2012年2月11日土曜日

泥沼です。


 昨年の「東日本大地震」にて被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、災害にてお亡くなりになられた方々のご冥福を、心からお祈り申し上げます。



 現在までのシリアの状況を見るに、アサド大統領とロシアのラブロフ外相との会談後も戦闘が収まる気配は無く、逆に、「反乱軍」側の抵抗が激化していますが、中国と「反乱軍」との会談が不調に終わったのか、もしくはCNNで報じているように、「反乱軍」側の統制が取れていない状況が伺えます。

 つまり、政府側が「一時停戦」を望んでも、誰と?どのグループと?停戦協定を結んだらいいのか見えない可能性があります。


<転載>

シリアの反政府武装勢力で主導権争い表面化、新組織結成も
2012.02.10 Fri posted at: 10:06 JST

トルコ・イスタンブール(CNN) 反政府デモの武力弾圧が続くシリア情勢で、反体制派の武装組織の間で主導権争いが表面化してきた。

マハル・ナイミ少佐と名乗る人物は9日までにCNNとの電話会見で、シリア軍の離脱兵士を束ねる「高等軍事評議会」が新たに結成されたと主張。国内で戦う国民の代表組織とし、同評議会の指導者は軍を離反したムスタファ・シェイク将軍と明らかにした。

しかし、離反兵士で組織する「自由シリア軍」リアド・アサド大佐はCNNの電話取材に応じ、ナイミ少佐の主張を即座に否定。「彼は革命や自由シリア軍を代表していない。誰の代表でもない」と切り捨てた。アサド大佐は昨年、対トルコ国境近くにある難民キャンプで自由シリア軍の結成を宣言、自ら指導者の地位にあると説明してきた。

トルコの外交官によると、シェイク将軍は1カ月以上前にアサド大佐が拠点を置く難民キャンプを訪れ、同大佐に対する指揮権を求めたという。

自由シリア軍などの将官が軍を離反した兵士や他の反政府武装組織をどの程度掌握しているかについては明確ではない。ただ、反体制派に転じたシリア陸軍のバシム・ハレド少尉はCNNに対し中部ホムス市で政府軍と戦う組織は「ファルーク大隊」とし、高等軍事評議会や自由シリア軍の傘下にない独立勢力と説明した。この組織の代表者と主張する同少尉はイスタンブールで活動している。

シリアでの反政府活動の主導権をめぐっては離反将官らだけでなく国外に逃れた民間人の間でも対立が顕在化している。反政府勢力と接触を保つ欧米の外交官はシリア国内の粛清で犠牲者が増え続ける緊迫した情勢にあるなか、反体制派が一本化していないことへのいら立ちも示した。

</転載>


 こうなるともう泥沼ですな。単なる「権力闘争」の様相を呈してきましたし、下手すると、「シリア政府軍」すらクーデターを起こす可能性が出てきます。エジプト革命のように・・・。

 エジプト革命で最終的に主権を握ったのは「民主化運動」を始めた民衆ではなく、アメリカがオブザーバーに控えたエジプト軍であるこは厳然とした事実です。

 そして今も、主権は軍に握られたままなのですから、エジプトは実質上、「軍政下」にあるワケです。「民主化運動」のなれの果てが「軍政」とは、「革命」が聞いて呆れますなあ・・・。

 当然、純粋に「民主化」を求めた人たちは、現状に納得せずデモを繰り広げているワケですが、あれだけエジプトの「民主化」を煽った西側諸国が、現在の「軍政」に対しては全くスルーしていのはどういうワケ?


<転載>

エジプト 一斉ゼネスト呼びかけ
2月11日 6時39分

エジプトではムバラク政権が崩壊してからちょうど1年となる11日、若者たちが国を暫定的に統治している軍に対して、直ちに権限を手放すよう要求して全国一斉のゼネストを呼びかけ、軍への圧力を強めています。

エジプトでは、独裁的なムバラク政権の崩壊から11日でちょうど1年となりますが、若者たちは国を暫定的に統治する軍に対し、直ちに権限を手放すよう求めて抗議行動を続けています。

首都カイロでは、10日、反政府デモが始まった中心部の広場で若者たちが集会を開きましたが、祝賀ムードはなく、国防省に向かったデモ隊が、これを阻もうとする軍の兵士たちとにらみ合うなど緊張した状態となっています。

さらに、若者たちで作る政治グループは、11日、全国の労働者にゼネストを呼びかけており、地下鉄やバス、それに空港といった交通機関の労働者の一部が参加を表明していることから、市民生活に影響が出ることも懸念されています。

軍の最高評議会は、大統領選挙の立候補者の受付を1か月ほど前倒して、民政への移行に前向きな姿勢を示そうとしていますが、デモ隊は軍の統治の下では公正な大統領選挙や憲法改正ができないとして、軍に対する圧力をかけ続ける構えで、混乱が収束する見通しは立っていません。

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革命の、その先を見ろ!


・・・と、提言?してきたワケですが、結果として、見事に欧米諸国にしてヤラレタということです。


【藤井厳喜】エジプト革命、アメリカの陰謀はあったのか?[H23/2/19]




 さて、現実問題として、全く統制の取れていない「反乱軍」・・・というか、もはや「軍」とも呼べないような気がしますが、そういった連中にどう対処するか?言葉はキツイですが、ゴキブリのようにワラワラ湧いて来るテロリスト?に対しては、根気強く駆除しなければならないという事でしょう。

 で、ゴキブリ駆除は軍に任せるとして、アサド政権が正当性を世界に誇示したいのであれば、ホムスとかの戦闘の激しい地域の住民を保護する、「一時避難所」を提供するのが先決でしょう。

 アサド大統領は軍部との意志の疎通を欠かさず、政府軍との交戦を辞さない連中と一般の住民とを、できるだけ速やかに分離することが急務です。これ以上犠牲者を増やさないために。

 住民に避難を呼びかければ、どれだけの住民が「反乱軍」とやらを支持しているかが一目瞭然となるでしょうし、もし「反乱軍」が住民の避難を妨害するようであれば、それこそ「反乱軍」の正体が知れるというものです。

 「避難所」には海外からの支援団体・・・「国境無き医師団」などを招き入れ、完全な中立状態を確保した上で避難民からの聞き取り調査を実施し、現在シリア国内で起きていることの事実究明をする。・・・というのが、現在の最善の対応策に思えます。

 国内紛争にしても国際紛争にしても、国連や当事国以外が関与する限りにおいては「公正」な判断が必要とされえます。力の強い国の前に、力の弱い国が泣き寝入りするような解決は、


必ず後世に禍根を残します。


 今後も、必ず世界のどこかで紛争は発生するでしょう。親しい友人同士でさえ時にはケンカをするのですから、まして国家間となれば、それが当たり前とも言えます。

 が、その際に、周囲が「公正」な判断を以って紛争の仲裁に臨まない限り、不公平を被った側はいつまでもそれを根に持つでしょうし、紛争の仲裁者自身も、自らが紛争の渦中に立たされたときに異議を唱える正当性を失います。

 「公正」な判断をするためには、紛争当事者双方の主張の聞き取りと、第三者機関の調査がどうしても必要なのですが、アメリカなどがそれを拒むということ自体が、


理性を欠いている


としか思えませんなあ。


人間ナメんなよ!


でわっ!