2012年10月7日日曜日

鉄の玉と木の玉、どっちが早く落ちる?


 あるところで「珍妙」な説を目にしたワケですが・・・。


目からうろこ!痛快で素晴らしすぎる演説!中学生にもわかる!小山和伸




 で、小山和伸という御仁はどこのどなたか?というと、動画の解説文に書かれていましたw。

<引用>

素晴らしすぎます!小沢一郎 鳩山由紀夫への批判で、非常に解りやすく、的を射た、痛快な演説でした。

平成22年2月2日 東京・日比谷公会堂:「頑張れ日本!全国行動委員会」結成大会での小山和伸(神奈川大学教授)の演説です。

「鳩山の命守りたい」「小沢の勝手な多数派の論理」をバッサリ。

小沢一郎の一般国民を尊重する考え方など毛頭無い心根の悪さを見事に言い当てています。

</引用>


なんと!


神奈川大学教授


だそうで、会場の聴衆も小山教授の熱弁にいたくご満悦のようで、慢心の笑顔で拍手を送っております。

 が、ワタシとしては、教授の説明(説得?)に疑問を持ったワケです。


本当か?


 恥ずかしながら、ワタシの「直感」としては「鉄の玉の方が早く落ちる」ように思えたもので・・・。


自由落下と空気抵抗


 「重力加速度」の説明はアレとして、「空気抵抗」の存在を無視してるんじゃないかとチョットばかり調べてみたら、便利なものがありました。


Excelによる自由落下する球の終端速度の計算


 さっそくエクセルをダウンロードし、鉄の玉(直径30cm)、木の玉(直径30cm)のそれぞれの条件をエクセルに代入してみるに、直径の項は30cmで同じとして、密度が鉄の場合は7.85g/cm³、木の場合は重めに見積もっても0.85g/cm³としました。


比重データ


 上記データをダウンロードしたエクセルの「直径」と「密度」の項目に入力すると、下記の結果が得られます。


鉄球の場合

直径 300 mm
密度 7.85 kg/m³

気温 25 ℃
気圧 760 mmHg

空気の粘性係数 18.2 ×10-6Pas
重力加速度 9.81 m/s²

v1  21156.18132 m/s
v2  28.40859726 m/s
v3  7.688388622 m/s
終端速度, v = 7.688388622 m/s


木球の場合

直径 300 mm
密度 0.85 kg/m³

気温 25 ℃
気圧 760 mmHg

空気の粘性係数 18.2 ×10-6Pas
重力加速度 9.81 m/s²

v1  2290.796703 m/s
v2  6.453806934 m/s
v3  2.529938487 m/s
終端速度, v = 2.529938487 m/s


 単位系がゴチャゴチャしてますが、要は同じ大きさの鉄球と木球を、同時に「大気中で自由落下」させた場合、その終端速度には歴然とした違いがあるというワケです。結果として、


鉄の玉の方が早く落ちる!


という結果が得られたのですが、この結果が正しいとするならば、小山教授に言いくるめられて「鉄の玉が早く落ちる」という「自分の直感」を翻してしまった小学生は、謂わば「見事に洗脳されてしまった」と言えます。

 同時に、この講演会場にいるどれだけの人たちが疑問を持ったのか?


大学教授の言うことだから。


・・・と、無防備に受け入れてしまっているようにしか見えませんが、コレと同じことが過去、そして現在も、「原発推進派」によって繰り返されているワケですよ。


何が正論なのか?


 それを見極める努力をしなければ、「口先だけの連中」にイイように振りまわされるだけなワケです。


日本国憲法

第三章 国民の権利及び義務

第十二条
 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。


 みんな仕事を抱え忙しいワケですが、それでも以前・・・インターネットが無かった時代に比べたら、今のワタシたちはとても恵まれています。こうして「疑問」を持ったら即座に確かめることが可能な環境が整備されているのは、本当に素晴らしいことです。

 今まで情報を管理、独占してきた「旧世界の住人」にしたら忌々しい限りでしょうが、この環境があればこそ、


不断の努力


をするにしても、以前より遥かに少ないエネルギーで済むワケです。

 この動画は一例として取り上げただけなので、とくに論評する目的はありません。ただこの会場で、何も考えずに?小山教授の演説に拍手を送る聴衆の姿と、現在の領土問題にかこつけ「愛国心」を煽る論調および、無防備にそれに同調する人たちの姿が重なって見えたまでです。



人間ナメんなよ!


でわっ! 


追記:

空気抵抗有する自由落下
(距離から計算)

 上記のWEBサイトでも自由落下の計算ができます。小山教授の言うように「形が同じで大きさが同じ」だとすると、空気抵抗は同じになるワケで、あとは重さだけを100Kg、1Kg、と条件を変えて25m落下した場合の結果を見ると・・・



 やっぱりその差は歴然としているワケで、何で?大学教授が平気でウソつくかなwww?orz