)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

 何も言うことはありません。その差は一目瞭然です。

 次に、「国家デフォルト」から「奇跡のV字回復」したアイスランドを見てみると・・・。

一人当たりの名目GDP(USドル)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

 「国家デフォルト」の直後でさえ日本と大差なく、中国、韓国は言うに及ばずです。はい。

 何で?アイスランドがこうも速やかに経済回復できたのか?勿論、「政治制度・経済制度」の劇的な転換もあったのでしょうが、その他にも理由があるハズ?と思っていたら、興味深い記事を見つけました。


アイスランドの漁業 
儲かりすぎて税金4倍に
「本当に儲かり続ける漁業」とは?

2012年10月19日(Fri)  片野 歩 (株式会社マルハニチロ水産)

<記事抜粋>

(前略)

アイスランドは、人口32万人、国土は10万平方キロメートルで北海道と四国を合わせた程度の面積です。水産業がGDPに占める割合は、10.9%(2011年)となっています。水産業は裾野が広いので関連産業も入れれば73%もの人々が、直接・間接的に関わっているそうです。

(中略)

 しかし、当時訪問した漁業の島、ウェストマン諸島の雰囲気は少し違いました。金融商品に手を出さず、本業に専念していた漁業会社は健在だったのです。

(後略)

</記事抜粋>


 早い話が、安易な金儲けの話には乗らず、地道に本業に勤しんでいたことで漁業関係者は「金融危機」のあおりを受けずに済んだワケです。そして73%の人が従事する水産関連業が生き残れたことが、デフォルト後のアイスランドの「経済復興の礎」となったと考えられます。


地道に働けよ!


・・・という、アイスランドの漁師さんたちの「教訓」のようにも思えます。その他にも、日本の漁業と比較して学ぶべきところが多いようにも思えますが、ま、ワタシは漁師じゃないんで余計なお世話は控えます。

 アイスランドが国家破綻から速やかに立ち直れたのは、先ず、「金融商品」などという虚構の経済に見切りをつけ、「政治体制・経済体制」を180°転換したコト。そして、アイスランドの国の産業とも言える「漁業(実経済)」を失わなかったことが、その理由として挙げられるでしょう。

 で、アイスランドは現在EU未加盟で、2013年に国民投票によってEU加盟の是非を問う予定ですが、EU加盟によってアイスランドの漁業が漁獲制限を受けることや、商業捕鯨ができなくなる可能性もあり、ワタシとしては「国家デフォルト」からの回復の原動力であった、漁業の立場を尊重するのがスジのように思えるワケです。

 で、で、ハナシは現在「国家デフォルト」の瀬戸際にあるギリシャに飛ぶワケですが、何でもギリシャには「豊富な地下資源」があるそうで・・・。


ROCKWAY EXPRESS
ギリシャは豊かな国:石油、金、天然ガスの宝庫


 この記事を読んで以前書いた記事、「誰得なのか?」でギリシャのことを「由緒ある大店の若(バカ)旦那」と揶揄したのを思い出したワケですが、ますます資産家のボンボンの風情が漂ってきますなw。

 ギリシャの一人当たりのGDPを見てみると・・・。

一人当たりの名目GDP(USドル)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

 2012年時点で22,757USDということは、韓国とほぼ同レベルですが、韓国のグラフが上向きなのに対してギリシャのそれは、明らかに下向きです。

 しかし、経済発展している国が良い国とは限らないワケで、ワタシが考えるところ「良い国」であれば、自殺者も少ないんではないかと思うワケです。きっと「良い国」とは、生きる希望というか、生きる意欲を失わせない国でしょうから・・・。

 逆に、「自殺者が多い国」は根本的に社会の何か間違っている可能性が否めないワケで、「国」としては「恥ずかしいデータ」であるとも言えます。


図録▽自殺率の国際比較



 で、経済的には発展しているハズの韓国ですが、堂々の?自殺率世界第2位で、人口が少ないうえに自殺者まで多くてダイジョウブなの?・・・と、人事ながら心配になりますが、日本にしても「TOP10」に喰い込んでいますからねえ・・・orz

 その点、「国家デフォルト」しそうなギリシャなんて下から数えたほうが早いくらいで、国民性もあるのでしょうが、単純に考えるならば「生きるのに適した国」ということなんでしょう。・・・たぶん。

 つまり、経済発展の指標と国民の幸福感・・・というか、「生きる意欲」との間にはあまり相関関係は無いように思えるワケで、「金が無いと生き辛い国」と、「金が無くても生き易い国」のどちらを選びますか?と選択を迫られた時に、ワタシなら迷うことなく「後者」を選びます。はい。

 前振りが長くなりましたが、ワタシとしてはギリシャはユーロを脱退した方がイイんじゃないかと思えることと、「地下資源」の話題にしても、実際のところは確固たる証拠もなく、「噂話」の段階に過ぎないように思えるワケです。

 コレが事実であればギリシャ国債とか株価に何らかの動きが見られるハズですが、いまのところそうした情報は伝わっていませんし、ドイツなんぞはIMFのギリシャ救済案に反対しているくらいです。もし地下資源の話が本当であれば、ドイツだって喜んでギリシャ救済に乗り出すハズ?


ギリシャ財政健全化目標でIMFが柔軟姿勢、ドイツは反発
ロイター 2012年 10月 12日 19:21 JST


 ギリシャの地下資源の「噂」は未確認の情報でしかなく、ギリシャをユーロ圏内に留め置きたいが故の「ブラフ(はったり)」の可能性もあるワケです。つまり、そこまでEUは、ヨーロッパの金融界は、ギリシャのユーロ離脱を阻止したいとも受け取れ、崖っぷちなのかも知れませんなw。


伊・スペイン国債利回り、数カ月来の低水準
ロイター 2012年 10月 20日 03:52 JST


人間ナメんなよ!


でわっ!