2013年5月7日火曜日

「クリーン」なこと言ってる割には、やることは「ダーティー」だな・・・。

    
 まず目に入ったのがこのニュースです。


カナダとの太陽光紛争、日本勝訴 WTOで確定
2013.5.7 01:30 [エネルギー] サンケイ

 【ジュネーブ=共同】カナダ・オンタリオ州が太陽光発電などで地元企業を優遇しているのは世界貿易機関(WTO)協定に違反するとして、日本と欧州連合(EU)が訴えていた通商紛争で、WTO紛争処理手続きの「最終審」に当たる上級委員会は6日、日本とEUの主張をほぼ支持する報告書を公表した。

 「1審」にあたる昨年12月の紛争処理小委員会(パネル)に続く日本の勝訴で、事実認定は確定する。

 日本は2010年9月、太陽光パネルなどの輸出で、日本企業が不利な扱いを受けているとしてWTOに提訴。その後、オンタリオ州は地元の部品などの使用率をさらに引き上げた。このため日本はWTOのパネル設置を要請し、EUも続いた。昨年12月には、パネルが日本、EUの主張をほぼ認める最終報告書を発表。カナダ側は上訴し、日本側も上訴していた。


 で、思ったのが、「再生可能エネルギー」だなんて「クリーン」なイメージを流布していても、実際やっていることは「商売」そのもの。太陽光という「タダ」のエネルギーでさえ、その利権を奪い合っているワケで、「環境保護」だとか「自然にやさしい」なんてゴタクを並べる前に、


人にやさしくなれば?


・・・と。


日本、カナダに勝訴確定=太陽光発電制度で差別-WTO上級委
時事ドットコム

 【ジュネーブ時事】カナダ・オンタリオ州での太陽光発電など電力買い取り制度の地元優遇策をめぐり、日本がカナダを訴えた通商紛争で、世界貿易機関(WTO)の最終審に当たる上級委員会は6日、日本勝訴の判断を下した。カナダに保護主義的な差別措置の是正を求める判定が確定した。

 オンタリオ州は2009年5月、太陽光や風力発電による電力固定価格買い取り制度を導入。太陽光パネルなどの設備が一定数量以上、オンタリオ州で生産されることを制度適用の条件としたため、日本企業が受注できない問題が起きた。

 日本政府はこの措置が国内品と輸入品の差別に当たる上、地元企業への事実上の補助金であり、WTO協定に違反すると判断。カナダ政府に10年9月、措置是正をめぐって協議要請したが決裂、11年6月に提訴した。欧州連合(EU)も同年8月、提訴に加わった。

 上級委は報告書で、国内品と輸入品の扱いの差別を協定違反と判断し、日本側の主張を認めた。一方で、補助金に該当するかどうかに関しては、十分な証拠で説明できていないとして退けた。
(2013/05/07-00:35)


 カナダも日本と同じく「電気の買取」をしてるんですね。ま、自国の太陽光発電の比率を高めるためには、「金で釣る」のがイチバン手っ取り早いのでしょうが、こればっかりは洋の東西を問いませんなw。

 「売電」については否定的なワタシとしては、みんなもっと頭使えば?・・・と。つい最近も北海道電力でしたか?が、「買電」の許容量・・・すなわち、送電線の容量がイッパイいっぱいで、


これ以上買い取れませwwwん!


・・・と、音を上げたのをご存知ハズ。つまり買い取り制度による、太陽光発電(自然エネルギー)の普及には限界があり、「売電」することができる人とできない人が発生し、不公平な電気料金体系になるワケですよ。そんな社会を自ら望んでいるワケですか?自分さえ「売電」してお金が入ればイイ・・・と。



増える太陽光、接続に限度-北海道電力エリアで拡大
2013/04/22 電力新聞

 北海道電力に売電を申し込んだ太陽光発電事業者(出力2000キロワット以上)が3月末で87件、出力156万8000キロワットに達した。だが、天候次第で発電能力が目まぐるしく変わる太陽光を限度を超えて導入すれば、道内で安定している電力供給に混乱をきたす可能性がある。同社は太陽光の受け入れが40万キロワット以上に達すると「(電力系統への)接続が困難になる場合がある」としている。(本紙2面より)



北海道のメガソーラーが限界に、緊急対策で大型の蓄電池を296億円の予算で配備

 土地が広くて安い北海道で大規模なメガソーラーの建設計画が相次ぎ、今後の送配電に支障をきたす可能性が浮上。経済産業省は緊急対策として、296億円の予算で大型の蓄電池を変電所に設置する一方、発電事業者には北海道以外の地域にメガソーラーを建設するように要請した。[石田雅也,スマートジャパン]

(後略)


 太陽光発電をしてオイシイ思いをしているのは、「大規模発電」をしている企業くらいでしょう。規模が大きくなれば「専用の送電線」も確保され、安定的な売電が可能ですが、一般家庭ではそうはいきません。共用の送電線に、みんながいっせいに電気を逆流させたらどうなるか?・・・なんて、簡単に想像がつきます。


カナダの再生可能エネルギー措置は違反とWTO上級委
2013年 05月 7日 03:52 JST ロイター

 [ブリュッセル/ジュネーブ 6日 ロイター] 再生可能エネルギー分野でカナダ・オンタリオ州が地元企業を優遇する措置を取っていることについて、世界貿易機関(WTO)の上級委員会は、同措置がWTO規則に違反するとの判断を示した。

 正式発表に先立ち、欧州連合(EU)が6日明らかにした。同問題をめぐっては、日本とEUがWTOに提訴している。

上級委では、地元優遇措置により外国企業が差別を受けているとの紛争処理小委員会(パネル)の判断を支持、同措置は規則違反とした。


 「売電」の件はアレにしても、国内企業と外国企業を差別して何が悪いの?・・・という話でもあるワケですよ。カナダが・・・オンタリオ州が、太陽光発電を普及させたいのは外国企業のためではなく、州民のための電気を確保したいからですよね?そして、同じく州民である州内の企業に任せたいと思うことが、そんなに悪いことなんですかね?いわば、


エネルギーの自給自足


・・・をしようとしているところに、外からチョッカイを出しているのと同じなワケでしょ?何で?そうした人たちの足を引っ張るかなwww?

 日本の正しいスタンスとしては、それを手助けしてあげる方向なんじゃないの?日本の方が技術的に優れているんだとしたら、技術指導なり、部品供給という協力の仕方があるんじゃなの?それを「裁判」に持ち込んで勝ったとしても、オンタリオ州の州民の心には、「日本に対するマイナスイメージ」しか残らないんじゃないの?

 過去の例を取り上げてもアレですが、日本企業は海外市場においてずっと「アウェー」で戦ってきたワケですよ。自由貿易論者のように、「関税障壁、非関税障壁を取り払え!」とは言わずに、「非関税障壁」に取り囲まれながらも、「非関税障壁」を理解し、受け入れ、その上で「製品力」を高めたからこそ、確固たる海外市場を獲得できたワケですよね?違います?

 そしてそれが日本製品に対する「信頼」の礎になったワケですが、いまさら方針を変えるワケですか?「裁判」という安直な方法で、無理やり市場をこじ開けるワケですか?何か・・・


日本人らしくないなwww。


 そりゃw理屈としては間違っていないのでしょうが、こっち側に理屈があるように、


向こう側にだって理屈はあります。


 そうした状況を慮るのが何と言うか、「日本人的感性」・・・というか、おそらく世界的にも通じる「人間の情」ってもんじゃないんですかね?

 一例を挙げれば、「アマゾン」は日本国内で何百億という売り上げを上げていますが、クレジット決済機能はアメリカ国内にあるため税金はアメリカに納め、日本にはまったく税金を納めていません。つまり日本経済には寄与していないワケです。

 これじゃ「アマゾン」を利用する度にアメリカ経済に貢献しているようなもので、それが悪いとは言いませんが、今の日本にそんな余裕があるとも思えず、ワタシとしては、


いかがなものか?


・・・というのが正直な感想です。

 「自然エネルギー」だとか「再生可能エネルギー」だとか、耳障りのいい「クリーン(グリーン?)」なイメージで売り込んでも、やっていることは所詮、「パイの奪い合いかよっ!orz」・・・というニュースでしたw。

 ちなみにサンケイのニュースは、「カナダとの太陽光紛争、日本勝訴」・・・と、誇らしげですが、この見出しの意味するところは、「TPP」のISD条項にて日本の産業が・・・いわんや日本の国内法、憲法すらも侵害されるという論調をかわす目的が垣間見えますなw。

 日本だってISD条項で利益が得られますよ・・・という印象操作の観があり、だいたいが、WTOとTPPの裁判体系は違うワケですよね?この記事を見て、「ISD条項、恐れるに足らず!」・・・とか思い込んじゃう人はよっぽどアレです。






人間ナメんなよ!


でわっ!