2013年3月20日水曜日

どっちがホント?

   
 キプロスの預金課税の件ですが、キプロス議会がECB(欧州中央銀行)の条件を受け入れるかどうかで、どうも情報が交錯しています。

 「ロシアの声」では預金課税法案が通過したと報道し、「ロイター」では、逆に否決されたと報じられています。イッタイどっちが正しいのか?


キプロス議会、銀行預金への課税を採択
19.03.2013, 13:14


 キプロス議会は火曜、採決によって、デフォルトを回避するべく銀行預金に臨時課税を行う決定を下した。デフォルトは欧州を危機に陥れかねないとの危惧に基づく決定だ。税金の導入は、欧州グループがキプロスに100億ユーロ規模の資金援助を提供するに当たっての重要な条件とされていた。昨晩明らかになったところによれば、欧州グループは、小額預金に対する課徴金の低減に合意し、一方で、高額預金に対する税率は15.6%まで引き上げた。キプロスの銀行に最も多くの資金を預けているのはロシア人である。Moody’sの評価によると、およそキプロスの銀行預金の3分の1(684億ユーロのうち270億ユーロ)がロシア市民のものである。ロシアの銀行「ズベルバンク」のマクロ経済分析センターの評価では、徴収される総額の40%をロシア人の損失が占める。火曜、「ヴェードモスチ」が伝えた。

 キプロスの課税計画は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、ドミートリイ・メドヴェージェフ首相の憤慨を呼んでいる。シルアーノフ財務相は、預金への課税の決定は、キプロスの債務建て直し問題におけるロシアの立場に影響を与えかねない、としている。ロシアは2011年、キプロスに、償還期限4.5年のクレジット25億ドルを提供している。キプロスは期限を5年間先送りするよう求めている。

ロイター、FT、ヴェードモスチ



UPDATE2: キプロス議会、銀行預金課税法案を否決 支援の行方不透明に
2013年 03月 20日 13:03 JST


◎採決結果は反対36、賛成ゼロ、棄権19

◎EU、預金者からの拠出ない限り支援は行わない方針

◎キプロスの財務相、金融支援めぐる協議でモスクワ訪問

◎キプロスとロシアの大統領が電話で協議

[ニコシア 19日 ロイター] キプロス議会(56議席)は19日、国際支援を受ける条件である銀行預金課税法案を否決した。採決結果は賛成ゼロ、反対36、棄権19、欠席1と圧倒的な反対多数での否決だった。

 ギリシャ、ポルトガル、アイルランド、スペインなど、ユーロ圏諸国は過去3年にわたり、欧州連合(EU)からの支援を受けるため、国民に不人気な緊縮措置を繰り返し受け入れてきた。域内小国のキプロスがこうした流れに逆らい、EUの支援条件を拒否したことは、ユーロ圏諸国にとっては大きな痛手となる。

 EUはキプロスが預金課税を受け入れない限り、100億ユーロ(128億9000万ドル)の支援を行わない方針を示しており、キプロスは法案否決により財政破綻の瀬戸際に立たされた。

 ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のダイセルブルーム議長(オランダ財務相)は採決結果を「遺憾だ」としたが、条件が満たされれば支援は実施されると表明した。

 否決された法案は、2万ユーロ(2万5920ドル)を下回る預金は課税対象外とし、2万─10万ユーロまでの預金への課税率は6.75%とした。

 ユーロ圏財務相は前日の緊急電話会議で、10万ユーロ未満の預金を保護し大口預金への課税を強化するよう求めたが、アナスタシアディス大統領は課税による58億ユーロの歳入確保のために10万ユーロ超の預金に10%超の課税を行うことには断固として反対。法案では、より小額の預金に対しても課税を行う内容となった。
 
 キプロス内ではロシアからの支援に期待する声もある。キプロスのサリス財務相はこの日、モスクワを訪問し、金融支援について協議している。

 キプロス政府によると、アナスタシアディス大統領とロシアのプーチン大統領が採決後に電話で「建設的で実りがある」協議を行ったという。

 キプロスの銀行は20日も休業。株式市場も休場となる。


  ふたつのニュースを読み比べてみると、おかしなことに気づきます。「ロシアの声」では、

「小額預金(2万~10万ユーロ)は課税率が減らされ、高額預金(10万ユーロ以上)は当初の9.9%から15.6%に引き上げ」

・・・という法案が「可決」したとし、いっぽう「ロイター」では、

「2万ユーロ以下の預金は課税対象外、2万~10万ユーロまでの預金は6.75%の課税、それ以上は・・・?」

・・・という法案が「否決」されたとしています。

 はて?ニュースに矛盾はないワケですよ。法案の内容が違うワケですから。法案は2種類あったんですかね?だとすると、「ロシアの声」によれば結果的にキプロスでは、ECB(欧州中央銀行)の言いなりになったワケであり、ロイターの記事はレトリックを使い、事実を相当捻じ曲げて伝えていることになりますし、それに同調している日本のメディアも「真実」を伝えていないことになります。

 もちろん、法案が2種類あったらばの話ですが・・・。

 キプロス議会が預金課税を全面否定したのであれば、EUは借金を取り立てそこなった観もあるワケですが、この件をシリア情勢と絡めて考えれば、イギリスやフランスのシリア反政府軍に対する武器供給資金のアテが絶たれた・・・とも言えます。

 そこでシリア情勢ですが、「化学兵器」が使用されたと両陣営が避難しあっており、「NATO」もいよいよ表に出てシリアに介入するつもりです。


NATO、シリアにおける軍事作戦計画を準備
20.03.2013, 13:51


 NATO加盟諸国はシリアの市民戦争を休止させるための軍事作戦計画を準備している。火曜、米軍欧州方面部隊総司令官のジェイムス・スタウリディス提督が、軍隊に関する上院委員会の会議で述べた。

 提督によれば、NATO諸国は、シリア領空の飛行禁止エリアの確保のために空軍力を用いるなどの支援を反体制側に提供する可能性を、引き続き検討している。提督は、シリアで連合軍の力を使用するためには、国連安保理決議の採択、ならびにNATO加盟全28ヶ国の合意が必要である、と強調した。

インターファクス


 「NATO」が動き出すところを見ると、どうもキプロスは預金課税を受け入れたっぽい感じがするワケですが、「化学兵器」というのも「NATO」がシリアに介入するための「ブラフ」臭いですなw。トンキン湾事件のような・・・。

 そうなると、さらに多くのシリア市民が危険に晒されることになるワケで、


もういい加減にしてくれ!


・・・としか、言葉が見つかりません。




人間ナメんなよ!


でわっ!