2011年11月19日土曜日

ひと味違う。


 このたびの「東日本大地震」にて被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、災害にてお亡くなりになられた方々のご冥福を、心からお祈り申し上げます。



 過去何度かブータンについて言及しましたが、ジッサイのところわずかな知識のみで、あまりにワタシの中で理想化され過ぎて、自分でもそんな「ユートピア」のような国、


ホントにあんのかいな?


という思いもあったのですが、先日NHKスペシャルのブータン特集を視て、


こういう国もあるんだねえmmm!


と、「我が意を得たり」の心境でした。

 で、来日されたブータン国王の国会演説が大変すばらしく感銘を受けたので、僭越ながらここに転載させていただきました。


<転載>

ブータン国王のスピーチが日本に投げかけたもの
2011年11月18日13時30分

<抜粋>

ブータン国王 演説(全文)

 天皇皇后両陛下、日本国民と皆さまに深い敬意を表しますとともにこのたび日本国国会で演説する機会を賜りましたことを謹んでお受けします。衆議院議長閣下、参議院議長閣下、内閣総理大臣閣下、国会議員の皆様、ご列席の皆様。世界史においてかくも傑出し、重要性を持つ機関である日本国国会のなかで、私は偉大なる叡智、経験および功績を持つ皆様の前に、ひとりの若者として立っております。皆様のお役に立てるようなことを私の口から多くを申しあげられるとは思いません。それどころか、この歴史的瞬間から多くを得ようとしているのは私のほうです。このことに対し、感謝いたします。

 妻ヅェチェンと私は、結婚のわずか1ヶ月後に日本にお招きいただき、ご厚情を賜りましたことに心から感謝申しあげます。ありがとうございます。これは両国間の長年の友情を支える皆さまの、寛大な精神の表れであり、特別のおもてなしであると認識しております。

 ご列席の皆様、演説を進める前に先代の国王ジグミ・シンゲ・ワンチュク陛下およびブータン政府およびブータン国民からの皆様への祈りと祝福の言葉をお伝えしなければなりません。ブータン国民は常に日本に強い愛着の心を持ち、何十年ものあいだ偉大な日本の成功を心情的に分かちあってまいりました。3月の壊滅的な地震と津波のあと、ブータンの至るところで大勢のブータン人が寺院や僧院を訪れ、日本国民になぐさめと支えを与えようと、供養のための灯明を捧げつつ、ささやかながらも心のこもった勤めを行うのを目にし、私は深く心を動かされました。

 私自身は押し寄せる津波のニュースをなすすべもなく見つめていたことをおぼえております。そのときからずっと、私は愛する人々を失くした家族の痛みと苦しみ、生活基盤を失った人々、人生が完全に変わってしまった若者たち、そして大災害から復興しなければならない日本国民に対する私の深い同情を、直接お伝えできる日を待ち望んでまいりました。いかなる国の国民も決してこのような苦難を経験すべきではありません。しかし仮にこのような不幸からより強く、より大きく立ち上がれる国があるとすれば、それは日本と日本国民であります。私はそう確信しています。

 皆様が生活を再建し復興に向け歩まれるなかで、我々ブータン人は皆様とともにあります。我々の物質的支援はつましいものですが、我々の友情、連帯、思いやりは心からの真実味のあるものです。ご列席の皆様、我々ブータンに暮らす者は常に日本国民を親愛なる兄弟・姉妹であると考えてまいりました。両国民を結びつけるものは家族、誠実さ。そして名誉を守り個人の希望よりも地域社会や国家の望みを優先し、また自己よりも公益を高く位置づける強い気持ちなどであります。2011年は両国の国交樹立25周年にあたる特別な年であります。しかしブータン国民は常に、公式な関係を超えた特別な愛着を日本に対し抱いてまいりました。私は若き父とその世代の者が何十年も前から、日本がアジアを近代化に導くのを誇らしく見ていたのを知っています。すなわち日本は当時開発途上地域であったアジアに自信と進むべき道の自覚をもたらし、以降日本のあとについて世界経済の最先端に躍り出た数々の国々に希望を与えてきました。日本は過去にも、そして現代もリーダーであり続けます。

 このグローバル化した世界において、日本は技術と確信の力、勤勉さと責任、強固な伝統的価値における模範であり、これまで以上にリーダーにふさわしいのです。世界は常に日本のことを大変な名誉と誇り、そして規律を重んじる国民、歴史に裏打ちされた誇り高き伝統を持つ国民、不屈の精神、断固たる決意、そして秀でることへ願望を持って何事にも取り組む国民。知行合一、兄弟愛や友人との揺るぎない強さと気丈さを併せ持つ国民であると認識してまいりました。これは神話ではなく現実であると謹んで申しあげたいと思います。それは近年の不幸な経済不況や、3月の自然災害への皆様の対応にも示されています。

 皆様、日本および日本国民は素晴らしい資質を示されました。他の国であれば国家を打ち砕き、無秩序、大混乱、そして悲嘆をもたらしたであろう事態に、日本国民の皆様は最悪の状況下でさえ静かな尊厳、自信、規律、心の強さを持って対処されました。文化、伝統および価値にしっかりと根付いたこのような卓越した資質の組み合わせは、我々の現代の世界で見出すことはほぼ不可能です。すべての国がそうありたいと切望しますが、これは日本人特有の特性であり、不可分の要素です。このような価値観や資質が、昨日生まれたものではなく、何世紀もの歴史から生まれてきたものなのです。それは数年数十年で失われることはありません。そうした力を備えた日本には、非常に素晴らしい未来が待っていることでしょう。この力を通じて日本はあらゆる逆境から繰り返し立ち直り、世界で最も成功した国のひとつとして地位を築いてきました。さらに注目に値すべきは、日本がためらうことなく世界中の人々と自国の成功を常に分かち合ってきたということです。

「ブータンには寺院、僧院、城砦が点在し何世代ものブータン人の精神性を反映しています」 ご列席の皆様。私はすべてのブータン人に代わり、心からいまお話をしています。私は専門家でも学者でもなく日本に深い親愛の情を抱くごく普通の人間に過ぎません。その私が申しあげたいのは、世界は日本から大きな恩恵を受けるであろうということです。卓越性や技術革新がなんたるかを体現する日本。偉大な決断と業績を成し遂げつつも、静かな尊厳と謙虚さとを兼ね備えた日本国民。他の国々の模範となるこの国から、世界は大きな恩恵を受けるでしょう。日本がアジアと世界を導き、また世界情勢における日本の存在が、日本国民の偉大な業績と歴史を反映するにつけ、ブータンは皆様を応援し支持してまいります。ブータンは国連安全保障理事会の議席拡大の必要性だけでなく、日本がそのなかで主導的な役割を果たさなければならないと確認しております。日本はブータンの全面的な約束と支持を得ております。

 ご列席の皆様、ブータンは人口約70万人の小さなヒマラヤの国です。国の魅力的な外形的特徴と、豊かで人の心をとらえて離さない歴史が、ブータン人の人格や性質を形作っています。ブータンは美しい国であり、面積が小さいながらも国土全体に拡がるさまざまな異なる地形に数々の寺院、僧院、城砦が点在し何世代ものブータン人の精神性を反映しています。手付かずの自然が残されており、我々の文化と伝統は今も強靭に活気を保っています。ブータン人は何世紀も続けてきたように人々のあいだに深い調和の精神を持ち、質素で謙虚な生活を続けています。

 今日のめまぐるしく変化する世界において、国民が何よりも調和を重んじる社会、若者が優れた才能、勇気や品位を持ち先祖の価値観によって導かれる社会。そうした思いやりのある社会で生きている我々のあり方を、私は最も誇りに思います。我が国は有能な若きブータン人の手のなかに委ねられています。我々は歴史ある価値観を持つ若々しい現代的な国民です。小さな美しい国ではありますが、強い国でもあります。それゆえブータンの成長と開発における日本の役割は大変特別なものです。我々が独自の願望を満たすべく努力するなかで、日本からは貴重な援助や支援だけでなく力強い励ましをいただいてきました。ブータン国民の寛大さ、両国民のあいだを結ぶより次元の高い大きな自然の絆。言葉には言い表せない非常に深い精神的な絆によってブータンは常に日本の友人であり続けます。日本はかねてよりブータンの最も重大な開発パートナーのひとつです。それゆえに日本政府、およびブータンで暮らし、我々とともに働いてきてくれた日本人の方々の、ブータン国民のゆるぎない支援と善意に対し、感謝の意を伝えることができて大変嬉しく思います。私はここに、両国民のあいだの絆をより強め深めるために不断の努力を行うことを誓います。

 改めてここで、ブータン国民からの祈りと祝福をお伝えします。ご列席の皆様。簡単ではありますが、(英語ではなく)ゾンカ語、国の言葉でお話したいと思います。

「(ゾンカ語での祈りが捧げられる)」

 ご列席の皆様。いま私は祈りを捧げました。小さな祈りですけれど、日本そして日本国民が常に平和と安定、調和を経験しそしてこれからも繁栄を享受されますようにという祈りです。ありがとうございました。

</抜粋>

</転載>


 むむむっ!30才そこそこにして、


ここまで人間ができているとわmmm!


自分の30才の頃を思い出すに・・・


穴があったら入りたいっ!


ですわ。ついでにどこかの生臭坊主にも、ワンチュク国王の爪の垢を煎じて飲ませたいですな。

 今回の東日本大震災にも言及されていますが、もしワタシたちが「先人の教訓」を謙虚に受け止めていたら、被害も最小限に抑えられたかも知れません。


"TSUNAMI" 失敗は伝わらない




 今更ナニ言ってんのお?・・・と、思われるかも知れませんが、今更もこれからも一緒です。要は、


失敗に学ぶ気があるのか?


に尽きるのです。そして学ばない限り、


同じ失敗を何度でも繰り返す


だけなのです。進歩しないというコトです。失敗に学び「知行合一」をなしてこそ、ワンチュク・ブータン国王の過分の賛辞にも応えられるというものです。


日本人が気がつかないTPPの罠




 最近見たTV番組で、「さかのぼり日本史(NHK Eテレ)」が江戸時代の「宝永地震」を取り上げていたのですが、やはり地震と津波の影響で、耕作地が大打撃を受け生産量が激減してしまったと。

 で、それまで右上がりだった経済ですが、当時の農民はどう考えたかというと、無計画な新田開発が被害を大きくした面もある。・・・と。そして防災も考慮に入れた生産活動にシフトしたと。

 つまり、災害発生時に被害を広めそうな無闇な新田開発は止め、耕作地を制限しつつ効率的な生産活動に切り替えたワケです。これは自然界と人間界の間に「バッファ」を置き、自然災害がダイレクトに人里に及ばないようにする先人の知恵であり、おそらく日本中に見られる「里山」とは、伊達酔狂で創られた領域では無いというコトです。

 ワタシの地元、多摩地区にも里山が点在しますが、里山にはたいてい「神社」が祀られています。それは、自然界と人間界の間で「結界」を張り、災害が人間界(人里)に及びませんようにという先人たちの思いなのです。

 もうひとつ、同番組では先人が子孫に向けて書き残した「農業心得」も紹介されましたが、先人たちの子孫に対する「愛」に満ち溢れています。翻って今の時代を生きるワタシたちは次の世代、そのまた次の世代に対する愛を持っているのでしょうか?


今さえよければイイ


といった、軽薄な自己実現とやらに酔っていないでしょうか?先人たちに顔向けできる努力をしているのでしょうか?

 ・・・とと、ジジイの癖で説教臭くなるのでこの話は、ま、この辺にしといて、それよりもアレですな、ワンチュク国王夫妻が京都をご訪問されるそうですが、一目見たさに人が集まりすぎてパニックにならないか、今から心配ですなあ。それではいつもの・・・

 
民主主義ナメんなよ!


でわっ!