2012年7月18日水曜日

日銀商品引換券


 池上彰氏のスペシャル番組で「お金」を取り上げていましたが、見ていて


ナニ言ってんだ?こいつらわ?


と、頭がクラクラしました。もうね?考え方の根本が「金融市場主義」にドップリ漬かってて、そこから抜け出せないワケですよ。

 まず痛いのは、「お金の本質」を忘れてしまっていることです。「お金」は物々交換の手段(媒体)なのです。ということは、別な交換手段があれば「お金」に拘らなくてもイイんです。

 「お金」なんて、「お」を付けて呼んでいるからアレですが、要は「銀行券」なワケで、その役割は「商品引換券」と何ら変わりません。「商品引換券」の発行を国が銀行に認可し、その効力を保障しているに過ぎません。



 で、「通貨」=「日銀商品引換券」の保証人は「日本国政府」ですが、保証人に対する信用が無ければ、「国内取引」はアレとしても、「国際取引」は成立しません。「日銀商品引換券」は、あくまでも日本の「ローカル商品引換券」なワケです。

 そうすると、「国際取引」において「日銀商品引換券」を使おうとするならば、ローカル性を超えた「普遍的な何かの裏づけ」が求められます。簡単に言うと、「担保」がシッカリ存在しているか?ということで、その基準とは、その国に埋蔵されている「資源」であったり、産業界の「技術力」であったり、風光明媚な「環境」=「不動産価値」であったり、ま、あとは「金」などの資産ですかね?

 となると、天然資源は「日本人共有の資産」だし、「技術力」とか「国家資産」などの資源は、ワタシたちひとりひとりの、日々の営みの中で積み上げられてきたものですから、「日銀商品引換券」の国際的な効力を保障しているのは、結局のところ「日本国政府」ではなく、「ワタシたち」ひとりひとりの活動ということになります。

 で、確か?「日本国政府」は過去、アジア通貨危機の際には「韓国商品引換券(ウォン)」の保証人も引き受けたように記憶していますが、ま、困ったときはお互い様の精神で、「保証人」を引き受けるのも吝かではありませんが、あの時、もし韓国が破綻していたら、その負債を日本も=ワタシたちも被る事になっていたでしょうなあ。


日韓通貨スワップ協定を拡大しても感謝されない日本
300億ドルが踏み倒される可能性もゼロではない

2011.10.28(金) 日本ビジネスプレス


 池上氏の番組の話に戻りますが、ギリシャの経済破綻とユーロ離脱についても語られ、ギリシャがユーロを離脱し「ギリシャ銀行商品引換券」=「ドラクマ」を印刷するようになると、世界的な経済破綻が発生する可能性があると「脅す」ワケです。

 ギリシャの問題を簡単に整理すれば、「借金苦」に陥っている状態なワケで、それも、タチの悪い仲間(ユーロ)に加わったせいで、「借金漬け」にされてしまった観が否めません。本来の「自分のフトコロ具合」を超えて、ユーロ圏の合コンとかパーティーに付き合わされた結果、見栄を張った代償として借金が嵩んだという、日常よくある光景です。

 で、「ハッ!」...と、ワレに戻ったギリシャが、


このままじゃいけないわ!


と、ジタバタしているのが現在の状況なワケで、ここで、ひとりの人間としてどういう選択をするのか?考えてみるに、


1.このまま、お付き合いを続けながら借金を返済する。

2.一旦お付き合いを断ち、借金の総額を明確にした上でボチボチ返済する。

3.自己破産申告をして借金をチャラにするが、同時に信用も失う。


の3通りが考えられます。3.の道を選ぶのは「楽」ではありますが、「一個人」ならイザ知らず、「一国家」が、国際的な「禁治産者」になり、この世界に居場所が無くなる恐れもある以上、まず3.の選択はありえないでしょう。

 そうすると、1.か、2.になるワケですが、1.を選択した場合、「借金を返済するために借金をする」という


ローン地獄


に陥ることは、経験者の方であればスグに予想がつきます。そして行き着く先は「資産差し押さえ」であることも。

 そうなったら、「もうお終い」です。先に述べたように、そうなってから「ギリシャ銀行商品引換券」を印刷しても、その裏づけとなる「担保」が無いワケですから、「こども銀行」のお札と同じで「紙切れ」でしかありません。

 確実なのは、2.という選択肢になります。つまり、


ユーロ離脱


がギリシャにとって正しい選択だとワタシには思えます。


LIBORスキャンダル:悪徳銀行家
JB PRESS 2012.07.09(月)


 で、次に、どうやって借金を返済していくか?という難問に直面するのですが、先に述べたように、「資源」、「技術」、「特産品」などで、


物々交換すればイイ


だけの話です。「銀行商品引換券」の最終目的は、「現物との交換」にあるワケですから、直接物々交換をすれば、「銀行商品引換券」が無くても構わないワケです。

 曖昧な記憶でアレですが、以前北朝鮮で「デノミ」に失敗した影響か何かで、チェコスロバキアだったか?あの辺から輸入した「食糧」の代金の支払いが出来ずに、相当分の「石炭」だか「鉄鉱石」で支払った経緯があります。

 同様にギリシャも、「天然資源」なり、「特産物」などで借金を返済すればイイんです。100%自国産の物であれば、他国からこれ以上の借金を重ねることも無く、ま、細々とではありますが、いつか必ず「借金完済」の日が訪れます。日本にしたって、「日露戦争の借金」を完済したのは、昭和40年代に入ってからです。

 そして、日本が借金を完済できたのも、国内の生産力の維持できたからなワケで、日本の天然リソース、人的リソースがあったればこその話なのですが、恐ろしいのは、福島での原発事故により、天然リソースにも人的リソースにも悪影響を及ぼしているという現状です。

 「人間、体が資本」とよく言われますが、国にしても全く同じです。国も「国土が資本」であり、メタンハイドレートだとか、レアメタルだとかの資源があれば、「物納」で借金の返済は可能だし、「最高の米」とか「おいしい野菜」を生産すれば、世界中の消費者がそれを求めるでしょう。

 また、日本にしかない技術であれば、「技術費用」として借金の返済にも組み込めるでしょうし、もうね?借金返済の方法はいくらでも考えられるワケですよ。日本が国として健全であれば。だから何度でも繰り返し言うワケです。


原発はヤメロ!!


と。

 何でも?経済産業省傘下の資源エネルギー庁では、「2030年に原発廃止」とかフザけたことを言ってるらしいですが、ちょっと想像してみて下さい。あなたが「禁煙運動家」だとして、タバコを吸う人が


2030年までに禁煙しますよ


とあなたに言ったら、「そうですか、それはよかった♪」と喜びますか?ワタシはタバコを吸うのでアレですが、「禁煙運動家」の人であれば、「明日にでもやめなさい!」と言うんじゃないですかね?

 ま、多少ズレているかもしれませんが、ワタシの原発に対する考え方は、禁煙運動家の喫煙に対する考え方に重なる部分もあると思うワケですよ。だから、「2030年までに禁煙(原発廃止)」なんて


まったくナンセンス!


でしかありません。


「2030年原発比率」についてのパブリック・コメントの書き方
カレイドスコープ


 で、話はギリシャに戻りますが、ユーロを離脱した後の借金返済の方法は、当然ギリシャ自身が考えるしかないのですが、その手助けをすることは、日本にだってできます。


外務省HP
ギリシャ共和国



 例えばですよ?日本がギリシャに、観光資源の維持・管理・補修として援助をします。これは文化的に見ても有益な援助と言えるでしょう。そしてギリシャは、観光産業の収入から借金をボチボチ返済するワケですが、日本からの援助への感謝として、観光地の宿泊施設に「日本人割引」を設定したとしたらどうです?悪い話じゃないでしょ?

 もちろんその他の産業でギリシャ特有のものがあれば、それにもドンドン出資・投資すればイイんです。ギリシャ近海で水揚される「新鮮な地中海魚」が輸入され、日本の食卓やレストランに出回るのも、夢がありますなあ。


海鮮ポセイ丼


とか、


ネプチューンの盛り合わせ


とか、


ゼウスの蒲焼


とか...。

 ま、そういったワケで、ワタシはギリシャにユーロからの離脱をお勧めしますが、そのためにも天然リソースと人的リソースの二本柱は、ギリシャに限らず如何なる国にとっても、疎かにしてはいけない「基本中の基本」だと思っています。 

 つまり、「銀行商品引換券」の存在意義は、交換できる「現物」があってはじめて成立するということです。よね?

 あと、件の番組の中では、中国が「金」を買い漁っているとレポートされていましたが、中国人は食料が不足したら、「金」を食べるつもりなんですかね?もうね...


アホか?


と。



人間ナメんなよ!


でわっ!