ボーイング787のバッテリー発火事故ですが、バッテリー供給メーカー、「GSユアサ・バッテリー」の製品に不備があったのではないかという憶測が一時期流れ、ワタシとしても気になっていたのですが、VORのニュースによると、「機体の配線設計」による不具合の可能性も高いようです。
ボーイング 「ドリームライナー」の電池問題の解決策見つける 21.02.2013, 11:28 米ボーイングは、ボーイング787型機「ドリームライナー」の運行停止を受け、膨大な損害が生じる恐れに直面しているが、トラブルの原因となったリチウムイオン電池に関する問題の解決策を見つけた。西側のマスコミが、情報筋の話を引用して伝えた。 Kansas City Starによると、解決策には、電池のセル間の隙間を広くすることが含まれているという。情報筋は、「電池のセル間の隙間が広げられる。隙間が十分でなかったために発火したと思われる」と語った。 The Wall Street Journalは、「ドリームライナー」の発火事故を調査している日本の運輸安全委員会が20日、配線設計が「通常とは異なる」ため、調査を拡大することを明らかにしたと伝えた。The Wall Street Journalによると、運輸安全委員会の後藤委員長は、「ドリームライナー」では通常の飛行機の配線とは異なり、発火した電池の配線と他の部分の配線がつながっていたと伝えたという。 インターファクス |
車、バイクが好きな人にとって、「ユアサ・バッテリー」は良く知られたブランドであり、ファッション業界における「グッチ」にも例えられます(あくまでも例えです)。
かくいうワタシも日本にいたときはバイクを乗り回していたので、「ユアサ・バッテリー」の名前をボーイング787の発火事故のニュースで聞いた際には、ジェット機にもバッテリーを供給しているのかと驚いたと同時に、昔の知り合いが過ちを犯したかのような、チョット切ない気持ちになりました。
ま、出火事故の原因だと限定されたワケでなく、原因のひとつとして考えられるという内容だったので、何かの間違いであって欲しいという思いもあり、また、それが事実であれば、「誠意ある対応」を示して欲しいと思っていたのですが、どうやら取り越し苦労になりそうです。
B787ショック、冷や水浴びるGSユアサ
東洋経済オンライン
ただし不安なのは、日本の運輸安全委員会の調査に基づく報告が認められるかどうか?です。Kansas City Star紙の報道によれば、「電池のセル間の隙間を広くする」・・・ということが、解決策に含まれるそうですが、このことは「バッテリーの設計変更」を意味するもので、「ユアサ・バッテリー」側にも「非」があるということになります。
ボーイング:787バッテリー設計変更、米当局に提示へ-関係者 Bloomberg.co.jp (前略) ボーイングは3月中に787の運航を再開することを目標に掲げているが、米ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス は21日、787を6月5日までのフライトスケジュールから外すと発表。運航再開にはより長い時間を要するとみていることを示唆した。ユナイテッドは米航空会社で唯一787を運航していた。 ボーイングの21日株価終値は前日比1.6%高の76.01ドル。日航機のバッテリー発火トラブルが起きた1月7日の前営業日からの下げ幅は2.2%に縮小した。787のバッテリーを製造したGSユアサ の21日終値は8%高の352円と、11年11月以来の大幅高となった。 運航停止命令の解除はボーイングだけでなく、既に49機が納入されている航空会社にとっても重要だ。ボーイングは受注残が800機余りの787の納入再開を望んでおり、航空各社も787の運航が再開すれば通常のフライトスケジュールに戻すことができる。 関係者によると、ボーイングは787に搭載されている2つのバッテリーの各8個のセルをより耐火性の高いボックスに収納することを提案する。同社のエンジニアは、トラブルの際にバッテリーから出た煙や臭気を機外に排出するシステムも装備したい考えだ。 原題:Boeing Said to Plan New 787 Battery So Jet Can Fly inWeeks (4)(抜粋) |
素人考えで恐縮ですが、セルの隙間が変わるとバッテリーの性能も変わるんじゃないんですかね?そうなると、引き続きボーイング社(タレス社)向けにユアサがバッテリーを供給可能なのか?・・・という疑問も生じるワケです。
ところでバッテリーは、「次世代技術」として重要な位置にあります。「電気は溜めることが出来ない」・・・という現状に、現代社会は縛られいると言えますし、それ故に、大手電力会社の電力市場独占に屈服させられているとも言えます。
電気は溜めることが出来ないので、発電所は常に最大消費電気量を見越して発電所を稼動させなければならず、それが理由のひとつとなって「原子力発電」が正当化されて来た側面もあります。
しかも「原子力発電所」は、発電出力の調整が「火力発電所」に比べて困難であり、したがって常に余分な電気を発電し続け、余分な電気に使い道が「揚水発電所」への電力供給であったり、テレビ局の「無駄な深夜番組」であったり、「24時間営業の商店」であったり、「オール電化住宅・マンション」であったりするワケです。よね?滝川クリステルさん?
で、もし電気を溜めることが出来たら?・・・となると、余分な発電所は必要なくなるワケです。また、自然エネルギー利用による自家発電にも弾みがつくワケです。
不安定な発電設備であっても、電気を溜めておくことが可能になれば、条件のイイときに発電した余剰電気のストックでトータルの発電量の管理が可能になり、自然エネルギーの利用による「停電知らず」の生活が満喫できます。
「計画停電」などという、電力会社からの一方的な支配から逃れるためにも、「次世代バッテリー」の開発は怠れません。が、その開発メーカーがなくなってしまったら?
今回のボーイング787の出火事故の風評被害?により、「ユアサ・バッテリー」が経営危機に陥らないことを祈りますし、「次世代バッテリー」の開発に支障が出ないことを願う次第です。はい。
人間ナメんなよ!
でわっ!