2012年5月16日水曜日

「働く」 ということ


 V.O.R(ロシアの声)より。


<転載>

キャノン デジタルカメラ製造を完全にロボット化
16.05.2012, 02:43

  カメラ製造世界最大手のキャノンは、デジタルカメラ製造を完全に自動化し、手作りによる組み立て作業をなくす計画だ。

 インターネット新聞「ガゼータ・ルゥ」がThe MarketWatchの情報を引用して伝えたこところでは、早ければ2015年までに、デジタルカメラの組み立ては、完全にロボット化される見込み。

 その際キャノン指導部は、人員カットのつもりはなく、空いた人手は別の場所に移動すると言明している。

</転載>


 キヤノンに限った話ではなく、工場の自動化(ロボット化)は避けられない・・・というか、当然の流れです。中国などの安い労働賃金に対抗するには、労働賃金¥0(ゼロ)のロボットに任せるしかないワケです。勿論ランニングコストは発生しますが、「3K」の仕事にも黙々と従事するロボットは、企業側にとってはありがたい存在でしょう。

 そうなると「工場労働者」は職を失うワケですが、そうした社会が到来した場合に、ワタシたちはどう対応すればイイのか?

 まず、失業者が溢れるような社会状況になった場合、「生活保護」の受給者数が増えるワケで、「国の財政」が圧迫されます。「福祉」の中でも「生活保護」は比較的順位の高い項目でしょうから、「生活保護」に多くの「予算」が割り当てられることとなり、その他の「医療」とか、「教育」とか、「インフラ整備」などの分の予算が必然的に削られると考えられます。

 然しながら「国家予算」の財源は「税金」なワケですから、失業者が増えれば当然「税収」も減るワケで、みんなが遊んで暮らせる「夢のような国」なんて、少なくとも現在の日本の社会システムでは実現不可能です。ま、サウジアラビアみたいに「石油」という天然資源を保有していれば話は別ですが・・・。

 ロボット(機械)に取って代われない仕事=サービス業は生き残る?のかも知れませんが、例えば「外食産業」にしてみても、生活にゆとりがある上での「プラス・アルファ」な産業なワケで、生活にゆとりが無くなれば外食する人も減り、外食産業だっていずれ立ち行かなくなるのは明らかです。


 つまり、「収入の保障」があってこそ、社会は健全に機能するし、経済も一応は循環するワケですが、「収入の保証」となる「就労」そのものが不可能になれば、社会が崩壊するという理屈になるワケですよね?ちなみに「ベーシック・インカム」も議論されていますが、その「財源」をどう確保するのかがイマイチ見えてきません。


ベーシック・インカムとは何ぞや   




 「ベーシック・インカム」にしても、その「財源」がワタシたちひとりひとりの「収入の上前(税金)」から賄われるのであれば、まず「雇用」の問題の解決を解決する必要があるハズです。その先に、「ベーシック・インカム」の論議があるようにワタシには思えます。


 で、話は振り出しに戻りますが、企業活動を無制限に自由化すれば、早晩、「工場の完全自動化(ロボット化)」への道は避けられないでしょうから、これに歯止めをかけるか否かの選択を迫られるようになるでしょう。とは言っても、労働者としても「3K」の職場では働きたくないのが「本心」なワケで、企業側ばかりに責任を押し付けるのも、無体なようにも思えます。

 そうなると、「国有企業」の復活という考え方も「有り?」のように思えるワケです。具体的に言うならば、


電力事業の国有化


です。

 原子力発電所を「廃炉」にし、いままで溜めに溜め込んだ「核廃棄物」の処理には、この先も膨大な「時間と経費」が掛かりますし、「利益」も生み出しません。そのような事業に民間事業者・・・電力各社が積極的に取り組むとは到底思えず、現に関西電力は「電力の供給云々ではなく、安全性を基準に原発を稼動したい。」と、明確に「商業運転」の必要性を述べています。


カレイドスコープ
Tue.2012.05.15
関西電力は、電力需要のために再稼動したいのではない




 そもそも?エネルギー、食糧、医療、教育、交通などの社会インフラの類は、「国の安全保障」の側面をも持ち合わせ、「独立した国」としての重要な基盤となるワケですよね?そこに「市場原理主義」を持ち込むこと自体が危険・・・国の存亡を危うくするようにも思えます。

 であれば、この期会にいっそ電力事業を国有化し、電力各社の原発の「廃炉」などを長期的な公共事業に据えれば、「原発の後始末+雇用の創出」で丸く収まるんじゃないですかね?大学や各研究機関にも、「核の無害化」に寄与する研究には優先的に研究費を分配すればイイでしょ?・・・と、思ったりもするワケです。

 とにかく、どんなに込み入った問題であろうと「この世界」で起きている問題であれば、必ずどこかに「因果関係(バタフライ・エフェクト)」があるハズなので、「一本の線」にすることは可能なのです。それを阻害しているのが所謂「利権」というヤツなのですが、


生きるか?死ぬか?


という時に、


「利権」もヘッタクレも無いだろ!?


と思うワタシは、思考が短絡的なんですかね?



人間ナメんなよ! 


でわっ!