2013年5月24日金曜日

操作される世論

  
 橋下市長の発言にはふたつの問題点が含まれていることを、しつこく述べてきました。

 ひとつは「従軍慰安婦」の問題、もうひとつは「米軍兵士の性犯罪」の問題です。

 そしてこれも繰り返し述べてきましたが、「従軍慰安婦」の問題は「過去」の問題であり、日本が犯した過失に対しては、真摯に反省しなければならない。

 もう一方の「米軍兵士の性犯罪」に関しては「現在」の問題であり、この問題に関しては、日韓共同で取り組むことが可能である・・・と、言っているワケです。


橋下代表と元従軍慰安婦韓国人女性の面会中止に
(05/24 10:55)

日本維新の会の橋下代表が24日、元従軍慰安婦の韓国人女性に面会する予定でしたが急きょ、中止になりました。

 この韓国人女性2人をサポートしている日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークによりますと、2人は23日夜に大阪入りしましたが、これまでも毎日悩んで寝られなかったそうで、「会って何になる」などと話し、橋下代表との面会をやめることを23日夜になって決め、24日朝、大阪市役所に伝えたということです。2人は先週に来日してから、沖縄や広島で自身の体験を語る集会を開いてきました。


 ワタシには「売春」の是非・・・「従軍慰安婦」の是非を論じる資格はありません。


罪を犯したことの無い者だけが石を投げよ。


・・・という言葉が、ワタシの心に在るワケで、自分の愚かさを自覚しているが故に、特に過去の出来事に対して、現在の自分の視点、価値観から過去の善悪を裁くなど、畏れ多いことに思えるワケです。

 しかしながら「米軍兵の性犯罪」に関して言えば、現在進行中の問題であり、「日米地位協定」という不平等な条約が原因であり、「過去」とは違い、「現在」の自分たちの意思で解決可能な問題なワケですよ。


NYT(2009年)の米軍基地村売春婦レポートの日本語訳

Ex-Prostitutes Say South Korea and U.S. Enabled Sex Trade Near Bases(元売春婦 韓国とアメリカ政府が米軍基地周辺での性売買をお膳立てと証言)

韓国は、帝国日本軍の為に朝鮮人などの女性を奴隷として売春窟で働かせるという、戦争の歴史の中で最もオゾマシイ出来事の一つに関して日本政府が己の責任の範囲についてグズグズ言うのを何年も責め立ててきた。

今度は、韓国の過去の指導者らを元売春婦の一団が別の理由で告発した。すなわち、指導者たちが、彼女らに北朝鮮から韓国を守るアメリカ兵の為にセックスするよう奨励したのだ。彼女らはまた、過去のアメリカ軍と韓国政府が60年代から80年代にかけて、アメリカ兵を性病から守る為に、共同で売春婦らの性感染の有無を調べ治療を施すシステムを構築することによって、直接性売買に手を染めたことを糾弾している。

彼女たちは韓国政府やアメリカの高官によって騙されて売春婦にされたとは言っていないが、代々の韓国政府が日本に対し償いを要求しながら、自国の歴史について蔑ろにしてきた偽善を非難している。

「政府はアメリカ軍の一番の美人局だった」と、女性の一人、Kim Ae-ran(58才)は最近のインタビューに応えた。

韓国政府はアメリカ軍が朝鮮半島から出て行くことを恐れたこともあって、それを引き止める為に何でもするつもりだったと、この問題の専門家は言う。

しかし、女性達は同時に、韓国政府が彼女らを朝鮮戦争後数十年に渡り、低迷する経済を支える商品と見なしていたと言う。彼女らは、政府が彼女らに英語やエチケットを教える教室を援助しただけでなく(それによってより効率的に体を売れるわけだ)、当時韓国が熱望していた外貨を稼ぐことに対して、政府は役人を派遣して彼女らを賞賛させたと言う。

「彼らは私たちに、アメリカ兵相手に出来る限り稼ぐよう促したんだ。私たちのことを『ドルを稼ぐ愛国者と』と呼んでね」

学者達は、アメリカ軍は性感染症を恐れて基地周辺の通称キャンプ村の性売買を管理するようになったと言う。

いく人かの女性たちが口にした最もショッキングな非難の一つは、アメリカ軍の憲兵と韓国の役人が1960年代から1980年代にかけて、定期的に性病を媒介している女性たちを探してクラブを乗り込んで来ては、彼女達が売春宿から強制された番号札(これによって兵士たちは容易に自分のセックスパートナーを見分けることが出来る)を頼りに引っ立てて行ったということだ。

しかる後に韓国の警察は病気を疑われた売春婦を留置した。女性たちによると、通称「猿小屋」と呼ばれた窓に鉄格子の入った場所に閉じ込めて監視下に置いた。女性たちはそこで、病気が治癒するまで強制的に治療を施された。

謝罪と償いを求める女性たちは、幅広い同情を勝ちとった第二次世界大戦の際に日本によって売春を強制された、いわゆる「慰安婦」と呼ばれる人達に自分たちをなぞらえる。自分の意志であろうが、生きる為だろうが、騙されたのだろうが、自分たちはみな政府の政策の犠牲者だと女性たちは言う。

「政府がそのようなキャンプ村売春を支援することに積極的に関わったのかという事であれば、関与はあったのです。韓国政府もアメリカ軍も関与しているのです」と、1997年にこれらの女性の事を「Sex Among Allies」に書いたキャサリン・ムンは言う。

女性問題を担当する韓国の女性(家族)部は、元売春婦の批判にコメントすることを拒否している。「アメリカ軍は非合法な売春や人身売買を支持も容認もしていない」と曖昧な回答をよこした、在ソウルアメリカ軍司令部も同様だ。

ニューヨークタイムズは、アメリカ軍基地近くの売春宿で働いていた8人の女性にインタビューし、アメリカと韓国の文書を調べた。それらの資料は歴史の断片に過ぎないが、女性たちの主張の多くの部分にいくらかの裏づけを与えている。女性達は、その状況が数十年続いたと主張している。

ある意味、女性達の申し立ては驚くことではない。数十年に渡りアメリカ軍基地の周辺では、韓国では売春が非合法であるにも関わらず大目に見られていたのは周知の事実だったからだ。バーや売春宿は韓国のアメリカ軍基地の周辺道路に、それこそ世界中のアメリカ軍基地の周りがそうであるように、軒を並べていた。

しかし女性たちは、キャンプ村の売春に政府がどれほど深く関わっていたかについて、ほとんどの市民は知らないと言う。

女性たちは、2006年に、彼女らの申し立てに基づき、前政府の役人からいくらかの支援を受けた。アメリカ軍とのハイレベルな交渉に関わってきたKim Kee-joeは、テレビのインタビューに「我々は積極的に彼女らに売春するよう促したわけではないが、特に州(郡?)の役人は、国家にとって悪いことだとも言わなかった」と答えている。

国会の記録によると、少なくとも何人かの韓国のリーダー達は、売春を必要悪と見ていたようだ。1960年のあるやり取りの中では、二人の国会議員が政府に売春婦の補充を促している。その内の一人が、同盟国兵士の「自然の欲求」を満たしてドルを日本でなく韓国で使わせるよう促したのに対し、当時の内務副大臣(?)Lee Sung-wooは、政府が「売春婦の補充」とアメリカ兵の為の「レクリエーション・システム」に関して改善策を講じたと答弁している。

キム氏もムン女史も、性病のコントロールが米韓両政府の動機であったという元売春婦たちの言い分を支持している。彼らは、ニクソン大統領が1969年に在韓米軍の削減を言い出し、アメリカ軍の撤退について韓国人が心配し始めた頃から、政府の関与が顕著になったと言う。

「ゲスト達にキャンプ村で快適に過ごしてもらうことで、彼らが韓国から離れる気をなくさせようという構想でした」とキム氏は言う。

Wellesley 大学で教鞭をとるムン博士は、1970年代のアメリカ軍と韓国の役人の打ち合わせのメモが、両国が性病予防にどれだけ関わったかを示していると言う。メモ類には、性病に罹患した女性を隔離して治療を施すことを奨励する内容、売春婦を登録して医療証明証を携行させる為に韓国政府が払った努力、1976年に未登録やメディカル・チェックをサボった売春婦を米韓合同で取り締まった時の報告書が含まれている。

今日でもキャンプは存続しているが、韓国経済が上向くにつれ、フィリピン人女性が韓国人にとって代わりつつある。

多くの元売春婦は表社会から切り離され、キャンプ村に住むことによって疎外されている。殆どの女性は貧しく、その一部は海外に養子に出した混血の子供たちの思い出に心を悩ませている。

名字だけを条件に話してくれた71歳のJeonは、1956年当時彼女は18歳の戦争孤児で、空腹に駆られ北朝鮮との国境近くのキャンプ村Dongduchonにたどり着いた。1960年代に息子が生まれたが、子供の将来の為にはアメリカにやった方が良いと考え、13歳の時に養子に出した。

10年ほど前、今はアメリカ兵となった息子が訪ねて来たが、自分の事は忘れるよう伝えた。

「母親として失格だったもの」とJeonさんは言う。彼女は、生活保護とゴミから漁った小物を売ることで暮らしている。「私には、子供に頼る資格がないから」

「自分の人生を考えるにつけ、私のような女が韓米同盟の最大の犠牲者だと思う」と彼女は言う。「昔を振り返ると、私の体は私自身の物ではなく、政府やアメリカ軍の物だったような気がする」

ニューヨーク・タイムズ 2009.1.8


 日本だけでなく、韓国の女性も歴史の奔流に飲み込まれて、心ならずも「売春」という道に踏み込まざるを得なかった状況に、おなじく弱い立場にある人間として、心が痛むワケです。自分が女性であり、状況的に追い込まれたら、同じ道を選ぶ可能性は高いように思えます。


100万人の韓国女性を搾取した米軍の性


アメリカ軍の買春スキャンダル

・・・性売買に米軍が関わっていることについての最近の申し立ても、海外で任務につく米軍人たちへの公式非公式を含めた多くの申し立ての一部に過ぎない。Humantrafficking.orgの調査は、最近の60年間で、概算100万人の韓国人女性が売春婦として米軍兵士に利用されたことを明らかにした。

国際移住協会(International Organization of Migration)によれば、韓国では最大規模の(米軍?)基地の内12が、売春宿やバーで溢れる「キャンプ村(基地村)」の近くに存在する。性的人身売買と戦おうとしている者には、驚くべき数字である。現在韓国には3万人の米軍兵士が駐留している。

売春宿の女性たちの多くは、経済的状況あるいは人身売買のいずれかを通じ、そのような生活を強制されている。人権団体、寛容と平等の啓発運動(Tolerance Equality Awareness Movement)の2010年のレポートは、5000人の女性がロシアや東欧、フィリピンから--地元の女性たちが売春という物について知りすぎるほど知る--韓国の米軍基地周辺の売春宿に人身売買されたことを明らかにした。

2002年、アメリカの連邦議員たちは、米軍基地周辺の大量の売春宿の存在を明らかにしたFOXニュースのレポートを見て憤り、ラムズフェルド国防長官に手紙を送り、基地周辺の売春婦がアメリカ兵との性的関係を強制されているという申し立てについて調査を始めるよう要求した。アメリカ軍の行動規範によれば、売買春に関わる事は違法である。

この申し立ての後のタイム誌の記事によれば、国防総省は調査が行われたどうかについて明らかにしていない。

議員たちの行動は、アメリカが人身売買--特に売春目的のもの--を防止する為の人身売買と暴力犠牲者救済法(Victims of Trafficking and Violence Protection Act)を制定した2年後のことであった。アメリカ兵が強制売春の輪の末端であったという情報は、この法律を蔑ろにするものであった。なぜなら、この法律は、性的人身売買を「募集、匿い、移送、提供、売春業を目的として人を確保すること」と定義しているからである。(つづく)

CIA Prostitution Scandal Highlights Wider Military Culture
MINTPRESS NEWS 2012.4.26


 「従軍慰安婦」の問題ばかりを取り上げるマスコミの偏向報道があまりに酷く、勿論、「過去」は「過去」として真摯に受け止める必要がありますが、みんなが一斉に「右向け右!」で、同じ方向を向いてしまうのは


いかがなものか?


・・・と、なるのが「正常な理性」だとワタシは思うワケですよ。

 橋下市長も、デーブ・スペクター氏に「釘を刺された」からなのか?「米軍兵の性犯罪」には切り込まずに、「従軍慰安婦」の論争ばかりをマスコミ相手に繰り返し、ワタシから見れば、


日和ったな・・・。


・・・と。


2007年 08月 06日
朝鮮戦争時の韓国軍にも慰安婦制度 韓国の研究者発表


朝日新聞 2002年2月24日


列車の中での米軍兵士の韓国人への陵辱事件
1947年1月11日「東亜日報」


米軍兵3人が未成年(19歳)の女性を輪姦事件
1954年11月11日「東亜日報」


米軍相手の慰安婦だった2人の女性が、
自らの身を悲観して自殺した記事
1957年7月21日「東亜日報」


米軍の黒人兵による慰安婦殺害(疑惑)
1957年5月1日「東亜日報」


国連軍を相手にする慰安婦の登録を「ソウル市役所」が実施
1961年9月14日「東亜日報」


 こういう事実から目を背けて、「従軍慰安婦」が発生する背景、そして現在も続いている「性の搾取」、「性犯罪」を、根本的に解決する方向に議論が進まなくては、「従軍慰安婦」の問題は、いつまで経っても政治的に利用されるだけにすぎないと思うワケです。

 したがって、「日和った」橋下市長からはこの問題は切り離し、日韓の市民の共通問題として取り組まなければならない局面に来ている・・・と、言えるワケです。






人間ナメんなよ!


でわっ!