2013年1月13日日曜日

アラブとおしん

         
 以前にも書いたことですが、中東アラブ諸国ではあの、「おしん」が高視聴率番組だとかで、貧しかった過去を乗り越え発展した日本の姿と「おしん」の姿をダブらせている・・・と、ナンカの情報番組でレポートしてましたが、どうもね?

 サウジアラビヤやマレーシアにおける外国人家政婦と違い、少なくともおしんは同じ日本人であり、命の危険を感じたら、逃げ出すことも警察に駆け込むことも出来たワケですよ。つまり、「自由」が完全に束縛されていたワケではなく、「おしん」の立場と外国人家政婦の立場とでは、「天と地」ほども境遇に差があると言えます。

 サウジアラビヤやマレーシアでは、家政婦が虐待を受け命の危険を感じたとしても、パスポートは斡旋業者に押さえられてしまっているので、逃げ出すことも出来ずにいるワケです・・・。

 きっと、ご主人様の言うことに「はいはい」と素直に従う「おしん」が、


理想の奴隷


・・・に見えたのであり、それが高視聴率に繋がったのでしょうなw。

 つまり、「おしん」を奴隷物語として見ていた雇い主側と、晩年、平穏な暮らしを手に入れた「おしん」の姿に、現在の自分の境遇への慰めを見い出す家政婦側との相乗効果が高視聴率を生んだのではないか?・・・と、思えるワケです。

 したがって、「おしん」の姿に日本の発展を重ね合わせて云々・・・なんぞは、建前だけの「リップサービス」であり、それを真に受けている日本人て、「世間知らずなんじゃないの?」・・・と。 


虐待死など絶えぬトラブル マレーシアの外国人メイド待遇問題
2012.4.19 10:21 (1/4ページ)[アジア・オセアニア]

 雇用主とメイドとのトラブルは絶えず、ついには雇用主の虐待でメイドが命を落とす痛ましい事件も発生した。この虐待死事件を重くみたインドネシア政府は09年6月、抗議措置としてマレーシアへのメイド派遣を凍結し、現在に至っている。これ以降、カンボジア人メイドの数が急増し、およそ5万人に達したが、昨年10月にはカンボジア政府も同じ理由からメイドの派遣を停止した。

 インドネシアとカンボジアの2国にハブられているようじゃ、相当深刻な問題でしょw。それにしても、どうしてイスラム教圏の国でこうしたトラブルが多いのか?同じイスラム教圏でもそうした問題が聞かれない国もありますから、イスラム教が云々・・・とは短絡的には考えられませんが、イスラム教に対してイイ印象を与えないことは確かです。

 アラブというものに対して今まで何度か言及しましたが、アラブ=イスラム教であることを否定したのが、初代エジプト大統領である「ナセル」の提唱した「汎アラブ主義」であり、前回書いた「カダフィ」もそれに賛同し、イラクの「フセイン」、シリアの「アサド」も同じ立場を取るワケですが、ご存知のように、「イラク」、「リビア」は、外国軍の侵略によって、エジプトは「ナンチャって革命」によって政権が覆されてしまいました。



 現在、シリアは孤軍奮闘、踏ん張っているワケですが、こうして見ると「汎アラブ主義」を国是とする国がことごとく潰されており、「汎アラブ主義」を亡き者としたい勢力が働いているようにさえ見えます。

 ま、「汎アラブ主義」は、もともとオスマントルコ帝国の支配下にあったアラブの民に「独立」を吹き込み、オスマントルコ帝国の弱体化と、その利権を横取りしよう画策したイギリスのアイデアなんですけどね。

 それでも、若く純粋な「ナセル青年」はその思想に感銘を受け、その思想を実現しようと奮起したワケです。「汎アラブ主義」がイギリスによる方便であったとしても、「汎アラブ主義」が間違っているワケではありません。イギリスとしてはたんなる「理想論」に過ぎなかったのでしょうが、それに「魂」を入れるのはアラブ人自身です。

 日本でも、「日本国憲法」はアメリカに押し付けられたものだ・・・という論調の人が沢山いますが、アメリカ製だろうと日本製だろうと、問題とされるのはその「本質」なワケで、アメリカ製の車の方が性能、乗り心地がイイのに、日本人だから日本車に乗る!・・・というのは、理性よりも感情に基づく判断であり、そんな感情に基づいた判断でつくられた「憲法」が、万人に共通する「普遍的基準」になり得るとは、ワタシには到底思えません。

 乗りこなしてもいないうちから、「アメリカ製の車はダメだ!」・・・と言うのと一緒です。ワタシたちはあまりにも「日本国憲法」に対して「無知」すぎたのです。これから国民運動として、「日本国憲法」を学ぶ必要があるのです。決して難解な条文ではありません。中学生であれば十分理解できます。その意味でも、なぜ教育現場において「憲法学習」の時間が設けられなかったのか、今にして思えば不思議でなりません。

 話が逸れましだが、そういった次第で「ナセル青年」は「汎アラブ思想」&「アラブの独立」の実現に燃え、オスマントルコ帝国からの独立を成し遂げたワケです。

 で、「汎アラブ主義」を快く思わないのが「イスラム原理主義」であることは既に述べましたが、同時に、「アラブの独立」の影響による欧米の権益の低下も生じるワケで、であるからこそ「アラブの利権」を手にしたい欧米列強と、アルカイダなどの「イスラム過激派」が手を組むと言う構図も、そう不自然ではないワケです。

 一番の強敵であったオスマントルコ帝国を、「アラブの独立」という民衆運動によって衰退に導き、次に邪魔となるのは「独立心」に溢れるアラブの国々であり、そうした国を今度は「イスラム原理主義過激派」を利用して揺さぶり、政権を転覆させた後で、最後に、利用した「イスラム原理主義過激派」をテロリストとして排除してしまえば、オイシイとこだけ頂ける・・・と、いう寸法なのでしょうなw。


リビア:カダフィ大佐死亡現場で 大量処刑の新証拠


 ワタシはイスラム教について殆ど知らないのでアレですが、もし・・・もしですよ?イスラム教の経典に奴隷制度の肯定及び、奴隷差別や虐待を肯定する部分があるのだとしたら、イスラム教徒に対する接し方も考えなければならんでしょうなw。なんせ向こうは「同じ人間」を認めないワケですから。

 その見地から見れば、ワタシとしては「汎アラブ主義」の方が、「イスラム原理主義」より賛同できるワケです。まして、「イスラム原理主義」を利用している連中は、「論外」としか言えませんなw。




 
人間ナメんなよ!


でわっ!