2010年3月25日木曜日

権力への欲望 30

普天間基地からアメリカ軍を撤収させるのに、
一番手っ取り早い方法があります。それは・・・

北朝鮮と国交を回復する。

現在、横田飛行場、キャンプ座間、横須賀海軍施設、
佐世保海軍施設、嘉手納飛行場、普天間飛行場、ホワイト・ビーチ地区
の計7ヶ所が「国連軍基地」に指定されているワケですが、
その他に、青森県の三沢、山口県の岩国基地など、
「国連軍基地」以外のアメリカ軍単独の基地も数多くあります。

で、まず問題を普天間基地に絞って整理してみると、
先日、ゆっきー(鳩山首相がこう呼んでくれというので今後そうします)が、
参院予算委員会の場でヒゲとボイン・・・もとい、ヒゲの佐藤議員(自)に、
普天間基地の扱いは、「国連軍基地」としての扱いも絡んでいると指摘され、

不勉強でした。

と、素直に認めたいきさつがあったのですが、そうすると佐藤議員は、
普天間などの国連軍の指定基地に駐留している米軍は「国連軍」だと。
そう考えているワケですかね?そうすると当然、

国連軍地位協定
(日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定)



が適用されるコトになるワケですが、ここで同協定の第三条をみると、


   第三条

1 本条の規定に従うことを条件として,日本国政府は,この協定の適用上,国際連合の軍隊の構成員,軍属及び家族に対し,日本国への入国及び日本国からの出国を許可する。国際連合軍司令部は,日本国政府に対し,入国者及び出国者の数,入国及び出国の日付,入国の目的並びに滞在予定期間を適切に通告しなければならない。

2 国際連合の軍隊の構成員は,旅券及び査証に関する日本国の法令の適用から除外される。国際連合の軍隊の構成員,軍属及び家族は,外国人の登録及び管理に関する日本国の法令の適用から除外される。但し,日本国の領域に永久的な居所又は住所を要求する権利を取得するものとはみなされない。

3 国際連合の軍隊の構成員は,日本国への入国又は日本国からの出国に当つて,次の文書を携帯しなければならない。

(a)氏名,生年月日,階級及び番号,軍の区分並びに写真を掲げる身分証明書

(b)その個人又は集団が国際連合の軍隊の構成員として有する地位及び命令された旅行の証明となる個別的又は集団的旅行の命令書

4 国際連合の軍隊の構成員は,日本国にある間の身分証明のため,前記の身分証明書を携帯していなければならない。身分証明書は,日本国の当局が要求するときは,呈示しなければならない。

5 軍属は,その旅券に自己の身分及び自己の属する機関の記載を受けていなければならない。

6 軍属及び家族は,日本国にある間の身分証明のため,日本国の当局が要求するときは,その旅券を相当な期間内に呈示しなければならない。

7 本条に基いて日本国に入国した者の身分に変更があつてその者が前記の入国の権利を有しなくなつた場合には,派遣国の当局は,日本国の当局にその旨を通告するものとし,また,できる限りすみやかにその者を日本国政府の負担によらないで日本国から退去させなければならない。但し,その者が日本国の当該法令に従つて日本国にとどまることを許可される場合は,この限りでない。

8 日本国が正当な事由により国際連合の軍隊の構成員,軍属又は家族の日本国からの退去を要請したときは,当該派遣国の当局は,その者を遅滞なく日本国から退去させる責任を有する。


と謳っているワケですが、ここで気付いたのが3項の(b)。
国連軍の構成員として所持、携帯しなければならない書類について。

(b)その個人又は集団が国際連合の軍隊の構成員として有する地位及び命令された旅行の証明となる個別的又は集団的旅行の命令書

アメリカ軍の軍人さんは当然命令書持っているんでしょうなぁ。
国連軍の構成員として!

えぇっ!どうなんでい!

国連軍としての命令書を持っていないのなら、国連軍として認めませんけど?
ヒゲの佐藤議員(自)が認めても、私には認められません。だって、

国連軍地位協定

でそう謳っているんですから。さらに7項では・・・

7 本条に基いて日本国に入国した者の身分に変更があつてその者が前記の入国の権利を有しなくなつた場合には,派遣国の当局は,日本国の当局にその旨を通告するものとし,また,できる限りすみやかにその者を日本国政府の負担によらないで日本国から退去させなければならない。但し,その者が日本国の当該法令に従つて日本国にとどまることを許可される場合は,この限りでない。

とまぁ、端的に言うと、国連軍の資格無き者は日本から退去よ。・・・と。
ただし日本側が認めればこの限りではない。日本に決定権がある。・・・と。
で、最強なのがこれ、8項。

8 日本国が正当な事由により国際連合の軍隊の構成員,軍属又は家族の日本国からの退去を要請したときは,当該派遣国の当局は,その者を遅滞なく日本国から退去させる責任を有する。

正当な理由があれば、即刻、国際連合軍に日本から出て行ってくれ。
・・・と。また、出て行かねばならないと。
で、日本にとって最強の「正当な理由」とは・・・


北朝鮮と国交を回復しました。

国連軍はもう必要ありません。


これに尽きます。なぜなら国連軍地位協定は朝鮮戦争勃発による、
1950年6月25日,27日及び7月7日の安全保障理事会決議
その拠り所となるからですが、ここでひとつ問題が・・・

北朝鮮と国交を回復することで、日本における米軍の立場は

180°変わる。

日本が堂々と、アメリカに対して土地の使用料も請求できるでしょう。
使用料収入が沖縄経済の助けになれば言うこと無し。
沖縄の人にとっては良い結果をもたらすのでしょうが、一方、
「拉致被害者」の家族の心情としては受け入れ難いはず。

もっとも、全てはアメリカ軍が「国連軍」の構成員とした上の話で、
アメリカ軍が独自で日本に居座るのなら、また対応を変えないと。
過去、確かに「国連軍」が日本に駐留していた時期があったのだから、
なし崩し的にアメリカ軍が日本に居座るのであれば、これはもう


国連で討議
するのが一番イイんじゃないかと。
日本とアメリカだけの問題に留めず、世界各国のご意見も聞きましょう。
イギリスとか?ドイツとか?フランスとか?その他の加盟国にも。
で、もしアメリカ(オバマ)があまりゴネて国際問題になると、


今年の中間選挙


にも響くんじゃないの? ま、日本としては穏便にね?
アメリカンのメンツも立てつつ事を済ませたいのだが?

あちらを立てればこちらが立たずと云う状況で、
そう云う状況を取り纏めるのが政治であり、政治家の仕事だわな。


でわっ!