2012年2月16日木曜日

メタンハイドレートねえ・・・。


 昨年の「東日本大地震」にて被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、災害にてお亡くなりになられた方々のご冥福を、心からお祈り申し上げます。



 前回、「天然ガスから石油製品製造に成功」という記事をご紹介しましたが、大阪ガスも同様の技術をとっくに(2005年2月)開発していたみたいですねmmm。


<転載>

【材料】メタン原料の生分解性プラスチックを生産する技術を開発=大阪ガス

 大阪ガスは18日、天然ガスやバイオガスの主成分であるメタンを原料にしたリサイクル可能な生分解性プラスチック(ポリヒドロキシブチレート、PHB)を連続生産する技術を世界で初めて開発した、と発表した。特定の微生物がメタンに反応してPHBを作り出す仕組みを活用、安定生産できる最適条件を発見した。

 国内のプラスチック生産量は年間約1500万トンだが、99%以上が石油系。生分解性プラスチックの生産量は1万トン強。このうち、PHBは従来の製法では分子結合の度合いを表す重合度が低くてもろいため、市場には出回っていなかった。

 大ガスは、重合度の高いPHBを蓄積する微生物を特定するとともに、この微生物の増殖と微生物がPHBを細胞内に蓄積するプロセスを一つの容器で同時に行う培養条件を発見した。耐久性と耐熱性に優れ、コストを抑えながら安定生産できるという。

 微生物から抽出した粉体のPHBを加工することで、ごみ袋や容器などを生産できる。製品は分別せずに食べ残しの生ごみと一緒に回収しても、プラントでバイオガスに戻し、再度PHBにリサイクルできる。

 大ガスはメーカーなどを募って生産・供給体制を確立し、2、3年後には製品化を目指す。将来的には30万トンを生産、1000億円市場に育てたい考え。大ガスは「外食産業やごみ処理場向けリサイクルシステムの構築も目指したい」(平野茂樹エネルギー技術研究所長)としている。

引用元:京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005021800167&genre=B1&area=O10

大阪ガスプレスリリース
http://www.osakagas.co.jp/Press/pr05/050218.htm

</転載>


 で、タイミング良く?メタンハイドレート掘削のニュースが・・・。


<転載>

海底掘削、1日遅れで開始 メタンハイドレート

愛知県渥美半島沖で、メタンハイドレートの海底掘削を始めた地球深部探査船「ちきゅう」=15日午後、共同通信社ヘリから

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構は15日、愛知県渥美半島沖で、次世代エネルギー資源と期待される「メタンハイドレート」の海洋産出試験に向けた海底掘削を始めた。

 掘削作業は当初14日朝に始める予定だったが、悪天候や試験に使う機器の動作確認などに時間がかかり開始が1日遅れた。世界初となる来年初めの海洋産出試験や2018年度の商業化に向けて、多難を予兆させる船出となった。

 掘削場所は渥美半島沖の東部南海トラフ海域にある。海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」が、船中央部のやぐらから先端にドリルをつけたパイプを下ろし、掘削に最適な地点を探った。

2012/02/15 21:28 共同通信

</転載>


 これも何かの縁?と、少しばかりメタンハイドレートについて調べてみたら、ちょうどイイ具合に、現在の取り組みを紹介する動画がありました。


メタンハイドレート開発促進事業 (1/2)



>先ずはこのメタンハイドレートの日本分布図が間違えている。

日本海側にも広く分布しており、ましてや地表上にある。

>そして経済産業省が主導しているというのがまた、胡散臭い。

>原発事故での対応でも明らかになったが省庁絡みは利権の

巣窟で眉唾ものだ。話半分で聞き流した方がいい。


>>日本海側の方が豊富且つ純度の高い物が埋蔵されてるのを政府は公­表しない罠。

>>外交摩擦と既得権の複雑な構図がバランスが崩れる事を懸念してる­のだろう!


メタンハイドレート開発促進事業 (2/2)



>>>オイ!

>>>減圧技術の成功から4年も経っているけど

>>>その後はどうなったんだよ?(笑)

>>>日本海側での開発の方が実用化に向けて早いだろうがっ!

>>>韓国はすでに竹島周辺海域で開発研究を進めていて2016年

>>>には実用化すると息巻いているぞ!!

>>>本当に経済産業省とかの省庁が絡むとロクなことはない。

>>>官僚組織は日本をダメにしている元凶だ!!!


 とまあ、辛口?のコメントが寄せられていますが、2004年には東部南海トラフ地域の試験掘削が済み、2008年にはカナダでの減圧方法によるメタンガスの取り出しに成功していますから、今回掘削は試掘などではなく、商業化に向けた本格始動なのでしょう。

 地表部分にもメタンハイドレートが分布しているそうですが、地盤沈下とか、ガス漏れの危険性を考慮すると、やはり海底のメタンハイドレートを取り出す方が無難なのでしょう。

 南海トラフと聞くとスグに地震を連想しますが、トラフそのものは地震の際の乱泥流の結果に生じたものなので、南海トラフからガスを抜いたからといって直接プレートに影響を及ぼす・・・つまり、地震の原因になるとは、ワタシには思えないのですが、まあ、地質学や地震学が専門のセンセイ方に、よくよくご検討いただきたいと思います。


日本列島の誕生 2/3




 で、石油の代替資源・・・産業用基礎製品の原料として天然ガスを使用する道が開けるのは、それはそれで歓迎すべきことなのですが、エネルギーとしての利用価値にのめり込むのは、


チョット違うんじゃないの?


と、思うワケです。はい。

 昨年の原発事故で思い知らされたように、エネルギーの独占はロクなもんじゃありません。メタンハイドレート事業が例え「国営事業」であったとしても、経産省や取り巻きの企業がエネルギー利権の独占を図るようでは、結局、東電に振り回されている今の状況と何ら変わりません。

 何度も言っているように、根本的な解決はエネルギーの多様化であり、そこには勿論、発電・送電の自由化が含まれます。一企業や国家による独占・占有を排し、エネルギーの選択肢を増やすのが「健全な市場」であることは、原発事故以降の東電の対応から、みなさんが身に染みて感じているハズです。

 日立もねえ、原発事業よりメタンガス発電事業に力を入れた方がイイんじゃないですかね?せっかくイイ技術持っているのにもったいないですよ。何も海底掘らなくても、メタンガスなんて生活廃棄物からいくらでも発生するワケで、小規模自家発電にはうってつけなワケでしょ?

 ワタシ思うに、石油に代わる産業の基材としてのメタンハイドレート事業には、国を挙げての推進も必要だと思いますが、エネルギーとしては、


メタンハイドレートに拘る必要は無い!


 多種多様なエネルギー形態、地域に適したエネルギー形態、産業に適したエネルギー形態が、エネルギーのリスク管理の上でも優れています。逆にエネルギーの一元化は効率上(コスト)のメリットはありますが、その恩恵を先ず受けるのは企業であり、大企業優遇のエネルギー政策となるのは目に見えています。

 従来型の大企業が牽引する経済政策、大企業に依存する経済成長を発想転換し、多種多様なエネルギー政策の実施による、利益分散型の経済成長へと舵を切らなければ、都市と地方の格差はいつまでも縮まらないし、人が集中することによる都市の脆弱性が、ますます露呈するだけでしょう。


<転載>

2011.11.24
実用化すれば原発6基分! 浸透圧発電の可能性

浸透圧発電の仕組み。淡水、海水を汲み上げ、半透膜で仕切ったタンクに入れる。この際に生じる浸透圧によって、淡水側から塩水側へと水流が発生し、この力を利用して発電する。

 原発事故以来、太陽光発電や風力発電など、様々な自然エネルギーが再注目される中、新たな発電方式に大きな期待がかかっている。東京工業大学の谷岡明彦教授が手がける「浸透圧発電」だ。谷岡氏が語る。

「国内の河川の流水量から試算した結果、実用化すれば最大で500万~600万kWの電力がまかなえます。これは原発約6基分。しかも太陽光や風力のように天候に左右されず、安定して電力を供給でき、発電コストは1kW/hで14円程度。太陽光より安価で、風力並みです」

 浸透圧発電は、海水と淡水をそれぞれポンプで汲み上げ、半透膜(淡水は通すが海水は通さない膜)で仕切ったタンクへ送水。半透膜を通じて、淡水が海水側へ浸透する働きを活用した。海水の塩分濃度が上がれば、浸透の勢いが増すため、この水流によってタービンを回転させ、発電する仕組みだ。

 日本では80年代にも同様の実験が行なわれた。しかし、近海の海水の塩分濃度が低く、発電に必要な浸透圧が得にくいことがネックとなり、実用化には至らなかった。

 そこで谷岡氏が目をつけたのは、水不足解消のために実用化されていた海水淡水化設備だ。

 海水を淡水化する際、通常の海水に比べ2倍も高濃度の塩水が大量に排出される。このまま海へ放出すれば、生態系に影響が出るため、この濃縮海水は淡水と混ぜて排出されている。谷岡氏は海から汲み上げた海水を、同様の設備を利用して発電に必要な濃度まで濃縮したのだ。

 現在では30気圧の圧力を得られることが実証できている。「これは高低差300mの水流を活用する水力発電所と同等のパワー。それが平坦な河口付近で実現できるのです。濃縮海水は淡水と混ぜて排出されますので、生態系に悪影響を及ぼすこともありません

 また、現在は濃縮海水を利用しなければならないが、浸透圧を高めるための膜の開発も進んでおり、濃度を高めなくても発電に必要な水量を得ることも可能になりそうだという。この膜が完成すれば発電コストのさらなる削減にもつながる。「日本の膜の製造技術は世界トップクラスなので、そう遠くないうちに実現すると見ています」

 このプロジェクトは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する事業にも選ばれ、バックアップ態勢も整った。中国、シンガポール、アメリカ、EUも研究を始めており、国際的な開発競争も激化しつつあるが、谷岡氏は世界に先駆けて、3年後の実用化を目指している。

「以前は実現不可能だと思っていましたが、技術的な課題はクリアしつつあるので、実用化へのスピードも上げていきたい」

 と、谷岡氏は自信を覗かせた。

●ダイムの読み
浸透圧発電は、海と河川さえあれば比較的容易にエネルギーを創り出すことができる。海に囲まれ、河川も多い日本国土はこのシステムを使うのに最適な環境だ。原子力や火力などに比べ、発電所における事故リスクも低く、地域住民の建設に対する反発も少なそうだ。次世代エネルギーとして期待したい。

取材・文/中沢雄二

</転載>

 メタンハイドレート事業だけでなく、可能性のあるエネルギーであれば何であれ、「貴重な税金」を使って欲しいものですなあ。


人間ナメんなよ!


でわっ!