2012年12月6日木曜日

勝ち馬に乗る前に・・・


 マスコミ各社が選挙報道をしていますが、そのなかでも「世論調査」というアレ、なんか?ビミョwwwですなw。

 て、いうか、「世論調査」というもの自体がどうなのか?・・・とも、思うワケです。はい。

 「また、変な事を言い出した」・・・と、思われるかも知れませんが、何のために「世論調査」を行うのかといえば、「多数派」と「少数派」を、具体的な「数字」で知らしめるためですよね?

 で、何故そのようなことをする必要があるのかといえば・・・


多数派の意見を尊重する


・・・という、民主主義の概念が前提としてあるからですが、でも、「数の論理」=「民主主義」じゃないと思うワケですよ。「数の論理」の行き着く先は、「全体主義」=「ファシズム」なんじゃないんですかね?

 当人は「民主主義」を実践しているつもりでも、「数の論理(エセ民主主義)」に流されているうちに、いつの間にか「全体主義」の社会が出来上がってしまった・・・なんてね。

 戦前、戦中の日本は、まさにそうだったんじゃないんですか?当時の知識人は、「本当は戦争に反対だった」などと戦後に回想していますが、彼らこそが「戦争礼賛」を新聞雑誌紙面で展開した張本人であり、戦争続行への「世論」・・・つまり、「数の論理」を形成した当事者だったワケですよね?

 ま、いまさら旧い話を持ち出してもアレなんで、話を現代の知識人・マスメディアに戻しますが、彼らは戦争当時の自分たちの行いを、本当に反省したんですかね?


「数の論理」≠「民主主義」


・・・であると。

 「民主主義」の骨頂が、「ひとりひとりの意見を尊重する」・・・という点にあるとするならば、「多数派」と「少数派」などという「数の論理」とは相容れないのは「自明の理」となり、代わりに、大勢の意見の集約においてその「基盤」となるのは、「万人が納得する理」であると思うワケです。

 然しながら、先の大戦においてもそうですが、ひとりひとりが心の中では、「戦争なんて、早く終わって欲しい」・・・と、思いながらも、表向きは「戦時体制」に協力的だったのは、


長いものには巻かれろ


・・・という、日本人特有?の精神構造があったからではないのか?

 さらに一歩踏み込んでこの、「長いものには巻かれろ」・・・という日本人特有?の概念を検証すれば、それは「勝ち馬に乗る」・・・という概念にも繋がり、精神分析の分野で言うところの


囚人のジレンマ


・・・に他なりません。

 本当はみんなが納得できる「理」がそこにあるのに、「勝ち馬」に乗ろうとする心理=自己保存の心理(エゴ)が、「理」よりも「数」を優先させてしまうのでしょう。

 そうした心理・・・「内面的な罠」を発動させる手法のひとつが「数の論理」であり、TPP推進派の論客がよく言う


バスに乗り遅れるな


・・・というのも、日本だけが取り残されるのではないか?という、「数の論理」の手法のひとつなワケです。

 人間は、本来弱い生き物であるが故に、「群れで生きる」という手段を選択しました。したがって「群れが大きい」ということは、それだけ心理的に安心感をもたらすワケです。

 しかし、「数」に対する「安心感」は本能的な生存欲求(大脳辺縁系)であることを、現代のワタシたちは自覚することができます。それが「理性(大脳新皮質)」というものです。



 「数」は絶対ではなく、「相対的」なパラメータであり、「群れ」を維持する上では様々な意見を議論し、譲れるものは譲ることで意見の調整が落ち着くワケですが、逆に、「絶対に譲れない意見」=「理に適った意見」も存在するワケで、その違いを知ることが、「現代人の嗜み」であろうかと?

 キツイ言い方になりますが、「数の論理」=「長いものには巻かれろ」=「勝ち馬に乗る」・・・という思考は、前時代的・・・というか、より本能(獣)に近い思考・精神状態にあり、そのような状態から脱却するためにも


人間は人間を知る必要がある
 

・・・というのがワタシの自論であり、知識・見識の量ではなく、先ず「人間の実態」をみんなが理解すれば、インテリ、エリートなどという「小賢しい連中」の仕掛けてくる罠に掛かることもなくなり、即ち、「両足で踏ん張って」大地に立っていられるというものです。

 で、話は「世論調査」に戻りますが、つまり「世論調査」とは、そうした人間の「内面的な罠」を発動させるための「トリガー(引き金)」になりうるワケで、それを見越して実施しているのであれば、これはもう


公職選挙法違反


・・・とも言えるものであり、立派な「プロパガンダ」であると言いたいワケです。飯山センセのブログ記事によると、


・自民が単独過半数の勢い、民主は半分以下 序盤情勢 (日経)

・自民、過半数超す勢い…衆院選情勢10万人調査 (読売)

・衆院選:自民単独過半数の勢い、民主は激減 (毎日)

・自民、単独過半数の勢い 衆院選序盤 (朝日)

・自民優位 民主は苦戦 衆院選序盤情勢 (東京)

・衆院選、自公3百議席うかがう 政権奪還も、民主激減 (共同)


・・・だそうですが、このような報道が「合法的」として公に行われるのであれば、ワタシたちが取るべき道は「自衛」しかありません。つまり、「理性に従い行動する」ということを心がけるのみです。はい。




人間ナメんなよ!


でわっ!



追記:
121206_梓澤和幸弁護士・田中隆弁護士 インタビュー「ネットの自由と公選法」