2013年2月20日水曜日

過去と未来

 
 その昔、ベトナムとカンボジアの国境を決める目安となったのは、「お墓」の形であったそうです。それだけ昔の人にとって「宗教」は絶対的な意味を持っていたとうことの表れですが、今朝ネットのニュースを見て、そんな話を思い出しました。


卑弥呼の墓か 研究者が箸墓古墳調査へ
2月14日 4時20分

邪馬台国の女王、卑弥呼の墓という説もある奈良県桜井市の箸墓古墳について、管理している宮内庁が初めて研究者の立ち入りを認め、今月20日に調査が行われることになりました。

箸墓古墳は、全長およそ280メートルの最も古い時期の大型の前方後円墳で、3世紀中ごろに亡くなったとされる邪馬台国の女王、卑弥呼の墓という説もあります。

陵墓に指定されているため立ち入ることができず、これまでは周辺の調査などをもとに研究が進められてきましたが、宮内庁が研究者の団体からの要望を受け、今回初めて調査を認めることになりました。

調査は今月20日に行われ、研究者が古墳に立ち入って形などを確認することになっていますが、発掘や土器などの採取はできないということです。

また、奈良県天理市にある大型の前方後円墳「西殿塚古墳」でも同じ日に調査が行われます。
古墳時代に詳しい大阪府立近つ飛鳥博物館の白石太一郎館長は「研究者として陵墓は公開されるべきだと考えている。2つの古墳は古い時代の前方後円墳で、まだ墳丘の形態なども分かっていない。複数の研究者が見ることで、新たな知見が得られるものと期待している」と話しています。


 ワタシの個人的な考えとしては「九州王朝説」を支持しているので、「箸墓古墳」が卑弥呼の墓所だとは思えません。だとしたら、誰の墓所なのか?・・・と訊かれても、不勉強ゆえに答えられませんが、「前方後円墳」=「方墳」「円墳」という形からして、卑弥呼の時代よりずっと後の時代のものと考えられます。

 「円墳」が朝鮮半島の「新羅」の遺跡群に多く見られることは、以前の動画・・・「蘇我氏はローマ人だった?」・・・でも報告されていましたが、ローマ人が「円墳」を墓所としたかは不明です。ローマ・・・というか、地中海沿岸は「石」の文化圏であり、墓所も当然「石」で造られています。



蘇我氏はローマ人だった?


古代ローマ時代の墓の並ぶ道 2


 どちらかといえば「円墳」は、遊牧民族であったスキタイの墓所「クルガン」を連想させます。



スキタイ人 - 謎に包まれた古代民族


 「円墳」は「土饅頭」とも呼ばれ、日本においても広く行き渡った埋葬方法でしたが、一方では「方墳」・・・すなわち「四角形」に土、もしくは石を積み上げる墓所も見られます。

山代二子塚方墳

 で、調べてみると、数は少ないのですが「円墳」、「方墳」以外にも、さまざまな形の古墳(墓所)がりります。


主な古墳の形


 「円墳」と「方墳」分布ですが、大雑把に言って「関西」に「円墳」が多く、「関東」に「方墳」が多いと言えます。このことからも、日本の文化のルーツは少なくとも2系統に分けられると推測されます。

 ちなみに、「円墳」の原型?が「スキタイ」に遡るとしたら、「方墳」のソレは「バビロニア」に遡るのかも知れません。


ジッグラト


 話にまとまりがつかなくなりそうなのでこの辺で止めておきますが、要は、ワタシたちはワタシたちのルーツに関して、


あまりに無関心


・・・であると、言いたいワケです。アジアだけでなく、もっと広い範囲で日本人の祖先たちのダイナミックな生き方を知れば、朝鮮半島、中国大陸に対しての偏見的なものの見方が、いかに馬鹿げたことであるか自ずと気付くことでしょう。




韓国を竹島から叩き出せ!


 いや、正直これを見たアジア諸国や、欧米各国がどう受け取るのか、みなさんも察しがつくはずです。決して「好意的」には見ないであろうし、日本が「軍国化」しているという印象を与えるだけです。

 すなわち、安倍不正内閣による「憲法改正」との相乗効果により、日本は国際的に孤立する方向に向かっているんじゃないか?・・・とすら思えるワケです。


それでもイイんですかね?


 日本の国際的孤立は、ビジネス面でも必ず悪影響を及ぼすでしょうし、そんななかでの「アベノミクス」、「TPP」だのに、どれだけの「経済浮揚効果」があるのか、ワタシには全く見当がつきません。

 「竹島」の件にしても「尖閣」の件にしても、もともとはどこの国の領土でもなかったワケですが、それをどこの時点からか、お互いに領土だと主張しあっているワケですから、これは「歴史問題」の一種になるワケですよ。

 したがって「歴史の徹底的な検証」が求められるワケであり、感情的な自己主張を繰り返すだけでなく、冷静に歴史向き合う姿勢こそが日本人が示す理性であり、正義と公正を世界に示し、日本に対する諸外国の信頼を損なわないために必要なんじゃないんですかね?

 人は「意味」無くして前に進むのは難しい・・・というのがワタシの自論ですが、誰であれ無意識、意識的を問わず、「何らかの意味」を持ちながら生きているワケです。

 個人の場合は「家族」であったり、「名声」であったり、「血筋」であったりしますが、それが「国」となると、「過去の歴史」というものが重要な比重を占めるようになり、このことを利用したのが、「明治維新」以降の「皇国史観」になるワケです。

 そして日本国民に「間違った意味づけ」=「歴史捏造」を植え付け、日本全体を戦争へと向かわせた事実を否定することは出来ません。

 つまり、過去の間違った意味づけを未来に投影した結果が、あの戦争の顛末だったワケですから、過去の意味づけ・・・すなわち「正しい歴史認識」を持つことは、過ちを繰り返さない為の最善の道だとワタシは確信します。

 ま、・・・などと、今朝の箸墓古墳調査のニュースを読んで思った次第です。はい。




人間ナメんなよ!


でわっ!