2012年11月14日水曜日

イジメ脳


 「イジメ」や「自殺」は社会的問題として考えられていますし、それはソレで否定できないワケですが、少し視点を変えて「脳の機能」という観点から考えてみたいと思うワケです。


図録▽主要国の自殺率長期推移(1901~)

 ところで、国によって「自殺率」が異なるのは、その国を構成する民族の違いも去る事ながら、自殺率の上下の変動は各国が抱える、その時々の「社会的問題」の影響と考えられます。つまり、不景気なご時世には「世を儚んで自殺」する人が増える・・・という、よくある話なワケですが、それは反面、「政治が悪い」ことの証明でもあります。

 景気が悪くなったくらいで世を儚む=生きる希望を失ってしまうような社会が、住み易い社会と言えるのでしょうか?即ち、良い政治が行われていると言えるでしょうか?

 で、差出がましいようですが、上のグラフを見る限り日本と韓国は自殺率が増加の傾向にあり、特に韓国は近年急激な増加を示し、「ヤヴァイ」状況にあるのではないか?と、推測されます。表面には表れていませんが、社会が混乱状態(過度のストレス)に見舞われている可能性も考えられます。

 「竹島」を巡る挑発行為にしても、大統領府の家宅捜索が検討されているニュースにしても、そうした社会的ストレスの一端もような気もします。

 ま、日本の自殺率にしても、韓国以外の先進国の自殺率が概ね低下する中、1998年頃からズット高止まりしているワケですから、お世辞にも「住み易い社会」であるとは言えません。「自殺率」が高いということは、


国としてはダメダメ


・・・だということの証明でしかありません。

 で、そうした「悪政の被害者」としての「自殺者」が存在するのとは別に、同じストレスを受けても、自殺に至ってしまう人と、ストレスに打ち勝つ・・・即ち、自殺しない人もいるという事実もあります。

 したがって「自殺率」の推移は、「戦争」、「不景気」などの「社会的要因」と、ひとりひとりの「生理的要因」のふたつが考えられるワケです。

 で、「ストレス」に対する「生理的要因」の個人差は何かと言えば、「脳機能の個性」に他なりません。

 近年のイジメによる「犠牲者(自殺者)」は、教育現場のみならず社会的にも見られるワケですが、これは見方を変えれば、「子供の脳のまま」社会に出ている人が増えているからと解釈することもできます。つまり社会全体にイジメが蔓延する傾向にある・・・と。

 そうなれば当然「住み難い社会」になるワケで、イジメなどのストレスに対する耐性の弱い人から、「自殺」という道を選んでしまうのでしょう・・・。そこで「イジメとは何なのか?」を一言で言うならば、


弱者に対する攻撃である。


・・・というのが、ワタシの見解です。


 したがって、「攻撃行動(衝動)」を抑えることが「イジメ」の根本的解決法のように思えるワケですが、その為にも「脳の基本的知識」は、みんなが知っていた方がイイように思うワケです。


5. 脳・神経のメカニズム(1)


 「神のホームページ」という、チョット腰が引けてしまうような名前のサイトからの引用でアレですが、キリスト教と科学を結びつける壮大な試みはひとまず脇に置いておくとして、脳の機能について分かりやすく解説されています。


 ワタシが気に掛かったのは、「(1) 動物の 脳・神経系の比較:」で書かれている・・・「間脳の視床下部には、食欲、性欲の中枢があり、その付近には攻撃性の中枢がある。(本能的な欲求)」・・・と、いう部分です。

 つまり人間は、視床下部の働きによって「犯罪」を犯し、「戦争」という愚行にも走るのだと言えるワケです。もちろん純粋な食欲、性欲は「生存と種の保存」の為には必要な本能であり、攻撃性にしても、狩猟生活においては獲物を獲るために無くてはならない本能ですし、自己防衛をするにも必要です。

 しかし、攻撃性に突き動かされた食欲は「略奪」に繋がり、攻撃性に突き動かされた性欲は「レイプ」などの犯罪に繋がります。

 結果的にそうした「攻撃性」を正当化するのが「戦争」であり、それ故、「戦争は犯罪の延長である」というのがワタシの見解でもあるワケです。

 で、「イジメ」における「攻撃性」ですが、「欲望」を満たす手段(原動力)としての「攻撃性」の先にあるものは、「満足(快感)」の獲得にあるワケで、早い話が「イジメ」をする心理とは、「狩猟の延長」にあるワケです。


オヤジ狩り


とか、「ホームレス狩り」とか・・・。もうね?肉食動物の捕食行動と変わらないレベルなワケですよ。
 
 大脳辺縁系は謂わば「動物の脳」であり、「感情(原始的な無意識)」を司っていますが、大脳辺縁系の働き如何によっては視床下部の「本能」が「暴走」するワケです。


【Networkゼミナール】イーサネット技術読本
イーサネットの基本原理(1),ジュラシック・コード「CSMA/CD」


<引用>

① 恋愛感情と”ワニの脳”:

  ヒトの大脳辺縁系は、闘争本能や縄張り意識などの”きわめて原始的な無意識”をつかさどる所で、”爬虫類の脳(ワニの脳)”とも呼ばれる。ここでは、恐怖、怒り、好意、嫌悪、愛着、喜び、悲しみなどの、動物でも持っている「情動」(=原始的な感情)を支配し、食欲などが満たされた”快”、満たされない”不快”も含まれる。 我々ヒトが、人を好きになったり 嫌いになったりする感情も、この”ワニの脳”による。

  ただし、大脳皮質が発達していない”ワニ”などは、敵に対する行動は生まれつきのもので、遺伝子によってプログラミングされた決まりきった行動でしかない。 一方、ヒトは、大脳新皮質のうち、特別重要な働きとして、この「情動」と「思考」とを統合する働きがあり、「心」の創出に大きな役割を果たしている。高度な学習能力により、状況に応じて適切な行動をするように、自らの「意志」でそれらをコントロールすることができるのである。

  この 大脳辺縁系の本能的な働きに基づく「快」、「不快」という価値判断が、動物の行動の基本になっている。この”好き”、”嫌い”の価値判断をしているのが、大脳辺縁系の中の「扁桃体」(ヒトで長さ15mmのアーモンド(扁桃)形)であり、外敵から身を守るための闘争本能や攻撃行動をつかさどる。・・・

</引用>


 つまり、大脳辺縁系を「制御」できれば、イジメも根絶とまではいかなくても、その発生を極力抑えることが可能になる。・・・という理屈になるワケです。 

 大脳辺縁系の外側の大脳新皮質は5つの連合野に分かれ、前頭連合野(意欲、意志、言語、判断、創造的な精神活動)。運動前野(運動)、頭頂連合野(体性感覚)、後頭連合野(視覚認識)、側頭連合野(聴覚、記憶)の各部が、人間を人間足らしめているワケですが、特に「前頭連合野」が、「理性」、「人間性」と大きく関わっています。



バンダイナムコゲームス公式サイトより
みんなで鍛える全脳トレーニング

 で、「側頭連合野」は記憶などを司る部分なワケですが、現在の学校教育は「詰め込み教育」などと揶揄されるように、試験対策として「記憶(丸暗記)」を重視する傾向にあるワケですよね?

 ジッサイの教育現場を知らないので「仮定」で話を進めますが、もしそうであれば、「側頭連合野」ばかりを鍛えているとも言え、人間を人間足らしめる「前頭連合野」の発育には貢献してない・・・つまり、「人間形成には貢献していない」とも言えます。

 あくまでも「仮定」で話を進めますが、したがって、「前頭連合野」の未発達な生徒がイジメ(狩り)という「動物的な行動」に走るのは、現在の学校教育によって必然的に生み出された結果とも言えます。

 ま、繰り返しますがこれは「仮定」の話であり、ひとつの可能性でしかありません。それに「脳の機能」を考えるならば、教育方法もアレですが「生活習慣」・・・例えば、食事によって「脳に補給される栄養のバランス」も重要な要因となるでしょうし、食品添加物などによるホルモンの異常も原因となり得ます。ひいてはそれが、イジメが蔓延する社会の原因となっているのかも知れませんし・・・。

 と、いうワケで、イジメの問題は社会的問題としてだけではなく、医学的見地からの視点も含めた、もっと広範囲の要因を検証し、問題を押さえ込むのではなく、問題の本質を見極める手法も必要なように思うワケです。

 もし外部的要因(環境要因など)によって、脳が「イジメ脳」に変質してしまっているのだとしたら、イジメている側すらも「被害者」と考えられるワケなのですから・・・。




人間ナメんなよ!


でわっ!